JPH0131985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は注湯済鋳型の冷却ライン装置に関す
る。近年、生型用の循環鋳型造型ラインにおいて
は、鋳造品の材質安定化をはかるため、注湯後、
鋳造品と砂の分離を遅くして出来るだけ長い時
間、鋳造品を砂型内で保持、冷却する方法がとら
れるようになつている。特に、ダクタイル鋳鉄に
おいては、焼鈍工程を省略し自己焼鈍させるため
に、ますますこの砂鋳型内での保持、冷却時間を
長くとるようになつた。しかし、鋳型内で長い時
間冷却しようとすれば、多数個の鋳枠が必要とな
り、また鋳枠の温度も高くなつて鋳枠の伸びが大
きくなり、枠合せ時における枠合せ不良、の問題
が発生する。また鋳枠は造型時の圧力に耐えるよ
う強固な構造が要求されるため、高価なものとな
る。そのために、鋳枠はできるだけ少なくする必
要があるが、鋳枠を少なくするために、注湯後、
すぐに鋳枠内より鋳型を抜き、鋳型のみで長時
間、保持、冷却する方法が用いられているが、冷
却途中で鋳型が割れ、砂が飛散し鋳型内の鋳造品
が外気にさらされて部分的に急冷され材質がばら
つくなどの問題が生じた。

本発明はこれらの問題点を解決するために成さ
れたものであつて、１次冷却後、抜上げた注湯済
鋳型に安価な被せ枠を被せ、鋳型が大きく割れて
砂が飛散しないようにした注湯済鋳型の冷却ライ
ン装置を提供することを目的とするものである。

以下に、本発明の構成を実施例に基づき説明す
る。１は造型ライン２と、注湯ライン３と、造型
ライン２と注湯ライン３との間に下向きに傾斜し
て設けられた傾斜移し替えライン４と、前記注湯
ライン３に鋳枠移し替えライン５を介して連接し
た１次冷却プールライン６と、この１次冷却プー
ルライン６終端と造型ライン２始端との間に設け
られた鋳枠移し替えライン７と、から成る循環鋳
型造型ラインで、前記造型ライン２の中間位置に
は、交互鋳型造型機８が設置してあると共に、交
互鋳型造型機８の枠進行方向前方には、下枠反転
装置９と枠合せ装置１０が順に設置してある。１
１と１２は鋳枠移し替え装置で、傾斜移し替えラ
イン４と鋳枠移し替えライン５にそれぞれ往復移
動可能に設けられている。１３は第１次冷却プー
ルライン６と鋳枠移し替えライン７の交差位置に
設置された枠送り込み装置で、第１次冷却プール
ライン６上を送られてきた注湯済の上・下鋳枠１
４を鋳型抜上げステーシヨン１５位置に送り込む
ように設けられている。

また、前記鋳枠移し替えライン７の中間位置に
は、枠内面清掃装置１６が設置してあると共に、
該鋳枠移し替えライン７と造型ライン２の交差位
置には、枠分離装置１７が配置してある。１８は
鋳型抜上げステーシヨン１５位置における鋳枠移
し替えライン７上方に該鋳枠移し替えライン７と
交差して敷設された中抜状のローラコンベヤから
成る被せ枠搬送ラインで、該被せ枠搬送ライン１
８上には、上・下鋳枠１４から押出された鋳型を
収納するための被せ枠１９が移動自在に載置して
ある。該被せ枠搬送ライン１８の両端位置には、
被せ枠移し替えリフタ２０，２０ａが設置してあ
つて、該被せ枠搬送ライン１８は被せ枠移し替え
リフタ２０，２０ａを介して被せ枠移し替えライ
ン２１，２１ａに直交状に連接してあると共に、
該被せ枠移し替えライン２１，２１ａは、戻しラ
イン２２と、送りライン２３と、被せ枠移し替え
ライン２４，２５と、から成る第２次冷却プール
ライン２６の該戻しライン２２にそれぞれ連接し
てある。２７は被せ枠移し替えライン２１ａの途
中に設置された型ばらし兼被せ枠内面清掃装置
で、被せ枠１９に収納された鋳型を型ばらしした
あと、被せ枠１９の内面を清掃できるようになつ
ている。また、２次冷却プールライン２６上に
は、多数の定盤台車２６ａが移動自在に載置して
あると共に、該２次冷却プールライン２６の被せ
枠移し替えライン２４，２５上には、被せ枠移し
替え装置２８，２９が往復移動自在に設けてあ
る。３０は前記型ばらし兼被せ枠内面清掃装置２
７の下方に敷設された砂と鋳造品を分離して搬送
するための振動コンベヤで、２次冷却プールライ
ン２６下方を横断して外方に延設されている。ま
た、前記枠送り込み装置１３は、第２図に示す如
く、基礎フレーム３１上面に立設した門型フレー
ム３２と、該門型フレーム３２の上部接ぎフレー
ム３２ａに車輪３３を介して走行移動自在に設け
られた走行台車３４と、ピストンロツド３５ａ先
端が走行台車３４に連結され門型フレーム３２上
面に支持された走行シリンダ３５と、走行台車３
４の下面に下向きに懸吊支持されてピストンロツ
ド３６ａ先端に前記上・下鋳枠１４の一端を支持
可能なローラ３７を回転可能に軸支した持上げシ
リンダ３６と、から成つている。３８は持上げシ
リンダ３６の反対側に設けられた鋳枠リフトシリ
ンダで、そのピストンロツド３８ａ先端には、支
持部材３９を介してローラ４０が回転可能に軸支
してあり、鋳枠リフトシリンダ３８の伸長作動に
より、上・下鋳枠１４の他端を持上げ支持できる
ようになつている。４１は基礎フレーム３１に上
向きに取付けられた定盤リフトシリンダで、その
ピストンロツド４１ａ先端には、上面にローラコ
ンベヤ４２を備えた支持フレーム４３が固着連結
してあつて、該ローラコンベヤ４２の上昇端にお
けるローラ上面は第１次冷却プールライン６の搬
送面と同一面になるように設定してあり、該ロー
ラコンベヤ４２上には、定盤台車４４が移動自在
に置かれている。また、前記鋳型抜上げステーシ
ヨン１５位置には、鋳型抜上げシリンダ４５が上
向きに取付けてあつて、そのピストンロツド４５
ａ先端には、鋳枠移し替えライン７のローラコン
ベヤ（図示せず）間を通つて上・下鋳枠１４内を
貫通可能な鋳型押出し板４６が固着連結してあつ
て、上・下鋳枠１４内の注湯済鋳型を上方に押出
し、被せ枠１９内に収納できるようになつてい
る。４７は鋳型押出し板４６の対向上方に固設さ
れた案内枠で、上・下鋳枠１４から押出された注
湯済鋳型を被せ枠１９に案内するように設けられ
ている。また、前記枠内面清掃装置１６は、基礎
フレーム３１上面に立設した門型フレーム４８
と、門型フレーム４８上面に下向きに取付けられ
た清掃シリンダ４９と、そのピストンロツド４９
ａ下端にフレーム５０を介して取付けられ上・下
鋳枠１４内に嵌通可能な清掃ブラシ５１と、から
成つている。更に、枠分離装置１７は基礎フレー
ム３１上面に立設した門型フレーム５２と、門型
フレーム５２の上面に上向きに取付けられた枠分
離シリンダ５３と、そのピストンロツド５３ａ先
端に固着連結した接ぎフレーム５４と、接ぎフレ
ーム５４の端部に上端が固着連結され案内筒５５
を摺動自在に貫通して下方に突出した下端に回動
可能なフツク５６を水平状に突設したガイドピン
５７と、図示されないシリンダにより開閉可能に
設けられ閉じた状態において造型ライン２の搬送
面と同一高さになるように設定された開閉ローラ
５８と、から構成され、鋳枠移し替えライン７上
を送られてきた上・下鋳枠１４はそれぞれ分離さ
れて造型ライン２に搬送されるようになつてい
る。尚、５９は枠送り込み装置１３と、造型ライ
ン２における下枠反転装置９と枠合せ装置１０の
間の中間位置に連接された定盤返しラインで、枠
送り込み装置１３で外された定盤台車４４は定盤
返しライン５９を介して造型ライン２に戻される
ようになつている。また、６０，６１，６２は鋳
枠のプツシヤシリンダ、６３，６４，６５，６
６，６７は被せ枠１９のプツシヤシリンダ、６８
は定盤台車４４のプツシヤシリンダである。ま
た、被せ枠搬送ライン１８と被せ枠移し替えライ
ン２１上には、被せ枠１９内の注湯済鋳型が落ち
ないように板材が張つてある。

次に、このように構成されたものの作動につい
て説明する。交互鋳型造型機８で交互に造型され
た鋳型を保持した上鋳枠と下鋳枠は、造型ライン
２上をプツシヤシリンダ６０により、団子状に端
面を互いに連接した状態で枠合せ装置１０に送ら
れる。途中、下鋳枠は下枠反転装置９で反転され
ると共に、定盤セツト位置で定盤台車４４がセツ
トされ、枠合せ装置１０により上鋳枠と枠合せさ
れる。次いで、枠合せされた上・下鋳枠１４は傾
斜移し替えライン４上を傾斜下降しながら鋳枠移
し替え装置１１により注湯ライン３に搬送され、
注湯後、鋳枠移し替え装置１２により鋳枠移し替
えライン５上を第１次冷却プールライン６の延長
線上位置まで搬送されると共に、プツシヤシリン
ダ６２により、第１次冷却プールライン６上を冷
却されながら前進移動され枠送り込み装置１３に
送られる。すると、持上げシリンダ３６と鋳型シ
リンダ３８が作動し、上・下鋳枠１４は、第２図
に示す如く、両端部をローラ３７，４０で支持さ
れて定盤台車４４上面から若干持上げられると共
に、走行シリンダ３５の縮引作動により、一端を
ローラ３７で支持されながら鋳枠移し替えライン
７上を鋳型抜上げステーシヨン１５位置に送り込
まれる。一方、残された定盤台車４４は、定盤リ
フトシリンダ４１の縮引作動により、ローラコン
ベヤ４２のローラ上面が定盤返しライン５９の搬
送面と同一高さになるまで下降すると、プツシヤ
シリンダ６８が作動し、定盤返しライン５９を介
して造型ライン２に返送される。また、鋳型抜上
げステーシヨン１５位置に送り込まれた上・下鋳
枠１４内の注湯済鋳型は、鋳型抜上げシリンダ４
５の押出し作動により、上・下鋳枠１４上方に押
出され、上端をストツパ部材４７ａによつて上方
への浮上りを阻止された被せ枠１９に案内枠４７
を介して収納される。なお、上・下鋳枠１４の上
方への浮上りは案内枠４７の下端面によつて阻止
される。次いで、プツシヤシリンダ６３の押出し
作動により、注湯済鋳型を収納した被せ枠１９は
被せ枠搬送ライン１８の板材上面に沿つて被せ枠
移し替えリフタ２０位置に送られると共に、被せ
枠移し替えリフタ２０により、２次冷却プールラ
イン２６の搬送面と同一高さまで下降したあと、
プツシヤシリンダ６４の押出し作動により、被せ
枠移し替えライン２１の板材上面に沿つて２次冷
却プールライン２６の定盤台車２６ａ上面に搬送
される。定盤台車２６ａ上面に注湯済鋳型を収納
した被せ枠１９が載置されると、プツシヤシリン
ダ６６の押出し作動により、被せ枠１９は２次冷
却プールライン２６の戻しライン２２上を定盤台
車２６ａに載置されて被せ枠移し替えライン２４
に送られると共に、被せ枠移し替え装置２８によ
つて、送りライン２３の終端位置まで搬送され
る。引続き、プツシヤシリンダ６５の押出し作動
により、注湯済鋳型を収納した被せ枠１９は定盤
台車２６ａに載置されて送りライン２３上を被せ
枠移し替えライン２５に送られると共に、被せ枠
移し替え装置２９により、被せ枠移し替えライン
２５上を戻しライン２２の延長線上位置まで搬送
される。次いで、プツシヤシリンダ６６の押出し
作動により、被せ枠１９は定盤台車２６ａ上面に
載置されて戻しライン２２上を被せ枠移し替えラ
イン２１ａの延長線上位置まで搬送されると共
に、プツシヤシリンダ６７の押出し作動により、
定盤台車２６ａから型ばらし兼被せ枠内面清掃装
置２７に搬入される。すると、被せ枠１９内の注
湯済鋳型は定盤台車２６ａが外されたため被せ枠
移し替えライン２１ａ下方の振動コンベヤ３０上
に落下すると共に、振動コンベヤ３０上を振動作
動されながら鋳造品と砂に分離されて外方に取出
される。また、空の被せ枠１９は内面が清掃され
たあと、被せ枠移し替えライン２１ａ上を被せ枠
移し替えリフタ２０ａ位置まで搬送されると共
に、被せ枠移し替えリフタ２０ａにより、被せ枠
搬送ライン１８の搬送面高さまで持上げられる。
続いて、空の被せ枠１９は、プツシヤシリンダ６
３の押出し作動により、再び鋳型抜上げステーシ
ヨン１５に搬入され、前記操作が繰返される。一
方、鋳型抜上げステーシヨン１５で内部鋳型が押
出されて空となつた上・下鋳枠１４は枠内面清掃
装置１６に搬送されると共に、清掃シリンダ４９
の押出し作動により、清掃ブラシ５１が上・下鋳
枠１４内に嵌挿されて上・下鋳枠１４は清掃され
る。清掃後、上・下鋳枠１４は鋳枠移し替えライ
ン７上を枠分離装置１７に送られ、枠分離シリン
ダ５３の縮引作動により、ガイドピン５７が上鋳
枠と下鋳枠の中間位置まで下降すると、フツク５
６は回動し上鋳枠フランジ部に係合すると共に、
枠分離シリンダ５３の逆作動により、上鋳枠はフ
ツク５６に支持されて造型ライン２の搬送面と同
一高さまで持上げられる。引続いて、図示されな
いシリンダの作動により、開閉ローラ５８が閉じ
られると共に、フツク５６と上鋳枠フランジ部の
係合が解除され、かつ枠分離シリンダ５３の縮引
作動により、ガイドピン５７が下降すると、上鋳
枠は開閉ローラ５８に乗せ替えられ、プツシヤシ
リンダ６０の押出し作動により、造型ライン２に
送られる。また、ガイドピン５７が引続き下降し
最下端に達すると、フツク５６は回動し下鋳枠フ
ランジ部に係合すると共に、枠分離シリンダ５３
の逆作動により、下鋳枠は前記と同様に造型ライ
ン２の搬送面高さまで持上げられる。続いて、図
示されないシリンダの作動により、開閉ローラ５
８が閉じられると共に、枠分離シリンダ５３の縮
引作動により、ガイドピン５７が下降すると、下
鋳枠は開閉ローラ５８に乗せ替えられ、プツシヤ
シリンダ６０の押出し作動により、造型ライン２
に送られる。その後、交互鋳型造型機８に送られ
た上鋳枠と下鋳枠は、再び造型操作が行われ、以
後、前記操作が繰返される。

以上の説明によつて明らかなように本発明によ
れば、注湯済鋳型は、造型用の鋳枠と共に移送さ
れて１次冷却された後、造型用の鋳枠から押し出
され被せ枠に収納されて２次冷却ラインへ送り出
されるようになるから被せ枠は、単に鋳型が大き
く割れて飛散しない程度の強度にしておけばよ
く、造型用の鋳枠のような強度の高い枠の使用個
数を大巾に少なくすることができるようになり、
鋳造ラインにおける鋳枠の配備費用の低減に役立
ち、この種業界に寄与する効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面図、第２図
は第１図におけるＡ−Ａ矢視図である。 ６：１次冷却プールライン、１９：被せ枠、２
６：２次冷却プールライン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 注湯済の上・下鋳枠１４を移送する１次冷却
   プールライン６の終端部に、造型ライン２の始端
   部に連接する鋳枠移し替えライン７を設け、該鋳
   枠移し替えライン７の下方に、該ライン７の下方
   から該ライン７の空間部を通つて前記上・下鋳枠
   １４内を貫通可能にした鋳型押出し板１４を昇降
   可能に設けると共に、該鋳型押出し板１４の上方
   には、該鋳型押出し板１４によつて前記上・下鋳
   枠１４内から押出された注湯済鋳型を収納する被
   せ枠１９の搬送ライン１８，２１，２１ａを該鋳
   枠移し替えライン７に交差して設け、該搬送ライ
   ン１８，２１，２１ａの終端部に２次冷却プール
   ライン２６の始端部を連接し、該２次冷却プール
   ライン２６の終端部を前記被せ枠１９の搬送ライ
   ン１８，２１，２１ａの始端部に連接したことを
   特徴とする注湯済鋳型の冷却ライン装置。