JPH0126287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、患者の安全を確保し、患者に苦痛を
与えないようにする柔軟なゴム様先端具を前端に
装着した、耳鏡などのためのスペキユラに関す
る。この柔軟な先端具は、また、鼓膜を目視検査
する際、耳管へ加圧空気を吹込む（通気）ことが
できるように耳管を確実に密封する作用をも有す
る。

現在、医師は、耳を診察または１および治療す
るのに２種類の耳鏡を使用している。１つは、他
の小さい器具を内耳の各部位へ挿入するための案
内操作器具としての耳鏡であり、他は、耳の機能
的活動、特に、加圧空気に対する鼓膜の振動応答
を眼で観察するために用いられる診察器具として
の耳鏡である。いずれの場合にも、診察または治
療中耳管を張開状態に保持するために耳管内へ挿
入することができる着脱自在のスペキユラを耳鏡
に付設するのが普通である。通常、スペキユラ
は、いろいろな異なるサイズのものが供給されて
おり、それらを操作用耳鏡または診察用耳鏡に交
換自在に使用することができる。

従来は、着脱自在のスペキユラは、単一部片か
ら形成されており、円錐形の中空構造であり、そ
の先端部は耳管に挿入し易いようにくびらせてあ
る。また、スペキユラは、他の物体に接融したと
き変形または撓曲しない剛性材料で形成されてお
り、従つて、耳管は、耳の繊細な部分を傷つける
おそれが常に存在している。耳鏡の本体に加えら
れる手の僅かな圧力でも、スペキユラの先端具に
は大きな力に倍加されて伝える。特に、それは、
耳鏡の前端を局部に正確に整合させるために耳鏡
を耳管内で操作しなければならない場合にあては
まる。

また、剛性材料で単一部片として形成された従
来のスペキユラは、必ずしも耳管の形状に順応し
て合致しない。従つて、ある種の診察中耳管内へ
導入される加圧空気がスペキユラの周りから逃出
し、診察の結果が満足なものとならない。

従つて、本発明の目的は、耳を診察するための
改良された装置を提供することである。

本発明の別の目的は、耳の診察を受ける患者の
安全と安楽を確保することである。

本発明の更に別の目的は、柔軟な先端具と剛性
の本体を有する、耳鏡に使用するための着脱自在
のスペキユラを提供することである。

本発明の別の目的は、耳管の輪郭に順応して合
致することができ、従つて耳管の壁に対して良好
な気密シールを設定する先端具を有するスペキユ
ラを提供することである。

本発明の更に別の目的は、スペキユラと、耳鏡
のスペキユラ受容表面との間に作用する内部シー
ルを有する着脱自在のスペキユラを提供すること
である。

本発明の更に別の目的は、耳への通気中耳管の
内壁および耳鏡に対して密封することである。

略述すれば、耳鏡に組合せて使用するための本
発明の着脱自在のスペキユラは、剛性の本体と、
その前端に固定されており、耳への通気中耳管を
保護するとともに、耳管に順応合致してシールを
形成することができる柔軟なゴム様先端具とを有
している。また、空気が耳管から漏れるのを更に
防止するためにスペキユラとそれを受容する耳鏡
の合致表面との間にもシールが形成されるように
する。

以下に、添付図を参照して本発明の実施例を説
明する。

添付図を参照すると、耳鏡１０は、米国特許第
3071747号に開示された形式の電池収納ハンドル
１２に取付けられたものとして示されている。こ
のハンドルは、診察をする医師が握り易い寸法お
よび形状になされている。このハンドルには、電
池（図示せず）が収納されており、スイツチボタ
ン１３および調光ダイアル１４が設けられてい
る。電池は、耳鏡のペースの一部を構成する金属
製スリーブ１７内に装填されたランプ１５（第２
図）に電流を供給する。

耳鏡１０は、基本的には、頭部２０と、好まし
くは単一部片構造のスペキユラ延長部２２とから
成つている。頭部２０は、第１図にみられるよう
に背面からみてほぼ長方形であり、立体的にみて
台形多面体である。スペキユラ延長部２２は、第
２図に示されるようにその壁は僅かに凹面状であ
るが、全体的には切頭円錐形である。頭部２０
は、筒状口候部材２５と器具のベーススリーブ１
７に固着させた円筒状の脚２４を有している。

耳鏡１０は、頭部２０およびスペキユラ延長部
２２を貫通した障害のない通路２６を有してい
る。この通路は、それを通して目視診察するのを
容易にし、かつ、小さい器具を挿入するのを可能
にするのに十分な大きさである。通路２６の前端
２７は、該通路の壁に埋設された、予備形成され
た光学繊維束２８によつて囲繞されている。光学
繊維束２８は、ランプ１５から光を伝送し、スペ
キユラ延長部の前端から放出する。繊維束２８
は、ランプに近いところでは円筒形になされてお
り、ランプに近接する磨き入口面２９に終端して
いる。ランプから受け取られた光は光学繊維を通
して伝送され、スペキユラ延長部の前端２７で環
状に分配され、視界を照射する。

適当なレンズ３１とフレーム３２とから成るス
ライド３０が器具の頭部２０に摺動自在に嵌めら
れている。フレーム３２は、頭部の接触表面に密
封係合することができるエラストマー材で形成さ
れている。スライド３０を所定位置に装着すれ
ば、耳鏡１０を診察用器具として使用することが
でき、スライドを外せば、耳鏡を操作用器具とし
て使用することができる。膨脹（通気）用バルブ
３５と、接続端３７を有する可撓連結チユーブ３
６を頭部２０の受入開口３８内に接続することが
できる。バルブ３５を用いることにより医師は、
患者の耳管を大きく膨脹させ、それによつて鼓膜
を振動させてその状態を眼で観察することができ
る。

この耳鏡に本発明による着脱自在の中空スペキ
ユラ４０を装着する。スペキユラ４０は、耳鏡の
スペキユラ延長部２２に嵌着させ、スペキユラの
開口３９が耳鏡の通路２６の延長通路を構成し、
光学繊維束２８の前端を保護し、繊維束から放出
された光を診察すべき局部へ導くようにする。ス
ペキユラ組立体４０は、例えばポリプロピレンな
どの比較的硬質の材料で形成した切頭円錐形の本
体部分４１と、適当なゴム様材料で形成した柔軟
な先端具４２を備えている。柔軟な先端具４２
は、中空の円筒状部材であり、操作中本体部分４
１から外れることがないように本体部分の前端に
しつかり結合されている。スペキユラ本体４１の
前端には、減径延長部４３が形成されている。組
立に当つて、延長部４３を先端具４２の主開口と
同軸に形成された拡径孔４４内に嵌入させる。拡
径孔４３は、先端具の後端面４５から減径延長部
４３の軸方向の長さにほぼ等しい深さにまで形成
されている。この構成により、先端具の後端面４
５はスペキユラ本体４１の半径方向の肩部４６に
当接して座着し、同様に、延長部４３の前端面４
７は先端具の拡径孔４４の平担な底面４８に座着
する。

柔軟な先端具４２は、減径延長部４３に、両者
を加熱接合させることによつて結合することが好
ましい。先端具４２の素材と、スペキユラ本体４
１の素材は、ほぼ同じ温度で半溶融状態に達する
同様なスペース材料から作られている。冷却する
と、両者の素材が結着して両者の接融線に沿つて
極めて強固な、恒久的な結合部を形成する。別法
として、先端具４２は、強力接着剤を用いて、あ
るいは純粋な機械的な結合法を用いてスペキユラ
本体４１に固着してもよい。第４図に示されるよ
うに、機械的結合法の１つとして、先端具４２の
拡径孔４４と減径延長部４３の外周面とを締り嵌
めさせる方法がある。この場合、延長部４３の外
周面に凹凸を施して一連の鋭い歯を形成する。先
端具４２を延長部４３の凹凸面にプレス嵌めさせ
ると、柔軟な先端具の素材が歯と歯の間の凹部内
へ圧入され、それによつて両部材間の機械的結合
を強固にする。

柔軟先端具４２は、その中間部分の直径が前端
面および後端面の直径より大きくなるように賦形
されている。第２図にみられるように、先端具の
外側壁は、その最大直径の部分から両端面の方に
向つて内方へ傾斜している。先端具の後端面、即
ち減径延長部４３の肩部４６に衝接する端面の直
径は、該肩部の外径と等しくし、両者接合線に沿
う表面が平滑になるようにする。先端具の大径部
分は、耳管の形状に順応して合致し、耳管に対し
て確実なシールを設定することができる変形自在
の密封表面５０を構成する。この密封表面５０
は、また、この器具即ち耳鏡を、その耳管との気
密シールを破ることなく、耳管内で安全に、か
つ、患者に不快感を与えないように操作する支点
即ちピボツト点を構成する。

スペキユラ本体４１の内部開口は、それと嵌合
する耳鏡の延長部２２の輪郭に一致する特定輪郭
の内壁５４（第３図）を画定するように後端部分
において拡大されている。この特定輪郭の内壁５
４には、耳鏡のスペキユラ延長部２２に形成され
ているスロツトに係合して両者を着脱自在に結合
するための小さな錠止突起５３が形成されてい
る。このような錠止突起自体は新規なものではな
く、例えば米国特許第3146775号に記載されてい
る。

また、スペキユラ本体４１の後端寄りの特定輪
郭の開口内には環状密封リング５５を設ける。実
際の実施に当つては、リング５５は、内壁５４か
ら耳管の対応表面に接触するように内方へ突設さ
せ、両者の間に密なシールを設定するようにす
る。リング５５は、耳鏡とスペキユラ４０を組合
せて錠止させたとき、対応する耳鏡の表面に合致
するように容易に変形する弾性材料で形成する。
このリング即ち密封部材は、スペキユラ４０を製
造する際その全体構造の一部として形成されるス
ペキユラ本体４１の一体部分として形成するのが
好ましい。通常、スペキユラ本体は、密封部材と
して使用するのに適したプラスチツク材で鋳造ま
たは金型成形によつて形成し、その場合、密封部
材５５とスペキユラ本体とは、第３図に示される
ように単一部片として形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電池収納ハンドルのよ端に取付けら
れた、本発明のスペキユラを装備した耳鏡の透視
図、第２図は第１図の耳鏡の拡大垂直断面図、第
３図は本発明のスペキユラの部分拡大断面図であ
り、内部シールリングの構造を示す。第４図は本
発明のスペキユラの部分拡大断面図であり、その
先端具を本体に固定する一態様を示す。 図中、１０は耳鏡、２２はスペキユラ延長部、
２６は通路、２７は前端、３５はバルブ、３６は
チユーブ、３７は接続端、３９は開口、４０はス
ペキユラ、４１はスペキユラ本体、４２は先端
具、４３は減径延長部、４４は拡径孔、４６は肩
部、４７は前端面、４８は底面、５０は密封表
面、５３は錠止突起、５４は賦形開口部分、５５
は密封リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 耳管の診察を行うのに使用するためのスペキ
   ユラにおいて、 軸方向の貫通開口を有する総体的に切頭円錐形
   のスペキユラ本体と、 該スペキユラ本体を耳鏡に着脱自在に錠止する
   ために該スペキユラ本体の後端に付設された取付
   手段と、 耳管の壁に接触するための柔軟なゴム様材料製
   のものであつて、後端部分は前記スペキユラ本体
   の前端にかぶせられて該前端に結合されており、
   前端部はスペキユラ本体の前端から前方へ延長し
   て該前端の周りに柔軟な保護壁を形成しているほ
   ぼ円筒状の先端具とから成るスペキユラ。 ２ 前記先端具の全長の中間部分は両端より直径
   が大きくなつており、該先端具の外表面は該中間
   部分から前端面および後端面の方に向つて内方へ
   傾斜している特許請求の範囲第１項記載のスペキ
   ユラ。 ３ 前記スペキユラ本体の前端は細長い減径延長
   部を有しており、前記先端具の後端部分は該減径
   延長部を密に受容するための拡径孔を有してお
   り、スペキユラ本体の減径延長部の前端面が該拡
   径孔の底壁に座着するようになされた特許請求の
   範囲第２項記載のスペキユラ。 ４ 前記減径延長部の軸方向の長さを前記拡径孔
   の長さと実質的に等しくし、それによつて前記先
   端具の後端面が該減径延長部の半径方向の肩部に
   当接するようにした特許請求の範囲第３項記載の
   スペキユラ。 ５ 前記先端具の後端面の外径を前記肩部の外径
   に実質的に等しくし、両者の接合部の表面が平滑
   になるようにした特許請求の範囲第４項記載のス
   ペキユラ。 ６ 前記先端具は前記スペキユラ本体の前端に加
   熱接合されている特許請求の範囲第１項記載のス
   ペキユラ。 ７ 前記先端具は前記スペキユラ本体の前端に接
   着剤により接合されている特許請求の範囲第１項
   記載のスペキユラ。 ８ 前記先端具は前記スペキユラ本体の前端に機
   械的に結合されている特許請求の範囲第１項記載
   のスペキユラ。 ９ 前記スペキユラ本体の軸方向の貫通開口の後
   端部分は、前記耳鏡の嵌合表面と同一形状に賦形
   されており、それによつて該嵌合表面が該開口の
   該賦形部分内に摺動自在に受容されるようになさ
   れた特許請求の範囲第１項記載のスペキユラ。 １０ 前記開口の賦形部分の内周面に弾性のリン
   グが設けられており、該リングが耳鏡の前記嵌合
   表面に当接して変形され、該嵌合表面との間にシ
   ールを設定するようにした特許請求の範囲第９項
   記載のスペキユラ。 １１ 耳管内へ挿入するための円錐形のスペキユ
   ラ延長端を有し、該スペキユラ延長端の貫通通路
   を通して耳管内へ加圧突気を導入するための空気
   導入手段を備えた形式の診察耳鏡において、 軸方向の貫通開口を有する総体的に切頭円錐形
   のスペキユラ本体を設け、該開口は、前記スペキ
   ユラ延長端を摺動自在に受容しうるようにスペキ
   ユラ本体の後端部分においてスペキユラ端の形状
   に合致するようにテーパを付されており、該スペ
   キユラ本体をスペキユラ延長端に着脱自在に錠止
   するための錠止手段と、前記スペキユラ本体の前
   端に取付けられた柔軟なゴム様材料製のものであ
   つて、後端部分は該スペキユラ本体の前端にかぶ
   せられて該前端に結合されており、前端部はスペ
   キユラ本体の前端から前方へ延長して該前端の周
   りに柔軟な保護壁を形成しているほぼ円筒状の先
   端具と、前記スペキユラ本体の後端部分の前記開
   口から内方へ突設されており、前記スペキユラ延
   長端の嵌合表面に当接して変形し、該嵌合表面と
   の間に気密シールを設定するようになされた弾性
   の密封リングとを設けたことを特徴とする耳鏡。 １２ 前記先端具の全長の中間部分は両端より直
   径が大きくなつており、該先端具の外表面は該中
   間部分から前端面および後端面の方に向つて内方
   へ傾斜している特許請求の範囲第１１項記載の耳
   鏡。 １３ 前記スペキユラ本体の前端は減径延長部を
   有しており、前記先端具の後端部分は該減径延長
   部を受容するための拡径孔を有しており、該減径
   延長部の軸方向の長さを該拡径孔の長さと実質的
   に等しくした特許請求の範囲第１２項記載の耳
   鏡。 １４ 前記先端具の後端面の外径を前記減径延長
   部の肩部の外径に実質的に等しくした特許請求の
   範囲第１３項記載の耳鏡。 １５ 前記減径延長部の長さは前記先端具の全長
   の約0.75倍である特許請求の範囲第１３項記載の
   耳鏡。 １６ 前記先端具は前記スペキユラ本体の先端に
   加熱接合されたものである特許請求の範囲第１１
   項記載の耳鏡。