JPH0130528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用ウインドレギユレータに関
し、詳しくはケーブル駆動式又はテープ駆動式の
ウインドレギユレータにおける当該ケーブル又は
テープと窓ガラスとの連結構造の改良に関する。

自動車用窓ガラスを上下に調整する、いわゆる
ウインドレギユレータには提案された種々のもの
があるが、従来実施されているのはアーム駆動式
ウインドレギユレータが大半である。一方、ケー
ブル駆動式又はテープ駆動式ウインドレギユレー
タの採用が検討されてはいるものの市場に十分定
着しているとは言えない。これは技術的というよ
りはむしろコストパーフオーマンスの観点からで
ある。

提案されているケーブル式ウインドレギユレー
タの概略を第１図に示す。１は上下摺動自在に設
けた自動車の窓ガラス、２は自動車ドアに設けた
窓ガラス収納用のすき間である。窓ガラス１の下
端には断面略Ｕ字状のガラスホルダ３が設けられ
る。４はセツトプレートでその一部が例えばガラ
スホルダ３に溶接等で固着される。５はケーブル
であり、芯材５ａの周面に螺線状に線材５ｂが巻
着されている。このケーブル５の端部には、断面
略状のケーブル支持片６が固着される。ケーブ
ル支持片６の平坦部にはビス７，７を挿通する一
対の孔が穿設されていて、該ケーブル支持片６
は、ガラスホルダ３の下方に位置するセツトプレ
ートに設けためねじ孔（又はボルト、ナツトによ
る連結もありうる）に前記ビス７，７を螺合する
ことによつて連結固定される。１０はケーブル５
を移動自在に保持するケーブルホルダ１８をドア
ボデイに係止するための係止部材、１１は前記ケ
ーブル５を駆動するための駆動手段であり、アー
ムの回転を螺線状線材５ｂにより直線運動に換え
この線材５ｂとともに芯材５ａを送り出したり、
引つ込めたりするに追随して、窓ガラス１はすき
間２を上下摺動自在に上下する。テープ駆動式ウ
インドレギユレータもほぼ同様の構成である。

ところで一方、近来の自動車業界は軽量化を指
向しており、自動車総重量を軽量化することでコ
ストダウンを図るとともに、燃費効果の増大を図
る。ウインドレギユレータもこのすう勢に沿うよ
うに改良される必要がある。

それゆえにこの考案の主たる目的は、ウインド
レギユレータにケーブル駆動式又はテープ駆動式
を採用するに好適な新規な窓ガラスとの連結構造
を提供し、軽量化指向に沿うとともにコスト効果
を得ることにある。

この考案を要約すれば、ケーブル又はテープを
窓ガラスに設けるのに従来のようなセツトプレー
トを介することなく、ケーブル又はテープ支持片
をガラスホルダに直結するようにしたことであ
り、しかもこの直結の態様は溶接ではなく着脱自
在なようにビスの螺合に基づくものである。

以下、この考案を第２図以降の図面に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。なお、以下ではケ
ーブル駆動式のウインドレギユレータのみに言及
するが、テープ駆動式は態様は同様であるので説
明は省略する。

第２図は一実施例の概略斜視図である。１は窓
ガラス、２は自動車ドアに設けた窓ガラス収納用
のすき間である。５は略Ｖ字状にわん曲させて自
動車ドアボデイに設けられたケーブルであり、芯
材５ａ、螺線状に巻着した線材５ｂからなる。１
８はこのケーブル５を移動自在に保持するケーブ
ルホルダで、このケーブルホルダ１８には詳細な
説明は省略するが、ケーブル支持片１２の垂設部
１２ａが移動自在なスリ割溝を設けている。１０
はこのケーブルホルダ１８をドアボデイに係止す
るための係止部材、１１はケーブルを駆動するた
めの駆動手段であり、アームの回転を螺線状線材
５ｂにより直線運動に換え線材５ｂとともに芯材
５ａを送り出したり、引つこめたりする。ケーブ
ル５の上端部には略字状のケーブル支持片１２
のわん曲部で強固に固着されている。このケーブ
ル支持片１２の左右に開いた２つの腕片にはビス
１３，１３を挿通させる孔が穿設されており、ビ
ス１３，１３はガラスホルダ１４に設けたビス取
付部に螺合されてケーブル支持片１２とガラスホ
ルダ１４とは強固に連結される。また、前記した
ようにケーブル支持片１２にはわん曲部と２つの
腕部との間に垂設されケーブルホルダ１８のスリ
割溝を移動自在な垂設部１２ａを設けている。こ
のケーブル支持片１２はそのわん曲部でケーブル
に固着されるが、固着された状態のわん曲部外径
をケーブル５の最外径以下にすることが望まし
く、ケーブルホルダ１８を例えば特公昭40−7121
号に開示された連行体（ケーブルガイド）のよう
な形状とすることが望ましい。

第３図はこの取付部を詳細に示す図、第４図は
概略分解斜視図であり、第５図は第３図Ｘ−Ｘ線
に沿う縦断面図である。窓ガラス１はその端部の
周囲に、緩衝材としてのたとえばゴム１５を介在
されて、略Ｕ字状に形成したガラスホルダ１４の
溝内に挿入される。ガラスホルダ１４の上端部
は、好ましくは内方へ絞られ、ゴム１５は脱離不
能とされる。ガラスホルダ１４の一方側面には一
対の係合突部１６，１６が形成されており、この
係合突部１６にケーブル支持片１２が固定され
る。ビス１３，１３は好ましくは座金付ビス（座
金がビスと一体となつたもの）でよい。第５図の
要部断面図で示すように、係合突部１６はガラス
ホルダ１４の側面からわずかに外へ突出した部分
であり、この突出部分はビス１３を挿入するのに
必要な空間を形成するためのものである。そし
て、このビス挿入孔から内部に沿つてビス１３の
取付部すなわちめねじ部１７が設けられ、ビス１
３，１３はこのめねじ部１７で螺合される。この
際、緩衝材としてのゴム１５はビスの先端部によ
つて窓ガラスの方へ圧縮される（第５図参照）。

このような圧縮を避けるためには、第７図で示
すようにするのが好ましい。第７図ａは窓ガラス
１の概略正面図であり、窓ガラス１の下端には矩
形状又は台形状の切り欠き２０が形成され、ビス
１３は丁度この切り欠き２０に垂直方向に挿入さ
れ、螺合される。この状態は第７図ｂの断面図に
よく示されるが、これは第５図に相当するもので
ある。ゴム１５はビス１３の端部から圧縮される
が、窓ガラス１を圧迫することがない。なお、こ
の場合において第７図ｂで示される係合突部１６
は突出せずともよい場合も考えられよう。

第６図は第５図に示した実施例に係るものの変
形例である。第５図ではめねじ部１７を設けて、
ビス１３をガラスホルダ１４に対して外から螺合
するようにした。しかし、このようなめねじ部１
７を形成するのは比較的に困難な場合もあろう。
そこで、第６図に係る変形例ではこのめねじ部１
７を取り除く。係合突部１６が形成する内部空間
は、つば付ボルト２３の頭部を設けうる空間とし
て、ケーブルホルダ１２はナツト２４によつて前
記つば付ボルト２３に螺着するようにしている。

以上のように、この考案によればテープ又はケ
ーブルの先端部を止着、支持する支持片をガラス
ホルダの側面にねじ手段により着脱自在に直結し
うるようにしたので、連結するために介在する従
来のセツトプレートは不要である。そのため、ド
アスペースを最大に利用可能となるとともに、窓
ガラスの移動量を大きくとることができる。ま
た、コスト的にもメリツトがありテープ駆動式又
はケーブル駆動式ウインドレギユレータを採用実
施化するにも好適であつて、かつ軽量化指向にも
沿うものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来提案されているケーブル式ウイン
ドレギユレータの概略図、第２図はこの考案の一
実施例の概略斜視図、第３図は取付部の詳細図、
第４図は取付部の概略分解斜視図、第５図は第３
図Ｘ−Ｘ線に沿う縦断面図、第６図は変形例の要
部断面図、第７図は他の実施例を示しａは窓ガラ
スの概略正面図、ｂは取付部の要部断面図であ
る。 １……窓ガラス、２……自動車ドアのすき間、
５……ケーブル、１２……ケーブル支持片、１３
……ビス、１４……ガラスホルダ、１５……緩衝
材としてのゴム、１６……係合突部、１７……め
ねじ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下摺動自在に設けた窓ガラスの下端にガラス
   ホルダを備え、該ガラスホルダをケーブルまたは
   テープの端部に連結して、該ケーブルまたはテー
   プと共に前記窓ガラスを上下動させるようにした
   自動車用ウインドレギユレータにおいて、 前記窓ガラスをその端部の周囲に緩衝材を介在
   させて断面略Ｕ字状に形成した前記ガラスホルダ
   の溝内に挿入する一方、ガラスホルダの側壁に外
   向きに突出する突出部を設け、前記ケーブルまた
   はテープの端部に上下方向に連動するように固着
   した支持片と該ガラスホルダの突出部とをビスに
   より結合したことを特徴とする自動車用ウインド
   レギユレータ。