JPH1112850A - 複合モノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

複合モノフィラメントおよびその製造方法

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JPH1112850A
JPH1112850A JP15861497A JP15861497A JPH1112850A JP H1112850 A JPH1112850 A JP H1112850A JP 15861497 A JP15861497 A JP 15861497A JP 15861497 A JP15861497 A JP 15861497A JP H1112850 A JPH1112850 A JP H1112850A
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JP
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island
sea
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melting point
monofilament
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JP15861497A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Amano
清 天野
Makoto Okano
信 岡野
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Toray Monofilament Co Ltd
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水産資材あるいは各種産業資材用途に適した十
分な物理的特性と、優れた屈曲回復性およびパーマ性を
兼備した複合モノフィラメントおよび効率的に製造方法
の提供。 【解決手段】断面海島複合構造からなり、海成分および
島成分のいずれもがMFR(230℃、10Kg)6.
0以下のポリ弗化ビニリデン系樹脂から構成され、海成
分ポリマの融点が150℃以上であり、島成分ポリマの
融点が前記海成分ポリマの融点よりも5〜30℃高い。
また、海島複合紡糸装置を用い、融点が異なる少なくと
も2種類のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融紡糸、冷却
し、引続いて1段乃至多段で全延伸倍率が5.5倍以上
となるよう延伸する方法において、最終段階の延伸を下
記(1)式を満たす温度Teで行なう。Tu−5℃<T
e≦Ts+20℃ … (1)、Te=延伸温度
(℃)、Tu=海成分ポリマの融点(℃)、Ts=島成
分ポリマの融点(℃)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた物理的性能
を有し、とくに水産資材用途および産業資材用途に適し
た複合モノフィラメントおよびこの複合モノフィラメン
トを効率的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂モノフィラメント、なかでもポ
リ弗化ビニリデン系樹脂モノフィラメントは、強靭であ
ること、比重が大きいこと、屈折率が水に近いこと、お
よび吸水率が低いことなどの有用な特性を備えているた
め、釣糸や漁網などの水産資材用途や種々の産業資材用
途などに広く使用されている。
【0003】しかるに、ポリ弗化ビニリデン系樹脂モノ
フィラメントは、それ自体の線径が大きいために、通常
の製造方法ではモノフィラメントの断面方向に繊維構造
差を生じ易く、またその構造差に起因して十分な物理的
性能を発現し得ないことがネックとなっていた。
【0004】かかるポリ弗化ビニリデン系樹脂モノフィ
ラメントの構造差を改善した従来技術としては、(A)
芯鞘型複合糸(特開昭59−144614号公報)およ
び(B)同心円状三層構造を有するモノフィラメント
(特開平7−292519号公報)などがすでに提案さ
れている。
【0005】また、本発明者らは、(C)芯部と鞘部の
両方にポリ弗化ビニリデン系樹脂を用いた2層構造から
なり、芯部ポリマの融点を150℃以上とし、鞘部ポリ
マの融点を芯部ポリマの融点より5〜30℃低くした複
合モノフィラメント(特願平9−101582号)が優
れた特性を有することを見出し、先に提案している。
【0006】しかしながら、上記(A)の芯鞘型複合糸
および(B)の同心円状三層構造を有するモノフィラメ
ントは、いずれも結節強度などの向上を図ったものでは
あるが、断面方向の繊維構造の均一性の面では、必ずし
も満足できるものではなく、それに伴って耐摩耗性や耐
疲労性などの物理的性能を十分に発揮し得ないものであ
った。
【0007】また、上記(C)の複合モノフィラメント
は、芯成分と鞘成分を形成するポリ弗化ビニリデン系樹
脂に適度な融点差をもたせることによって、繊維の延伸
時における内外層のポリマの流動性を適正化することが
可能であり、これにより断面方向の繊維構造の均一性を
改善して、耐摩耗性や耐疲労性などの物理的性能を十分
に発揮させることができるため、上記(A)の芯鞘型複
合糸および(B)の同心円状三層構造を有するモノフィ
ラメントに比較してはるかに有用な特性を備えている。
【0008】しかしながら、本発明者らのさらなる検討
の結果によれば、上記(C)の複合モノフィラメント
は、優れた耐摩耗性や耐疲労性などの物理的性能を有す
る反面、屈曲回復性が劣り、また擦過によるパーマの発
生度合いが大きいという欠点を包含していることが判明
した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0010】したがって、本発明の目的は、水産資材あ
るいは各種産業資材用途に使用する場合に適した十分な
物理的特性と共に、優れた屈曲回復性およびパーマ性を
兼備した複合モノフィラメントおよびこの複合モノフィ
ラメントを効率的に製造する方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の複合モノフィラメントは、海成分中に複
数の島成分が点在した断面海島複合構造からなり、前記
海成分および島成分のいずれもがMFR(230℃、1
0Kg)6.0以下のポリ弗化ビニリデン系樹脂から構
成され、海成分ポリマの融点が150℃以上であり、島
成分ポリマの融点が前記海成分ポリマの融点よりも5〜
30℃高いことを特徴とする。
【0012】なお、本発明の複合モノフィラメントは、
モノフィラメント断面において複数の島成分が海成分中
に回転対称に点在する断面海島複合構造を有すること、
海成分を構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂のMFR
(230℃、10Kg)が、島成分を構成するポリ弗化
ビニリデン系樹脂のMFRよりも小さいことおよび海成
分と島成分の重量比が95/5〜40/60の範囲にあ
ることのいずれか一つを満たすことが望ましく、その場
合には一層優れた効果の発現を期待することができる。
【0013】また、上記の構成からなる本発明の複合モ
ノフィラメントの製造方法は、海島複合紡糸装置を用
い、融点が異なる少なくとも2種類のポリ弗化ビニリデ
ン系樹脂を溶融紡糸、冷却し、引続いて1段乃至多段で
全延伸倍率が5.5倍以上となるよう延伸する方法にお
いて、最終段階の延伸を下記(1)式を満たす温度Te
で行なうことを特徴とする。 Tu−5℃<Te≦Ts+20℃ … (1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tu=海成分ポリマの融点(℃) Ts=島成分ポリマの融点(℃)。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリ弗化ビニリデン系
海島複合モノフィラメントにおける島成分ポリマーとし
て高融点ポリ弗化ビニリデン系樹脂を、また海成分ポリ
マーとして低融点ポリ弗化ビニリデン系樹脂を組合せて
構成し、適度な温度で延伸することを特徴とする。した
がって、本発明によれば、延伸時における海島各層のポ
リマの流動性を適正化することができ、海島各層ポリマ
の配向度などの繊維構造がより均一化されて、耐摩耗性
や耐疲労性などがはるかに向上すると共に、海島複合構
造とすることによって、ポリ弗化ビニリデン系樹脂の融
点差に基づく熱的な歪みが緩和されて、屈曲回復性およ
びパーマ性が改善された複合モノフィラメントの実現を
図ることができる。
【0015】以下に本発明について詳細に説明する。
【0016】本発明の複合モノフィラメントの海成分と
島成分を構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂は、いずれ
もMFR(230℃、10Kg)が6.0以下のもので
あり、それらの具体例としては、ポリ弗化ビニリデンホ
モポリマー、弗化ビニリデンを主成分としこれと共重合
可能な1種または2種以上のコモノマからなるポリ弗化
ビニリデンコポリマーが挙げられる。ここでいうコモノ
マ成分の具体例としては、テトラフルオロエチレン、モ
ノクロロトリフルオロエチレン、弗化ビニル、ヘキサフ
ルオロプロピレン、およびパーフルオロイソプロポキシ
エチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0017】なお、本発明で用いる上記各ポリマーに
は、例えば顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、結晶化抑制剤、および可塑剤などの各種添加剤
を、目的とする性能を阻害しない範囲で、その重合工
程、重合後あるいは紡糸直前に添加することができる。
【0018】海成分と島成分を構成するポリ弗化ビニリ
デン系樹脂の組合せについては、海成分を構成するポリ
弗化ビニリデン系樹脂の融点が150℃以上であり、島
成分を構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂の融点が、海
成分ポリマの融点より5〜30℃高いことが満足されれ
ばとくに制限はないが、海成分を構成するポリ弗化ビニ
リデン系樹脂のMFR(230℃、10Kg)が島成分
のそれよりも小さいことが好ましい。
【0019】ここで、海成分と島成分を構成するポリ弗
化ビニリデン系樹脂の融点の差が5℃未満になると、複
合モノフィラメントの衝撃強度改善効果が小さくなるた
め好ましくない。
【0020】また、海成分および島成分を構成するポリ
弗化ビニリデン系樹脂のMFR(230℃、10Kg)
がそれぞれ6.0を上回る場合、および海成分を構成す
るポリ弗化ビニリデン系樹脂の融点が150℃を下回る
場合には、引張強度などの物理的特性が不十分となるた
め好ましくない。
【0021】本発明の複合モノフィラメントにおいて、
海成分と島成分の複合比率は、海成分と島成分の重量比
が95/5〜40/60、特に90/10〜50/50
の範囲が好ましく、これらの範囲を外れる場合には耐摩
耗性や耐疲労性などの改善効果が小さくなるため好まし
くない。
【0022】また、断面海島構造については、島成分が
海成分中に回転対称に点在する断面海島構造を有するこ
とが、屈曲回復性およびパーマ性の面ではより好まし
い。
【0023】なお島成分の数は、モノフィラメントの線
径、構成するポリ弗化ビニリデン系樹脂の種類、および
紡糸条件などによって一概に特定化できないが、2以
上、とくに3以上の複数であることが望ましい。島成分
の数の上限にはとくに制限はないが、複合モノフィラメ
ントの線径や紡糸口金制作上の精度の問題から、自ずと
制約を受け、線径が0.07〜3.0mmの複合モノフ
ィラメントにおける島数は通常3〜19、とくに3〜1
2程度の範囲が好適である。
【0024】なお、本発明の複合モノフィラメントにお
ける島成分の点在形態としては、たとえば図1〜図3に
示した態様が挙げられる。
【0025】すなわち、図1〜図3は、本発明の複合モ
ノフィラメントの一例を示す拡大断面図であり、図1
は、たとえば3個の島成分Bが、モノフィラメント断面
の中心部に近い位置に集中して海成分A中に点在してい
る態様を示す。また図2はたとえば7個の大きさの異な
る島成分Bが、モノフィラメント断面の中心部から外周
にかけての海成分A中に点在している態様を示す。さら
に、図3は、13個の島成分Bが、モノフィラメント断
面の中心部から外周にかけての海成分A中に点在してい
る態様を示す。
【0026】このような島成分の点在形態において、夫
々の島成分は回転対称、すなわちモノフィラメント断面
の中心点を軸として回転するとき、角度が2π/n(n
は2以上の整数、すなわち島成分の数)ごとに最初の図
形と自己同一になる態様で点在していることが望まし
い。
【0027】なお図面においては、島成分の断面形状を
丸型で示したが、これをY型、三角型および星型などの
異形断面にすることによって、海島海面の接触面積を大
きくすることも可能である。
【0028】本発明の複合モノフィラメントは、以下に
説明する方法により効率的に製造することができる。
【0029】まず、上記のような海島複合構造を有する
複合紡糸口金を用いて複合モノフィラメントを溶融紡糸
するに際しては、複合用紡糸機を用いる通常の条件を採
用することができ、ポリマー温度200〜300℃、押
出圧力10〜500Kg/cm3 、口金孔径0.1〜5
mm、紡糸速度0.3〜100m/分などの条件を適宜
選択することができる。
【0030】紡出されたモノフィラメントは、短い気体
ゾーンを通過した後、冷却浴中で冷却されるが、ここで
冷却媒体としてはポリマーに不活性な液体、通常は水や
ポリエチレングリコールなどが用いられる。また、冷却
温度は失透を防ぐため、通常は20℃前後が好ましい。
【0031】冷却固化されたモノフィラメントは、引続
き1段目の延伸工程に送られるが、延伸および熱固定の
雰囲気(浴)としては、ポリエチレングリコール、グリ
セリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体
浴、乾熱気体浴、および加圧蒸気浴などが用いられる。
【0032】次いで延伸を行うに際しては、全延伸倍率
が5.5倍以上となるように1段乃至多段延伸を行う
が、ここでは少なくとも最終段階での延伸を下記(1)
式を満たす温度Teで行うことが必須条件である。 Tu−5℃<Te≦Ts+20℃ …… (1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tu=海成分ポリマの融点(℃) Ts=島成分ポリマの融点(℃)。
【0033】ここで、全延伸倍率が5.5倍未満又は少
なくとも最終段階延伸工程の延伸温度が(Tu−10
℃)未満の温度では、得られる複合モノフィラメントの
引張強度などの物理的な性能が十分に達成できず、ま
た、最終段階延伸工程の延伸温度が(Ts+20℃)を
越える温度では、延伸時にモノフィラメントの融断を引
き起こすことになるため好ましくない。
【0034】1段乃至多段延伸後には、必要に応じて延
伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長、
又は弛緩熱処理を行うこともできる。
【0035】このようにして得られる本発明の複合モノ
フィラメントは、耐摩耗性や耐疲労性などの物理的特性
が優れるとともに、優れた屈曲回復性およびパーマ性を
兼ね備えることから、釣糸、漁網などの水産資材および
各種産業資材用途にきわめて有用である。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明するが、実施例におけるモノフィラメントの評価は以
下の方法に準じて行った。
【0037】(1)耐摩耗性:直径50mmの回転体表
面に#320のサンドペーパーを巻きつけて、これを毎
分180回転で回転させる。一方、モノフィラメントに
1/2デニールの荷重をかけて垂直にたらし、これを前
記回転体に対し、90°の角度で接触させ、モノフィラ
メントが切断するまでの回転数(回)を測定した。試験
回数は5回とし、その平均値で示した。回数が多いほど
耐摩耗性が優れている。
【0038】(2)耐疲労性:屈曲疲労試験機(TOY
OSEIKI社製)を用いて測定した。すなわち、試長
8cmのモノフィラメントの一端側に500gの荷重を
かけ、多端側にチャックを振角度220°、回転数18
0回/分の条件で振子運動させた場合に、モノフィラメ
ントが切断するまでの運動回数を測定した。試験回数は
5回とし、その平均値で示した。回数が多いほど耐疲労
性が優れている。
【0039】(3)屈曲回復性:交差させた2本1組の
ループを作り、、上方ループを止め金に固定し、下方ル
ープに荷重(モノフィラメントの1/2デニールの重
り)を3分間かける。次に、ループの交差点で形成され
た1対の松葉状に屈曲したサンプルを長さ約3cmにカ
ットして採取し、60分間放置した後、開角度(θ)を
測定し、次式で屈曲回復率を計算した。 屈曲回復率(%)=θ/180×100 測定回数は4回とし、その平均値で示した。数値が大き
いほど屈曲回復性が優れている。
【0040】(4)パーマ性:(株)オリエンテック製
引張試験機“テンシロン”のクロスヘッドにセットした
長方形の金属製持具(寸法100L×45H×60W)
に糸を直角に懸下し、一定荷重(モノフィラメントの1
/2デニールの重り)をかけ、下記測定条件下で金属製
持具を上下に移動させてモノフィラメントを金属製持具
のエッジに繰り返し擦過させることにより発生するモノ
フィラメントのちぢれの程度を評価した。 (1)引張試験機のクロスヘッド(金属製持具)の昇降
速度;300mm/分 (2)繰り返しのストローク;10cm (3)往復回数;10回 パーマ性は擦過させた部分を6cmに引伸した状態で観
察したループ数で相対評価した。ループ数が少ないほど
パーマ性が優れている。
【0041】なお、上記(1)〜(3)の評価について
は、20℃、65%RHの条件下で試料をコンディショ
ニングした後、測定を実施した。
【0042】(5)融点:JIS−K7121記載のD
SC法に準じて測定した。
【0043】(6)MFR(230℃、10Kg):ノ
ズル2.095φ×8.0Lを使用して、温度230
℃、荷重10.0Kgの条件下でメルトインデクサーに
よりメルトフローレート(g/10分)を測定した。
【0044】[実施例1]弗化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンのコポリマー(融点:165℃、MFR
(230℃、10Kg):2.8…ポリマーA1)を海
成分(60重量部)とし、ポリ弗化ビニリデンホモポリ
マー(融点:176℃、MFR(230℃、10Kg)
3.2…ポリマーB1)を島成分(40重量部)とし
て、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融
し、図1に示す断面形状を有する海島構造複合モノフィ
ラメントを形成する複合紡糸口金(孔径1.5mm)を
通して紡糸し、さらに20℃のポリエチレングリコール
浴中で冷却した。
【0045】次に、この未延伸糸を162℃のポリレエ
チレングリコール1段延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて164℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.42倍(E2)に延伸し、全延伸倍率(E
1×E2)が6.4倍の複合モノフィラメントを得た。
【0046】引続いて、155℃の乾熱浴中に処理倍率
0.92倍で通過させ熱処理を施すことにより、表1に
示した海島複合比率からなる直径0.20mmの複合モ
ノフィラメントを得た。
【0047】[実施例2]弗化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンのコポリマー(融点:158℃、MFR
(230℃、10Kg):2.3…A2)を海成分(5
0重量部)とし、ポリ弗化ビニリデンホモポリマー(融
点:174℃、MFR(230℃、10Kg):3.8
…ポリマーB2)を島成分(50重量部)として、エク
ストルーダー型複合紡糸機で265℃で溶融し、図2に
示す断面形状を有する海島構造複合モノフィラメントを
形成する複合紡糸口金(孔径1.5mm)を通して紡糸
し、さらに20℃のポリエチレングリコール浴中で冷却
した。
【0048】次に、この未延伸糸を155℃のポリエチ
レングリコール1段目延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて157℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.46倍(E2)に延伸し、全延伸倍率(E
1×E2)が6.6倍の複合モノフィラメントを得た。
【0049】引続いて、155℃の乾熱浴中に処理倍率
0.90倍で通過させ熱処理を施すことにより、表1に
示した海島複合比率からなる直径0.20mmのモノフ
ィラメントを得た。
【0050】[実施例3]実施例2で使用したポリマー
A2を海成分(60重量部)とし、実施例1で使用した
ポリマーA1を島成分(40重量部)として、エクスト
ルーダー型複合紡糸機で260℃で溶融し、図3に示す
断面形状を有する海島構造複合モノフィラメントを形成
する複合紡糸口金(孔径2.0mm)を通して紡糸し、
さらに20℃のポリエチレングリコール浴中で冷却し
た。
【0051】次に、この未延伸糸を155℃のポリエチ
レングリコール1段目延伸浴中で4.5倍(E1)に延
伸し、引続いて157℃の2段目ポリエチレングリコー
ル浴中で1.6倍(E2)に延伸し、全延伸倍率(E1
×E2)が7.2倍の複合モノフィラメントを得た。
【0052】引続いて、150℃の乾熱浴中に処理倍率
0.92倍で通過させ熱処理を施すことにより、表1に
示した海島複合比率からなる直径0.20mmの複合モ
ノフィラメントを得た。
【0053】[比較例1]実施例1で用いたポリマーA
1単独とし、表1に記載した製糸条件を採用して、直径
0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0054】[比較例2]実施例2で用いたポリマーA
2単独とし、表1に記載した製糸条件を採用して、直径
0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0055】[比較例3]実施例1で用いたポリマーB
1単独とし、表1に記載した製糸条件を採用して、直径
0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0056】[比較例4]実施例2で用いたポリマーB
2単独とし、表1に記載した製糸条件を採用して、直径
0.20mmのモノフィラメントを得た。
【0057】[比較例5]実施例2で用いたポリマーA
2を海成分(60重量部)とし、弗化ビニリデンとヘキ
サフルオロプロピレンのコポリマー(融点160℃、M
FR(230℃、10Kg):2.8…ポリマーB3)
を島成分(40重量部)とし、表1に記載した製糸条件
を採用して、直径0.20mmで、表1に示した複合比
率を有する複合モノフィラメントを得た。
【0058】[比較例6]実施例1において、最終延伸
温度(2段目延伸温度)を155℃とした以外は、実施
例1と同一の製法を採用して、直径0.20mmの複合
モノフィラメントを得た。
【0059】[比較例7]実施例1において、最終延伸
温度(2段目延伸温度)を200℃とした以外は、実施
例1と同一の製法を採用して、直径0.20mmの複合
モノフィラメントを得た。
【0060】[比較例8]実施例1において、海成分の
ポリマーA1の比率を97重量部とし、島成分のポリマ
ーB1の比率を3重量部とした以外は、実施例1と同一
の製法で直径0.20mmで、表1に示した複合比率を
有する複合モノフィラメントを得た。
【0061】[比較例9]実施例1において、海成分の
ポリマーA1の比率を30重量部とし、島成分のポリマ
ーB1の比率を70重量部とした以外は、実施例1と同
一の製法で直径0.20mmで、表1に示した複合比率
を有する複合モノフィラメントを得た。
【0062】[比較例10]実施例1で用いたポリマー
B1を芯成分(40重量部)、ポリマーA1を鞘成分
(60重量部)とした芯鞘型断面構造とした以外は、実
施例1と同一の製糸条件を採用して、直径0.20mm
で、表2に示した複合比率を有する複合モノフイメント
を得た。
【0063】[比較例11]実施例2で用いたポリマー
B2を芯成分(50重量部)とし、ポリマーA2を鞘成
分(50重量部)とした芯鞘型断面構造とした以外は、
実施例2と同一の製糸条件を採用して、直径0.20m
mで、表2に示した複合比率を有する複合モノフィラメ
ントを得た。
【0064】[比較例12]実施例3で用いたポリマー
A1を芯成分(40重量部)とし、ポリマーA2を鞘成
分(60重量部)とした芯鞘型断面構造とした以外は、
実施例3と同一の製糸条件を採用して、直径0.20m
mで、表2に示した複合比率を有する複合モノフィラメ
ントを得た。
【0065】上記実施例1〜3および比較例1〜12で
得られた各モノフィラメントについて、モノフィラメン
トとしての特性を評価した結果を表1および表2に併せ
て示す。
【0066】
【表1】
【表2】 表1および表2の結果から明らかなように、海成分と島
成分のいずれの成分もMFR(230℃、10Kg)が
6.0以下のポリ弗化ビニリデン系樹脂から構成され、
融点が150℃以上のポリ弗化ビニリデン系樹脂を素材
とした海成分中に、海成分ポリマより融点が5〜30℃
高いポリ弗化ビニリデン系樹脂を素材とした島成分が複
数点在した断面海島構造を有することを特徴とする本発
明の複合モノフィラメントは(実施例1〜3)は、優れ
た耐摩耗性や耐疲労性と共に、優れた屈曲回復率および
パーマ性を兼備するものである。
【0067】一方、各種ポリ弗化ビニリデン系樹脂単独
のモノフィラメント(比較例1〜4)および海成分と島
成分の融点差が小さい複合モノフィラメント(比較例
5)は、本発明の複合モノフィラメントに比較して耐摩
耗性や耐疲労性が劣るものであった。
【0068】また、海成分/島成分の重量比が95/5
〜40/60の範囲から外れた複合モノフィラメント
(比較例8、9)、および最終段階延伸工程の延伸温度
が、上記(1)式の範囲を外れた製糸条件を採用した複
合モノフィラメント(比較例6、7)は、延伸中に融断
するか、或いは本発明が目的とする効果を充分に満たす
ものではなかった。
【0069】また、複合構造を有するものの、断面芯鞘
構造から構成される複合モノフィラメント(比較例10
〜12)は、優れた耐摩耗性や耐疲労性を有するが、屈
曲回復性およびパーマ性が不十分なものであった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合モノ
フィラメントは、従来にない優れた耐摩耗性および耐疲
労性と共に、優れた屈曲回復性およびパーマ性を兼備し
たものであることから、釣糸、漁網などの水産資材およ
び各種産業資材用途にきわめて有用である。
【0071】また、本発明の複合モノフィラメントの製
造方法によれば、上記の特性を有する複合モノフィラメ
ントを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の複合モノフィラメント一例を示
す拡大断面図である。
【図2】図2は本発明の複合モノフィラメント他の一例
を示す拡大断面図である。
【図3】図3は本発明の複合モノフィラメント他の一例
を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
A 海成分 B 島成分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海成分中に複数の島成分が点在した断面
    海島複合構造からなり、前記海成分および島成分のいず
    れもがMFR(230℃、10Kg)6.0以下のポリ
    弗化ビニリデン系樹脂から構成され、海成分ポリマの融
    点が150℃以上であり、島成分ポリマの融点が前記海
    成分ポリマの融点よりも5〜30℃高いことを特徴とす
    る複合モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 モノフィラメント断面において、複数の
    島成分が海成分中に回転対称に点在する断面海島複合構
    造を有することを特徴とする請求項1に記載の複合モノ
    フィラメント。
  3. 【請求項3】 海成分を構成するポリ弗化ビニリデン系
    樹脂のMFR(230℃、10Kg)が、島成分を構成
    するポリ弗化ビニリデン系樹脂のMFRよりも小さいこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の複合モノフィ
    ラメント。
  4. 【請求項4】 海成分と島成分の重量比が95/5〜4
    0/60の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の複合モノフィラメント。
  5. 【請求項5】 海島複合紡糸装置を用い、融点が異なる
    少なくとも2種類のポリ弗化ビニリデン系樹脂を溶融紡
    糸、冷却し、引続いて1段乃至多段で全延伸倍率が5.
    5倍以上となるよう延伸する方法において、最終段階の
    延伸を下記(1)式を満たす温度Teで行なうことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の複合モノフ
    ィラメントの製造方法。 Tu−5℃<Te≦Ts+20℃ ……(1) ただし、Te=延伸温度(℃) Tu=海成分ポリマの融点(℃) Ts=島成分ポリマの融点(℃)。
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