JPH0131475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、枚葉紙輪転印刷機用のワニスがけ装
置であつて、枚葉紙輪転印刷機の排紙装置に、枚
葉紙を咽刷装置からデリバリパイルに搬送する、
印刷機と同期して駆動される無端のチエーンコン
ベヤが設けられており、このチエーンコンベヤに
よつて搬送される印刷された枚葉紙にワニス等を
塗付するワニスがけ装置が、ワニス供給装置とワ
ニス移しロールと塗付ロールと対圧ロールとから
構成されている形式のものに関する。

従来の技術 最後の印刷装置に設けられた湿し装置を利用し
て又は排紙装置への枚葉紙搬送路に設けられた別
体のワニスがけ装置を利用して、印刷された枚葉
紙にワニス等を塗付する装置は、印刷機において
既に公知である。

ドイツ連邦共和国特許第2020584号明細書では、
最後の印刷装置の湿し装置が又は最後のゴム胴に
直接設けられたワニスがけ装置が又は別体の枚葉
紙案内胴に設けられたワニスがけ装置が、印刷物
表面を保護する媒体を塗付するのに用いられてい
る。しかしながらこの場合には、ワニス層形成過
程のために印刷機の操作は多かれ少なかれ干渉さ
れねばならない。つまりこのために、例えば印刷
装置のうち１つが運転を中断されることもある。
さらにまた、ゴム胴にワニスがけ装置を取付ける
場合には印刷機の構造は複雑になる。また、イン
キ印刷装置の後ろにワニス塗付用の付加的な印刷
装置を設けると、付加的に２つの枚葉紙引渡し箇
所が必要となり、ゆえに製作費が高くなり、この
場合も同様に印刷機は複雑になる。

ドイツ連邦共和国特許第2345183号明細書には、
印刷装置にではなく排紙装置に取付けられたワニ
スがけ装置が記載されている。しかしながらこの
場合、引渡しドラムと取出しドラムとグリツパと
制御機構とを備えた付加的な枚葉紙引渡し装置の
製作費は極めて高いものである。また、枚葉紙引
渡し箇所が２つあることによつて、不確実な要素
が生ぜしめられる。

チエーンとグリツパ台車とガイドとから成る搬
送装置によつて、枚葉紙を複数の印刷装置を通し
て連続的に１つのグリツパ機構に案内すること
は、ドイツ連邦共和国特許第1930317号明細書に
おいて開示されている。しかしながらこの場合、
搬送装置の非作業側区分を印刷装置の下側で戻す
ために、印刷機の両端部には大きな変向ローラが
配置されているので、この搬送装置製作に必要な
費用は極めて高いものになる。さらに、複数のグ
リツパ機構並びに場合によつては見当合せの困難
さを回避することができるという利点は、印刷作
業に適合されねばならないこの特殊な搬送装置に
かかる費用、例えばグリツパ台車の案内及び印刷
装置との同期化にかかる費用によつて相殺されて
しまう。

考案の課題 ゆえに本考案の課題は、場所と材料の点で特別
な費用をかけることなしに枚葉紙輪転印刷機の排
紙装置に取付けることができ、見当合せの正確な
ワニスがけを行なうことができる接近しやすくか
つ単純なワニスがけ装置を提供することである。
この場合また、印刷機の印刷装置が常に印刷のた
めに使用できること、並びに枚葉紙案内が付加的
な引渡し及び回り道をしいられないことが望まれ
ている。

課題を解決するための手段 この課題を解決するめに本考案の構成では、冒
頭に述べた形式のワニスがけ装置において、ワニ
ス供給装置とワニス移しロールと塗付ロールと対
圧ロールとが排紙装置内に配置されており、この
場合塗付ロールがチエーンコンベヤの、デリバリ
パイルに向かつて運動する枚葉紙搬送側区分とデ
リバリパイルからの戻り側区分との間に設けら
れ、対圧ロールが塗付ロールに対してロール間隔
調節可能にかつ前記搬送側区分の外側に設けら
れ、ワニス移しロールが同じく塗付ロールに対し
てロール間隙調節可能にしかしながら前記戻り側
区分の外側に設けられており、印刷された枚葉紙
を塗付ロールと対圧ロールとの間に導入しかつそ
こから導出する枚葉紙ガイドが塗付ロール及び対
圧ロールの前後においてチエーンコンベヤの搬送
側区分に沿つて配置されており、チエーンコンベ
ヤのグリツパユニツトが対圧ロールと塗付ロール
との間及び塗付ロールとワニス移しロールとの間
を通過する際に同グリツパユニツトを受容する少
なくとも１つの軸方向の切欠きが塗付ロールの外
周面に設けられており、対圧ロールが適当な手段
によつて塗付ロールから離れる方向に移動可能で
あり、この対圧ロールの移動時には対圧ロールの
代わりに枚葉紙案内装置が進入可能である。

考案の効果 本考案のように構成されていると、ワニスがけ
装置は、排紙装置の構造を大きく変化させること
並びに場所的な問題を生ぜしめることなしに、印
刷装置とデリバリパイルとの間の排紙装置内に組
込むことができる。この場合に印刷装置において
組込み作業が行なわれる必要も、ワニスがけのた
めに印刷装置を停止する必要もない。さらにま
た、間接的なワニスがけ及びロール間圧着力の調
節可能性によつて、ワニス隆起の危険が回避され
かつワニス塗付の見当合せは容易に保証される。
しかも別の印刷ユニツトへの枚葉紙の引渡しは不
要となり、これによつてワニスがけ装置のロール
の構造は著しく簡単化される。また対圧ロールが
位置固定の塗付ロールから離れる方向に移動可能
であり、この対圧ロールの移動時には対圧ロール
の代わりに枚葉紙案内装置が進入可能であること
によつて、ワニスがけが望まれていない場合に、
枚葉紙は不都合な空気力学的な影響を受けること
なくワニスがけユニツトを通過することができ
る。

実施態様 本考案の有利な実施態様によれば、対圧ロー
ル、塗付ロール及びワニス移しロールが、印刷機
に設けられた胴に比べて小さいが互いに等しい直
径を有している。このようになつていると、付加
的な同期化を行なう必要なしにグリツパ台車は塗
付ロールの切欠きを貫いて通過することができ
る。また、対圧ロールのゴム被覆が交換可能であ
ること並びに塗付ロールの表面特性を変化可能で
あることによつて、対圧ロールと塗付ロールとの
間におけるワニスがけ区域の関係を、被印刷材料
及び所望のワニス層厚さに最適に適合させること
ができる。

実施例 次に図面につき本考案の実施例を説明する。

第１図には枚葉紙オフセツト印刷機の排紙装置
１の配置形式が示されている。排紙装置１内で
は、枚葉紙を最後の印刷装置からデリバリパイル
２に搬送する無端のチエーンコンベヤ３がガイド
レール１１のなかを延びている。排紙装置１のフ
レーム内には、印刷された枚葉紙にワニスがけす
るためのユニツト４，５，６，１０が配置されて
いる。このワニスがけユニツト４，５，６，１０
と無端のチエーンコンベヤ３との配置関係は第２
図に示されている。塗付ロール５は、チエーンコ
ンベヤ３の、デリバリパイル２に向かつて延びて
いて枚葉紙を搬送する搬送側区分１５と戻り側区
分１６との間で移動不能に支承されている。チエ
ーンコンベヤ３の上にはワニス移しロール６が偏
心体１２を介して塗付ロールに対してロール間隙
調節可能に支承されている。ワニス移しロール６
はワニス供給装置１０と結合している。他方の
側、つまりチエーンコンベヤ３の下には対圧ロー
ルが同様に偏心体１３を介して塗付ロールに対し
てロール間隙調節可能に支承されている。

ワニスがけユニツトの各ロール４，５，６の形
状はチエーンコンベヤ３の形状に適合せしめられ
ている。塗付ロールはその外周面に、軸方向に延
びていてチエーンコンベヤ３のグリツパユニツト
８の通過を可能にしている切欠き７を有してい
る。この場合塗付ロール５の外周は隣合う２つの
グリツパユニツト８の間の間隔に相当している。
各ロール４，５，６並びにチエーンコンベヤ３
は、回転時において一方では枚葉紙をつかんでい
るグリツパユニツト８が排紙装置１のデリバリパ
イル２に向かつて塗付ロールと対圧ロール４との
間を通過し、他方においては空のグリツパユニツ
ト８がデリバリパイル２から戻つて塗付ロール５
とワニス移しロール６との間を通過するように、
配置されている。つまり、塗付ロール５が切欠き
７でチエーンコンベヤ３の搬送側区分１５のグリ
ツパユニツト８をちようどおおつている場合に
は、チエーンコンベヤ３の他方の側、つまり戻り
側区分１６では、次に来るグリツパユニツト８は
ちようど塗付ロール５の外周の半分だけ、つまり
２つのグリツパユニツト間の距離の半分だけ離れ
ている。ワニス移しロール６及び対圧ロール４
は、両ロールに設けられた溝が回転時に塗付ロー
ルの切欠き７と合致するように配置されている。

正確な枚葉紙搬送を行なうために、ロール４，
５，６の周速度は枚葉紙の搬送速度に相当してい
なくてはならない。しかしながらロール４，５，
６の周速度は印刷装置における印刷速度には相当
していない。なぜならば、印刷機の排紙胴におい
て枚葉紙はチエーンコンベヤ３のスプロクツトの
ピツチ円直径よりも大きなピツチ円直径に沿つて
移動するからである。これに対してワニスがけユ
ニツトのロール４，５，６は小さく構成すること
ができ、ひいては占有スペースを節約することが
できる。ゆえにこれらのロール４，５，６は、い
かなる変形をも生ぜしめることなしに排紙装置１
のガイドレール１１に組込むことができる。ワニ
ス供給装置１０は通常の操作位置から容易に接近
可能である。

第３図に示されているように、対圧ロール４は
ワニスがけ過程の中断時には塗付ロール５から離
れる方向に移動可能である。これによつてワニス
がけユニツトのロール作業することなく回転する
必要はなくなる。塗付ロール５から対圧ロール４
が離れる距離は少なくとも20mmである。この距離
が保たれていると、枚葉紙の通過時に不都合な空
気力学的な影響が生じることはない。前記移動を
行なうために対圧ロール４は、軸２１を中心とし
てニユーマチツクシリンダ２２によつて旋回せし
められる２つのベルクランク１８に支承されてい
る。対圧ロール４の移動後には、ニユーマチツク
シリンダ１７に取付けられた枚葉紙案内装置とし
て働く案内セグメント２０が枚葉紙ガイド１９の
切欠きに進入せしめられる。これによつていま
や、ワニスがけが望まれていない場合には、枚葉
紙は不都合な影響を受けることなしにワニスがけ
ユニツトを通過することができる。

ワニスがけを行なうためには、ワニス移しロー
ル６及び対圧ロール４は塗付ロール５に対してロ
ール間隙調節される。ワニス移しロール６は同時
にワニス供給装置１０と結合している。これによ
つてワニスはワニス供給装置１０からワニス移し
ロール６に供給される。ワニス移しロール６の版
板の緑部に生じているワニス隆起が移されること
を回避するために、ワニス移しロール６は極めて
軽くかつ扁平にならないように、塗付ロール５に
対してロール間隙調節される。これによつてワニ
スは版板の所望の隆起箇所においてしか移されな
い。このようにして、ワニス層の正確に調整され
たきれいな塗付が達成される。次いでワニスパタ
ーンは塗付ロール６によつて、枚葉紙の印刷され
た側にもたらされる。

しかしながらワニス塗付は種々様々な処置によ
つて影響可能である。つまり被印刷材料及びワニ
ス層厚さに関連して、塗付ロール５と紙と対圧ロ
ール４との間の関係を変化させることができる。
塗付ロール５は通常高研摩クロムめつきされてい
る。しかしながら、厚いワニス層を塗付したい場
合には、ロートグラビア胴において見られるよう
な網目状の表面が好都合である。

ワニスがけのフレキシブルな選択並びに良好な
仕上げを確保するために、塗付ロール５には、滑
らかな表面を備えた版板か又は網目状の表面を備
えた版板を選択的に緊締する緊締装置が設けられ
ていてもよい。

また、枚葉紙の厚さひいては剛性度及び表面特
性は使用される材料によつて左右されるので、被
印刷材料に対する調整もまた不可欠である。この
ために対圧ロール４においてはゴム被覆１４が交
換可能である。これらゴム被覆１４の種々異なつ
た硬度と、対圧ロール４のロール間隙調節可能性
とによつて、塗付ロール５と対圧ロール４との間
の間隙においては最適なワニスがけコンデイシヨ
ンが得られる。

つまりワニスの塗付は、塗付ロール５の表面特
性と、運転中にも可能な対圧ロール４のロール間
隙調節と、対圧ロール４に設けられたゴム被覆１
４の弾性度とによつて調整可能である。さらに、
ワニス供給装置１０の調量可能性とワニス移しロ
ール６のロール間隙調節可能性とを考慮するなら
ば、ワニス塗付の調節において解決不能な問題は
存在しないと言える。

ワニスがけユニツト４，５，６，１０の取扱い
は、塗付ロール５及び対圧ロール４に洗浄装置９
を設けることによつて、さらに簡単化される。こ
れらの洗浄装置９は自動的にかつ運転中にも作動
可能である。

ワニスがけユニツト４，５，６，１０の駆動は
印刷機によつてか又は別体の電動機によつて行な
われ得る。印刷機との解離可能な連結によつて、
ワニスがけユニツト４，５，６，１０の同期化は
簡単かつ確実に実施可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はオフセツト輪転印刷機の排紙装置全体
を概略的に示す図、第２図は無端のチエーンコン
ベヤとワニスがけユニツトとの配置関係を示す
図、第３図は対圧ロールの施回装置と枚葉紙案内
セグメントの施回装置とを示す図である。 １……排紙装置、２……デリバリパイル、３…
…チエーンコンベヤ、４……対圧ロール、５……
塗付ロール、６……ワニス移しロール、７……切
欠き、８……グリツパユニツト、９……洗浄装
置、１０……ワニス供給装置、１１……ガイドレ
ール、１２，１３……偏心体、１４……ゴム被
覆、１５……搬送側区分、１６……戻り側区分、
１７，２２……ニユーマチツクシリンダ、１８…
…ベルクランク、１９……枚葉紙ガイド、２０…
…案内セグメント、２１……軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 枚葉紙輪転印刷機用のワニスがけ装置であつ
   て、枚葉紙輪転印刷機の排紙装置１に、枚葉紙
   を印刷装置からデリバリパイル２に搬送する、
   印刷機と同期して駆動される無端のチエーンコ
   ンベヤ３が設けられており、このチエーンコン
   ベヤ３によつて搬送される印刷された枚葉紙に
   ワニス等を塗付するワニスがけ装置が、ワニス
   供給装置とワニス移しロールと塗付ロールと対
   圧ロールとから構成されている形式のものにお
   いて、 ワニス供給装置１０とワニス移しロール６と
   塗付ロール５と対圧ロール４とが排紙装置１内
   に配置されており、この場合塗付ロール５がチ
   エーンコンベヤ３の、デリバリパイル２に向つ
   て運動する枚葉紙搬送側区分１５とデリバリパ
   イル２からの戻り側区分１６との間に設けら
   れ、対圧ロールが塗付ロール５に対してロール
   間隙調節可能にかつ前記搬送側区分１５の外側
   に設けられ、ワニス移しロール６が同じく塗付
   ロール５に対してロール間隙調節可能にしかし
   ながら前記戻り側区分１６の外側に設けられて
   おり、 印刷された枚葉紙を塗付ロール５と対圧ロー
   ル４との間に導入しかつそこから導出する枚葉
   紙ガイド１９が塗付ロール５及び対圧ロール４
   の前後においてチエーンコンベヤ３の搬送側区
   分１５に沿つて配置されており、 チエーンコンベヤ３のグリツパユニツト８が
   対圧ロール４と塗付ロール５との間及び塗付ロ
   ール５とワニス移しロール６との間を通過する
   際に同グリツパユニツト８を受容する少なくと
   も１つの軸方向の切欠き７が、塗付ロール５の
   外周面に設けられており、対圧ロール４が適当
   な手段１８，２１，２２によつて塗付ロール５
   から離れる方向に移動可能であり、この対圧ロ
   ール４の移動時には対圧ロール４の代わりに枚
   葉紙案内装置２０が進入可能であることを特徴
   とする、枚葉紙輪転印刷機用のワニスがけ装
   置。 ２ 対圧ロール４と塗付ロール５とワニス移しロ
   ール６とが等しい直径を有している、実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のワニスがけ装置。 ３ 対圧ロール４の塗付ロール５及びワニス移し
   ロール６の直径が印刷機に設けられた胴の直径
   よりも小さく、排紙装置１における枚葉紙の搬
   送速度が対圧ロール４、塗付ロール５及びワニ
   ス移しロール６の周速度に相当している、実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のワニスがけ装
   置。 ４ 塗付ロール５が滑らかな表面を有している、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のワニスが
   け装置。 ５ 滑らかな表面を備えた版板か又は網目状の表
   面を備えた版板を選択的に取付けるための緊締
   装置が、塗付ロール５に設けられている、実用
   新案登録請求の範囲第４項記載のワニスがけ装
   置。 ６ 対圧ロール４がゴム被覆１４を有している、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のワニスが
   け装置。 ７ 対圧ロール４のゴム被覆１４が、種々異なつ
   た被印刷材料においてワニスがけ圧力を調節す
   るために、異なつた硬度の被覆と交換可能であ
   る、実用新案登録請求の範囲第６項記載のワニ
   スがけ装置。 ８ 別体の洗浄装置９が対圧ローラ４及び塗付ロ
   ール５に対してロール間隙調節可能である、実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のワニスがけ
   装置。