JPH0130305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動二輪車の荷紐係止装置に関するも
のである。

（従来の技術） 自動二輪車でタンデム式シートを備える形式の
ものでは後席が空いているときに荷物をリヤシー
ト上に載せたい場合がある。ところで自動二輪車
の後部にサイドカバーやリヤカウル等のカバーを
設けた場合、荷紐のフツクをカバー外面に突出さ
せるのでは外観上好ましくない。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の問題点を解決するため、シート下部のフ
レームパイプにフツクを溶接することが試みられ
るが、カバーとシート間にフツクが露出し、前記
の如く外観性を阻害し、又カバーの下側に出没式
のフツクを設置することも試みられるが、これに
よると、荷紐がカバーに接して擦れたりし、カバ
ーが傷ついたり、紐が擦れて傷ついたり、タイヤ
からの土砂や小石で紐が傷ついたりする虞れがあ
る。

そこで後席乗員用のピリオンステツプにフツク
として機能させるべくリングを固設することも試
みられるが、これによるとリングがピリオンステ
ツプ部に常時突出し外観上好ましくなく、紐をリ
ング内に通す必要があることから縛着作業が面
倒、煩雑でもある。

本考案は以上の問題点を解決すべくなされたも
ので、その目的とする処は、荷紐の係止を容易且
つ確実に行い、カバーや紐を傷めることなく、外
観性を向上させつつ企図できるようにした自動二
輪車の荷紐係止装置を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、二人乗
車用のタンデムシートを備え、後席乗員用のピリ
オンステツプを備える自動二輪車において、前記
ピリオンステツプの本体を筒状とし、該本体内に
大半が収納され、該本体に対して出没自在に荷紐
係止用フツクを設けたことである。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、フツクはピリオンステツプ
内に不使用時は格納され、使用時には引き出し、
或いは揺動させて露出させて荷紐を引つかけ係止
する。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付図面を参照し
つつ詳述する。

第１図は自動二輪車の側面図で、自動二輪車１
はフレーム２前端のヘツドチユーブ３を介して前
輪４を操向自在に支持するフロントフオーク５を
備え、６はハンドルである。フレーム２の前部下
位にはエンジン７を搭載し、上位には燃料タンク
８を搭載するとともに、フレーム後下部から後方
に後輪９を支持するリヤフオーク１０を揺動自在
に枢着延出し、燃料タンク８の後方で後輪９上方
にかかるようにシート１１を備え、シート１１は
フロントシート１１ａ、リヤシート１１ｂを連続
して備える二人乗り用のタンデム式シートであ
る。

車体の前部はフエアリング１２で覆われ、又タ
ンク８の後部下方、シート１１の下方両側はリヤ
カウル１３で覆われ、フレーム２のメインフレー
ム２ａ後端には運転者用のメインステツプ１４
が、又これの後方にはブラケツト１５を介して後
席乗員用のピリオンステツプ１６が設けられてい
る。ピリオンステツプ１６は既知の如く不使用時
は起立して格納され、使用時には倒して側方に突
出し、足を載せるように構成されている。

ピリオンステツプ１６は第２図で詳細に示す如
くで、ピリオンステツプ１６はパイプ材からなる
本体１７とこれの周りに囲繞装着されたステツプ
ラバー１８とからなる。ステツプ１６の先端１６
ａは斜めに形成され、本体１７の低位の先端部に
はボス部１７ａを設け、これに側面視長い凹型の
フツク１９の基部寄り部１９ａをピン２０で枢着
し、本体１７のフツク１９が臨む部分は先端方向
及び図中左右方向に切欠１７ｂし、又ラバー１８
のこの部分も同様に切欠１８ａし、第２図はフツ
ク１９の格納状態を示し、フツク１９は杆部１９
ｂが本体１７と平行し、切欠１７ｂにかかつて本
体１７内の空間Ｓ内が大半が臨み、先端は下を向
いて空間Ｓ方向に突出するＬ型の係止部１９ｃを
備える。

本体１７の斜めに開口した先端部１７ｃはエン
ドプレート２１で塞ぎ、これの周縁部２１ａはラ
バー１８のストツパを兼ね、かかるエンドプレー
ト２１の一部にフツク１９の第２図の状態で上位
にある基部１９ｄが若干突出するための開口２１
ｂを備え、基部１９ｄは逆Ｌ型をなし、屈曲部１
９ｅが開口２１ｂから若干突出し、基端部１９ｆ
は開口２１ｂの周辺部裏面に止着した板バネから
なるストツパ２２に当接係合されている。そして
本体１７のフツク１９とは反対側の壁面１７ｄの
先端寄り部には内方に突出するストツパ２３を打
ち抜き屈曲させて形成する。

第２図はフツク１９の格納状態を示し、ステツ
プ１６の先端１６ａのエンドプレート２１からフ
ツク１９の屈曲部１９ｅが若干突出する程度で他
は本体１７内に収納されている。かかる格納状態
はストツパ２２がフツク１９の基端部１９ｆに弾
性的に当接することにより揺動することなく保持
される。

使用時には、エンドプレート２１の開口２１ａ
から突出した屈曲部１９ｅを含む基部１９ｄを押
し下げる。これによりフツク１９はストツパ２２
を撓ませて第２図時計方向にピン２０を支点とし
て揺動し、ピン２０から先の杆部１９ｂ、係止部
１９ｃは切欠１７ｂ，１８ａを通つて外方に揺動
突出し、突出した係止部１９ｃに荷紐２４を回し
て引つかけ、係止する。このさい。紐２４でフツ
ク１９には時計方向への力が作用するが、基端部
１９ｆがエンドプレート２１の内方に侵入してス
トツパ２３に当接係合し、この部分でかかる力を
支持する。かかる使用状態を第３図で示した。

第４図及び第５図は第２実施例を示す。

本実施例は本体１１７内にフツク１１９の大半
を引き出し収納自在に格納し、フツク１１９は基
端部１１９ｆがＬ型で空間Ｓ内に臨み、エンドプ
レート１２１の開口１２１ａから角度が角なし型
の先部１１９ｃが該プレート表面と重なるように
露出し、先端部１１９ｇが球状をなしてエンドプ
レート１２１端部に設け凹部１２１ｂに半没収納
される。本体１１７の短い側の壁１１７ｂの先部
には内方に突出するストツパ１２３を切り離して
内方に折曲することにより形成し、これの内側に
二股状のフツクガイド１２２を付設し、ガイド１
２２は板バネで形成され、ストツパ１２３の先端
に臨む屈曲ストツパ部１２２ａと両側のガイド片
１２２ｂを備える。そしてフツク１１９の中間部
には凹部１１９ｈを設け、第４図の如き格納状態
ではストツパ部１２２ａが凹部１１９ｈに弾圧係
合してフツク１１９の抜き出しを防止し、又ガイ
ド片１２３ｂで左右へのガタつきを防止する。

以上において、フツク１１９の先端部１１９ｇ
を摘持し、フツク１１９を引き出す。フツク１１
９はストツパ部１２２ａがたわんでこれをのりこ
えて開口１２１ａから引き出され、ストツパ１２
３の先端１２３ａとたわんだストツパ部１２２ａ
が一体化したストツパでフツク１１９の基端部１
１９ｆが引つかかつて係止され、紐１２４による
力を支持する。かかる使用状態を第５図で示し
た。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、ピリオン
ステツプに荷紐係止用フツクを設け、且つこれを
出没自在としたため、不使用時には露出すること
がなく、外観性の点で好ましく、且つ突起物がな
いため邪魔になることがなく、リヤカウルやロー
プを傷めることなく荷物の紐掛を行い得る他、出
没が容易で構造も揺動、挿抜のため簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図はピリオンステツ
プの断面図でフツク格納状態の図、第３図は同使
用状態の図、第４図は第２実施例の第２図と同様
の図、第５図は同使用状態の図である。 尚図面中１は自動二輪車、１１はシート、１６
はピリオンステツプ、１９，１１９はフツクであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二人乗り用タンデムシートを備え、後席乗員用
   のピリオンステツプを備える自動二輪車におい
   て、前記ピリオンステツプの本体を筒状とし、該
   本体内に大半が収納され、該本体に対して出没自
   在に荷紐係止用フツクを設けたことを特徴とする
   自動二輪車の荷紐係止装置。