JPH10292226A - 複合モノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

複合モノフィラメントおよびその製造方法

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JPH10292226A
JPH10292226A JP10158197A JP10158197A JPH10292226A JP H10292226 A JPH10292226 A JP H10292226A JP 10158197 A JP10158197 A JP 10158197A JP 10158197 A JP10158197 A JP 10158197A JP H10292226 A JPH10292226 A JP H10292226A
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melting point
polymer
core
sheath
polyvinylidene fluoride
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Kiyoshi Amano
清 天野
Makoto Okano
信 岡野
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Toray Monofilament Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた衝撃強度を有し、とくに水産資材お
よび各種産業資材用途に適したポリ弗化ビニリデン系複
合モノフィラメントおよびこの複合モノフィラメントを
効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 本発明の複合モノフィラメントは、芯
部と鞘部の少なくとも2層構造からなり、いずれの層も
MFR(230℃、10Kg)が6.0以下のポリ弗化
ビニリデン系樹脂から構成され、芯部ポリマーの融点が
150℃以上であり、鞘部ポリマーの融点が芯部ポリマ
ーの融点よりも5〜30℃高いことを特徴とする。ま
た、上記の構成からなる本発明の複合モノフィラメント
の製造方法は、複合紡糸設備を用いて、少なくとも2種
類のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融紡糸、冷却し、引
き続いて1段乃至多段で全延伸倍率が5.5倍以上に延
伸する方法において、最終段階の延伸工程を下記(1)
式を満たす温度Teで行なうことを特徴とする。◎ Tc−5℃<Te≦Ts+20℃ … (1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tc=芯部ポリマーの融点(℃) Ts=鞘部ポリマーの融点(℃)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた衝撃強度を
有し、とくに水産資材用および産業資材用に適した複合
モノフィラメントおよびこの複合モノフィラメントを効
率的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂モノフィラメント、なかでもポ
リ弗化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、強靭であ
ること、比重が大きいこと、屈折率が水に近いこと、お
よび吸水率が低いことなどの有用な特性を備えているた
め、釣糸や漁網などの水産資材用途や種々の産業資材用
途などに広く使用されている。
【0003】しかるに、ポリ弗化ビニリデン系樹脂モノ
フィラメントは、それ自体の線径が大きいために、通常
の製造方法ではモノフィラメントの断面方向に繊維構造
差を生じ易く、またその構造差に起因して十分な物理的
性能を発現し得ないことがネックとなっていた。
【0004】かかるポリ弗化ビニリデン系樹脂モノフィ
ラメントの構造差を改善するための従来技術としては、
(A)芯と鞘の少なくとも2層構造からなり、いずれの
層もポリ弗化ビニリデン系樹脂から構成され、芯部ポリ
マのインヒヤレントビスコシテイが1.10dl/g以
上、鞘部ポリマの見掛け粘度を芯部の見掛け粘度より小
さくした複合糸(特開昭59−144614号公報)、
および(B)ポリ弗化ビニリデン系ポリマーからなるモ
ノフィラメントであって、内柔−中剛−外柔または内剛
−中柔−外剛の同心円状三層構造を有するポリ弗化ビニ
リデン系モノフィラメント(特開平7−292519号
公報)などがすでに提案されている。
【0005】すなわち、上記(A)の複合糸は、表層部
位を低配向度化することによって高結節強度化を図った
ものであり、また上記(B)のポリ弗化ビニリデン系モ
ノフィラメントは、同心円状三層構造により優れた直線
強度と高結節強度を図ったものであるが、いずれも断面
方向の繊維構造の均一性の面では必ずしも満足すべきで
あるとはいいにくいものであった。
【0006】したがって、従来のポリ弗化ビニリデン系
樹脂モノフィラメントは、いずれも断面方向の繊維構造
の均一性の面では不十分であり、それに伴い十分な衝撃
強度等の物理的な性能を備えたものではなく、その改良
が望まれているのが実状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、優れた衝撃
強度を有し、とくに水産資材および各種産業資材用途に
適したポリ弗化ビニリデン系複合モノフィラメントおよ
びこの複合モノフィラメントを効率的に製造する方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の複合モノフィラメントは、芯部と鞘部の
少なくとも2層構造からなり、いずれの層もMFR(2
30℃、10Kg)が6.0以下のポリ弗化ビニリデン
系樹脂から構成され、芯部ポリマーの融点が150℃以
上であり、鞘部ポリマーの融点が芯部ポリマーの融点よ
りも5〜30℃高いことを特徴とする。
【0010】なお、本発明の複合モノフィラメントは、
鞘部を構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂のMFR(2
30℃、10Kg)が芯部を構成するポリ弗化ビニリデ
ン系樹脂のMFRよりも小さいこと、芯部と鞘部の重量
比が95/5〜40/60の範囲にあること、および衝
撃強度が0.9GPa以上であることのいずれか一つを
満たすことが望ましく、その場合には一層優れた効果の
発現を期待することができる。
【0011】また、上記の構成からなる本発明の複合モ
ノフィラメントの製造方法は、複合紡糸設備を用いて、
少なくとも2種類のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融紡
糸、冷却し、引き続いて1段乃至多段で全延伸倍率が
5.5倍以上に延伸する方法において、最終段階の延伸
工程を下記(1)式を満たす温度Teで行なうことを特
徴とする。 Tc−5℃<Te≦Ts+20℃ … (1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tc=芯部ポリマーの融点(℃) Ts=鞘部ポリマーの融点(℃)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリ弗化ビニリデン系
芯鞘複合モノフィラメントにおける芯部ポリマーとして
低融点ポリ弗化ビニリデン系樹脂を、また鞘部ポリマー
として高融点ポリ弗化ビニリデン系樹脂を組合せて構成
し、適度な温度で延伸することを特徴とし、これにによ
って延伸時における内外層のポリマの流動性を適正化す
ることができ、内外層ポリマの配向度等の繊維構造がよ
り均一化されるため、従来に比し衝撃強度がはるかに向
上した複合モノフィラメントの実現を図ることができ
る。
【0013】以下に本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明の複合モノフィラメントの芯部ポリ
マと鞘部ポリマーを構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂
は、いずれもMFR(230℃、10Kg)が6.0以
下で、融点が150℃以上のものであり、それらの具体
例としては、ポリ弗化ビニリデンホモポリマー、および
弗化ビニリデンを主成分としこれと共重合可能な1種ま
たは2種以上のコモノマからなるポリ弗化ビニリデンコ
ポリマーが挙げられる。ここでいうコモノマ成分の具体
例としては、テトラフルオロエチレン、モノクロロトリ
フルオロエチレン、弗化ビニル、ヘキサフルオロプロピ
レン、およびパーフルオロイソプロポキシエチレン等が
挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0015】なお、本発明で用いる上記各ポリマーに
は、例えば顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、結晶化抑制剤、および可塑剤などの各種添加剤
を、目的とする性能を疎外しない範囲で、その重合工
程、重合後あるいは紡糸直前に添加することができる。
【0016】芯部ポリマーと鞘部ポリマーを構成するポ
リ弗化ビニリデン系樹脂の組合せについては、芯部を構
成するポリ弗化ビニリデン系樹脂の融点が150℃以上
であり、鞘部を構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂の融
点が芯部の融点より5〜30℃高いことが満足されれば
とくに制限はないが、鞘部を構成するポリ弗化ビニリデ
ン系樹脂のMFR(230℃、10Kg)が芯部のそれ
より小さいことが好ましい。
【0017】ここで、鞘部および芯部を構成するポリ弗
化ビニリデン系樹脂の融点の差が5℃未満になると、複
合モノフィラメントの衝撃強度改善効果が小さくなるた
め好ましくない。
【0018】また、芯部および鞘部を構成するポリ弗化
ビニリデン系樹脂のMFR(230℃、10Kg)がそ
れぞれ6.0を上回る場合、および芯部を構成するポリ
弗化ビニリデン系樹脂の融点が150℃を下回る場合に
は、引張強度等の物理的特性が不十分となるため好まし
くない。
【0019】本発明の複合モノフィラメントにおいて、
芯部と鞘部の複合比率は、芯部と鞘部の重量比が95/
5〜40/60、特に90/10〜50/50の範囲が
好ましく、これらの範囲を外れる場合には衝撃強度の改
善効果が小さくなるため好ましくない。
【0020】本発明の複合モノフィラメントにおけるモ
ノフィラメントおよび芯部の形状については、必ずしも
円形断面である必要はないが、口金ノズル製作上の簡便
さから円形断面に設定することが工業上最も有利であ
る。また、複合モノフィラメントの芯鞘構造は製造上の
簡便さから通常は二層芯鞘構造であるが、三層以上の多
層芯鞘構造を除外するものではない。
【0021】本発明の複合モノフィラメントは、以下に
説明する方法により効率的に製造することができる。
【0022】まず、上記複合モノフィラメントを溶融紡
糸するに際しては、芯鞘複合用紡糸機を用いる通常の条
件を採用することができ、ポリマー温度200〜300
℃、押出圧力10〜500Kg/cm3 、口金孔径0.
1〜5mm、紡糸速度0.3〜100m/分などの条件
を適宜選択することができる。
【0023】各々の押出機から紡出され、ダイ内で芯鞘
複合化されたモノフィラメントは、短い気体ゾーンを通
過した後、冷却浴中で冷却されるが、ここで冷却媒体と
してはポリマに不活性な液体、通常は水やポリエチレン
グリコール等が用いられる。また、冷却温度は失透を防
ぐため、通常は20℃前後が好ましい。
【0024】冷却固化された複合モノフィラメントは、
引続き1段目の延伸工程に送られるが、延伸および熱固
定の雰囲気(浴)としては、ポリエチレングリコール、
グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒
体浴、乾熱気体浴、および加圧蒸気浴等が用いられる。
【0025】次いで、全延伸倍率が5.5倍以上となる
ように1段乃至多段延伸を行うが、ここで少なくとも最
終段階の延伸工程を下記(1)式を満たす温度Teで行
なうことが必須条件である。 Tc−5℃<Te≦Ts+20℃ … (1) 但し、Te=延伸温度(℃) Tc=芯部ポリマーの融点(℃) Ts=鞘部ポリマーの融点(℃)。
【0026】ここで、全延伸倍率が5.5倍未満又は少
なくとも最終段階延伸工程の延伸温度が(Tc−10
℃)未満の温度では、得られる複合モノフィラメントの
引張強度等の物理的な性能が十分に達成できず、また、
最終段階延伸工程の延伸温度が(Ts+20℃)を越え
る温度では、延伸時にモノフィラメントの融断を引き起
こすことになるため好ましくない。
【0027】1段乃至多段延伸後には、必要に応じて延
伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長、
弛緩熱処理を行うこともできる。
【0028】このようにして得られる本発明の複合モノ
フィラメントは、衝撃強度が0.9GPa以上という優
れた物理的な性能を発揮するすることから、釣糸、漁網
等の水産資材および各種産業資材用途にきわめて有用で
ある。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明するが、実施例におけるモノフィラメントの評価は以
下の方法に準じて行った。
【0030】(1)衝撃強度:島津製振子型衝撃試験機
により、引張衝撃強力(Kg)を測定し、単位重量当り
の引張衝撃強力として引張衝撃強度(GPa)を求め
た。引張衝撃強力(Kg)の測定は50Kg・cm用振
子鎚および10Kgのロードセルを用いて試長300m
mで行い、ビジグラフのチャート上に現れたピークの高
さを読み取ることによって測定値を求めた。(測定回数
は5回とし、その平均値で表した。) (2)融点:JIS−K7121記載のDSC法に準じ
て測定した。
【0031】(3)MFR(230℃、10Kg):ノ
ズル2.095φ×8.0Lを使用して、温度230
℃、荷重10.0Kgの条件下でメルトインデクサーに
よりメルトフローレート(g/10分)を測定した。
【0032】[実施例1]弗化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンのコポリマー(融点:165℃、MFR
(230℃、10Kg):3.2…ポリマーA1)を芯
成分(60重量部)とし、ポリ弗化ビニリデンホモポリ
マー(融点:176℃、MFR(230℃、10Kg)
2.3…ポリマーB1)を鞘成分(40重量部)とし
て、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融
し、孔径1.5mmの口金を通して紡糸し、さらに20
℃のポリエチレングリコール浴中で冷却した。
【0033】次に、この未延伸糸を165℃のポリレエ
チレングリコール延伸浴中で6.5倍に1段延伸し、モ
ノフィラメントを得た。
【0034】引続いて、155℃の乾熱浴中に処理倍率
0.95倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径
0.20mmで、表1に示した複合比率を有する複合モ
ノフィラメントを得た。
【0035】[実施例2]実施例1と同様にポリマーA
1を芯成分(60重量部)とし、ポリマーB1を鞘成分
(40重量部)として、溶融紡糸、冷却して未延伸糸を
得た。
【0036】次に、この未延伸糸を160℃のポリエチ
レングリコール1段目延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて165℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.6倍(E2)に延伸することにより、全延
伸倍率(E1×E2)が7.2倍のモノフィラメントを
得た。
【0037】引続いて、155℃の乾熱浴中に処理倍率
0.92倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径
0.20mmで、表1に示した複合比率を有する複合モ
ノフィラメントを得た。
【0038】[実施例3]弗化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンのコポリマー(融点:158℃、MFR
(230℃、10Kg):2.9…ポリマーA2)を芯
成分(60重量部)とし、ポリ弗化ビニリデンホモポリ
マー(融点:174℃、MFR(230℃、10K
g):2.5…ポリマーB2)を鞘成分(40重量部)
として、エクストルーダー型複合紡糸機で265℃で溶
融し、孔径1.5mmの口金を通して紡糸し、さらに2
0℃のポリエチレングリコール浴中で冷却した。
【0039】次に、この未延伸糸を160℃のポリエチ
レングリコール1段目延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて165℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.67倍(E2)に延伸することにより、全
延伸倍率(E1×E2)が7.5倍のモノフィラメント
を得た。
【0040】引続いて、155℃の乾熱浴中に処理倍率
0.90倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径
0.20mmで、表1に示した複合比率を有する複合モ
ノフィラメントを得た。
【0041】[実施例4]実施例3で使用したポリマー
A2を芯成分(80重量部)とし、弗化ビニリデンとヘ
キサフルオロプロピレンのコポリマー(融点:165
℃、MFR(230℃、10Kg):2.0…ポリマー
A3)を鞘成分(20重量部)として、エクストルーダ
ー型複合紡糸機で260℃で溶融し、孔径2.0mmの
口金を通して紡糸し、さらに20℃のポリエチレングリ
コール浴中で冷却した。
【0042】次に、この未延伸糸を150℃のポリエチ
レングリコール1段目延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて160℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.69倍(E2)に延伸することにより、全
延伸倍率(E1×E2)が7.6倍のモノフィラメント
を得た。
【0043】引続いて、150℃の乾熱浴中に処理倍率
0.92倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径
0.20mmで、表1に示した複合比率を有する複合モ
ノフィラメントを得た。
【0044】[比較例1]実施例1で用いたポリマーA
1単独とし、表1に記載された製糸条件を採用して、直
径0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0045】[比較例2]実施例3で用いたポリマーA
2単独とし、表1に記載された製糸条件を採用して、直
径0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0046】[比較例3]実施例1で用いたポリマーB
1単独とし、表1に記載された製糸条件を採用して、直
径0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0047】[比較例4]実施例3で用いたポリマーB
2単独とし、表1に記載された製糸条件を採用して、直
径0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0048】[比較例5]実施例3で用いたポリマーA
2を芯成分(80重量部)とし、弗化ビニリデンとヘサ
フルオロプロピレンのコポリマー(融点:160℃、M
FR(230℃、10Kg):2.3…ポリマーA4)
を鞘成分(20重量部)とし、表1に記載された製糸条
件を採用して、直径0.20mmで、表1に示した複合
比率を有する複合モノフィラメントを得た。
【0049】[比較例6]実施例2において、1段目の
延伸温度を150℃、2段目の延伸温度を155℃とし
た以外は、実施例2と同一の製法を採用した。
【0050】[比較例7]実施例2において、2段目の
延伸温度を200℃とした以外は、実施例2と同一の製
法を採用した。
【0051】[比較例8]実施例2において、芯成分の
ポリマーA1の比率を97重量部とし、鞘成分のポリマ
ーB1の比率を3重量部とした以外は、実施例2と同一
の製法で、直径0.20mmで、表1に示した複合比率
を有する複合モノフイラメントを得た。
【0052】[比較例9]実施例2において、芯成分の
ポリマーA1の比率を30重量部とし、鞘成分のポリマ
ーB1の比率を70重量部とした以外は、実施例2と同
一の製法で直径0.20mmで、表1に示した複合比率
を有する複合モノフィラメントを得た。
【0053】上記実施例1〜4および比較例1〜9で得
られた各モノフィラメントについて、モノフィラメント
としての特性を評価した結果を表1に併せて示す。
【0054】
【表1】 表1の結果から明らかなように、芯部と鞘部の少なくと
も2層構造からなり、いずれの層もMFR(230℃、
10Kg)が6.0以下のポリ弗化ビニリデン系樹脂か
ら構成され、芯部ポリマーの融点が150℃以上であ
り、鞘部ポリマーの融点が芯部ポリマーの融点よりも5
〜30℃高いことを特徴とする本発明のモノフィラメン
ト(実施例1〜4)は、いずれも衝撃強度が0.9GP
a以上という優れた物理的な性能を有する。
【0055】一方、各種ポリ弗化ビニリデン系樹脂単独
のモノフィラメント(比較例1〜4)および芯部と鞘部
の融点差が小さい複合モノフィラメント(比較例5)
は、本発明の複合モノフィラメントに比較して衝撃強度
が劣るものであった。
【0056】また、芯成分/鞘成分の重量比が95/5
〜40/60の範囲から外れた複合モノフィラメント
(比較例8、9)、および最終段階延伸工程の延伸温度
が、上記(1)式の範囲を外れた製糸条件を採用した複
合モノフィラメント(比較例6、7)は、延伸中に融断
したり、本発明が目的とする効果を充分に満たすもので
はなかった。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合モノ
フィラメントは、従来にない高い衝撃強度を有すること
から、釣糸、漁網等の水産資材および各種産業資材用途
にきわめて有用である。
【0058】また、本発明の複合モノフィラメントの製
造方法によれば、上記の特性を有する複合モノフィラメ
ントを効率的に製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部と鞘部の少なくとも2層構造から
    なり、いずれの層もMFR(230℃、10Kg)が
    6.0以下のポリ弗化ビニリデン系樹脂から構成され、
    芯部ポリマーの融点が150℃以上であり、鞘部ポリマ
    ーの融点が芯部ポリマーの融点よりも5〜30℃高いこ
    とを特徴とする複合モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 鞘部を構成するポリ弗化ビニリデン系
    樹脂のMFR(230℃、10Kg)が、芯部を構成す
    るポリ弗化ビニリデン系樹脂のMFRよりも小さいこと
    を特徴とする請求項1記載の複合モノフィラメント。
  3. 【請求項3】 芯部と鞘部の重量比が95/5〜40
    /60の範囲にあることを特徴とする請求項1または2
    記載の複合モノフィラメント。
  4. 【請求項4】 衝撃強度が0.9GPa以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の複合
    モノフィラメント。
  5. 【請求項5】 複合紡糸設備を用いて、少なくとも2
    種類のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融紡糸、冷却し、
    引き続いて1段乃至多段で全延伸倍率が5.5倍以上に
    延伸する方法において、最終段階の延伸工程を下記
    (1)式を満たす温度Teで行なうことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載の複合モノフィラメント
    の製造方法。◎ Tc−5℃<Te≦Ts+20℃ … (1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tc=芯部ポリマーの融点(℃) Ts=鞘部ポリマーの融点(℃)。
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