JPH0128826B2 - - Google Patents

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JPH0128826B2
JPH0128826B2 JP59057389A JP5738984A JPH0128826B2 JP H0128826 B2 JPH0128826 B2 JP H0128826B2 JP 59057389 A JP59057389 A JP 59057389A JP 5738984 A JP5738984 A JP 5738984A JP H0128826 B2 JPH0128826 B2 JP H0128826B2
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JP
Japan
Prior art keywords
cast iron
floating seal
less
wear
seal
Prior art date
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Expired
Application number
JP59057389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60200950A (ja
Inventor
Yoshikatsu Nakamura
Osamu Kawamura
Hiroshi Ikutake
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Piston Ring Co Ltd
Original Assignee
Nippon Piston Ring Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Piston Ring Co Ltd filed Critical Nippon Piston Ring Co Ltd
Priority to JP5738984A priority Critical patent/JPS60200950A/ja
Publication of JPS60200950A publication Critical patent/JPS60200950A/ja
Publication of JPH0128826B2 publication Critical patent/JPH0128826B2/ja
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  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Mechanical Sealing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は建設機械や建設車両の軸封装置として
用いられるフローテイングシール、特に鋳鉄製フ
ローテイングシールに関するものである。 フローテイングシールは図面に示す如く回転軸
1の端部に配されて、ケーシング2と回転カバー
3側とにそれぞれOリング5,5を介して組付け
られるものであり、フローテイングシール4,4
はそれぞれケーシング2、回転カバー3とに結合
されてシール面6,6にて回転摺動する。ここで
ケーシング2と回転カバー3の間から浸入する土
砂や塵、汚水はOリング5,5及びフローテイン
グシールのシール面6,6にてシールされるもの
で、シール面6,6は摺動条件にある理由によつ
て特別なシール性、即ち耐摩耗性、耐食性が必要
とされる。 又フローテイングシールは外周側にOリングと
の接触面を形成するが、Oリングのシール性を維
持する上でこの面の面精度も要求される。 かかるフローテイングシールは主としてシール
面の耐摩耗性を重視して、耐摩耗性鋳鉄、例えば
白鋳鉄や、Cr−Mo合金鋳鉄が使用される。これ
らの合金鋳鉄は主として高硬度なCr炭化物を多
量に含むことで耐摩耗性効果を得るもので、さら
に鋳放しのままでマルテンサイト化されることに
より基地強度、硬度にも優れる。 しかしながらかかる耐摩耗性合金鋳鉄では焼入
れされることにより耐摩耗性効果に優れる一方
で、極めて硬度が高いことによる被削性の悪さ
や、添加元素が多量であることによる鋳造性の悪
さ、及び熱処理工程を多く含むことによるコスト
高等の諸問題がある。 これに対してフローテイングシールのシール面
のみを冷し金によりチル化し、必要部分のみに耐
摩耗性に優れるチル層を形成することが考えられ
るが、通常の鋳鉄をチル化したものではチル組織
の安定化がされ難いばかりか充分な表面硬度が得
難く実用性に乏しい。 これに対して近年小物鋳物の表面チル化手段と
して再溶融冷却によるチル化が注目されており、
例えば特公昭51−49573号や特公昭48−25289号等
に示される如く、チル化され難い材料表面を電子
ビーム照射により再溶融し母材自体の熱容量によ
り急冷することで耐摩耗性に優れるチル組織を形
成しうるものである。 かかる再溶融冷却によりチル層を設けたフロー
テイングシールとしては本出願人が先に提案した
特願昭56−56908号があるが、本発明の目的はこ
の再溶融冷却したチル組織を有するフローテイン
グシールをさらに改良し、フローテイングシール
としてのシール面の耐摩耗性に優れ、かつ母材の
強度、被削性、鋳造性に優れたものを提供するこ
とである。 本発明の特徴とするところは特許請求の範囲に
記載した如く、下記の2つの構成要件よりなる鋳
鉄性のフローテイングシールにある。 1 化学成分が重量%にて、C:2.5〜3.8%、
Si:2.0〜4.0%、Mn:0.4〜2.0%、Cu:0.5〜
4.0%、Ni:4.0%以下、Cr,Ti,W,Vのうち
1種又は2種以上で0.3〜1.3%、P:0.5%以
下、S:0.2%以下、残部Feからなること。 2 シール面は再溶融チル組織を有すること。 上記の特徴を有する本発明のフローテイングシ
ールはシール面に再溶融冷却に固有な緻密なチル
組織を有すると共に、母材自体は被削性、鋳造性
に優れるものである。 成分の限定理由を以下に述べる。 Cはチル組織のセメンタイト量を制御すると共
に母材組織を調整するもので、2.5%未満である
とチル組織のセメンタイト量が不十分となり耐摩
耗性に不足し、さらに母材の被削性が低下する。
一方3.8%超ではチル組織のセメンタイトが粗大
化し、チル組織に再溶融によるブローホールが生
じ易くなり、又母材の黒鉛量が過多となり強度が
低下するため2.5〜3.0%で選択される。 SiはC量とも関係するが鋳鉄の黒鉛化に寄与す
るものであり、2.0%未満であると母材の黒鉛化
が進まず母材自体がチル化し被削性が著しく低下
し、4.0%を超えると黒鉛化が過剰に進行し母材
強度が低下する他、再溶融チルに際しブローホー
ルが生じ易く、2.0〜4.0%で選択される。 Mnは有害元素であるSの除去に効果を有し、
またチル化傾向を有する為、黒鉛化元素である
Cu,Niによる黒鉛の成長を抑制し基地強度の改
善に寄与するが、2.0%超ではチル化傾向が顕著
になり靭性の低下、被切削性の劣下を招く。また
0.4%未満ではSの除去、基地強度の改善に対す
る効果が得られないため、0.4〜2.0%で選択され
る。 Cuは鋳鉄の肉厚感受性を低下させ、母材の強
度と耐食性を向上させるが、4.0%以上では基地
中に完全に固溶せず析出する為に母材の機械的性
質の低下を招く。一方0.5%未満では上記の効果
が得られない。従つて0.5〜4.0%で選択される。 NiはCuと同様に鋳鉄の肉厚感受性を低下させ
基地強度を向上させることに効果がある。また薄
肉材の場合、Cu単独の添加ではCr,Mo等の影響
で白銑化しやすくなるが、Cuよりも黒鉛化傾向
の大きいNiの添加によつて白銑化を抑制するこ
ができる。しかし、4.0%超では基地中のベイナ
イトさらには残留オーステナイトの増加を招き強
度を低下させるので、4.0%以下で選択される。 Cr,Ti,W,Vのうち1種又は2種以上を選
択して添加することにより高硬度の炭化物を形成
させて耐摩耗性を向上させ得るが、0.3%未満で
は硬度向上の効果が得られず、1.3%超では母材
の鋳放し硬度が高くなり過ぎて切削性を害するの
で0.3〜1.3%で選択する。これら耐摩耗性を向上
させる元素としては微細な炭化物を形成し、基地
強度の向上にも効果のあるCrを選択することが
最も好ましい。 不可避不純物であるP,Sは各々0.5%以下、
0.2%以下に抑えることが望ましい。 以上説明した如き化学成分よりなる本発明フロ
ーテイングシールは鋳造されて後にシール面が再
溶融冷却されてチル組織61が形成される。かか
る再溶融手段には104〜107W/cm2の高密度エネル
ギ熱源、具体的には電子ビーム、レーザビーム、
TIGアーク、プラズマアークが用いられる。ただ
し107W/cm2を超えた高密度エネルギではシール
面の再溶融以前に表面が蒸発して、衝撃硬化を受
けるものの充分な再溶融層が得られず、104W/
cm2未満の相対的に低密度なエネルギ加熱では再溶
融されて冷却される速度が遅く、母材への熱影響
が多大であるばかりか、チル組織もモツトル状と
なり充分な硬度と強度が得られない。 (実施例) 本発明材の性能確認試験を行なつた。 表に示すように、No.1,2,3の試料が本発明
材で、No.4,5,6が比較材である(No.5はCr
−Mo鋳鉄でNo.6は高Cr鋳鉄)。 各々、溶解、鋳造、荒加工、再溶融(TIGアー
ク照射)、仕上げ加工の工程によつて試料を作成
し、硬度と摩耗量の測定を行つた。
【表】
【表】 摩耗量の測定は、各々の供試材を8×7×5mm
の平板状試料に加工し、これらを平面接触滑り摩
耗試験機における固定片として、40φ×10mmのロ
ーラ状に加工した回転片の円周面に圧接し、その
圧接面に対して常時潤滑油を供給した。 試験条件は以下の通りである。 荷重…80Kgf、周速…1m/s、潤滑油…R30
+3%アルミナ粉、油温…75℃、試験時間…7時
間。 回転片(相手材)が固定片(当試料)と同一材
料の場合が表における摩耗量、回転片が高Cr
鋳鉄材の場合が摩耗量である。 この結果、比較材はいずれも再溶融によつてブ
ローホールが生じ、チル部の硬度は測定不能だつ
た。さらに比較材No.4はブローホールが多すぎて
摩耗試験には供試できなかつた。一方、本発明材
はブローホールが生じず、摩耗量は相手材ととも
にいずれも少ない値を示した。 以上述べたように本発明のフローテイングシー
ルは、母材が鋳放し状態でロツクウエル硬度20〜
35程度の被削性の良好な鋳鉄材であり、シール面
には極めて耐摩耗性に優れる再溶融冷却チル層を
有し、また低合金鋳鉄として材料コストの低いフ
ローテイングシールである。また、本発明に係る
材料とチル形成の方法は、本発明フローテイング
シールのシール面と摺動する面を有する一般的な
シールリングにも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明フローテイングシールの使用状態
を示す断面図である。 1……回転軸、4……フローテイングシール、
5……Oリング、6……シール面、61……チル
組織。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋳鉄製のフローテイングシールにおいて、成
    分組成が重量%にて、C:2.5〜3.8%、Si:2.0〜
    4.0%、Mn:0.4〜2.0%、Cu:0.5〜4.0%、Ni:
    4.0%以下、Cr,Ti,W,Vのうち1種又は2種
    以上で0.3〜1.3%、P:0.5%以下、S:0.2%以
    下、残部Feからなり、かつシール面は再溶融冷
    却チル組織を有することを特徴とするフローテイ
    ングシール。
JP5738984A 1984-03-27 1984-03-27 フロ−テイングシ−ル Granted JPS60200950A (ja)

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JP5738984A JPS60200950A (ja) 1984-03-27 1984-03-27 フロ−テイングシ−ル

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JP5738984A JPS60200950A (ja) 1984-03-27 1984-03-27 フロ−テイングシ−ル

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JPS60200950A JPS60200950A (ja) 1985-10-11
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