JP3026906U - 枚葉紙輪転印刷機の紙差し板上で枚葉紙を整列させる枚葉紙整列装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 枚葉紙を正確な見当で輪転印刷機に供給する
装置を提供する。 【構成】 枚葉紙輪転印刷機の紙差し板上で前当てで枚
葉紙搬送方向に整列された枚葉紙を横方向に整列させる
装置であって、枚葉紙を最初に枚葉紙搬送方向に対して
横断方向に粗整列用横ストッパで整列させ、次いで前当
てで搬送方向に整列させ、最後に精密整列用横ストッパ
で整列させる。その際、引っ張り装置と協働する押えロ
ーラは、横ストッパと２回連動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本考案は、輪転印刷機の紙差し板上で、前当てに接触して搬送方向に整列され た枚葉紙を横方向、または横断方向（枚葉紙搬送方向に対して直角の方向）に整 列させる枚葉紙整列装置に関し、特に、枚葉紙を横当ての方へ横方向に移動させ るための引っ張り装置と、該引っ張り装置と連動して作用させることができる押 えローラと、押えローラの運動を制御する制御カムを有し、前当ての位置で搬送 方向に整列された枚葉紙を横方向に整列させる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

枚葉紙を整列させるために前当てと横当てを用いることは、印刷機構造上、久 しく知られており、たとえばＤＥ−ＡＳ ２１ ３７ ６６１号に記載されてい る。この公報には、最初に前当てに向かって搬送された枚葉紙をこの前当てによ って搬送方向に整列させ、次いで引っ張り装置によって枚用紙を横方向に整列さ せる装置が開示されている。この引っ張り装置は、公知の方法によって枚葉紙搬 送方向に対して横方向に移動することができる引っ張り要素と、これと協働する 周期的に制御された押えローラからなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のＤＥ−ＡＳ ２１ ３７ ６６１号に記載された装置は、枚葉紙を搬送 方向に整列させた後に横方向の全整列過程が実施される点が短所である。その理 由は、周知のように、高速で回転する機械では枚葉紙を横当てに引っ張るための 時間がわずかしか残っていないからである。また、この時間を大きくするために 、引っ張り行程を大きくすると、すでに前当てで整列された枚葉紙が前当てから 引き離される結果になることがある。

【０００４】 本考案の目的は、正確な見当で輪転印刷機に枚葉紙を供給する装置を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案において、前記の目的は、「発明の属する技術分野」の項に記載された 枚葉紙整列装置に、請求項１の特徴部に記載されている構成、すなわち、制御カ ムは、２つの往復行程を指定するカム輪郭を備えているという構成を付加するこ とによって達成される。

【０００６】 制御カムは押えローラの運動を制御し、押えローラは、枚葉紙を横当ての方へ 横方向に移動させるための引っ張り装置と連動して動作することができる。した がって、制御カムが指定する２つの往復行程に対応して横方向の整列を２つの行 程で実行することが出来る。

【０００７】 この横方向整列の２つの行程を、横方向の予備整列（粗整列）をする第１の整 列段階と横方向の精密整列をする第３の整列段階に割り当てることが出来る。そ うして、第１、第３の整列段階の間の第２の整列段階において、枚葉紙を前当て の位置で搬送方向に整列されることができる。

【０００８】 このように、本考案の装置においては、枚葉紙の走行方向で枚葉紙を整列させ る前に、通常の横当てを横方向の枚葉紙整列に用いる点が長所である。この予備 整列は極めて迅速に終了するので、高い機械速度を実現するのに役立つ。搬送方 向に整列した後に、横方向整列の微調整、すなわち、精密整列が行われるので、 搬送方向見当への影響はもはや認められなくなる。最も簡単な装置では、枚葉紙 は、予備整列と微調整のいずれにおいても同じ横ストッパに引っ張られてもよい 。

【０００９】 また、改善された装置においては、枚葉紙は、微調整のための第２の引っ張り 動作過程では、枚葉紙の搬送方向に見て第１の横ストッパに対して横方向にずら されている第２の横ストッパに引っ張られてもよい。２回の動作過程の間、処理 すべき枚葉紙は左右方向の張力を緩和することができることが好都合である。

【００１０】 本考案の好適な構成において、予備整列の後で、たとえば引っ張り装置内部で 横ストッパを移動させたり、横ストッパを含む引っ張り装置全体を移動させたり することによって位置を変えられる横ストッパを設けることが可能である。この 場合には、粗整列用の横ストッパは、予備整列が行われた後に枚葉紙搬送面から ずれ動いて、精密整列用の横ストッパのために道をあける。

【００１１】 もう１つの可能性は、粗整列用の横ストッパを横方向に精密整列用の横ストッ パの後方に移動させることである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本 考案の装置を上から見た説明図である。図２は、引っ張り装置を制御ローラと共 に後ろから見た説明図である。

【００１３】 輪転印刷機の紙差し板１は、前部区域に公知の仕方で前当て２を備えている。 枚葉紙３はこれらの前当ての位置で搬送方向に整列された後に、渡しグリッパ４ に咬えられて紙差し板１から引き出され、処理のために輪転印刷機に渡される。 前当て２より前の距離ａの位置に、紙差し板１の両側に、枚葉紙３を横方向に動 かすための引っ張り装置６と、枚葉紙３を整列させるための横ストッパ７、８が 設けられている。処理すべき枚葉紙３を左右のどちらで整列するかに応じて、そ れぞれ向かい側にある引っ張り装置が切り離される。左右の引っ張り装置６は鏡 像状に同一であるので、左側に配置されている引っ張り装置６のみに基づいて本 考案を説明する。引っ張り装置６は、基本的に、紙差し板１に埋め込まれた引っ 張りレール９と、上下に往復運動することができるように配置されていて引っ張 りレール９と作用的に結合される（連動する）ことができる引っ張りローラ（押 えローラ）１１とからなる。引っ張りレール９は枚葉紙搬送方向に対して横断方 向に移動できるように支持されていて、該引っ張りレール９の引っ張り運動は、 引っ張りレール９のアーム１３に回転可能に支持された制御ローラ１２（図２参 照）によって導入される。制御ローラ１２は、機械周期で駆動される制御板１６ の正面側の制御面１４と協働する。制御板１６は制御カム１７を備え、その高さ ｂは引っ張り行程の寸法に等しい。

【００１４】 引っ張りローラ１１は、そのほぼ中央部で旋回可能に支持されたレバー１８の 端部に回転可能に支持されている。レバー１８の他方の端部には、回転可能に支 持されたカムローラ１９が設けられている。カムローラ１９は、機械周期で駆動 される制御カム板２２の制御面２１ところがり接触している。制御カム板２２は 、２つの制御くぼみ２３、２４を持っている。

【００１５】 枚葉紙３を横方向に予備整列する（第１の整列段階）ために、引っ張りローラ １１は引っ張りレール９に向かって降下される。このとき制御ローラ１９は、制 御面２１上の制御くぼみ２３の区域を走行する。予備整列の後、引っ張りローラ １１は引っ張りレール９から持ち上げられ枚葉紙３を解放する。それによって、 枚葉紙３は妨害されずに前当て２に当接して搬送方向に整列される（第２の整列 段階）ことができる。このとき、制御ローラ１９は、制御くぼみ２３と２４の間 の区域２６で制御面２１と接触している。枚葉紙３が搬送方向で整列した後、制 御ローラ１９は制御くぼみ２４の区域で制御面２１と接触するに到る。そうする ことによって、引っ張りローラ１１は再び引っ張りレール９上に下降して、横方 向の精密整列（第３の整列段階）が開始される。

【００１６】 図１に示されているように、精密整列用の横ストッパ８が引っ張りケーシング （請求項２の横当てに該当する）２７に取り付けられている。引っ張りケーシン グ２７を含む一揃えの引っ張り装置６は、判（印刷紙のサイズ）調整のために図 示されていないスピンドルによって枚葉紙搬送方向に対して横断方向に移動でき るように配置されている。横ストッパ７は、重ね皿ばね２８の力に抗してボルト ２９上を移動できるように引っ張りローラケーシング３１に支持されている。ボ ルト２９は引っ張りローラケーシング３１に固定されている。引っ張りレール９ にはプッシャーコンベヤ３２が設けられており、該コンベヤは引っ張りレール９ と共に移動できるように支持されている。引っ張りレール９の運動の終端区域で は、プッシャーコンベヤ３２は横ストッパ７と接触し、これを重ね皿ばね２８の 力に抗して、横ストッパ７を通る面Ａ（図１参照）によって表される第１の最終 位置から、面Ｂで表される第２の最終位置に移動させる。面Ｂは横ストッパ８を 通る。横ストッパ７を面Ｂの後方に移動させることも可能である。

【００１７】 粗整列（予備整列）過程の後で精密に整列されるべき枚葉紙３は、もはや横ス トッパ７によって妨げられずに横ストッパ８に到達する。紙差し板１によって形 成される整列面から横ストッパ７を後退させることも、もちろん可能である。

【００１８】 もう１つの可能な実施態様は、精密横ストッパ８のみを設け、枚葉紙を２回、 同じ精密横ストッパ８に引っ張ることである。

【００１９】 さらに、それぞれ２つの横ストッパ７、８を設ける代わりに、それぞれ１つの 横ストッパ７または８を設けることも可能である。

【００２０】 この場合、横ストッパ７、８を例えば互いに並べて配置することもできる。定 置された横ストッパ８と可動な横ストッパ７は、図示されない調整手段を用いて それらの最終位置に調整可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の装置を上から見た説明図であ
る。

【図２】図２は、引っ張り装置を制御カム板と共に後ろ
から見た説明図である。

【符号の説明】

１ 紙差し板 ２ 前当て ３ 枚葉紙 ４ スインググリッパ ６ 引っ張り装置 ７、８ 横ストッパ ９ 引っ張りレール １１ 引っ張りローラ（押えローラ） １２、１９ 制御ローラ １３ アーム １４ 制御面 １６、２２ 制御カム板 １７ 制御カム １８ レバー ２１ 制御面 ２３、２４ 制御くぼみ ２６ 制御くぼみ２３と２４の間の区域 ２７ 引っ張りケーシング（横当て） ２８ 重ね皿ばね ２９ ボルト ３１ 引っ張りローラケーシング ３２ プッシャーコンベヤ ａ 距離 ｂ 制御カム１７の高さ Ａ 横ストッパ７を通る面 Ｂ 横ストッパ８を通る面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｈ 9/16 (72)考案者 デートレーフ ギール ドイツ連邦共和国 69115 ハイデルベル ク リングシュトラーセ 31 (72)考案者 ジークフリート クルツェル ドイツ連邦共和国 68229 マンハイム プルフェルスハイマー シュトラーセ 17 アー

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉紙を横当ての方へ横方向に移動させ
   るための引っ張り装置と、該引っ張り装置と連動して作
   用させることができる押えローラと、押えローラの運動
   を制御する制御カムを有し、前当ての位置で搬送方向に
   整列された枚葉紙を横方向に整列させる装置において、 前記制御カム（２２）は２つの往復行程を指定するカム
   輪郭（２３、２６：２４、２６）を有することを特徴と
   する枚葉紙整列装置。
2. 【請求項２】 横当て（２７）がそれぞれ２つの横スト
   ッパ（７、８）を有することを特徴とする請求項１に記
   載の装置。
3. 【請求項３】 横ストッパ（７、８）が枚葉紙搬送方向
   に対して横断方向に互いにずれて配置されている、請求
   項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 横ストッパ（７、８）が、互いに一方が
   他方の内側に配置されている、請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 横ストッパ（７、８）が互いに並んで配
   置されている、請求項３に記載の装置。
6. 【請求項６】 １つの横ストッパ（７）が２つの最終位
   置（Ａ、Ｂ）へ移動できるように配置されている、請求
   項１に記載の装置。
7. 【請求項７】 前記最終位置が調節可能である、請求項
   ６に記載の装置。
8. 【請求項８】 押えローラと連動する引っ張り装置は、
   枚葉紙の横方向の整列を行うために、押えローラが制御
   カムの制御のもとで枚葉紙を引っ張り装置に押し付けて
   いる間に、枚葉紙を横方向に横ストッパへ引っ張り、 枚葉紙は、押えローラが制御カムの制御のもとで該枚葉
   紙を解放している間に前当てにおいて搬送方向に整列さ
   れ、 制御カムが第１の往復行程の第１の行路（２３）を指定
   する第１の整列段階においては、枚葉紙は第１の横スト
   ッパ（７）に当接するように動かされ、制御カムが第１
   の往復行程の第２の行路（２６）を指定する第２の整列
   段階においては、枚葉紙は前当て（２）に当接するよう
   に動かされ、制御カムが第２の往復行程の第１の行路
   （２４）を指定する第３の整列段階においては、枚葉紙
   は再び第１の横ストッパ（７）の方へ動かされる、請求
   項２に記載の装置。
9. 【請求項９】 第３の整列段階において枚葉紙（３）は
   第２の横ストッパ（８）に当接するように動かされる請
   求項８に記載の装置。
10. 【請求項１０】 枚葉紙（３）が第１、第２の横ストッ
    パ（７、８）に当接するように引っ張られる請求項８ま
    たは９に記載の装置。