JPH01269533A - 熱可塑性エラストマー層を有する積層体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー層を有する積層体

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JPH01269533A
JPH01269533A JP9825888A JP9825888A JPH01269533A JP H01269533 A JPH01269533 A JP H01269533A JP 9825888 A JP9825888 A JP 9825888A JP 9825888 A JP9825888 A JP 9825888A JP H01269533 A JPH01269533 A JP H01269533A
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Yuji Shinjo
新庄 裕司
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は層間の接着強度が高く、ソフトな感触を有する
硬質プラスチック層と軟質のエラストマー組成物を積層
した積層体に関する。
〈従来の技術〉 従来より、異種の材料を接着して積層体とすることによ
り双方の材料の長所を発揮せしめたり、又−の材料で他
の材料をはさんで積層体にすることにより外層材料の欠
点を補うという試みがなされている。特に最近ではプラ
スチック特有の感触の悪さ、安物感等を改良するため、
プラスチックにゴムを積層する試みが注目されている。
このゴムを積層したものはソフトで感触が良く、高級感
があり、防音性、防振性にも優れているため、自動車の
内装品や家電部品として望ましいものとい−える。
これらの積層物は、同種又は異種の材料を接着剤を用い
て接着する方法、接着剤を使用せずに共押出し法で積層
物にする方法あるいは射出成形により複層成形する方法
等が一般に行なわれている。
しかしながら、積層する材料の種類又はその組、合せに
よっては、十分なる接着効果が得られない場合があり、
特に接着剤を使用しない共押出し法あるいは複層成形法
で積層物を得る場合には、相互に接着性のない材料を用
いることはできない。
そのため、共押出し法で相互に接着性のない材料の積層
物を得る場合は、接着層として両方の材料に接着性のあ
る材料を用いる方法が行なわれており、例えばナイロン
とポリオレフィンを積層する場合にはエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマー樹脂等が使用され、ポリス
チレンとポリオレフィンを積層する場合にはスチレン−
ブタジェンブロック共重合体等が使用されている。しか
しながら、これらの樹脂も、共押出しする材料の種類に
よっては必ずしも十分な接着効果が得られない場合があ
ったり、接着強度の持続性、耐水性等が劣る等の問題点
があった。特に射出成形により複層成形品を得る場合に
は、接着剤を使用することが困難であり、複層成形品が
得られる組合せは限られた場合になるのが普通であった
、これらの問題点を解決するため、特開昭56−509
43号公報あるいは特開昭57−28144号公報には
、ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂とスチレン系
熱可塑性エラストマーもしくはその水添物を混合した組
成物を使用することにより、ポリオレフィン系樹脂やポ
リスチレン系樹脂との接着性を改善する技術が開示され
ている。しかし該公報記載の組成物でポリスチレン系樹
脂やポリオレフィン系樹脂との接着性を改善することが
できるのは、ポリスチレンやポリオレフィン等が多い樹
脂組成物の場合に限られており、熱可塑性エラストマー
成分の多いゴム状の組成物の場合にはスチレン系樹脂と
の接着性は極めて悪いままであった。
又、特開昭82−91578号公報及び特開昭62−゛
187779号公報にはポリプロピレン系重合体とエチ
レン酢酸ビニル共重合体と水添ブロック共重合体及び、
これに耐衝撃性スチレン系重合体を組み合せた組成物が
開示されているが、該組成物もポリスチレンとの接着性
は不満足なレベルにある。
一方、特開昭62−212144号公報にはポリフェニ
レンエーテル系樹脂と水添ブロック共重合体を積層する
技術が開示されている。該積層体は、水添ブロック共重
合体を構成するスチレンブロックの割合が20〜40重
量%のものを使用することによりポリフェニレンエーテ
ル系樹脂との接着性を高めたものである。しかしながら
該積層体にしても接着性はやはり不満足なレベルであり
、−層の改良が望まれているのである。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明者らは上記従来技術の問題点を解決すべく研究を
重ねた結果、ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェ
ニレンエーテル系重合体を主体とする層に接着強度が強
くかつ柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を複
層することによって目的とする積層物が提供できること
を見出し、なされたものである。
〈課題を解決するための手段及び作用〉本発明は下記a
層とb層からなる2層構造を少なくとも1つ有する積層
体を提供するものである。
a層:ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレン
エーテル系重合体を主体とする層。
b層= (イ)ビニル芳香族化合物を主体とする少なく
とも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主
体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体にカルボン
酸基もしくはその誘導体基を含有する分子単位を結合せ
しめた変性水添ブロック共重合体100重量部と(ロ)
ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレンエーテ
ル系重合体5〜85重量部に必要により、他の熱可塑性
樹脂、軟化剤、充填剤等を加えた硬度が85以下の熱可
塑性エラストマー組成物よりなる層。
以下本発明の詳細な説明する。
本発明のa層として使用するスチレン系重合体としでは
、スチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニル
エチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニ
ルナフタレン、ビニルアントラセン等のうちから選ばれ
た1種又は2種以上の重合体あるいは共重合体であり、
なかでもスチレンが特に好ましい。さらに上記した単量
体に少量の極性基を有する単量体、例えばアクリロニト
リル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、N−フェニルマレ
イミド等を加えて共重合したもの、又はそれらをゴム成
分で改質したもの等も好ましく使用することができる。
具体例を挙げると、一般用ポリスチレン、耐衝撃用ポリ
スチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチル−
スチレン共重合体、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン
−グリシジルメタアクリレート共重合体等である。
本発明のa層として使用する他成分であるポリフェニレ
ンエーテル系重合体としては、(ここで、R、R、R及
びR4はそれぞれ、水素、ハロゲン、炭化水素基、置換
炭化水素基からなる群から選択されるものであり、互い
に同一でも異ってもよい)よりなるホモ重合体及び/又
は共重合体であり、0.5g/dΩクロロホルム溶液に
おいて30℃で測定された還元粘度が0.15〜0.7
0の範囲にあるものが用いられ、より好ましくは0.2
0〜0.60の範囲のものが用いられる。このポリフェ
ニレンエーテル樹脂としては公知のものを用い得る。具
体的な例としてはポリ2,6−シメチルー 1.4−フ
ェニレンエーテル、ポリ2−メチル−6エチルー 1.
4フエニレンエーテル、ポリ2.6−ジフェニル−1,
4−フェニレンエーテル、ポリ2−メチル−6−フェニ
ル−1,4−フェニレンエーテル、ポリ2.6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル等が挙げられ又2,6
−シメチルフエノールと他のフェノール類(例えば2.
3.6−ドリメチルフエノールや2−メチル−6−ブチ
ルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエ
ーテル共重合体も挙げられる。なかでもポリ(2,6−
シメチルー 1,4−フェニレン)エーテル、2,6−
シメチルフエノールと2.3.8−)リメチルフェノー
ルとの共重合体が好ましく、さらに、ポリ(2,6−シ
メチルー1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。
ポリ(2,6−シメチルー 1.4−)二二しンエーテ
ル)の場合はその還元粘度(0,5g/clQ、クロロ
ホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70の範
囲のものが好ましく、より好ましくは0.30〜0.6
0の範囲である。
以上のポリスチレン系重合体又はポリフェニレンエーテ
ル系重合体はそれぞれ単独で使用してもよいし、混合し
て使用してもよい。
ポリフェニレンエーテル系重合体は一般に加工温度と分
解温度が接近しているため、ポリスチレン系重合体ある
いはスチレン系熱可塑性エラストマー等を加え、加工温
度を下げて使用するのが特に好ましい。又、前記したポ
リスチレン系重合体又はポリフェニレンエーテル系重合
体には滑剤、光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、ブ
ロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化劣化防止剤等を
適宜加えることができる。
次に本発明のb層の主要成分として使用する水添ブロッ
ク共重合体及び/又は変性水添ブロック共重合体につい
て説明する。本発明のb層の(イ)成分の1つとして用
いることができる水添ブロック共重合体は、ビニル芳香
族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
Aと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の
重合体ブロックBとから成るブロック共重合体を水素添
加して得られるものであり、例えば、 A−B、A−B−A、B−A−B−A。
(A−B ) 4S1 、(B−A−B +−48i等
の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物
ブロック共重合体を水素添加したものである。この水添
ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を5〜60重
量%含むものが好ましく、10〜45重量%含むものが
ざらに好ましい。
上記した値に満たない場合には得られるb層の組成物の
機械的強度は著しく弱いものとなってしまうし、逆に上
記した値を越える場合には柔軟性に劣るものとなってし
まう。
更にブロック構造について言及すると、ビニル芳香族化
合物を主体とする重合体Aブロックは、ビニル芳香族化
合物重合体ブロック又は、ビニル芳香族化合物を50車
場%を越え好ましくは70i量%以上含有するビニル芳
香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物との共重
合体ブロックの構造を有しており、そして更に、水素添
加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bは、水素添加された共役ジエン化合物重合体ブロック
、又は水素添加された共役ジエン化合物を50重量%を
越え好ましくは70重量%以上含有する水素添加された
共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブ
ロックの構造を有するものである。
又、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックA1水素添加された共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにお
ける分子鎖中の水素添加された共役ジエン化合物又はビ
ニル芳香族化合物の分布がランダム、チーバード(分子
鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一
部ブロック状又はこれらの任意の組合せで成っていても
よく、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
ク及び該水素添加された共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合
体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異な
る構造であってもよい。
水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビ
ニルアントラセン、p−第3ブチルスチレン、t、t’
  −ジフェニルエチレン等のうちから1種又は2種以
上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。又、水素添
加された共役ジエン化合物を構成する水添前の共役ジエ
ン化合物としては、例えば、ブタジェン、イソプレン、
1.3−ペンタジェン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジェン、l、3−へキサジエン等のうちから1種又は
2種以上が選ばれ、中でもブタジェン、イソプレン及び
これらの組合せが好ましい。そして、水添される前の共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブ
ロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができるが
、b層に柔軟性を付与する効果上は例えばポリブタジェ
ンブロックにおいては、1.2−ビニル結合量が10〜
65%、好ましくは20〜55%である。
又、上記した構造を有する本発明に供する水添ブロック
共重合体の数平均分子量は5,000〜1.000.0
00 、好ましくは10.000〜500.000であ
り、本発明組成物の物性と加工性とのバランスを保持す
る上からは30,000〜300,000がさらに好ま
しい範囲であり、分子金分布〔型口平均分子fi(?1
7v)と数平均分子量(Mn )との比([w 、/’
1n))は10以下である。さらに水添ブロック共重合
体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれ
らの任意の組合せのいずれであってもよい。
これらのブロック共重合体の製造方法としては上記した
構造を有するものであればどのような製造方法で得られ
るものであってもかまわない。
例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方
法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を
合成し、次いで、例えば特公昭42−8704号公報、
特公昭43−6636号公報に記載された方法、特に好
ましくは特公昭63−4841号公報及び、特公昭63
−5401号公報に記載された方法により、不活性溶媒
中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供
する水添ブロック共重合体を合成することができる。そ
の際、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は
少なくとも80%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックを形態的にオレフィン性化
合物重合体ブロックに変換させることができる。
又、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
及び必要に応じて、共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックBに共重合されているビニル芳香族化合物に
基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に制限
はないが、水素添加率を20%以下にするのが好ましい
該水添ブロック共重合体中に含まれる未水添の脂肪族二
重結合の量は、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等によ
って容易に知ることができる。
一方、b層の(イ)成分として用いることができるもう
1つの変性水添ブロック共重合体は、a層に対゛する接
着性を向上さす上で有効な成分であり、前記した水添ブ
ロック共重合体にカルボン酸基又はその誘導体基を含有
する分子単位が結合したものである。かかる変性水添ブ
ロック共重合体は、前記した水添ブロック共重合体に不
飽和カルボン酸又はその誘導体を溶液状態又は溶融状態
において、ラジカル開始剤を使用あるいは使用せずして
付加することによって得られる、かかる付加変性に用い
ることができろ水添ブロック共重合体は、前記に規定し
たものであればいずれでも用いることができ、又水添ブ
ロック共重合体に付加される不飽和カルボン酸又はその
誘導体の例としては、マレイン酸、ハロゲン化マレイン
酸、イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1)
  −5−へブテン−2,3−ジカルボン酸等やこれら
ジカルボン酸の無水物、エステル、アミド、イミド等及
びアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等やこれらモ
ノカルボン酸のエステル、例えばメタクリル酸メチル、
メタクリル酸グリシジルやアミド等の誘導体が挙げられ
る。これらの中では無水マレイン酸、メタクリル酸グリ
シジルが特に好ましい。
これら変性水添ブロック共重合体の製造方法に関しては
、本発明においては特に限定はしないが、得られた変性
水添ブロック共重合体がゲル等の好ましくない成分を含
んだり、その溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化し
たりする製造方法は好ましくない。好ましい方法として
は、例えば押出機中で、ラジカル開始剤存在下で、未変
性水添ブロック共重合体と不飽和カルボン酸又はその誘
導体とを反応させる方法がある。
不飽和カルボン酸又はその誘導体の水添ブロック共重合
体への付加量は、水添ブロック共重合体100重量部あ
たり20重量部以下が好ましく、10重量部以下がさら
に好ましい。付加量が20重量部を越えても、それ以下
に比べて改良の効果の増加はほとんど見られない。本発
明で用いる不飽和カルボン酸又はその誘導体は1種のみ
ならず2種以上混合しても使用できる。
本発明のb層の組成物は(イ)成分に(ロ)成分すなわ
ちポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレンエー
テル系重合体を5〜85重量部加えることを特徴とし、
(ロ)成分の添加によりa層とb層間の接着性は著しく
向上する。(ロ)成分の添加量が5重曾部未満の場合に
は接着性の改良の効果は乏しく、又85重量部を越えて
多量に添加しても接着性はかえって低下してしまい、さ
らにb層の柔軟性が低下しソフト感が無くなってしまう
等望ましいものではない。(ロ)成分のさらに望ましい
添加量を示せば10〜70重量部の範囲である。(ロ)
成分として使用するポリスチレン系重合体及び/又はポ
リフェニレンエーテル系共重合体は、a層として使用す
るポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレンエー
テル系重合体として示されたものの中から任意に選ぶこ
とができる。
a層で使用するポリスチレン系重合体及び/又はポリフ
ェニレンエーテル系重合体と(ロ)成分として使用する
ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレンエーテ
ル系重合体は同じ種類であってもよく、あるいは異なる
種類であってもよい。
(ロ)成分として使用するポリスチレン系重合体及び/
又はポリフェニレンエーテル系重合体は単独で使用して
も良いし、2種類以上混合して使用してもよい。
本発明のb層を構成する組成物は(イ)成分、(ロ)成
分よりなるが、さらにこれらに加えて熱可塑性樹脂、充
填剤、軟化剤等の添加剤を配合することができる。熱可
塑性樹脂は本発明組成物、特に熱可塑性を示す組成物の
、流動性、機械的強度等を改善する上で有用である。熱
可塑性樹脂としては好ましくはポリオレフィン系樹脂で
あり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン等の樹脂さらにはプロピレンとエチレンあるいは1−
ブテン等のα−オレフィンとのブロック共重合体、ラン
ダム共重合体等が使用できる。これらのポリオレフィン
系樹脂の使用量は得られるゴム弾性を有する組成物の柔
軟性が失われない範囲にとどめるべきであるが、好まし
い範囲を例示すれば(イ)成分100重量部に対して0
〜80重量部程度である。さらに本発明のb層を構成す
る組成物には、無機充填剤を添加することができる。
無機充填剤は、b層を構成する組成物の高硬度化、及び
増量剤として経済性の改善をする上で有用である。該無
機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、
クレー、合成ケイ素、酸化チタン、カーボンブラック、
硫酸バリウム等が使用できる。なお無機充填剤の使用量
は、得られるゴム弾性を有する組成物の柔軟性がそこな
われない範囲にとどめるべきであるが、好ましい範囲を
例示すれば、(イ)成分100重量部に対して0〜10
0重量部程度である。さらに本発明のb層を構成する組
成物には、軟化剤を添加することができる。軟化剤の添
加はb層を構成する組成物の柔軟性の改良、さらには流
動性の向上の面から有効である。特にb層を構成する組
成物に多層の(ロ)成分が含まれる場合には、該組成物
に柔軟性を与えソフト感を付与するために添加すること
が好ましい。本発明で使用する軟化剤としては、非芳香
系のゴム用オイルであり、例えば鉱物油系軟化剤として
一般に知られているパラフィン系及びナフテン系に分類
されているゴム用希釈オイルを使用することができ、そ
のなかでもパラフィン系オイルが好ましく、さらにパラ
フィン系のなかでも芳香族成分の少ないものが好ましい
。オイルの添加量はb層を構成する組成物の柔軟性を勘
案して適宜定めればよいが、好ましい範囲を例示すれば
(イ)成分100重量部に対して0〜150重量部程度
である。
さらに本発明のb層を構成する組成物にはその他の添加
剤として加硫促進剤、架橋助剤、滑剤、着色剤、酸化劣
化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等
を適宜加えてよい。
本発明のb層を構成する組成物には、水添ブロック共重
合体及び/又はその変性品に対してポリスチレン系重合
体及び/又はポリフェニレンエーテル系重合体を5〜8
5重量部添加し、さらに必要に応じて熱可塑性樹脂、充
填剤、軟化剤等を配合した組成物であるが、さらに該組
成物の硬度は85以下のものである必要がある。硬度が
85を越えた組成物を使用した場合には、a層との接着
強度が著しく低下し、且つ柔軟性が乏しくなってしまう
等の問題が生じ好ましいものではない。より好ましくは
硬度80以下の組成物である。
(イ)、(ロ)成分を必須とし、熱可塑性樹脂、充填剤
、軟化剤等を適宜加えてなる本発明のb層を構成する組
成物は、押出機、ロール、バンバリーミキサ−等の通常
の熱可塑性エラストマー組成物の混練に使用される方法
にて容易に混練できる。
本発明のa層、b層よりなる積層物の製造方法としては
例えば、複数の押出機にてa層、b層を構成する樹脂を
同時に押出、溶融状態で両層を接着し成形する多層押出
成形法、多層ブロー成形法等の成形法、さらには一方の
層を構成する樹脂を予め成形しておき、その上にもう一
方の層を構成する樹脂の溶融物を供給して積層物を得る
複層射出成形法等の成形法により容易に得ることができ
る。
本発明の積層物は、a層/b層間の接着力が高(、又柔
軟性に優れたb層を有するため、ソフトな感触を有し、
さらには防音防振特性をも有している。このため人体に
接触する部品、あるいは防音防振部品として例えば自動
車の内装品、家電部品、スポーツ用品、雑貨等に幅広く
利用することができる。
〈実施例〉 以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明は
これらの例に限定されるものではない。
なお実施例及び比較例において用いた物性は以下の試験
方法で測定した。
(1)引張強度(1に!j/cIi) 試料は2m厚のインジェクションシートを用いJ IS
−に−6301記載の3号試験片とした。測定はJIS
−に−6301に準拠。
(2)伸 度(%) J Is−に−6301に準拠。
(3)圧縮永久歪(%) JIS−に−6301に準拠し、70℃、25%変形、
22時間の条件で測定。
(4)硬 度 JIS−に−6301Aタイプ (5)剥離強度(Kg/25.) JIS−に−6854記載の180度剥離に準拠。
また、実施例、比較例で使用する水添ブロック共重合体
、ポリスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル系共
重合体を表1,2に記載した。
〈実施例1〜5、比較例1,2〉 表−1より選ばれた(イ)成分である水添ブロック共重
合体E100重量部にパラフィン系プロセスオイル(P
W380:出光興産社製)70重量部を加えさらに(ロ
)成分であるポリスチレン(スタイロン685:旭化成
社製)を表−3記載の量混合し、該混合物100重量部
に対してBITo、8重量部、ステアリン酸カルシウム
0.2重量部、エルカ酸アミド0.1重量部を添加し、
二軸押出機で造粒後、インラインスクリュータイプの射
出成形機を用い、射出圧力50kg/cJ、射出温度2
20〜240℃、金型温度50℃の条件下で200an
 X 200mm X 4mm厚の平板試料を作製した
。該金型の中にはa層として表−2より選ばれたPS樹
脂を熱プレスにて成形した150mm X 25+u+
 X 2 ll1m厚の試験片が予め固定されており、
インジェクション終了後、得られた平板試料より該複層
28片を切り出し、剥離強度測定用の試験片とした。又
同様の射出条件にて150m■X15011111X2
關厚の平板試料を成形し、物性測定用の試験片とした。
所定の方法で諸物性を測定し結果を表−3に記載した。
実施例1〜4及び比較例1より明らかなように、b層の
組成物に(ロ)成分を添加すると接着強度は向上し、特
に10重量部以上添加したものは接着強度は著しく改良
された積層物であることが判る。
又実施例4,5と比較例2より明らかなように、b層の
組成物に占める(口)成分の量が85重量部以下だとa
層とb層間の接着力は高いものとなり、特に70重足%
以下だとさらに優れた接着力を有する積層物となること
が判る。
(以下余白) 〈実施例6,7、比較N3) 表〜1より選ばれた(イ)成分である水添ブロック共重
合体F100重量部に(ロ)成分ポリスチレン(スタイ
ロン685:旭化成社製)45重量部配合し、さらにポ
リプロピレン(アサヒポリプ口E −1100:旭化成
社製)、パラフィン系プロセスオイル(PW380:出
光興産社製)、炭酸カルシウム粉末を表−4記jA量混
合し、以下実施例1〜5と同様の方法で試験した。測定
結果をまとめ表−4に記載した。実施例6,7、比較例
3より明らかなようにb層における(口)成分の使用量
が適切な範囲にあっても、b層の組成物の硬度が85を
越えるものは接着性は著しく低下し、望ましい積層体で
はなくなってしまうことが判る。又比較例3のb層はゴ
ムらしいソフトな感触を示さず、この点からも望ましい
積層体ではない。
(以下余白) 〈実施例8〜14、比較例4,5〉 表−5に記載された(イ)成分、(ロ)成分、及びパラ
フィン系プロセスオイル(PW380:出光興産社製)
を記載回混合し、以下実施例1〜5と同様の方法で実験
した。ただしa層として金型内に固定する試験片は、実
施例8〜11、比較例4の場合にはポリスチレン(スタ
イロン685:旭化成社製)を使用し、実施例12〜1
4、比較例5の場合にはポリフェニレンエーテル(ザイ
ロン500H:旭化成社製)を使用し、PS又はPPE
に対する接着性を測定した。結果を表−5に示す。実施
例8〜14、比較例4,5より明らかなように、(ロ)
成分として、PS、HIPS、スチレン/極性モノマー
の共重合体、PPE等を使用すればa層であるPS、P
PEに対する接着性は向上し、望ましい積層物であるこ
とが判る。特に(イ)成分として変性水添ブロック共重
合体を使用した場合には接着性はさらに優れたものとな
り、さらに望ましい積層物であることが判る。
(以下余白) 〈実施例15〜19、比較例6〜10〉実施例15〜1
9としては実施例3のb層組成物を使用し、比較例6〜
10としては比較例1のb層組成物を使用し、以下実施
例1〜5と同様の方法にて実験した。ただし、金型内に
固定するa層の試験片としては表−6に記載されたもの
を使用し、種々のポリスチレン系重合体あるいはポリフ
ェニレンエーテル系重合体に対する接着性を試験した。
結果を表−6に記載した。実施例15〜19と比較例6
〜10より明らかなように、(ロ)成分を配合した本発
明のb層組成物を使用した場合には、a層の樹脂を種々
変化させてもいずれも高い接着性を示し、望ましい積層
物であることが判る。
(以下余白) 〈発明の効果〉 本発明の積層物は、前記のa層とb層の間の接着力が高
く、又柔軟性に優れた該す層を有するため、ソフトな感
触を有し、さらには優れた防音防振等を有している。こ
のため人体に接触する部品、あるいは防音防振部品とし
て例えば自動車の内装品、家電部品、スポーツ用品、雑
貨等の分野に広く利用することができ、その工業的意義
は大きい。
特許出願人 旭化成工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記a層とb層からなる2層構造を少なくとも1つ
    有する積層体。 a層:ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレン
    エーテル系重合体を主体とする層。 b層:(イ)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくと
    も1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体と
    する少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロ
    ック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重
    合体及び/又は該水添ブロック共重合体にカルボン酸基
    もしくはその誘導体基を含有する分子単位を結合せしめ
    た変性水添ブロック共重合体100重量部と、 (ロ)ポリスチレン系重合体及び/又はポリフェニレン
    エーテル系重合体5〜85重量部に必要により、他の熱
    可塑性樹脂、軟化剤、充填剤等を加えた硬度が85以下
    の熱可塑性エラストマー組成物よりなる層。
JP9825888A 1988-04-22 1988-04-22 熱可塑性エラストマー層を有する積層体 Granted JPH01269533A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276354A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Osaka Jushi Kako Kk 多層シート、それを熱成形してなる成形体

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