JPH0127095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動化学分析装置の反応測定管洗浄
装置に係り、特に検体及び試薬の排水並びに洗浄
処理水の排水を迅速かつ確実に行うことができる
洗浄装置に関する。

自動化学分析装置には種々の方式があり、反応
測定管が移動過程において、転倒して液浄し乾燥
する方式のもの、あるいは反応測定管の底部から
漏斗状の排液口を設けた方式のもの、更には移動
カセツトに複数の反応測定管を収容して一般的に
水平方向に移動させてゆく方式のもの等が知られ
ている。

このうち、後者の方式、すなわち複数個の反応
測定管を支持するカセツトを多数本用意し、各カ
セツトを順次所定経路に沿つて間欠的に移動さ
せ、その移動の間に、各反応測定管に検体及び試
薬を注入し、またこの反応液の撹拌を行い、その
反応液を光学的に測定した後、該反応薬の排出及
び反応測定管の洗浄を行なうように構成した自動
化学分析装置にあつては、上記一連の作業を反応
測定管を垂設したままの状態で行なうために、複
数個の反応測定管から反応液や洗浄処理水を同時
に真空ポンプで吸い込んで排水する場合、上記反
応測定管に対応する数だけ並設された洗浄ノズル
のいずれか一本が空気を吸い上げた場合には、真
空ポンプの吐出容量が小であると他の洗浄ノズル
は反応液又は洗浄処理水を吸い上げることができ
なくなり、これを解決するためには、吐出容量の
大きい真空ポンプを用意する必要があり、装置が
大型化すると共に、コストも嵩む等の問題を有し
ていた。

この考案はかかる現状に鑑み創案されたもので
あつて、その目的とするところは、複数本の洗浄
ノズルと真空ポンプとを連結する送液管中に真空
タンクを介装することにより、洗浄ノズルの一本
が空気を吸引したとしても他の洗浄ノズルの吸引
能力に影響を及ぼすことのない自動化学分析装置
における反応測定管洗浄装置を提供しようとする
ものである。

以下添付図面に示す実施例にもとづき、この考
案を詳細に説明する。

第１図に示すように、この考案が適用される自
動化学分析装置Ｒは、反応測定管１をカセツト２
に複数本支持させて、このカセツト２を水平方向
に移動させるカセツトタイプの自動化学分析装置
である。

すなわち、この自動化学分析装置Ｒは、第２図
に示すように、１検体をオートマルチピペツト装
置３により、カセツト２に支持された複数本の反
応測定管１に試薬とともに定量分配した後、この
カセツト２を順次所定の経路に沿つて間欠的に移
動させ、その移動の間に各反応測定管１に試薬を
注入して第１光学測定装置４で予備定量分析を行
ない、次いで第２試薬等を注入して撹拌した後に
第２光学測定装置５で本定量分析を行ない、この
後上記各反応測定管１内の反応液を排液して洗浄
装置１０において洗浄が行なわれる。

この洗浄装置１０は、第３図に示すように、上
記反応液及び洗浄処理水を吸い上げて排水する二
台の真空ポンプ１１，１１と、これらの真空ポン
プ１１，１１に接続された真空タンク１２と、こ
の真空タンク１２に連結された洗浄時に反応測定
管１内へと降下する洗浄ノズル２０と、この洗浄
ノズル２０に洗浄水を圧送する送水ポンプ１３
と、上記洗浄ノズル２０の排水側と真空タンク１
２とを連結する送液管１４中に介装された電磁弁
１５と、上記真空ポンプ１１，１１と真空タンク
１２とを結ぶ各送液管１６中に介装された逆止弁
１７，１７とで構成されており、上記洗浄ノズル
２０は前記カセツト２に支持された反応測定管１
の数だけ直列状に配設されている。

そして上記洗浄ノズル２０は、第４図に示すよ
うに、太径で短尺の洗浄水注入パイプ２１と、こ
の洗浄水注入パイプ２１内に挿着された細径で長
尺の洗浄水排出パイプ２２とで構成され、この洗
浄水排出パイプ２２は、洗浄水注入パイプ２１の
両端部に配設されたシール材２３，２４により洗
浄水注入パイプ２１と同心となるように保持され
ている。そして上記洗浄水注入パイプ２１の下端
には、各反応測定管１の内壁へ向い洗浄水を送水
するための孔２５が複数個放射状に穿設されてお
り、他方洗浄水注入パイプ２１の上端に装着され
たシール材２４には送水ポンプ１３からの洗浄水
を、洗浄水注入パイプ２１の内周壁と洗浄水排出
パイプ２２の外周壁とで形成された通路２６内へ
送るための連結ノズル２７が装着されている。

尚、第４図中符号２８は、洗浄水注入パイプ２
１の外周壁に固定されたストツパを示す。

このように構成された洗浄装置１０は次のよう
に作動する。

先ず所定の光学的測定を終了して移送されて来
たカセツト２が第１列目の洗浄ノズル２０（図示
の実施例では12本）の直下に位置すると、第１列
目の洗浄ノズル２０は図示外の昇降装置により下
降して反応液の排水を行つた後洗浄開始状態にセ
ツトされる。

次いで送水ポンプ１３により洗浄水が洗浄水注
入パイプ２１内へ圧送され、この洗浄水は通路２
６を通つて孔２５より各反応測定管１の内周壁へ
向け放射状に吹き付けられ、内周壁に付着した反
応液の残留成分や空気中の浮遊物質を洗い落とし
ながら、これらを反応測定管１の内底部へと流下
させる。

この時、上記洗浄水の送水作動と同期して電磁
弁１５は開作動して洗浄処理水の真空タンク１２
への吸引による排水が行なわれる。この真空タン
ク１２は、常時稼動の真空ポンプ１１，１１によ
り、電磁弁１５が閉位置にあるときには各洗浄ノ
ズル２０の一回の排水吸引能力に相当する吸引圧
を蓄積して、排水時に、上記各洗浄ノズル２０の
うちのいずれか一本が空気を吸引したとしても、
他の洗浄ノズル２０の排液吸引能力が低下しない
ように防止するものである。それ故上記洗浄処理
水は洗い落とされた反応液の残留成分等と共に瞬
時に洗浄水排出パイプ２２内に吸引されて真空タ
ンク１２内へと圧送されて排出される。

この後洗浄ノズル２０は前記昇降装置により上
昇され、カセツト２は次の第２列目の洗浄ノズル
２０の真下へと送られ、第２列目の洗浄ノズル２
０は上記第１列目の洗浄ノズルと同様に作動して
洗浄を行ない、以下同洗浄作動が数回繰返えされ
て洗浄作業は終了し、この洗浄処理が終了した反
応測定管１は再使用位置まで移送される。

尚、上記洗浄ノズル２０による多段階洗浄処理
行程中に超音波による洗浄処理行程を組み入れる
ことにより洗浄処理をより完全化することができ
る。

この考案は上述したように、複数個の反応測定
管をカセツトに支持し、このカセツトを所定経路
に沿つて間欠的に移動させ、この移動行程中に検
体等の注入、撹拌、光学的測定及び洗浄を行うよ
うにした自動化学分析装置の反応測定管洗浄装置
において、反応測定管洗浄装置の反応液又は洗浄
処理水の排水用洗浄ノズルと真空ポンプとの間に
真空タンクを介装し、この真空タンクは、複数本
の洗浄ノズルの排液吸引能力に対応した真空圧を
蓄積し、排液吸引時に一本の洗浄ノズルが空気を
吸引しても、他の洗浄ノズルの排液吸引能力の支
障とならないように構成できるので、真空ポンプ
が小吐出容量のものを使用でき、その結果、装置
を小型化できると共にコストダウンを図れ、しか
も洗浄行程における反応液及び洗浄処理水の排出
を迅速かつ確実に行なうこともできる等の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図はこの考案が適用される自動化学分析
装置の正面図、第２図は同装置の概略を示す機構
説明図、第３図はこの考案の実施例に係る洗浄装
置の構成を概略的に示す機構説明図、第４図は同
装置の洗浄ノズルの断面図である。 １……反応測定管、２……カセツト、１０……
洗浄装置、１１，１１……真空ポンプ、１２……
真空タンク、２０……洗浄ノズル、Ｒ……自動化
学分析装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個の反応測定管を支持する多数のカセツト
   を所定の経路を経て順次移動させ、その移動に伴
   つて反応測定管に検体および試薬を注入し、その
   反応液の光学的測定を行つた後、反応測定管の洗
   浄を行うようにした自動化学分析装置における反
   応測定管洗浄装置において、上記反応測定管洗浄
   装置に設けた複数の洗浄ノズルには各ノズルの一
   回の排水吸引力に相当する吸引圧を蓄積し得る真
   空タンクを弁を介して接続し、該真空タンクを排
   水吸上用真空ポンプと接続することにより前記各
   洗浄ノズルのうちいずれか一本が空気を吸引した
   としても他の洗浄ノズルの排水吸引力の低下を防
   止することを特徴とする自動化学分析装置におけ
   る反応測定管洗浄装置。