JPH0131393Y2

JPH0131393Y2 -

Info

Publication number: JPH0131393Y2
Application number: JP396084U
Authority: JP
Priority date: 1984-01-13
Filing date: 1984-01-13
Publication date: 1989-09-26
Also published as: JPS60120727U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は、異種タツプの加工装置に関する。

従来技術タツプ加工では、タツプに回転運動と、軸線方
向の送り運動とが与えられる。この送り運動は、
タツプの回転と同期をとるために、一般にタツプ
のピッチと同一のねじ機構によつて得ている。

ところが、このタツプのピッチが変わつた場
合、送り量が変化するため、上記のねじ機構は、
そのまま用いられない。

そこで、従来は、加工ステーシヨンを変える
か、または他のピツチに応じた別工程で加工して
いる。このため異種タツプの加工は、繁雑であ
る。

考案の目的したがつて本考案の目的、上記のような繁雑な
加工工程を解決するために、同一のスピンドルを
使用し、送り用のねじ機構のねじピツチを変えな
いで、異なるピツチのタツプ加工ができるように
工夫することである。

考案の概要そこで本考案は、スピンドルに適切な送り量を
与えるために、スピンドルの送り用ねじ機構とし
ての雄ねじおよび雌ねじのうち、雌ねじに相対的
な正まは逆方向の回転を与えることにより、スピ
ンドルの送り速度を加工中のタツプのピツチに適
合させるようにしている。

考案の構成以下、本考案の一実施例の構成を図面に基づい
て具体的に説明する。

まず、第１図は、本考案の異種タツプの加工装
置１の取付け状態を示している。この異種タツプ
加工装置１の主要部としてのヘツド本体２は、ス
ライドテーブル３の前面に取付けられている。そ
してこのスライドテーブル３は、スライドベース
４の上面に進退可能な状態で置かれている。この
スライドテーブル３は、これとスライドベース４
との間に設けられたシリンダ５により進退方向に
駆動される。なお、スライドテーブル３の前進限
は、スライドベース４の前方に取付けられたスト
ツパ６により規制されている。

つぎに第２図は、本考案の要部、すなわちヘツ
ド本体２の内部の構造を示している。このヘツド
本体２は、前面で例えば２本のタツプ駆動用のス
ピンドル７を軸受８により、回転かつ進退自在に
保持しており、またその背面で駆動用モータ１０
の出力軸に軸継手９により連結されている。駆動
用モータ１０の出力側の駆動ギヤ１１は、中間歯
車１２，１３，１４を経て、駆動軸１５に固定さ
れた駆動ギヤ１６に間接的にかみ合つている。

この２つの駆動軸１５は、スプライン軸１７と
同一軸線上にあつて、それに対して回転のみを伝
達し、かつ軸線方向の移動を許容できる状態で連
絡されている。また、このスプライン軸１７は、
スピンドル７の後端でそれと一体的に形成されて
いる。このスピンドル７の先端部は、タツプホル
ダ１８を保持しており、それで各種のピツチのタ
ツプ１９を着脱自在に支持できるようになつてい
る。

また、スピンドル７の後端部は、雄ねじ２０を
形成しており、この雄ねじ２０は、軸受２１によ
つてヘツド本体２に支持された雌ねじギヤ２３の
雌ねじ２２と螺合している。これらの雄ねじ２０
および雌ねじ２２は、送りねじ機構を構成してお
り、それらのピツチは、基準ピツチのタツプ１９
のそれと同じに設定してある。そして雌ねじギヤ
２３は、スピンドル７の軸線方向に対し移動でき
ない状態で軸受２１によつて、ヘツド本体２に回
転自在に支持されている。

一方、駆動ギヤ１１は、ギヤ２４，２５に順次
かみ合い、これらのギヤ２４，２５は、それぞれ
軸２６，２７に固定されており、これらの軸２
６，２７は、ヘツド本体２に回転自在に保持され
るとともに、クラツチ２８，２９を介在させなが
ら、それぞれの出力側の出力ギヤ２８ａ，２９ａ
を通じて、ともに中間ギヤ３０，３１，３２，３
３を介在しつつ、最終軸３４に取付けられた最終
のギヤ３５を回転させる。

なお、出力ギヤ２８ａ，２９ａは、ともに中間
ギヤ３０，３１，３２に、また中間ギヤ３２は、
最終軸３４の中間ギヤ３３にそれぞれかみ合う
が、第２図は、その歯車列と展開しているので、
図面上それらは、離れている。最終軸３４の最終
ギヤ３５は、雌ねじ２２と一体的に成形された２
つの雌ねじギヤ２３とかみ合つている。なお、最
終軸３４とヘツド本体２との間に、固定用クラツ
チ３６が設けられている。

考案の作用つぎに、上記異種タツプ加工装置１の作用を説
明する。この異種タツプ加工装置１では、ピツチ
Ｐ＝1.25mmのタツプ１９を基準として、それより
大きなピツチＰ＝1.5mm、小さなピツチＰ＝1.0mm
の３つのタツプ１９が用いられる。上記基準のピ
ツチＰは、すでに記載したように、雄ねじ２０お
よび雌ねじ２２のピツチと同じピツチに設定され
ている。

まず、基準ピツチＰ＝1.25mmのタツプ加工につ
いて説明する。この場合は、クラツチ２８，２９
をオフとし、固定用クラツチ３６をオンの状態に
設定される。このようにすると、中間ギヤ３０，
３１，３２，３３は、駆動用モータ１０の回転を
受けず、かつ雌ねじギヤ２３は、ヘツド本体２に
固定される。この状態で駆動モータ１０が回転す
ると、その回転は駆動ギヤ１１から中間歯車１
２，１３，１４、駆動ギヤ１６、駆動軸１５、ス
プライン軸１７を経て、スピンドル７に伝達され
る。そこでスピンドル７は、その回転でタツプ１
９に切削回転を与えると同時に、雄ねじ２０およ
び雌ねじ２２のねじ対偶によりタツプ１９に１回
転につき1.25mmの送り速度を与える。このように
してタツプ１９は、ワーク３７に基準ピツチのね
じ切り加工をする。

つぎにピツチＰ＝1.0mmのタツプ加工する場合
には、そのピツチのタツプ１９がタツプホルダ１
８に差し変えられるが、これに対応してスピンド
ル７に１回転つき1.0mmの送り速度が与えられな
ければならない。そこでクラツチ２９，３６がオ
フの状態に設定され、クラツチ２８がオン状態に
設定される。この設定状態で駆動モータ１０が回
転すると、その回転が駆動ギヤ１１から中間歯車
１２，１３，１４、駆動ギヤ１６、駆動軸１５お
よびスプライン軸１７を経て、スピンドル７に伝
達される。一方、上記駆動ギヤ１１の回転は、ギ
ヤ２４、軸２６、クラツチ２８、その出力ギヤ２
８ａ、中間ギヤ３０，３１，３２，３３、最終軸
３４および最終のギヤ３５により雌ねじギヤ２３
に、スピンドル７と同一回転方向で、かつスピン
ドル７の１回転につき1/5回転の回転として伝達
される。この結果、スピンドル７の送り方向の速
度は、雌ねじ２２に対する雄ねじ２０の相対速度
となつており、1.25×（１−１／５）＝1.0から１
回転つき1.0mmに設定される。

また、ピツチＰ＝1.5mmのタツプ加工の場合に
は、クラツチ２８，３６をオフの状態に設定し、
またクラツチ２９をオンの状態に設定する。この
場合においても駆動モータ１０は、駆動ギヤ１
１、中間ギヤ１２，１３，１４、駆動ギヤ１６、
駆動軸１５およびスプライン軸１７によりスピン
ドル７に切削回転を与える。一方、駆動ギヤ１
１、ギヤ２４，２５、軸２７、クラツチ２９、出
力ギヤ２９ａ、中間ギヤ３０，３１，３２，３
３、最終軸３４および最終のギヤ３５は、雌ねじ
ギヤ２３にスピンドル７と逆方向の回転を与え
る。この雌ねじギヤ２３の回転は、スピンドル７
の１回転につき1/5回転に設定されている。その
ため、スピンドル７は、1.25×（１＋１／５）＝
1.5となり、雌ねじ２２に対する雄ねじ２０の相
対速度すなわち１回転つき1.5mmの送り速度のも
のとに送られる。このようにしてピツチＰ＝1.5
mmのねじ加工が行われる。

考案の変形例上記実施例では、２本のスピンドル７が設けら
れているが、このスピンドル７は、ヘツド本体２
に対し１本のみまたは３本以上設けられていても
よい。またタツプの種類は、基準ピツチに対し大
または小のピツチのみで、２種類だけ設けられる
場合には、２つのクラツチ２８，２９のうち一方
のみが設けられていれば充分である。またクラツ
チ３６は、プレーキとして構成することもでき
る。さらにギヤ比やピツチなどは、種々変更して
実施される性質のものである。

考案の効果本考案では、スピンドルの送り用ねじ機構のう
ち定位置の雌ねじギヤにタツプのピツチの変化に
応じて正または逆方向の回転が与えられるから、
ピツチの異なるタツプを差し変えるのみで、同一
のスピンドルつまり同じ多軸ヘツドによつて異な
るピツチのタツプ加工が可能となる。したがつて
従来のように加工工程をわける必要がなく、また
多軸ヘツドの旋回や上下方向の移動なども必要と
されないから、異種ピツチのタツプ加工が能率的
に進められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の異種タツプ加工装置の一部破
断側面図、第２図は同装置のヘツド本体内部の一
部展開水平断面図である。１……異種タツプ加工装置、２……ヘツド本
体、３……スライドテーブル、４……スライドベ
ース、５……シリンダ、６……ストツパ、７……
スピンドル、８……軸受、９……軸継手、１０…
…駆動用モータ、１１……駆動ギヤ、１２，１
３，１４……中間歯車、１５……駆動軸、１６…
…駆動ギヤ、１７……スプライン軸、１９……タ
ツプ、２０……雄ねじ、２２……雌ねじ、２３…
…雌ねじギヤ、２４，２５……ギヤ、２６，２７
……軸、２８，２９……クラツチ、３０，３１，
３２，３３……中間ギヤ、３４……最終軸、３５
……ギヤ、３６……固定用クラツチ、３７……ワ
ーク。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

進退可能なヘツド本体に、タツプ駆動用のスピ
ンドルを回転かつ進退自在に支持し、このスピン
ドルを上記ヘツド本体に取付けられたモータ、歯
車列およびスプラインにより連結するとともに、
上記スピンドルの送り用の雄ねじに雌ねじを螺合
させ、この雌ねじと一体的な雌ねじギアに、上記
モータによつて駆動される増減速用の歯車列をか
み合わせ、この歯車列の動力伝達路中にクラツチ
を介在させてなることを特徴とする異種タツプ加
工装置。