JPH01317374A - 冷凍魚肉すり身添加用品質改良剤及びそれを用いた冷凍魚肉すり身の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はカマボコ等の水産ねり製品の原料として有用な
冷凍魚肉すり身の品質改良剤及びそれを用いた冷凍魚肉
すり身の製造法に関するものである。

（従来の技術及び発明が解決しようとする課題）カマボ
コ等の水産ねり製品の品質評価項目の中でも、掻めて重
要視されている項目は白皮と弾力（あし）である。その
白皮及び弾力の優れた水産ねり製品を製造する上で最も
それら品質評価項目に影響を与えるのは冷凍魚肉すり身
の品質であり、その品質に最も影響を与えるのは魚の鮮
度である。

現在、水産ねり製品の殆どは冷凍魚肉すり身から製造さ
れており、その冷凍魚肉すり身の殆どはスケトウダラを
原料にして製造されているが、その業界は分業化が進ん
でおり、冷凍魚肉すり身の製造業者とそれを使用して水
産ねり製品を製造する製造業者に分かれている。両業者
間で流通しているのは大部分がスケトウダラの冷凍魚肉
すり身である。

そのスケトウダラは、最近の漁場の遠隔地化、自国漁獲
量の減少や海外からの買い付けに伴う水揚げから加工ま
での時間の遅延、更には魚資源の減少等によって、鮮度
の高い良質な魚肉を安定的に入手することが困難になり
つつある。つまり、魚肉を入手する度ごとにその鮮度の
バラツキが大きくなったこと及び漁獲量が減少したため
に、品質の良い冷凍魚肉すり身の製造が困難になったと
いう状況にある。

またスケトウダラは漁獲時期が比較的短期に限られてお
り、一方では水産ねり製品の生産は年間を通じて行われ
ているために、スケトウダラの冷凍魚肉すり身は長い場
合には１年近くの長期に亘り凍結保存されているがその
保存中に魚肉蛋白質の冷凍変性が起こるという事情もあ
る。

これらの背景からもたらされたのは、水産ねり製品の白
皮の低下と弾力の低下であり、これらの課題を解決する
べく、幾つかの手段が提案されており、白皮の改善につ
いては有力な発明が数多く紹介されている。それらの多
くは、白皮を改善すると共に弾力の低下を防止又は弾力
を増強すると紹介されている。白皮とともに弾力を改善
する方法として提案されているのは、常法により得られ
た脱水肉に糖及び／又は糖アルコールと共にグリセリン
モノ脂肪酸エステル等の界面活性剤を使用する方法など
である。一方、弾力のみを改善する方法も多く提案され
ており、それには例えば、同様に肉１００部に対して０
．５〜５重量部のプラズマ蛋白質や卵白を加える方法な
どがある。

しかし、白皮の向上とともに弾力の低下を改善する方法
として紹介されているものは、いずれもその効果が微弱
なものである等のために、白皮の改善については満足で
きるものがあっても弾力の改善については満足できるも
のが殆ど無い。また、弾力のみを改善する方法として紹
介されているものも、満足な改善効果をあげ得る程度の
量を添加したときには味や香り等に致命的な不都合を生
じ、改良剤として満足できるものではなかった。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、水産ねり製品の弾力を向上させる方法を
鋭意研究した結果、魚肉すり弁製造時にグリセロリン酸
カルシウムを添加混合することによって、水産ねり製品
の弾力を向上させることに成功し、発明を完成するに至
った。

以下に詳細に本発明の詳細な説明する。

本発明は、グリセロリン酸カルシウムを有効成分として
含有することを特徴とする冷凍魚肉すり身添加用品質改
良剤である。

また、本発明の改良剤は魚肉すり身に対してグリセロリ
ン酸カルシウムを０．０１〜１重量％の範囲の量で使用
することが最も好ましい。

グリセロリン酸カルシウムは食品添加物として使用され
るカルシウム強化剤の一種で、市販品は無臭のやや吸湿
性のある白色粉末であるが、本発明を実施する上では市
販食品添加用の品質のもので充分である。

一般に、冷凍すり弁製造工程は通常５°Ｃ以下に温度ｇ
Ａ節された室内でらいかいし、そのときに各種添加剤を
添加混合する。その混合時間は比較的短いためにグリセ
ロリン酸カルシウムを単独で使用することもできるが、
その場合には少量のグリセロリン酸カルシウムをそのま
ま使用すると魚肉中に均一に分散混合されないことがあ
る。そのために通常は希釈剤、他の改良剤などを加えて
、粉末、顆粒、液などの形態に製剤化して使用すること
が望ましい。

各種製剤形態の中でも本発明の改良剤は糖及び／又は糖
アルコール１００重量部にグリセロリン酸カルシウム０
．１〜４０重量部を加えて粒径１６〜１７５メツシュの
粉末状又は顆粒状として使用することが特に好ましいが
、この際に使用できる糖及び／又は糖アルコールとして
はショ糖、ぶどう糖、麦芽糖、果糖、乳糖、ソルビトー
ル、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラク
チトール、及びそれらの混合物などがある。

液剤を調製する場合には、有効成分をグリセリンなどに
熔解してもよく、水に乳化又は懸濁させてもよいが、一
般に冷凍すり身添加用品質改良剤は厳しい低温下で保存
・使用することが多いために液剤の場合は凍結などの不
都合をきたすことがあることや液剤を使用した後の包装
容器の処理に手間のかかることが多いことなどから好ま
しい形態ではないとされている。また、本発明の改良剤
に重合燐酸塩を混合すれば燐酸塩添加混合の手間をはふ
け、更に、本発明の改良剤は例えば有機酸塩、界面活性
剤、油脂などのような弾力や白皮を向上させる効果を有
する剤と共に又は本発明の品に一緒に混合して使用する
と、冷凍すり身、ひいては水産ねり製品の総合的な品質
改善に一層の効果を発揮する。

本発明の改良剤のなかでも、糖及び／又は糖アルコール
を含有する改良剤は、例えば下記の方法により調製する
ことができる。

（１）糖及び／又は糖アルコールの水溶液にグリセロリ
ン酸カルシウムを溶解又は分散させ、そのまま低温で濃
縮結晶化又は濃縮固化又は糖及び／又は糖アルコールの
粉末と混合し、必要に応して乾燥後、粉末状又は顆粒状
として得る方法、（２）＃Ｎ及び／又は糖アルコールを
加熱溶融したのち冷却し、グリセロリン酸カルシウムを
分散させ、そのまま冷却又は粉末状の糖及び／又は糖ア
ルコールを混合添加しながら冷却して粉砕・造粒等の工
程を経て、粉末又は顆粒状にする方法。

また、噴霧乾燥や噴霧造粒など他の製造方法を採用する
ことも可能である。

更に、本発明の糖及び／又は糖アルコールを含有する改
良剤のなかでも、糖及び／又は糖アルコールを多孔質に
してそれに本発明の有効成分を付加すると有効成分の溶
解性やすり身への分散性などが著しく改善することがで
きる。

本発明を実施する上で、グリセロリン酸カルシウムの添
加量は、脱水肉１００重量部に対して０．０１〜１重量
部とすることが好ましい。添加量が０．０Ｉ重量部未満
の場合は弾力向上効果が不十分であり、１重量部を超え
て使用した場合は、添加量の増加につれて弾力向上効果
が増大しなくなるので、それ以上使用することは経済的
に意味がない。

糖及び／又は糖アルコールの量とグリセロリン酸カルシ
ウムの量との関係はすり身の冷凍変性防止効果、すり身
中への均一な溶解・分散、味、価格、すり身から製造さ
れるねり製品の弾力の向上効果、経済性などから決定さ
れるが、糖及び／又は糖アルコール固形分１００重量部
に対してグリセロリン酸カルシウムの量は０．１〜４０
重量部の組成が最も好適であり、更に好ましい組成は、
０．５〜３０重量部である。

本発明の改良剤は糖及び／又は糖アルコール、各種の白
皮向上剤（界面活性剤や油脂など）クエン酸などの有機
酸カルシウム塩、重炭酸アルカリ金属塩、重合燐酸塩な
どと一緒に又はそれらとの混合製剤として添加混合すれ
ば、工程を増加することなく、より一層の効果を期待で
きる。

（作用） 本発明の品質改良剤の効果は従来品と比較しての著しい
弾力の増加であるが、その効果発現の機序は未だ明確に
なっていない。しかし、改良剤分子が蛋白質及び水に対
して結合性に影響を与えたり、各種成分の濃度などを介
して、弾力を強化するうえで好ましい影ツを与えている
ものと思われ（実施例） 以下に実施例及び比較例を掲げて本発明の内容を更に具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。また、以下の実施例及び比較例に
おいて％は重量％を表す。

またこれらの例における気孔率及び吸油率は次のように
して測定されたものである。

（ロ）吸油率： コーン油とへキサグリセリンペンタオレエートの重量比
４Ｃｔの液を、粉粒体試料１５ｇに加えて混合し、５分
後、濾布を敷いた遠沈管（底に孔のあるもの）に移し、
１３００Ｇで１０分間遠心分離し、濾布上に残ったケー
キの重量を測定し次式により計算する。

実施例−１ 粉末ソルビトール〔乗和化成工業■製ソルビットＷ−Ｐ
）２０ｋｇを浮遊流動式流動乾燥器に入れて流動層を形
成させ、熱風メ昌度６０〜６５°Ｃ１噴霧速度２００　
ｇ／分にて、グリセロリン酸力ルソウム４００ｇを水５
ｋｇに溶解したものを噴霧し、乾燥してソルビトール９
６．１５％、グリセロリン酸カルシウム１．９６％を含
有する粉末状冷凍魚肉すり身添加用品質改良剤−１が得
られた。

実施例−２ グリセロリン酸カルシウムを８００ｇにした他は実施例
−１と同様にして粉末状冷凍ｆｈ肉すり身添加用品質改
良剤−２を得た。

実施例−３ マルチトールの７０％水溶液［東和化成工業■製アマル
ティーシロップ］　３８．５７　ｋｇを水分ｌＯ％まで
加熱濃縮し、種結晶として粉末のマルチトール（東和化
成工業■製アマルティ）　３．０　ｋｇを添加混合し９
０°Ｃから常温まで約２０時間を要して冷却固化させた
。このものの水分含量は９．１％であった。

この固化物を粗粉砕し、減圧下、約７０°Ｃで乾燥し、
これを中心粒度１６〜５０メソシユに再粉砕して多孔質
のマルチトールわ）未約２０ｋｇを得た。

この多孔質のマルチトールは吸油率１５．８％、気孔率
０．６４５　、見掛は比重０．５８の物性値を有してい
た。

この多孔質のマルチトール２０ｋｇを浮遊流動式乾燥器
に入れて流動層を形成させ、熱風温度６０〜６５°Ｃ１
噴霧速度２００　ｇ／分にて、予め重合燐酸塩１．５ｋ
ｇとグリセロリン酸カルシウム０．５　ｋｇを水５ｋｇ
に分散したスラリーを噴霧・乾燥して重合燐酸塩とグリ
セロリン酸カルシウムを固着させた多孔質マルチトール
粉末を得た。

この多孔ｎ粉末を撹はん混合しながらその上に油性物質
混合物（コーン油：ヘキサグリセリンベンタオレエート
：ソルビタンモノオレエートの重量比が２１：ｌの混合
物）Ｉｋｇを滴下混合して含浸させ、更にソルビトール
粉末１３．５ｋｇを均一に混合し粉末状冷凍すり身添加
用品質改良剤−３を得た。

このものの組成は次のとおりであった。

マルチトール　　　　　　　４０．８％ソルビトール　
　　　　　　５１．０％グリセロリン酸カルシウム　　
１．０％重合燐酸塩　　　　　　　　　３．１％油性物
質混合物　　　　　　　４．１％比較試験 新鮮なスケトウダラから常法により得られた脱水肉８０
ｋｇを２０ｋｇずつ４区分に分け、第１区には実施例−
１で得られた改良剤１．０２ｋｇ、砂ｔＨ，８聴及び重
合燐酸塩６０ｇを加えた。

第２区には実施例−２の改良剤１．０４ｋｇ、砂糖０．
８ｋｇ、ｆｆ１合燐酸塩６０ｇを加えた。

第３区には実施例−２で得られた改良剤１．９６ｋｇを
添加した。

また比較例として第４区にはソルビトールＩｋｇ、砂糖
０．８ｋｇ及び重合燐酸塩６０ｇを加えた。以上の各区
分の添加物及び添加量を第１表に示した。

各区分の添加物を添加後１０分間らいかいし、それぞれ
のすり身から各５ｋｇの試料を採取して凍結前の品質試
験を行い、残りは急速凍結後−２０°Ｃで保存した。凍
結後１．　３力月後に各５ｋｇの試料を採取し、品質比
較試験を行った。そのすり身のｐＨ及び水分並びにハン
ター白皮の測定結果を第２表に、そのすり身を用いて製
造したカマボコの弾力測定結果を第３表に、またカマボ
コのハンター内反測定結果を第４表にそれぞれ示す。な
お、カマボコは解凍したすり身に食塩３％を添加し、１
５分間らいかいし、このようにして得られた肉糊を塩化
ビニリデンケーシングフィルムに充填し、９０゛Ｃ１４
０分間加熱して製造した。

出来上がったカマボコは冷却後、厚さ３ｃｍに輪切りし
、不動工業■製Ｎ　ＲＭ　−２００２Ｊ型レオメータ−
にて５価丸型プランジャーを用いて測定し、ハンター白
皮は常法に従い、日本重色■製潤色差計（Ｎ　Ｄ−１０
０１Ｄ　Ｐ　）で測定した。

第４表　カマボコのハンター白皮の測定結果（発明の効
果） 第２表〜第４表の結果からも明らかなように、本発明の
冷凍すり身部加用品質改良剤を使用することにより、従
来の製品に比較して著しく弾力の増強された水産ねり製
品を製造することができる。

特許出願人　東和化成工業株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　グリセロリン酸カルシウムを有効成分として含有す
   ることを特徴とする、冷凍魚肉すり身添加用品質改良剤
   。 ２　魚肉すり身に対してグリセロリン酸カルシウム量が
   ０．０１〜１重量％の範囲で用いられることを特徴とす
   る、請求項１記載の冷凍魚肉すり身添加用品質改良剤。 ３　糖及び／又は糖アルコール１００重量部並びにグリ
   セロリン酸カルシウム０．１〜４０重量部の組成を有し
   、粒径１６〜１７５メッシュの粉末状又は顆粒状である
   ことを特徴とする、請求項１記載の冷凍魚肉すり身添加
   用品質改良剤。 ４　魚肉すり身に対してグリセロリン酸カルシウム量を
   ０．０１〜１重量％の範囲で使用することを特徴とする
   、冷凍魚肉すり身の製造方法。