JPH0128061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は湿潤紙片を収納する包装箱の改良に関
するものである。とりわけ、開封後の湿潤紙片の
乾燥を防止するための密閉性に優れ、かつ収納湿
潤紙片の取り出しが容易な包装箱の構造に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来、薄葉紙片に薬液、化粧液あるいは水など
の液体を含浸させて湿潤紙片としたものは多方面
に使用されている。そして、湿潤紙片を収納して
おく包装体もさまざまなものが使用され、また提
案されている。例えば、合成樹脂のフイルムで包
装したもの、箱形、円筒形の容器に収納し、使用
の都度蓋の開閉を行うもの、あるいは中蓋に小開
口部を設け、更に外蓋を設けた二重蓋のものなど
がある。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、従来の湿潤紙片を収納する包装体は、
開封後の液の蒸発乾燥が速いとか、紙片の引き出
しが容易でないとか、包装箱自体も高い費用がか
かるなどの問題があつた。

本考案は、簡素化した包装箱であつて、開封後
の湿潤液の蒸発乾燥を防止できる密閉性を有し、
かつ収納湿潤紙片の取り出しが容易な包装箱を提
供するにある。

［課題を解決するための手段］ すなわち、本考案は内箱１０の上部に大開口部
４４、小開口部４２および両開口部を結ぶスリツ
ト４６を設け、かつ大開口部は開閉自在の覆蓋４
８で閉じた取り出し口を設けた板体４０を中板と
し、該中板の上部に開口部１４を形成しうる上板
１２を設けた内箱１０と、該内箱上部には開口可
能で、かつ開口後は一端を基として開閉自在の蓋
体３０を設けた板体２２を有する外箱２０とから
なり、外箱の蓋体３０の内面と内箱の蓋体１８と
はクツシヨン性素材３２を介在させて一体化し、
外箱の蓋体３０の開閉に伴つて内箱の蓋体１８を
開閉する構造体にしたことを特徴とする湿潤紙片
の包装箱の構造である。

以下、本考案の一実施態様を図面で具体的に説
明する。

第１図は本考案に係る湿潤紙片を収納した包装
箱の開封前の状態にある包装箱の断面構造を示す
模式図である。内箱１０の上部に、大開口部４
４、小開口部４２および両開口部を結ぶスリツト
４６を設け、更に大開口部４４を密封する覆蓋４
８を設けた板体４０を中板とし、その中板の上部
に開口可能な蓋体１８をミシン目による破断線１
６で形成した上板１２を設けて、内箱に収納した
湿潤紙片３８を密封したものとし、更に、内箱１
０を外箱２０に収納する。外箱２０の上部板体２
２には開口可能な蓋体３０をミシン目による破断
線で形成し、外箱の蓋体部３０と内箱の蓋体部１
８とはクツシヨン性素材３２を介在させて一体化
する。すなわち、クツシヨン性素材３２は接着剤
３４および３６により接着されたものである。な
お、図中の記号１４は蓋体１８が開封されて形成
する開口部であり、２８は蓋体３０が開封されて
形成する開口部である。

第２図は包装箱で開封した状態にある包装箱の
断面構造を示す模式図である。開封によつて内箱
１０の上板に設けた蓋体１８はミシン目部分で破
断し、外箱２０の蓋体３０はミシン目部分２６で
破断し、共に開封され、それによつて開口部１４
および２８が形成される。なお、クツシヨン性素
材３２は外側の蓋体３０より小さく、かつ内側の
蓋体１８はクツシヨン性素材３２より小さくし
て、内側の蓋体１８のない周縁部には粘着剤３４
を塗布しておくと蓋を閉じた場合の密封性が良い
ものとなる。

第３図は内箱の中板４０の紙片取り出し口の状
態を示す模式図である。小開口部４２は湿潤紙片
の引き出し口であり、通常の取り出し口である。
大開口部４４は紙片を摘まみ出す際に使用する引
き出し口であり、大開口部４４で摘まみ出された
紙片はスリツト４６を通つて小開口部４２におい
て引き出す。そして、取り出された紙片の後には
次の紙片の先頭が出るので、次回からは小開口部
から紙片を引き出すことになる。従つて、大開口
部４４は通常は使用することがないので、開閉自
在の覆蓋４８で孔を閉じておく。この覆蓋４８の
一端は固定し、他の部分は板体４０と粘着構造に
しておくことが好ましい。

なお、本考案の包装箱を構成する素材は、合成
樹脂あるいは気密加工を施した紙を単独材料で加
工または複合材料にして加工した包装箱である。
また、上蓋板を構成するクツシヨン性素材はポリ
ウレタン、合成ゴムなどの弾性重合体を発泡構造
にしたスポンジゴム、発泡ポリスチレンなどが用
いられる。

本考案の湿潤紙片を収納する包装箱は、湿潤紙
を収納用内箱に収納し、紙片取り出し口を設けた
中板を配し、更に上板で封じた内箱を外箱で包装
し、内箱の上板と外箱の上板との間にクツシヨン
性素材を介在一体化した構造体としたものであ
る。そして、湿潤紙片を使用する場合には、外箱
の上板に付した開口用ミシン目（一部は開口部の
蓋体固定部として残す部分にはミシン目がない）
に添つて開封する。そして外箱を開封することに
よつてクツシヨン性素材を介して内箱の上板に付
した開口用ミシン目に添つて開封され、包装箱の
蓋体が形成される。一方、紙片は中板の大開口部
に付した開閉自在の覆蓋を開いて摘まみ、そして
摘まみ出された紙片はスリツトを通つて、通常の
引き出し口に導き、大開口部は再び覆蓋で閉じ
る。

［効果］ 本考案の包装箱によつて包装した湿潤紙片は取
り出しが容易であつて、蓋の開閉も自在に行うこ
とができると共に、蓋を閉じた状態における密封
性も良いため、紙片の浸潤液の蒸発を防止するこ
とができるので、長期間にわたつて湿潤紙片を使
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の湿潤紙片を収納した包装箱の
開封前の状態にある包装箱断面構造を示す模式
図、第２図は包装箱を開封した状態にある包装箱
断面構造を示す模式図、第３図は内箱の中板の紙
片取り出し口の状態を示す模式図である。 １０……内箱、１２……内箱の上板、４０……
内箱の内板、２０……外箱、２２……外箱の上
板、２８……外箱の開口部、１４……内箱の開口
部、４４……内箱内板の開口部、３０……蓋体、
３２……クツシヨン性素材、３８……湿潤紙片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内箱１０の上部に大開口部４４、小開口部４２
   および両開口部を結ぶスリツト４６を設け、かつ
   大開口部は開閉自在の覆蓋４８で閉じた取り出し
   口を設けた板体４０を中板とし、該中板の上部に
   開口部１４を形成しうる上板１２を設けた内箱１
   ０と、該内箱上部には開口可能で、かつ開口後は
   一端を基として開閉自在の蓋体３０を設けた板体
   ２２を有する外箱２０とからなり、外箱の蓋体３
   ０の内面と内箱の蓋体１８とはクツシヨン性素材
   ３２を介在させて一体化し、外箱の蓋体３０の開
   閉に伴つて内箱の蓋体１８を開閉する構造体にし
   たことを特徴とする湿潤紙片の包装箱の構造。