JPH0126978B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、給紙上台を運ばれる枚葉紙の前縁揃
えが前当ての助けによつ行われる、印刷機など枚
葉紙処理機械における枚葉紙の正確に見当の合う
供給装置に関する。

被印刷体の軽度の波形変形性が往々見当の不一
致の原因になつている。この波形変形は紙の製造
の過程や貯蔵されている間において、あるいは給
紙の段階ではじめて起りうる。周知のように紙は
吸湿性をもつ材料である故湿分を吸収する傾向を
もつている。したがつて、紙が印刷所の中の雰囲
気の関係湿度の変化によつて湿分を吸収あるいは
放出し、紙という被印刷物の寸法変化や内部応力
を結果として生ずるという可能性さえある。寸法
変化にしても内部応力にしても同様に見当の不一
致の原因となる。

公知の枚葉紙引伸ばし装置があるが、それは給
紙胴に設けられており、それ故第１の印刷ユニツ
トの前で働くものであり、また、機械の運転中に
調整されうるものである。それは、給紙胴のくわ
え爪先端機構の一部をなすもので、既に位置揃え
のすんだ枚葉紙すなわち被印刷体は、幾分波形に
なつているかもしれない状態で受取られた後、圧
胴に供給される。圧胴に引渡されるより前にこの
装置の爪により引伸ばされることによつて展延さ
れる。この場合、引伸ばしの動作の前に、くわえ
爪システムが紙に及ぼしている力が、爪押え桟が
１つの調整可能のカムの助けによつて中央から外
側にかけて程度の差をもつて降下することによつ
て、部分的に解消せしめられる。くわえ爪先端機
構は中央を境に２つに分れており、その両半分が
外側に向つて動くことにより枚葉紙の引伸ばしが
達成される。次いで爪押え桟は再び持上り、引伸
ばされた枚葉紙は圧胴に供給される。

この公知の枚葉紙引伸ばし装置は多くの機械部
品を要し高価なものとなつている。また、その運
動部分の重量が比較的大きいことになり、枚葉紙
処理機械の処理速度を高くすることを阻んでい
る。

本発明の目的は突き当てによらない方式の枚葉
紙の横方向揃え装置を可能とすることにあるが、
なお縁部に波形変形のある、あるいは皿形になつ
た枚葉紙に、それが給紙胴のくわえ爪システムに
受渡されるより前に矯正の効果を与えることをも
意図している。そしてこの場合、機械部品を特に
追加することなく、枚葉紙の前縁を僅かに引伸ば
しあるいは縮めることが可能となるべきものとす
る。

本発明によればこの３つで成る目的は特許請求
の範囲第１項に記すとおりの装置で解決される。

本発明による装置により、枚葉紙前縁の矯正が
横方向揃えの際、したがつてくわえ爪に受渡され
るより前において、行われるようにできる。この
ことは特に多色印刷において有意義である。本発
明による装置は間伸び印刷あるいは縮み印刷の修
正に適しており、１色の印刷機あるいは多色印刷
機を用いての多色印刷においてそれが実際上の意
味をもつ。

さらに有利なこととして、用いられている枚葉
紙の版サイズに関係なく、横方向揃えのためにい
ずれにしても必要であつて特に枚葉紙の両側縁部
領域に位置させうる横送りシユーの働きによつ
て、枚葉紙がその隅部において常に適正な力を意
図的に与えられる。そしてそれが、高速、すなわ
ち機械の常時の速度においてではなく、給紙の段
階で行われる。給紙の過程が終つた後の枚葉紙の
搬送の間において枚葉紙の前縁の引伸ばしのため
に個々のくわえ爪をゆるめるような必要はもはや
何もなくなる。

本発明の特に有利な実施態様においては、両方
の横送りシユーが駆動され、横送りシユーの少く
とも１つの移動距離の調整が可能となつている。
これにより横方向揃えが行われている間に枚葉紙
の前縁の引伸ばしあるいは縮めの量を微細に調整
することができる。必要があれば両横送りシユー
における空気の操作を、枚葉紙が片方の横送りシ
ユーによつて吸着固定力が保証される程度に吸引
される一方、他方の横送りシユーにはその吸着面
での枚葉紙の辷りが起りうるより少い吸引力が及
ぶように行うことができる。

用いられる枚葉紙の版サイズに合わせられるよ
う、横送りシユーはその駆動装置と共に枚葉紙の
供給方向と直角の方向に位置調整されうるよう取
付けられる。なお横送りシユーの移動行程の操作
の調整を機械の運転中に行うことが可能である。

以下本発明の１つの実施例について図面を用い
て説明する。

給紙台の下の、下方に向けて引込みうる前当て
２のすぐ手前側の領域に、ここには示していない
給紙装置の側壁に固定されているトラバース材３
がある。このトラバース材３の上に、２つの横送
り装置４および５が枚葉紙の供給方向と直角の方
向に位置調整できるように設けられている。ここ
では横送り装置４は給紙装置の駆動側に、横送り
装置５は給紙装置の操作側にある。各横送り装置
４および５にはそれぞれ横送りシユー６が取付け
られており、その横送りシユーの吸着面１８は給
紙台１にある細長開口２０を貫通して伸び、給紙
台１の表面の平面上にある。横送り装置４および
５の各々についた横送りシユー６はこの細長開口
の中の一定の範囲内で枚葉紙供給方向と直角の方
向に移動されうる。それ故、用いられる枚葉紙の
版サイズに対して横送り装置４および５の作動の
位置を合わせることができる。

横送りシユー６はここには示していない空気操
作装置を経て負圧発生装置に連結されている。横
送りシユー６はステツピングモーター７で駆動さ
れるが、このステツピングモーターは、１つのフ
オーク形レバー８および横送りシユー６の下方に
おいて回転しうるよう取付けられた駆動ローラ９
を介して、対応する横送りシユー６に遊びなく結
合されている。フオーク形レバー８はなおステツ
ピングモーター７の軸端部２１に固定されてい
る。横送り装置４あるいは５の中においては、そ
の横送りシユー６が十分な数の平ローラ軸受１０
で成るセツトの中に、軽き動くが正確に案内され
た往復運動ができるように取付けられている。結
紙台１の上方、横送りシユーの上部で、ここでは
示していない位置決め装置のための１つのセンサ
ー１２がトラバース梁１３の上に、用いられる枚
葉紙の版サイズに合わせて位置調整できる形で駆
動側の方に固定されている。センサー１２は操作
側に設けることも可能であつて、紙揃えの運動が
操作側から駆動側に向つて向われねばならない場
合にはそのようにする。すなわち、本発明による
給紙装置は駆動側揃えの状態から操作側揃えの状
態に切替えうるものである。

給紙台１の上でずれ重なつたこれから揃えられ
るべき枚葉紙が給紙台１の紙揃え領域２２へと供
給される。紙揃え動作の後、その規定位置にある
枚葉紙を給紙胴１４が引受ける。

ずれ重なつた中の最先端に来た枚葉紙１１が前
当て２に到達すると、ずれ重なつた枚葉紙の前進
力、換言すれば給紙台の搬送機構が積載物を押し
やる力によつて、先ず前縁の揃えが達成される。
その後空気操作装置が働いて前縁に関しては揃え
られた枚葉紙を横送りシユー６の領域において吸
引する。この吸引力は両方の横送りシユー６の吸
着面１８において吸着固定力が生ずる程度とされ
る。そこで両方のステツピングモーター７が働き
始める。これらステツピングモーターは、共に枚
葉紙を横方向に、すなわちこの場合では駆動側か
ら操作側へと動かすよう位置決め装置によつて操
作される。そして枚葉紙１１の駆動側の側縁１６
がセンサー１２の検知基準線１５を横切る。この
ときセンサー１２は１つのパルスを発生し、この
パルスによつて位置決め装置は、両ステツピング
モーター７によつてなされる揃えられるべき枚葉
紙の横方向の搬送動作を、この時点以降枚葉紙１
１が横方向の規定の位置１９に到達するまでに限
つて続行せしめる。センサー１２によつてパルス
が発生されてから側縁１６、したがつて、枚葉紙
１１の全体は一定の距離１７だけ動いている。こ
の横方向の規定の位置において枚葉紙１１は前縁
に関しても側縁に関しても見当が合うよう揃えら
れたことになる。それ故、枚葉紙１１は、前当て
２におけるその位置変動の許容範囲内にある限り
は左右どちらかに偏つてあつたとしても構わな
い。枚葉紙の側縁１６がセンサー１２の検知基準
線１５を横切ることによつてパルスが発生された
後は、枚葉紙１１は必ず距離１７だけ進んで止ま
ることとなる。

位置決め装置と結合されている調整装置によつ
て片方あるいは両方のステツピングモーター７に
よる移動距離を選択的に変えることができる。こ
の実施態様においては位置決め装置によつて駆動
側にあるステツピングモーター７が、前当て２に
当つている枚葉紙の側縁１６が正確に規定の位置
１９に到達するために必要な搬送距離が正確に達
成されるために働く。ところが、給紙装置の操作
側にあるステツピングモーター７は、調整装置の
設定がそうなつている故に、他方の横送りシユー
６におけるよりは僅かに大きな移動距離が実現す
るように動かされる。これによつて枚葉紙前縁の
引伸ばしが実現され、したがつて枚葉紙前縁が波
形になつていたとすれば、その矯正がなされるこ
ととなる。枚葉紙前縁の押し縮めが必要である場
合には、操作側の横送りシユー６の位置決め装置
をしかるべく調整して駆動側にある横送りシユー
６におけるよりも少ない移動距離が実現するよう
にすればよい。いずれの場合においても重要であ
ることは、枚葉紙を導いている横送りシユー６が
センサー１２においてパルスの発生があつてから
枚葉紙側縁１６を正確に規定の位置１９へと動か
すことである。

枚葉紙前縁の横方向揃えおよび引伸ばしあるい
は押し縮めの後、揃えられた枚葉紙１１は給紙胴
１４のくわえ爪システムによつて引受けられる。

横送りシユー６の移動距離の調整は機械の運転
中に行える。それ故微細な調整や間伸びあるいは
縮み印刷に対する修正が可能である。さらにま
た、機械の運転を止めずに枚葉紙の波形変形の模
様の変化に対して最も迅速に対処することができ
る。

移動距離の調整により、駆動される横送りシユ
ー６の両者が等しい距離を動くように当然でき
る。この場合は本発明による装置は、前当て２に
当つている枚葉紙の突き当てによらない横方向の
揃えの動作をするだけである。枚葉紙前縁の引伸
ばしや押し縮めはこの場合余計であるから行われ
ない。この際両者の移動距離を共に大きくあるい
は共に小さくすることによつて、見当合わせの微
細な調整を行うことができる。

なおまた、枚葉紙を単により良く平らにすれば
よいという場合には、片方の横送りシユーが他方
の横送りシユーに比して大いに大きさの異る移動
をするよう操作の調整が行われる。この場合は、
センサー１２に近い方の横送りシユー６におい
て、その吸着面１８で枚葉紙が辷りうる程度の吸
着をするよう、より小さい吸引力をもたせればよ
い。有利な方法としてはこの吸引力を弱めた横送
りシユー６は動かさないこととするが、少しだけ
の移動をなさしめてもよい。しかしまた、給紙台
１の検知側でない方の横送りシユーに大きな移動
距離を持たせ、その横送りシユーにおいて辷りが
起るようより小さい吸引力をもたせることも可能
である。この場合には、検知側にある横送りシユ
ー６は枚葉紙を吸着固定力によつて保持し、枚葉
紙１１の側縁１６が規定位置１９に達するよう位
置決め装置によつて操作される故に、他方にある
より大きい移動距離とより小さい吸引力をもつた
横送りシユー６は枚葉紙前縁の展延あるいは枚葉
紙の平坦化の働きをする。

本発明の別の実施例においては検知側でない方
の横送りシユー６だけが駆動され、また吸着固定
が保証される吸引がそこで行われ、駆動されない
方の横送りシユー６ではより小さな、辷りを許す
ような吸引が行われる。それ故、駆動される横送
りシユー６は枚葉紙１１の側縁１６がセンサー１
２の方へと動かされるより前に枚葉紙前縁を展延
する。この場合においても枚葉紙１１の側縁１６
は正確にその規定の位置１９に到達する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による横方向揃え装置を有する
１つの給紙台の縦断面図、第２図はこの給紙台の
平面図である。 １：給紙台、２：前当て、３：トラバース材、
４，５：横送り装置、６：横送りシユー、７：ス
テツピングモーター、８：フオーク形レバー、
９：駆動ローラ、１０：平ローラ軸受、１１：枚
葉紙、１２：センサー、１３：トラバース梁、１
４：給紙胴、１５：センサー１２の検知基準線、
１６：枚葉紙の側縁（駆動側の）、１７：一定の
距離、１８：吸着面、１９：枚葉紙の規定の位
置、２０：給紙台の細長開口、２１：ステツピン
グモーター軸端部、２２：紙揃え領域。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前当てによつて給紙台上で前縁に揃えられ枚
   葉紙が、空気圧式横方向搬送装置によつて、光電
   式位置決め装置によつて定められた横方向の目標
   位置に移動させられ、横方向搬送装置が前当ての
   前にあり、そして駆動されならび空気操作機構を
   介して負圧発生機構に接続されている、枚葉紙処
   理機械における枚葉紙を正確に見当が合つて供給
   する装置において、 給紙台の操作側、駆動側にそれぞれ横送りシユ
   ー６があること、 これら両横送りシユー６の少なくとも一方が駆
   動されること、そして、 位置決めされ得ない横送りシユー６の移動距離
   が調整可能であることを特徴とする、枚葉紙を正
   確に見当が合つて供給する装置。 ２ 横送りシユー６の移動距離の調整が機械の運
   転中に行われる特許請求の範囲第１項に記載の装
   置。 ３ 両横送りシユー６が駆動され、その移動距離
   が等しい特許請求の範囲第１項または第２項に記
   載の装置。 ４ 両横送りシユー６が駆動され、それらの移動
   距離が相異る特許請求の範囲第１項または第２項
   に記載の装置。 ５ 給紙台１の位置検知側にある、すなわちセン
   サー１２に近い方の横送りシユー６が、吸着面１
   ８において枚葉紙がすべりうるように、より小さ
   い吸引力をもつている特許請求の範囲第４項に記
   載の装置。 ６ 給紙台１の位置検知側でない方にある横送り
   シユー６が他方のシユーよりも大きい移動行程を
   動くものであり、すべりが起りうるようにより小
   さい吸引力をもつている特許請求の範囲第４項に
   記載の装置。 ７ 位置検知側でない方にある横送りシユー６だ
   けが駆動され、その横送りシユーは比較的大き
   い、吸着固定力が保証されるような吸引力をもつ
   ており、他方の駆動されない横送りシユー６は吸
   着面１８において枚葉紙がすべりうるようにより
   小さい吸引力をもつている特許請求の範囲第１項
   または第２項に記載の装置。 ８ 横送りシユー６がその駆動装置７と一体にな
   つて、用いられる枚葉紙の版サイズに応じ、枚葉
   紙供給方向と直角の方向に位置調整されうるよう
   に取付けられている特許請求の範囲第１項ないし
   第７項のいずれか１項に記載の装置。