JPH0129135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のプロペラシヤフト支持装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えば実開昭54−839号公報に示されて
いるように、自動車のプロペラシヤフトの一部
を、センターベアリングを介してフロア下部に左
右方向へ固設された車体フレームに支持するよう
にしたプロペラシヤフト支持装置が用いられてい
る。

この種の従来のプロペラシヤフト支持装置を、
第４図ないし第６図によつて説明すると、ミツシ
ヨン１とデフ２の間を、これらのそれぞれに設け
たユニバーサルジヨイント６，７に、ユニバーサ
ルジヨイント３で連結した前、後２本のプロペラ
シヤフト４，５の前、後端をそれぞれ連結するこ
とにより連繋し、エンジン側から車輪側に駆動力
を伝達するように構成したものでは、プロペラシ
ヤフト４が、車体フレーム８におけるフロア９下
方に突出した部分にセンターベアリング１０を介
して支持される。すなわち、車体フレーム８の下
面にマウントブラケツト１１がボルト、ナツトで
締付けられ、これらの間に上、下保持部材１２，
１３を介してセンターベアリング１０が嵌合、固
定される。

なお前記保持部材１２，１３は、車体フレーム
８とマウントブラケツト１１にボルト、ナツトで
挟着される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前述のように構成された従来のプロペ
ラシヤフト支持装置では、車体フレーム８の下方
に突出した部分とセンターベアリング１０とマウ
ントブラケツト１１とが自動車の前後方向に一致
した位置で上下方向に重なつて配設されるため、
マウントブラケツト１１の地上からの高さを確保
するとプロペラシヤフト４、車体フレーム８、フ
ロア９の高さが高くなつて地上高も高くなり、従
つて、プロペラシヤフトのレイアウトの自由度が
小さくかつ居住性が低下すると共に車体の振動も
大きくなるという問題があつた。

本考案は、前述した問題を解決し、さらにはセ
ンターベアリングへ自動車が跳ねた石などが衝突
することを防止できる自動車のプロペラシヤフト
支持装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、このような課題を解決するため、次
のような手段を有している。すなわち フロア下部に左右方向へ固設された車体フレー
ムの下部へのマウントブラケツトの固定部を、プ
ロペラシヤフトを支持するセンターベアリングよ
り前方に配置し、前記マウントブラケツトの前記
固定部後方に突出させた支持部上に、前記センタ
ーベアリングを固定し、プロペラシヤフトをフロ
アに近接して支持することができるようにしたこ
とを特徴としている。

なお実開昭56−27124号公報には、フレームに
プロペラシヤフトを支持するための支持装置が開
示されているが、これは、フレームに固定されて
いるホルダ内に弾性的に保持されているトルク管
と、この内部にあつてこれを貫通するプロペラシ
ヤフトとが、該シヤフトの、トルク管よりの突出
部分を前記トルク管に弾性的に支持することによ
つて、走行中の揺動により互に接触しないように
したものであり、従つて、本考案と目的ひいては
構成を異にしているものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
を参照して説明する。

本実施例によるプロペラシヤフト支持装置は、
フロア９下部に左右方向に固設された車体フレー
ム８の下部に、補強部材を兼ねたマウントブラケ
ツト１４の左右をボルト、ナツトで締付け固定
し、これらの固定部Ａにはプロペラシヤフト４を
遊挿し、固定部Ａをセンターベアリング１０より
前方に配置してある。このようなマウントブラケ
ツト１４の固定部Ａ後方に支持部１４ａを突出さ
せ、支持部１４ａ上に上、下保持部材１２，１３
を介して包み込むようにセンターベアリング１０
を固定する。

そして上、下保持部材１２，１３は、左、右フ
ランジ部がマウントブラケツト１４の支持部１４
ａに共締め固定されている。なお本実施例の前述
した以外の構成は、第４図ないし第６図に示す従
来の装置と同様であり、また第１図ないし第３図
中、第４図ないし第６図と同符号は対応する部分
を示す。

以上のように構成された実施例のプロペラシヤ
フト支持装置は、フロア９の下方に位置している
車体フレーム８とマウントブラケツト１４との固
定部Ａをセンターベアリング１０より前方に配置
し、前記マウントブラケツト１４の固定部Ａより
後方に突出した支持部１４ａ上に前記センターベ
アリング１０を固定したので、固定部Ａによつて
センターベアリング１０の上下方向位置が規制さ
れることがない。

このため、プロペラシヤフト４，５の設計の自
由度が大きく、前記センターベアリング１０と車
体のフロア９との間隔を小さくすることにより、
前記プロペラシヤフト４，５の地上からの高さを
確保して、車体フレーム８、フロア９を低くし、
車体の地上高さを低くでき、また車体のルーフの
高さを変えることなく車室内の居住性を向上させ
ることができる。

さらにプロペラシヤフト４，５のレイアウトの
自由度が大きいことは、振動の改善にも有効であ
る。そして自動車の走行時に跳ねた石などがセン
ターベアリング１０に衝突することを、車体フレ
ーム８とマウントブラケツト１４の固定部Ａで防
ぐことができるので、センターベアリング１０が
破損するおそれが少く、自動車の衝突時のプロペ
ラシヤフト４，５の位置規制機能も高められ、と
くにプロペラシヤフト４，５の横にフユーエルタ
ンクを設置した自動車の場合に有効である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、車体フ
レームとマウントブラケツトとの固定部をセンタ
ーベアリングより前方に配置したことにより、前
記センターベアリングに支持されるプロペラシヤ
フトのレイアウトの自由度が大きく、前記プロペ
ラシヤフトの地上からの高さを確保して車体フレ
ーム、フロアを低くし、車体の地上高を低くした
り、居住性を向上させたりすることができ、振動
の改善にも有効であり、また走行時の跳ね石によ
るセンターベアリングの破損を減少させることが
でき、衝突時の前記プロペラシヤフトの位置規制
機能も高められるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略側面図、
第２図は第１図の−線に沿う拡大断面図、第
３図は第１図の要部の拡大側面図、第４図は従来
例を示す概略側面図、第５図は第４図の−線
に沿う断面図である。第６図は第５図の−線
に沿う断面図である。 １……ミツシヨン、２……デフ、３，６，７…
…ユニバーサルジヨイント、４，５……プロペラ
シヤフト、８……車体フレーム、９……フロア、
１０……センターベアリング、１１……マウント
ブラケツト、１２，１３……保持部材、１４……
マウントブラケツト、１４ａ……支持部、Ａ……
固定部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロア下部に左右方向へ固設された車体フレー
   ムの下部へのマウントブラケツトの固定部を、プ
   ロペラシヤフトを支持するセンターベアリングよ
   り前方に配置し、前記マウントブラケツトの前記
   固定部後方に突出させた支持部上に、前記センタ
   ーベアリングを固定し、プロペラシヤフトをフロ
   アに近接して支持することができるようにしたこ
   とを特徴とする自動車のプロペラシヤフト支持装
   置。