JPH0129035B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水、ミルク、酒等の液体を加熱するた
めの液体加熱用電熱器具の発熱体に関するもので
ある。

従来、市場に提供されている液体加熱用電熱器
具は多種多様の形態があり、液体を収容する容器
もガラス、金属、陶磁器製等広範囲に亘つてい
る。また、液温を外部からの操作で制御可能にし
たものや、発熱体も種々のものが用いられてい
る。その構成も概ね次のようなものが一般的であ
つた。上部に開口部を有する有底の容器内に液密
に構成した水中発熱体やシーズヒーターを容器の
底面上に設置したり、容器の底面下部よりスペー
スヒータを強く圧接したり、容器の下部外周部に
バンド形状のスペースヒータを巻いて締付けを行
い、そしてそれぞれの容器下部に袴部材を設け、
電気回路を接続して液体加熱用電熱器具を構成し
ていた。特に陶磁器製容器の場合においては、容
器の底面下部や胴部に発熱体を取付けることは熱
効率の面で極めて悪く、かつ液温と温度制御器の
相関性を保証することは技術的な面で困難さがあ
り、したがつて、市場の多くの陶磁器製容器を備
えた液体加熱用電熱器具は、液温を制御する手段
をなくし、単に加熱だけを行うものが多々あり、
発熱体も前記した水中発熱体やシーズヒーターを
採用していた。なお、水中発熱体やシーズヒータ
ーは発熱体として、一般に高コストであり、か
つ、容器の底面と発熱体間の清掃が困難であると
いう欠点を有していた。

本発明は液温と温度制御器との温度相関性を、
容器の材質に関係なく改善した液体加熱用電熱器
具の発熱体を提供するものであり、以下、本発明
の一実施例を添付図面にもとづいて説明する。

第１図および第２図において、１は絶縁基板に
電熱線が巻回され、その両側面より絶縁板が積層
されて形成された発熱盤である。そしてこの発熱
盤１の下面には、外周側部を有する良熱伝導性金
属板製の熱拡散板２が密着状態に設置され、かつ
この熱拡散板２は中央部を上方へ突出させ、そし
て前記発熱盤１と熱拡散板２は外周側部縁を有す
る伝熱部材３と背面部材４でもつて外縁部と中央
部がそれぞれ固着結合されて伝熱部材３と背面部
材４に内蔵されている。また前記発熱盤１、熱拡
散板２および背面部材４の各中央には透孔を形成
している。５は伝熱部材３の中央下面に固着結合
された取付金具で、この取付金具５は前記発熱盤
１、熱拡散板２および背面部材４の各透孔を貫通
している。６は温度制御器で、この温度制御器６
は良熱伝導金属製の受感台７を介して取付金具５
に結合されており、そして温度制御器６の操作レ
バー８は器体外部に導出されている。なお、熱拡
散板２および背面部材４の中央部は伝熱部材３の
中央突部に密着しながら、可能な限り、受感台７
の近傍にまで延長して設置しているものである。

また、発熱盤１からのリード線は導出され、所
定の電気回路に接続されている。９は上方が開口
し、かつ底面中央に孔部が設けられた容器で、前
記伝熱部材３の外縁部にはパツキング１０が装着
されており、このパツキング１０が取付ばね１１
で容器９の孔部に強圧着状態で取付けられてい
る。また容器９の下面には略Ｌ字状の係止部１２
が設けられ、かつこの係止部１２に略逆Ｌ字状の
係止部を有する取付板１３が係合固定されてい
る。またこの取付板１３には袴部材１４が固着結
合されているもので、この袴部材１４は容器９の
下部に配置している。１５は背面部材４の下方を
覆う遮熱板である。

上記構成において、容器９内に所定の被加熱液
体を入れ、通電を開始すると、発熱盤１の電熱線
の温度は上昇し、そして伝熱部材３に伝導され、
容器９内の液体の温度を上昇させる。それと同時
に発熱盤１からの熱は、熱拡散板２に伝導され、
そして熱拡散板２の外周側部と背面部材４に直ち
に伝導され、さらに伝熱部材３の外周側部へと熱
が伝えられて、液体加熱に供せられる。つまり、
熱量は、発熱体全体に均一化され、液温上昇に供
せられる。液体温度は伝熱部材３に密着結合され
た良熱伝導性の受感台７を通じて温度制御器６に
伝わり、遮熱板１５により発熱盤１からの熱輻射
を遮断する効果と相乗して、所望温度の制御を容
易にし、操作レバー８による外部操作を可能にし
ている。また、異常使用、誤使用による空炊きの
場合においても、熱拡散板２と背面部材４の作用
により伝熱部材３の中央部に熱が速やかに伝導さ
れ、受感台７を通じて温度制御器６に伝わり、安
全性を保証する。また伝熱部材３の表面の温度上
昇による変色も、外周部縁へ熱を伝導させて拡散
させるため、有利になる。なお、前述の空炊き時
と同様に、使用中の減水空炊きの場合において
も、伝熱部材３の中央部が上方に突出しているの
で、減水が進行すると、中央突部が先に露出する
ことになり、その結果、熱拡散板２と背面部材４
からの熱で直ちに受感台７を通じて温度制御器６
に伝導される。また、電熱線温度が異常に上昇し
たときは、その熱は、速やかに熱拡散板２および
背面部材４に伝わるので、電熱線温度の低下に著
しい効果を発揮し、その結果として、発熱体の耐
久寿命を伸ばすことができる。

さらに、上記実施例のような発熱体を用いれ
ば、容器９内の手入れ清掃が極めて簡単にでき、
かつ液温制御精度の高い、安全性を保証した、耐
久力の高い、低コストの液体加熱用電熱器具を提
供することができる。

以上の説明から明らかなように、本発明の液体
加熱用電熱器具の発熱体は、液体を収容する容器
の底面に取付けられるとともに、発熱盤と、この
発熱盤の下面に密着して設置した良熱伝導性の熱
拡散板と、前記発熱盤を覆う伝熱部材と、前記熱
拡散板の下面を覆う背面部材とにより構成され、
前記伝熱部材、熱拡散板および背面部材の各中央
部を上方に突出させ、かつ前記発熱盤、熱拡散板
および背面部材の各中央に透孔を形成し、これら
の透孔を貫通して温度制御器の取付金具を前記伝
熱部材の中央下面に結合しているもので、前記伝
熱部材、熱拡散板および背面部材の各中央部を上
方に突出させているため、発熱盤の内周から伝熱
部材を介して温度制御器の取付金具に至るまでの
沿面距離を、突出させていないものに比べ、長く
することができ、これにより発熱盤から温度制御
器への熱影響を少なくすることができるため、液
温と温度制御器の温度相関性を高めることができ
る。

また前述したように、伝熱部材、熱拡散板およ
び背面部材の各中央部を上方に突出させたことに
より、使用中の減水空炊きの場合においても、温
度制御器を速やかに動作させることができる。さ
らに発熱盤の電熱線温度が異常に上昇したとき
は、その熱は速やかに熱拡散板および背面部材に
熱伝導されるため、電熱線温度の低下に著しい効
果を発揮し、これにより、発熱体の耐久寿命も伸
ばすことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す発熱体を用い
た液体加熱用電熱器具の断面図、第２図は同発熱
体の断面図である。 １……発熱盤、２……熱拡散板、３……伝熱部
材、４……背面部材、５……取付金具、６……温
度制御器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液体を収容する容器の底面に設けた孔部に取
   付けられて容器の底面の一部を構成するととも
   に、発熱盤と、この発熱盤の下面に密着して設置
   した良熱伝導性の熱拡散板と、前記発熱盤を覆う
   伝熱部材と、前記熱拡散板の下面を覆う背面部材
   とにより構成され、前記伝熱部材、熱拡散板およ
   び背面部材の各中央部を上方に突出させ、かつ前
   記発熱盤、熱拡散板および背面部材の各中央に透
   孔を形成し、これらの透孔を貫通して温度制御器
   の取付金具を前記伝熱部材の中央下面に結合した
   液体加熱用電熱器具の発熱体。