JPH0131167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えばブラジヤに装飾用のレース
紐を縫着する場合のミシンのアタツチメントとし
て使用するミシンの案内押え具に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第４図ａ図に示すように、ブラジヤＢにレース
紐からなる帯状紐Ａを装飾用としてミシンで縫い
付ける場合、第５図に示すような案内押え具がミ
シンのアタツチメントとして一般に用いられてい
る。すなわち、この案内押え具は、押え具本体１
の下面が平面状の押え面２になつていて、この押
え面２を貫通して長孔状の２個の針落孔３が穿設
されている。この押え具本体１の両端部に取付部
４およびガイド部５が設けられて全体として略Ｕ
字状となつている。ガイド部５は、帯状紐Ａを挿
通できる短冊筒状となつていて、押え面２に帯状
紐Ａを案内する。また、取付部４はミシン本体に
取り付けるためのもので、僅かに回動可能状態で
装着されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上述の案内押え具は、帯状紐Ａを直
線状または湾曲状に縫い付ける場合には、それほ
どの熟練を要することなく容易に縫製できるが、
例えば第４図ａ図に示すようにブラジヤＢに帯状
紐Ａを縫い付ける場合、ブラジヤＢの前中心布上
辺部Ｃで略70〜150度の角度で帯状紐Ａを方向転
換させなければならず、斯る場合には、第４図ｂ
図に示すように帯状紐Ａを略三角形状に折り込む
必要がある。これに際しては、ミシン針および案
内押え具を上げた後に布地を所定の角度だけ回動
させるとともに、帯状紐Ａを三角形状に折り畳む
ようにしてはさみ等の先端部で押さえ付けながら
縫製するのであるが、この作業には相当の熟練を
要するといつた問題点がある。しかも、押え面２
が単なる平面形状であるために、帯状紐Ａを曲げ
るときに針糸から帯状紐Ａを落とすこがある。

この考案は、このような問題点に鑑みてなされ
たものであり、ブラジヤに帯状紐を縫い付けるよ
うな複雑な紐付け縫製作業に際して、熟練を要す
ることなく容易にかつ安定に行なうことのできる
ミシンの案内押さえ具を提供しようとしてなされ
たものである。

〔問題点を解決するための手段〕 この考案のミシンの案内押え具は、前記課題を
達成するために、装飾用レース紐等の帯状紐を、
これが縫着される布地に押圧する押え面と、この
押え面に穿設された針落孔と、前記押え面に前記
帯状紐を案内供給するガイド部とを備えてなるミ
シンの案内押え具において、前記押え面に、前記
帯状紐の通るガイド溝を前記ガイド部に連続する
形状に凹設するとともに、前記押え面と同一平面
内に、かつ前記帯状紐の供給側から前記ガイド溝
に対向させて爪部を突設した構成を要旨とするも
のである。

〔作用〕

上記構成としたことにより、例えばブラジヤへ
の帯状紐の縫着に際して前中心布上辺部で帯状紐
を方向転換して縫い付ける場合、ミシン針並びに
案内押え具を上動させた時に、帯状紐の供給側か
ら突出されている爪部が帯状紐の未縫着部分を上
方に持ち上げ、次に、案内押え具と縫着すべき布
地とが相互に所要角度だけ回動された後に案内押
え具が下動して再び布地を押圧した時、帯状紐の
屈曲部分が折り重ねられて爪部で自動的に押さえ
付けられるから、何ら手作業による押え手段を施
すことなくそのまま縫製作業を継続することがで
きる。この時、帯状紐の押え面に対面する部分が
ガイド溝に没入して保持されているため、針糸が
帯状紐から外れることがない。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図および第２図は、この考案の１実施例を
示すミシンの案内押え具を下方および上方からそ
れぞれ見た斜視図であり、第３図はその一部の縦
断面図である。これらの図において、押え具本体
６は、下面が平面状の押え面７となつており、そ
の基端部に、取付部８がピン９により僅かに回動
可能状態に装着されている。押え具本体６の自由
端部は上方に湾曲された形状になつており、この
自由端部分に、帯状紐Ａを挿通するスリツト状の
ガイド孔１０が形成されて筒状となつたガイド部
１１が設けられている。そして、押え具本体６の
中央部には、従来のものと同様に長孔状の２つの
針落孔１２が長手方向、すなわち布送り方向に平
行に穿設されており、この針落孔１２の中間部か
らガイド孔１０に連通するようガイド溝１３が凹
設されている。このガイド溝１３は、帯状紐Ａの
幅に対応する幅に形成されている。更に、第３図
に示すように、ガイド部１１の下面から押え面７
と同一平面となつた爪部１４がガイド溝１３に対
向して突設されている。この爪部１４は両針落孔
１２の間に位置していてミシン針の作動に支障の
ないように設けられている。

次に、上記案内押え具の動作について説明す
る。まず、第２図および第３図に示すように、帯
状紐Ａがガイド孔１０から挿入され、ガイド溝１
３を介して押え面７に導出された状態で使用さ
れ、押え面７により帯状紐Ａを縫着すべき布地に
押圧するとともに、針落孔１２を挿通して作動す
るミシン針により縫着される。

そして、ブラジヤＢに装飾用の帯状紐Ａを縫い
付ける過程において、帯状紐ＡをブラジヤＢの、
第４図ａ図に示す前中心布上辺部Ｃまで縫い付け
た時点で、案内押え具を、第３図に矢印で示すよ
うに上動させると、第３図に二点鎖線で示すよう
に帯状紐Ａの未縫着部分が爪部１４により上方に
持ち上げられる。次に、布地が方向転換すべき方
向に回動されると、それに伴つて爪部１４により
持ち上げられている帯状紐Ａがひねられ、その後
に案内押え具が下動して押え面７が布地に再び接
触する過程において、前述の帯状紐Ａのひねられ
た部分が、そのまま爪部１４で上方から押えられ
ることにより、三角形状に折り込まれて重ねら
れ、爪部１４の押圧によりその状態を保持する。
従つて、手作業による操作を何ら施すことなくそ
のまま縫製作業を継続することによつて、第４図
ｂ図に示すように、帯状紐Ａが所要の形状に折り
畳まれて縫着される。

また、この案内押え具の上下動時に、帯状紐Ａ
がガイド溝１３内に没入して保持されているた
め、針糸が帯状紐Ａから外れることがない。

尚、この考案は、上記実施例にのみ限定される
ものではなく、請求の範囲を逸脱しない範囲で
種々の実施態様が考えられるのは勿論であり、例
えば、ガイド部１１はガイド孔１０により形成し
た場合について説明したが、ガイド溝や切欠き等
により形成しても上記実施例と同様の効果を得る
ことができるのは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、この考案のミシンの案内
押え具によると、ガイド溝と爪部を設けることに
より、帯状紐を方向転換して縫着する場合に、帯
状紐を自動的に所要形状に折り込み重ね合わせた
状態に保持して縫着できるので、従来において熟
練者に頼つていた縫着作業を何ら熟練を要するこ
となく容易に行ない得るとともに、その作業を正
確にかつ迅速に行なうことができる。しかも、ガ
イド溝により帯状紐を保持する構成としたので、
針糸が帯状紐から外れるといつた不都合が絶無と
なる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案のミシンの案内
押え具の１実施例を示し、第１図は下方から見た
斜視図、第２図は上方から見た斜視図、第３図は
縦断面図、第４図ａ図はこの考案の案内押え具に
より縫着されるブラジヤの斜視図、同ｂ図は同ａ
図の一部拡大図、第５図は従来の案内押え具を下
方から見た斜視図である。 ７……押え面、１１……ガイド部、１２……針
落孔、１３……ガイド溝、１４……爪部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装飾用レース紐等の帯状紐を、これが縫着され
   る布地に押圧する押え面と、この押え面に穿設さ
   れた針落孔と、前記押え面に前記帯状紐を案内供
   給するガイド部とを備えてなるミシンの案内押え
   具において、前記押え面に、前記帯状紐の通るガ
   イド溝を前記ガイド部に連続する形状に凹設する
   とともに、前記押え面と同一平面内に、かつ前記
   帯状紐の供給側から前記ガイド溝に対向させて爪
   部を突設したことを特徴とするミシンの案内押え
   具。