JPH0130928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両シートの着座部に接触して上設
された背当てに関するものである。

従来、この種の車両シートの背当ては高さが固
定であり、体形により座り心地が悪くなつたり、
また子供を乗車させる場合には別途に子供用補助
シートを購入していたが、高価な割には使い難い
欠点があつた。

よつて、本考案は体形の如何に拘らず座り心地
を良くできる車両シートの背当てを提供すること
を目的とする。

次に本考案を第１図〜第３図に示す実施例を基
に説明する。

自動車シートの着座部２の後部に上設された背
当て１は、上下方向に背当て部１ａ，１ｂ，１ｃ
として３分割され、最下部の背当て部１ｃはクツ
シヨン式着座部２に接触している。最上部の背当
て部１ａには、ヘツドレスト３及びシートベルト
ガイド４が取付けられている。背当て部１ｃに
は、ハンドル１０により回転され、かつ左右両側
にウオームギヤ１１′を備えた水平方向のシヤフ
ト１１と、これとかみ合つたウオームギヤ１２及
び上方にねじ１３，１３′を備えたシヤフト１４
とが装着されている。

背当て部１ａ及び１ｂは、左右両側において内
側にねじ１５′及び１６′を備えて互にスライド可
能なスリーブ１５及び１６にそれぞれ取付けられ
ている。その際、ねじ１３，１５′のねじピツチ
は、上方へのスライド時に背当て部１ａと背当て
部１ｂとの間にも徐々に隙間が生じるように、ね
じ１３′，１６′のものよりも移動すべき距離に対
応して大きく設定されている。

動作は次の通りである。

体形に応じて、背当て１の高さを第３図の位置
から上方へ調節する場合、ハンドル１０を一方の
方向へ回転させるとシヤフト１１が回転し、これ
に直交方向するシヤフト１４がウオームギヤ１
１′，１２を介して回転する。これにより、スリ
ーブ１６はそのねじ１６′がねじ１３′にかみ合つ
ていることにより上動し、背当て部１ｂは背当て
部１ｃと離間する。さらに、スリーブ１５もその
ねじ１５′がねじ１３に相対的に大きなねじピツ
チでかみ合つているために、背当て部１ａはより
大きな距離だけ上動し、背当て部１ｂから離間す
る。ハンドル１０を他方向へ回転させると、スリ
ーブ１５，１６は下動し、したがつてその回転量
及び回転方向により乗員に応じた乗り心地の良い
位置に調節可能となる。

尚、前述の実施例において、背当て部を４分割
以上にしたり、シヤフト１１はモータ駆動にする
こともできる。本考案は、ドライバー用シートだ
けでなく、他の乗員のシートにも適用可能であ
る。

以上、本考案による分割式背当てによれば、そ
の両側でそれぞれ支持機能を兼ねてねじ駆動され
る簡単で、かつ省スペース構造の位置調整機構に
より、最下部以外を２個以上に分割された背当て
部が、スムーズに上下動する。また、各背当て部
が、相互に隙間を形成しつつ上動するために隙間
が配分され、したがつて１個所に大きな隙間がで
きて背当て感触を損なうと云うこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による背当てを備え
たシートの斜視図、第２図はその背当ての内部機
構及び第３図はその背当ての最低位置でのそれぞ
れ側面図である。 １ａ，１ｂ，１ｃ……背当て部、２……着座
部、１１，１４……シヤフト、１５，１６……ス
リーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 着座部に接触して上設された背当てが上下方向
   に少なくとも３分割され、そのうち最下部１ｃ以
   外の２個以上の背当て部１ａ，１ｂの両側に、互
   にスライド可能に上下方向へ連結するスリーブ１
   ５，１６をそれぞれ取付けると共に、これらの各
   スリーブの内側にねじ１５′，１６′を形成し、 これらの両側のスリーブ内１５，１６に、ねじ
   １５′，１６′にかみ合うねじ１３，１３′を備え、
   かつ下端にウオームギヤ１２を備えたシヤフト１
   ４をそれぞれ装着し、 両側のウオームギヤ１２にかみ合うウオームギ
   ヤ１１′を形成されて回転駆動されるシヤフト１
   １を水平方向に設け、 上方に位置する背当て部１ａのねじ１５′，１
   ３のピツチが、下方に位置する背当て部１ｂのね
   じ１６′，１３′のピツチよりも大きく設定されて
   いることを特徴とする車両シートの背当て。