JPH0125219B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンデンサの外被を改良したコンデ
ンサの製造方法に関するものである。

従来電解コンデンサは、陽極用および陰極用電
極箔に各々引出リードを加締などにより接続し、
電解紙を介して巻回しコンデンサ素子１を形成
し、ついで該コンデンサ素子１に電解液を含浸せ
しめ、あらかじめ成形されたゴム封口体２を該コ
ンデンサ素子１のリード３に装着したのち、コン
デンサ素子１をアルミニウムなどよりなる有底円
筒ケース４に収納し、該封口体２をケース４開口
部に嵌入し、ケース４開口部を巻締め密封し第１
図のように構成していた。

しかし、ゴムなどの封口体が長期使用に対し、
圧縮永久歪、反発弾性が低下し、パツキングシー
ル性が劣化、ゴム配合物中のイオン性不純物が流
出され、電解コンデンサの寿命特性などに著しく
影響させていた。また外部衝撃に対して、リード
線を伝つてコンデンサ素子の漏れ電流に悪影響を
与えていた。したがつて必要に応じてゴム封口体
上に樹脂を充填してリード線を固定している。

このような液体含浸剤を必要とするコンデンサ
は、一般にケースに封入されかつゴム封口体を用
いているので、、ケースまたは封口体の挿入に際
し、加工上のミス使用ミスが多く、生産性を阻害
するとともに封口体のケースへの挿入および封口
の際、コンデンサ素子に応力が加わり、リード線
続部が破壊などして断線、あるいは陽極酸化被膜
が損傷するなどの欠点があつた。

本発明は上記の欠点を除去し、かつ小形で生産
性の極めて高いコンデンサの製造方法を提供する
ものである。

以下本発明のコンデンサを第２図から第４図に
示す電解コンデンサの実施例に基づき説明する。

すなわち、本発明の電解コンデンサは陽極用お
よび陰極用電極箔に各々引出リード１３を加締な
どにより接続し、電解紙を介して巻回し、第２図
のコンデンサ素子１１を形成し、第３図のように
コンデンサ素子１１から引出されたリード１３を
帯状台紙１５に固定したのち、コンデンサ素子１
１の引出リード１３の根元近傍にあらかじめ粘性
比1.5〜７に調整された硬化性液状樹脂１６（た
とえばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ブタジエン樹脂、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレートなど）を塗布あるいは
注入して塊状に形成し、リード１３の一部を被覆
し、樹脂１６を硬化させ２本のリード１３を固定
する。

ついで含浸剤（電解液）をコンデンサ素子１１
に含浸させ、そして、第４図のようにリード１３
に塗布あるいは注入した塊状樹脂１６と同等の水
蒸気透過率が少なく熱変形温度の高い樹脂中にリ
ード１３部の樹脂１６を基点として、コンデンサ
素子１１をデイツプ塗装するか塗布して第１の外
装被覆１４を施こし、ついでポリイソブチレン
（エクソン化学製ビスタネツクMML−140）、ブ
チルゴム（エクソン化学製エツソブチル065）、塩
素化ブチル（エクソン化学製エツソHTブチル10
−65）などのヘキサン溶液などのバリヤー性の材
料を外装１７し、さらに第１の外装被覆１４と同
等の樹脂で外装１８し、多層サンドイツチ被覆を
施こして密封してなるコンデンサで、リード固定
樹脂１６および第１、第３の外装樹脂の選択に際
して、リード１３部をシランカツプリング剤（Ｘ
−12−413信越化学製）処理を施こした後、ウレ
タンアクリレート樹脂（粘性比3.5，2700CPS）
を用い、リード部に注入して紫外線を照射し硬化
接着固定することが望ましい。また第２外装樹脂
は第１の外装樹脂のみではコンデンサに電圧印加
時に内圧が上昇し、含浸剤がガス化して揮発する
ことを防止できず、寿命テストにおいて容量およ
び損失の増加を防止できないために被覆するもの
であり、第５図は10μF，16WV.DCの電解コンデ
ンサについての寿命テスト（周囲温度85℃、印加
電圧16V.DC）の△tanδ（％）−時間特性を示すも
ので、〜は第２の外装被覆なしで熱変形温度
がの場合45℃、の場合105℃、の場合155℃
のエポキシアクリレートを用いたもの、は従来
のアルミニウムケースを外装したもの、は本発
明品である。

なお、リード部に注入あるいは塗布する樹脂の
粘性比は1.5未満ではコンデンサケースのスペー
サ紙に樹脂が含浸され、含浸剤の含浸ができな
い、また7.0を越えると樹脂とリードのなじみが
悪く接着が完全にできない。したがつて粘性比は
1.5を越え7.0以下が適している。またリードに塗
布あるいは注入する樹脂はできるだけリード上で
コンデンサ素子に接触しないように塗布あるいは
注入すると、コンデンサ素子への含浸剤の含浸性
がよく、さらに塗布あるいは注入する樹脂が電解
コンデンサのようなリードは、偏平にされたアル
ミニウム端子とリード棒が接続され構成している
ので接続部が断線などするため、この接続部を補
強するために接続部を被覆するとよい。

以上のように本発明のコンデンサの製造方法に
より得られたコンデンサは、コンデンサ素子の引
出リード部に樹脂を塗布あるいは注入し、リード
上に樹脂塊を形成し、含浸剤をコンデンサ素子に
含浸し、樹脂外装を施こしているので、気密性が
高く、含浸剤の洩れもなく、樹脂塊と樹脂外装が
一部３層になり、３層の重なり部が防爆作用をな
すなどの効果を有するとともに、リードの接続部
が補強でき、かつ従来のケース封入また樹脂外装
に比較して、リード上の樹脂のりによる半田接続
不良に対する樹脂のりが少なくなり、均一な品質
が維持でき、コンデンサ素子の外装にかかる工数
の削減、さらに部品点数を少なくするなど多くの
効果を有し工業上有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電解コンデンサの断面図、第２
図は電解コンデンサ素子の平面図、第３図は本発
明品の製造過程におけるテーピングされたコンデ
ンサ素子とリード固定樹脂の注入あるいは塗布さ
れた平面図、第４図は本発明品の電解コンデンサ
の断面図、第５図は寿命テストの△tanδ（％）−時
間特性図である。 １１：コンデンサ素子、１３：引出リード、１
４：第１の外装被覆、１５：帯状台紙、１６：硬
化性液状樹脂、１７：第２の外装被覆、１８：第
３の外装被覆。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向する電極間にセパレータを介して巻回も
   しくは積層してなるコンデンサにおいて、コンデ
   ンサ素子から引出してなる少なくとも２本のリー
   ド線に硬化性液状樹脂を注入あるいは塗布して塊
   状に形成し、該リード線を被覆するとともに固定
   させたのち、コンデンサ素子に含浸剤を含浸し、
   コンデンサ素子に該硬化性液状樹脂と同種の樹脂
   で第１の外被を施し、次いでガス透過率の低いポ
   リイソブチレン、ブチルゴム、塩素化ブチルゴ
   ム、エビクロルヒドリンゴムの溶液あるいはエマ
   ルジヨンで第２の外被を施し、さらに硬化性の第
   ３の樹脂外装して多層外装を施してなることを特
   徴とするコンデンサの製造方法。 ２ 上記ポリイソブチレン、ブチルゴム、塩素化
   ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴムにイオウな
   どの加硫剤を添加した溶液もしくはエマルジヨン
   で第２の外装を施したことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のコンデンサの製造方法。