JPH01306617A - 耐熱性複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性複合繊維およびその製造方法

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JPH01306617A
JPH01306617A JP13016488A JP13016488A JPH01306617A JP H01306617 A JPH01306617 A JP H01306617A JP 13016488 A JP13016488 A JP 13016488A JP 13016488 A JP13016488 A JP 13016488A JP H01306617 A JPH01306617 A JP H01306617A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、#熱性を改良したポリ弗化ビニリデン系複合
繊維に関し、より詳しくは、ポリ弗化ビニリデン系樹脂
(以下、rPVDF系樹脂」と略称する)を鞘層(表層
)に配し、芯層(内層)にポリアリーレンスルフィド樹
脂(以下、rPAs樹脂」と略称する)を配した鞘芯型
複合繊維とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
PVDF系樹脂全樹脂造された繊維(以下、rPVDF
系繊維」という)は、優れた耐候性、耐薬品性、耐水性
、引張強きなどの機械的特性、耐屈曲疲労性を有すると
ともに、高い結節強度を有し、魚網、フィルター、メツ
シュ、ホース、補強用織布なと各種の化学工業用資材や
水産業用資材用の繊維として使用されている。
ところで、PVDF系樹脂全樹脂は、分子量や共重合成
分の種類等によって異なり、低融点のものから高融点の
ものまであるが、高融点のものでも、通常、165〜1
85℃程度の一囲にあり、耐熱性が不足している。そこ
で、PVDF系繊維全繊維条件下で使用する場合、連続
使用し得る温度範囲は、120〜130℃程度まででし
かなく、また、150℃以上の高温雰囲気中では強度が
低下し、使用に耐えなくなる。
ここで、連続使用し得る温度範囲とは、繊維を1000
時間加熱したあとの引張強度が、初期値(加熱する前の
引張強度)の50%以上である温度範囲をいう、PVD
FH&雄の高強度性能からみて、引張強度の50%保持
レベルがあれば、通常の用途において使用可能である。
従来、PVDF系繊維全繊維を改良するために、PVD
F系樹脂全樹脂て鞘芯型複合R雄とすることは知られて
いる0例えば、特公昭60−24846号公報には、鞘
部をPVDF系樹脂全樹脂をポリアミドとすることによ
り、優れた結節強度を有する複合FI&雄の得られるこ
とが記載されている。また、特開昭59−144614
号公報には、鞘芯ともにPVD F系樹脂からなり、芯
部の対数粘度が1.10d文/g以上であり、鞘部の見
掛は粘度が芯部のそれよりも小さい複合糸であって、結
節強度の高いPVDF系複合糸について記載されている
。しかしながら、これらのPVDF系複合ta維では、
耐熱性の改善という点では不充分である。
一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下。
rpps樹脂」という)を代表とするPAS樹脂は、融
点が約280℃程度と高く、耐熱性に優れており、PA
S樹脂から製造した繊維は、連続使用し得る温度範囲が
180〜190℃程度までと高い、また、PAS繊維は
、耐薬品性に優れ、酸やアルカリに対して潰れた耐性を
持っている。ところが、PAS繊維は、結節強度が弱く
、結び目より切断し易いため製網することが困難である
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、PVDF系繊維全繊維る儂れた耐薬品
性1強度特性、結節強度などの特性を保持しつつ、耐熱
性を向上させた複合繊維を得ることにある。特に、結節
伸度が10%を下回るものは、脆く製網が難しい。
さらに、本発明の目的は、鞘層にPVD F系樹脂を配
し、芯層に耐熱性に憬れた樹脂を配することにより、高
い結節強度などPVDF系繊維全繊維る優れた特性を保
持しつつ、耐熱性を向上させた複合繊維を得ることにあ
る。
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服すべ
く鋭意研究した結果、鞘層と芯層を有する鞘芯型複合R
&Iにおいて、鞘層にPVD F系樹脂を配し、芯層に
PAS樹脂を配することにより前記PVDF系繊維全繊
維た特性を保持しつつ製網性が良く、かつ耐熱性を向上
させることができることを見い出し、その知見に基づい
て未発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明の要旨は、 (1)  鞘層が対数粘度(ηinh ) 0 、6−
1 、6のポリ弗化ビニリデン系樹脂、芯層が溶融粘度
800ポイズ以上(310℃、せん断速度1200/秒
で測定した値である)のポリアリーレンスルフィド樹脂
からなることを特徴とする耐熱性複合繊維、および (2)  溶融粘度800ポイズ以上(310℃、せん
断速度1200/秒で測定した値である)のポリアリー
レンスルフィド樹脂の周囲に、対数粘度(ηinh )
 0 、6〜1.6のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融
押出しして被覆複合させた後、この複合繊維を80−1
80℃の雰囲気中で、延伸倍率3〜8倍に延伸し、15
0〜270℃で熱固定することを特徴とする鞘層がポリ
弗化ビニリデン系樹脂、芯層がポリアリーレンスルフィ
ド樹脂からなる耐熱性複合繊維の製造方法、にある。
かくして、本発明によれば、各種の化学工業分野でのス
クリーン、メツシュ等へ製網するのに適した結節強度な
どの繊維性能、耐薬品性などを有し、かつ耐熱性を向上
させた複合繊維を提供することができる。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
(PvDF系樹脂) 本発明で用いるPVDF系樹脂は、ポリ弗化ビニリデン
ホモポリマーまたは弗化ビニリデンを主体とする共重合
体、あるいはこれらのいずれかを主体とするブレンド物
である。ここで、共重合体としては、弗化ビニリデンモ
ノマー70モル%以上と、弗化ビニリデンと共重合可能
な七ツマ−1例えば、三弗化エチレン、四弗化エチレン
、−塩化三弗化エチレン、六弗化プロピレン、弗化ビニ
ル等のハロゲン化ビニル系七ツマー30モル%以下との
共重合体であって、特に、共重合モノマーを10モル%
まで、さらに好ましくは、5モル%まで含有した共重合
体が好ましく用いられる。
PVDF系樹脂の中でも、特に好ましくは、ポリ弗化ビ
ニリデンホモポリマー単独またはポリ弗化ビニリデンホ
モポリマーを95重量%以上含有する組成物が用いられ
る。ポリ弗化ビニリデンとしては、結晶化度の高いもの
が好ましく、弗化ビニリデンを60℃以下、好ましくは
弗化ビニリデンの臨界温度である30.5℃以下の温度
で重合させたものが好ましい。
組成物を構成するものとしては、安定剤、紫外線吸収剤
、顔料、結晶核剤、加工助剤等の添加物が用いられる。
本発明で使用するPVDF系樹脂は、対数粘度(η1n
h)が0.6〜1.6dl/g、好ましくは0.7〜1
.4dJ1/gの範囲にあるものである。
対数粘度(ηinh )は、溶剤としてジメチルホルム
アミドを使用し、PVDF系樹脂の溶液濃度を0.4g
/dJl、温度30℃の条件下で測定した値である。
本発明において、対数粘度が0.6〜1.6のPVDF
系樹脂を使用する理由は、押出性、紡糸性、延伸性など
の成形加工性が優れているとともに、機械的強度に優れ
た複合繊維を得ることができるからである。
PVDF系樹脂の対数粘度が0.6未満であると、得ら
れる複合繊維の機械的強度、特に結節強度が低くなり、
製網性が悪くなる。そして、このような低粘度のPVD
F系樹脂は、低結節強度であるというPAS樹脂の欠点
を複合構造とすることにより克服するには不充分である
。逆に、PVDF系樹脂の対数粘度が1.6を越えるよ
うな高粘度であると、比較的低粘度のPAS樹脂との粘
度差が大きくなり、複合紡糸時、内層部(芯層)をPA
S樹脂が安定して流れることが困難であって、紡糸性に
劣る。
本発明で用いるPVDF系樹脂の融点(Tm)には特に
制限はないが、融点が165〜185℃の高融点のもの
であることが、耐熱性や機械的強度の観点からみて好ま
しい、PVDF系樹脂は。
2種以上をブレンドして用いてもよいが、そのブレンド
物の対数粘度も0.6〜1.6の範囲にあることが必要
である。
(PAS樹脂) 本発明で使用するPAS樹脂は、ポリマーの主構成単位
としてp−フェニレンスルフィドの繰返しくは70重量
%以上、さらに好ましくは90重量%以上を含むポリア
リーレンスルフィドである。その中でも、実質的に線状
構造を有するポリアリーレンスルフィドは、紡糸性や延
伸性などが良好であるから、より好ましい、ここで、実
質的に線状構造とは、酸化架橋による溶融粘度の増大処
理(キュアー)で得られるようなポリマーではなく、実
質的に二官能性上ツマ−を主体とするモノマーから得ら
れたポリマーをいう、ただし、安定な紡糸性や延伸性が
損なわれない限り、部分的に架橋構造を含むもの、ある
いはキュアーされたものであってもよい。
p−フェニレンスルフィドe1位が50ii%以上であ
ることに対応して、このPAS樹脂は、50重量%未歯
の他の共重合構成単位を含んでいてもよい、このような
構成単位としては、例えば。
ジフェニルエーテルスルフィト単位 上記PAS樹脂で、i&述する高溶融粘度のポリマーは
、例えば、特開昭61−7332号公報に記載されてい
るような公知の方法により製造することができる。
また、P−フェニレンスルフィド繰返し単位を主成分と
するブロック共重合体1例えば。
÷−0−5十繰替し単位70〜95モル%とメタ重合体
も、物性のみならず紡糸、延伸の加工性の点から好まし
く用いることができる。このようなブロック共重合体で
高溶融粘度のポリマーは、例えば、特開昭61−142
28号公報に記載されている公知の方法により製造する
ことができる。
本発明で使用するPAS樹脂は、比較的高い粘度を持つ
ものが良く、310℃、せん断速度1200/秒で測定
した溶融粘度が800ポイズ以上、好ましくは1000
ポイズ以上、さらに好ましくは2000ポイズ以上のも
のである。 PAS樹脂の溶融粘度の上限については、
特に制限されないが、鞘層を構成するPVD F系樹脂
の粘度に近いものであることが望ましい0通常、1OO
OOポイズ程度までのものがより望ましい、あまり高粘
度だと、紡出糸の表面にメルトフラクチュア等の外観不
良現象が生じやすく、望ましくない。
PAS樹脂の溶融粘度が800ポイズより低いとPVD
 F系樹脂との複合紡糸時、両者の粘度差が大きく、安
定した紡糸が難しい、また、10000ポイズを越える
と、PAS樹脂に架橋部分がかなりの割合で含まれ、異
物除去用のフィルターの目詰り現象および紡出糸の紡糸
性を低下させる現象等から、安定な紡糸に支障をきたす
恐れがある。
溶融粘度の測定は、東洋精機型「キャビログラフ」 (
IB型)を用い、孔径1.O繊維φ(D) X長さ10
.0繊維φ(L)、流入角90° (材質タングステン
カーバイド)の寸法のノズルを用いて行なう、測定方法
は、原料パウダーを320℃、60 k g / c 
rn’ テ40秒間プl/スレテシートを造り、そのシ
ートを細かく切り裂き小切片にする。これを150℃で
1時間乾燥後、前記キャビログラフのシリンダーに充填
する。加圧充填、脱気操作を含めた予熱時間を5分間と
った後、一定圧力でプランジャーを降下させて溶融樹脂
をノズルから押出す。
プランジャーの圧力ΔP k g / c rrr’ 
、 プランジャーの降下速度から求めた吐出量Q c 
m’ 7秒を用い、次式から溶融粘度ηaを求める。
*g :重力加速度(980cm/5ee2)(複合繊
維) 本発明の複合繊維は、鞘層にPVDF系樹脂全樹脂、芯
層にPAS樹脂を配した複合構造を持つ繊維である。内
層のPAS樹脂の断面積の割合は、好ましくは複合繊維
全体の20〜60%である。PAS樹脂の断面積割合が
20%未満では。
PVDF系樹脂単独使用の場合と比較して耐熱性の向上
が僅かであり、逆に、60%を越えると鞘層のPVD 
F系樹脂が有する結節強度などの機械的特性が発現され
ず、製網性などの加工性が劣る。
本発明の複合繊維における複合構造は、鞘と芯の少なく
とも2R構造からなり、鞘層がPVD F系樹脂で、芯
層がPAS樹脂である限り特に限定されない、具体例と
しては、複合繊維の水平断面が、鞘層と芯層が同心円状
の構造を有する同心鞘芯型、芯層部分が三角形、四角形
、星型など円形以外の形状を有する芯層異形型、鞘層の
中に多数の芯層を有する多芯型などがある。これらの鞘
層と芯層の形状は、溶融紡糸の際に使用する鞘芯複合糸
ノズルの形状を変化させることにより、所望の形状に調
整することができる。また、連続的に鞘層と芯層との間
の形状が変化する構造体等が任意に採用できる。ただし
、加工の容易性からは、鞘と芯の2層構造が好ましく用
いられる。
鞘層のPVDF系樹脂と芯層のPAS樹脂との界面に接
着剤層を設けることは特に必要ではないが、所望により
設けてもよい。
複合繊維の径の大きさ(糸径)には、特に制限はなく、
使用目的に応じて適宜定め得るが1通常、logm N
2繊維である。
(複合繊維の製造方法) 本発明の複合繊維の製造方法としては1通常の複合紡糸
方法を採用することができる0例えば、前記様々な鞘と
芯の複合構造に対応する構造を持つ複合糸ノズルを用い
、PVDF系樹脂とPAS樹脂とを共押出法により、P
VDF系樹脂が鞘層を、PAS樹脂が芯層を構成するよ
うに複合紡糸する。
共押出は、各樹脂を押出機により溶融押出しして行なう
が、その場合の溶融押出温度は、PVDF系樹脂につい
ては250〜320℃、PAS樹脂については290〜
350℃である。
紡出した糸は、10〜80℃の水中に導き冷却する。こ
の冷却温度の条件は、希望する糸の径により適宜選ぶ必
要がある。糸径か細いものは低温にし、太いものは高温
に設定するのが良い、冷媒として、水に、例えば、グリ
セリン、アルコール等を入れたものを用いてもよい、こ
れらを添加することにより、冷媒の沸点を上げたり、ま
た、ぬれを良くして冷却効果を上げたりすることができ
る。マルチフィラメントの如き細糸の場合は、空冷も可
能である。
冷却後、連続して、複合糸を80〜180℃の雰囲気中
(乾熱または湿熱中)で、3〜8倍の延伸倍率で延伸す
る。その後、150〜270℃、好ましくは160〜2
30℃の雰囲気中(乾熱または湿熱中)で0.8〜2倍
程度に延伸、定長または緩和して、熱固定する。
乾熱雰囲気としては、熱風や熱板などがあり、湿熱雰囲
気としては、沸水浴、グリセリン浴などがある。
延伸温度を80〜180℃とする理由は、80°C未満
であるとPVD F層がフィブリル化しやすくなり、1
80℃を越えるとPVDF層の配向の度合が低下し、強
度が低くなるからである。
延伸倍率をトータル3〜8倍とする理由は、3倍より下
だと、PVDF層にくびれ部が発生し。
外観を損ない、8倍より上だと、延伸切れ、層間剥gI
等を起こし実用上問題があるからである。  2150
〜270℃で熱固定する理由は、150℃未満であると
150℃以上での耐熱強度保持率が低下し、270℃を
越えると溶断し易くなり、延伸糸が得難いからである。
また、好ましい熱固定温度は、PVDF系樹脂とPAS
樹脂の比率で異なるが、PVDF系樹脂が多い場合は、
150℃に近い温度を選ぶことが望ましい。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説
明するが1本発明はこれら実施例のみに限定されるわけ
ではない。
実施例1 (1)鞘層のPVDF系樹脂 対数粘度(η1nh)1.lOd文/gty>ポリ弗化
ビニリデンホモポリマーを230℃で押出してベレット
を得た。このポリマーの融点は178℃であった(DS
C:10℃/分の昇温条件で測定)。
(2)芯層のPAS樹脂 PPS樹脂の合成 20リツトルのす一トクレープにN−メチル−2−ピロ
リドン(以下、NMPと略記する)11.0kgと含水
硫化ソーダ(純度46重量%、長屋ソーダ社製)4.2
39kgを仕込み、窒素雰囲気下に約2時間かけて攪拌
しながら徐々に203℃まで昇温して、水1.585K
g、NMPl、96Kgおよび0.58モルの硫化水素
を留出させた。
130℃まで冷却したのち、p−ジクロルベンゼン(以
下、p−DCBと略記する)3.59kgとNMP3.
17kgとを加え、215℃で8時間加熱して重合させ
た0次いで、水1 、275kgを添加し、窒素雰囲気
下に265℃に昇温して、4時間重合させた。冷却後、
得られたポリマーをオリゴマー等から濾別し、次いで脱
イオン水でくり返し洗浄したのち、100℃で減圧乾燥
した。
得られたポリマーは、ポリp−7エニレンスルフイド(
PPS樹脂)であって、溶融粘度は3000ポイズ(3
10℃、せん断速度1200/秒)1結晶融点Tmが2
82℃の高結晶性のものであった。このポリマーを33
0℃で溶融押出ししてペレットを得た。
上記、2つの樹脂のペレットを各々の(35繊維φ)押
出機から前者を280℃で、後者を340℃で押出し、
同心鞘芯型複合糸ノズルに導き、鞘層をポリ弗化ビニリ
デン、芯層をPPS樹脂とし、0.8繊維φのノズル孔
から複合紡糸した。これを空冷し、Loom/分でボビ
ンに引き取った。
この糸を熱板(表面温度110℃)上で3.5倍延伸し
、次いで熱板(表面温度240℃)上で1倍の足長下に
熱固定処理をした。得られた糸の径は30JLmであり
、鞘層と芯層の断面積比が鞘層50%、芯層50%の構
造を持った複合繊維であった。
この複合繊維の引張強度は、51kg/繊維″(伸度3
1%)、結節強度は、31.5kg/mば(結節伸度1
2%)であった。
この複合繊維を160℃のギアオープン中、1000時
間放置した後の引張強度は、35.8kg/mrn’(
保持率70.2%)、結節強度は14.5kg/繊維″
(保持率46.0%)であった。
測定方法 結節強度の測定は、東洋ボールドウィン社製テンシロン
UTM−111I型を用い、試長の中心に結節点を有す
る試長300 m mのフィラメントを引張速度300
m、m7分で引張ったときの常温での破断強度である。
引張強度および伸度の測定条件は、結節点を設けない点
景外は、結節強度の測定条件と同一である。
上記、測定環境条件は、JIS  L−1013に準じ
、23℃、65%RHの条件であった。
比較例1 実施例1で用いたポリ弗化ビニリデンホモポリマーのペ
レットを280℃で押出シ、0.8繊維φノズルより紡
糸、空冷し、100m/分で引取った。
これを実施例1と同様の条件で延伸および熱固定を行な
い延伸糸を製造した。
この糸径は30gm、引張強度50kg/mrrr’(
伸度38%)、結節強度43kg/mrrr’(結節伸
度31%)であった。
これを第1表に示す各温度のギアオーブン中で1000
時間放M後、引張強度と結節強度を測定した。
第1表から明らかなように、PVDF織雄の連続使用し
得る温度範囲は、130℃までであり。
それを越える温度範囲では、引張強度および結節強度は
急速に低下する。
(以下余白) 第  1  表 比較例2 実施例1で用いたPPS樹脂を実施例1と同様な設備で
吐出量を変えて押出し、100m7分で引き取った。こ
れを同様の条件で延伸および熱固定し延伸糸を得た。
この延伸糸の径は30gm、この単糸の物性は引張強度
54kg/mrrr’(伸度23%)、結節強度22k
g/mrrr’(結節伸度4%)であった。
これを160℃ギアオープン中で1000時間放置後1
強度を測定した。その引張強度は53.8kg/mrn
’(保持率99.6%)(伸度21%)、結節強度18
kg/mrn’(保持率81.2%)(結節伸度3%)
であった。
実施例2〜6、比較例3〜8 実施例1で用いたPVDFおよびPPS樹脂を使用し、
同様の製造方法を用い、各々の樹脂の吐出量を変化させ
て、100m7分で未延伸糸を引取った。
これを実施例1と同様の条件で延伸、熱固定して、各々
30pmの糸を得た。その単糸の引張強度と160℃で
1000時間加熱後の引張強度、結節強度および伸度を
測定した。IN4定結果は、第2表の通りである。
(以下余白) 第2表から明らかなように、耐熱性(160℃で100
0時間後)の点では、内層にPPS樹脂を10%以上含
むことで改良が認められる。
ただし、70%以上含むと結節伸度が小さくなりすぎて
、網の彼れが多少認められる。
実施例3 (1)鞘層のPVD F系樹脂 対数粘度(η1nh)1.15dJl/gのポリ弗化ビ
ニリデンホモポリマーを230℃で押出してペレットを
得た。このポリマーの融点は178℃であった(DSC
:10℃/分の昇温条件で測定)。
(2)芯層のPAS樹脂 実施例!で用いたPPS樹脂ペレットを使用した。
上記、2つの樹脂ペレットを各々35繊維φ押出機から
前者を290℃で、後者を320℃で押出し、同心鞘芯
型複合糸ノズルに導き、鞘層をポリ弗化ビニリデン、芯
層をPPS樹脂とし、3.0繊維φのノズル穴からモノ
フィラメントを紡糸した。
これを50℃の水中で冷却後、連続して140℃のグリ
セリン浴中で4倍延伸し、続いて210℃熱風中を1倍
で足長下に熱固定処理を行なった。得られた糸の径は2
50 gmで、鞘層と芯層の断面積比は、鞘層40%、
芯層60%の構造を持つ複合繊維であった。
この複合繊維の引張強度は56.5kg/mrrr’(
伸度25%)、結節強度は37kg/繊維’(結節伸度
17%)であった、この複合繊維を160℃のギアオー
ブン中、tooo時間放置した後の引張強度は51kg
/繊維’(保持率90%)、結節強度は31kg/繊維
’(保持率84%)であった。
〔発明の効果〕
本発明により、PVDF系繊維の有する優れた耐薬品性
、強度特性、結節強度などの特性を保持しつつ、耐熱性
を向上させた複合繊維を得ることができる0本発明の複
合繊維は、各種の化学工業用資材の織雄として広範な分
野で用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)鞘層が対数粘度(ηinh)0.6〜1.6のポ
    リ弗化ビニリデン系樹脂、芯層が溶融粘度800ポイズ
    以上(310℃、せん断速度1200/秒で測定した値
    である)のポリアリーレンスルフィド樹脂からなること
    を特徴とする耐熱性複合繊維。
  2. (2)ポリアリーレンスルフィド樹脂の断面積比率が2
    0〜60%である請求項1記載の耐熱性複合繊維。
  3. (3)ポリアリーレンスルフィド樹脂が実質的に直鎖状
    のポリマーである請求項1記載の耐熱性複合繊維。
  4. (4)溶融粘度800ポイズ以上(310℃、せん断速
    度1200/秒で測定した値である)のポリアリーレン
    スルフィド樹脂の周囲に、対数粘度(ηinh)0.6
    〜1.6のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融押出しして
    被覆複合させた後、この複合繊維を80〜180℃の雰
    囲気中で、延伸倍率3〜8倍に延伸し、150〜270
    ℃で熱固定することを特徴とする鞘層がポリ弗化ビニリ
    デン系樹脂、芯層がポリアリーレンスルフィド樹脂から
    なる耐熱性複合繊維の製造方法。
  5. (5)ポリアリーレンスルフィド樹脂の断面積比率が2
    0〜60%である請求項4記載の耐熱性複合繊維の製造
    方法。
  6. (6)ポリアリーレンスルフィド樹脂が実質的に直鎖状
    のポリマーである請求項4記載の耐熱性複合繊維の製造
    方法。
JP63130164A 1988-05-30 1988-05-30 耐熱性複合繊維およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2562350B2 (ja)

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