JPH0125179Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は扉の自然展開を防止するキヤツチ部材
を備えた家具用蝶番に関する。

従来、音響機器とか洋食器などを収容する家具
に用いられる家具用蝶番は、家具本体の側板など
にネジ止めする固定翼片と、内面に扉の取付け孔
を嵌挿する取付杆付の回動翼片と、前記固定翼片
と、回動翼片とに設け、且、互いに軸芯を一致し
た軸挿筒と、該軸挿筒へ挿入した枢軸とより構成
するものであるから、この家具用蝶番を用いて扉
を家具本体へ回動自在に取付けた場合、前記した
蝶番には、扉の自然展開を防止する手段は構じら
れていない為、閉扉時、扉は自然に展開するの
で、家具本体の開口部内側にマグネツトか、圧接
球からなるキヤツチを、又これに対応する扉の内
面に、金属製の止着板か、該頭係止部材を取付け
て扉の展開を止めたものであるから、家具本体の
収容部開口縁に前記キヤツチが突出して、収容品
の出し入れに支障を来すことが応々にしてあり、
又、キヤツチの取付けや止着板、或いは膨頭係止
部材の取付けにも手数がかかつて、使用上並びに
扉の装着に極めて不便なものであつた。

本考案は、家具用蝶番における回動翼片に螺合
する扉押えネジに膨頭部を設け、且、固定翼片側
に、扉押えネジの膨頭部を係脱自在に圧嵌するキ
ヤツチ手段を設けた構成とすることにより、前記
した従来の欠点を解消することを目的とした家具
用蝶番に関するもので、これを図面に付き説明す
れば下記の通りである。

図中１は音響機器とか洋食器（ともに図示せ
ず）などを収容する家具本体で、側板２・天板・
底板・背板・棚板とにより箱形に形成する。３
は、本考案の家具用蝶番Ａを構成する固定翼片
で、家具本体１の側板２へ固着する取付け用ネジ
４の差通し孔５，５，６を穿設してある。７は家
具本体１の開口部に取付ける扉板で、透明、又は
半透明のガラス板かアクリル板を用いる。８は扉
板７を支持する回動翼片で、一側端にコの字形の
切欠き部９と、該切欠き部９の上下に軸受部１
０，１０とを設けて、切欠き部９に、前記固定翼
片３の側端に形成した軸挿筒１１を嵌めて、軸受
部１０，１０及び軸挿筒１１を貫通した枢軸１２
により固定翼片３へ回動自在に取付けられる。１
３は回動翼片８に刻設した蟻溝で、回動翼片８の
内面、即ち扉板７の取付け面側で、一端の切欠き
部９側より他端部側に亘つて設けられている。１
４は根部を前記蟻溝１３へ遊挿した扉取付け杆
で、根部に蟻溝１３における互いに対応する溝面
と平行な摺接縁イ，イを設けた丸形以外の楕円と
か角形の係止部１５と、この係止部１５より突出
する雌ネジ筒１６と、この雌ネジ筒１６へ外装し
た軟質で鍔１７付の扉板受け１８とより構成し、
扉板７に穿設した取付け孔１９の穿設位置に合わ
せて、扉取付け杆１４を嵌合し、扉板７を支持す
る。２０は前記扉取付け杆１４へ螺合し、扉板７
を止着する扉押えネジで、ネジ頭に膨頭部２１を
突設し、軟質の座板２２と金属座２３とを介し
て、扉取付け杆１４の雌ネジ筒１６へ螺合して扉
板７を止着する。２４は固定翼片３側に設けた膨
頭部２１のキヤツチ部材で、合成樹脂により平面
略Ｌ字形に形成し、且、立上り片側に、扉押えネ
ジ２０の膨頭部２１を弾性によつて係脱自在に圧
嵌する二叉状の止め部２５を、水平片側に固定翼
片３における取付け用ネジ４の差通し孔６と同位
置に穿設したネジ通し孔２６を設けて、固定翼片
３へ添え、該固定翼片３とともに家具本体１の側
板２へ固着する。

尚、本考案に関する固定翼片３は、第７図に示
す様に駒形に屈曲して、これを家具本体１の側板
２端部に形成した切欠き部２７へ止着させる場合
もあり、又、蟻溝１３はＴの字形の溝形とする場
合もある。

更に又、図示例では扉取付け杆１４を扉板７の
取付け孔１９に合わせて移動調整し得るよう構成
されているが、扉取付け杆１４を回動翼片８へ固
定したものを使用する場合もある。

本考案に関する家具用蝶番は前記の様に構成さ
れているから、この家具用蝶番Ａを用いて、家具
本体１へ扉板７を展開自在に取付ける場合は、先
ず蝶番を構成する固定翼片３へキヤツチ部材２４
を対応させて、家具本体１の側板２内面へ固定翼
片３とともに取付け、更にこの固定翼片３へ回動
自在に軸支した回動翼片８の扉取付け杆１４へ扉
板７にあけた取付け孔１９を嵌めた後、この扉取
付け杆１４に扉押えネジ２０をねじ込んで、この
扉押えネジ２０により扉板７を回動翼片８へ固着
して家具本体１へ扉板７を展開自在に取付けるも
ので、扉板７を閉じた状態においては、前記扉押
えネジ２０に突設した膨頭部２１が固定翼片３側
に取付けたキヤツチ部材２４の止め部２５へ圧嵌
して、扉板７の自然展開を防止する。更に、扉板
７を展開するときは、扉板７を強く引けば扉押え
ネジ２０の膨頭部２１がキヤツチ部材２４の止め
部２５より外れて、そのまま枢軸１２を中心に扉
板７を展開するものである。

又、第７図に示す固定翼片３を鉤形に屈曲した
もの、或いは扉取付け杆１４を回動翼片８へ固定
したものを使用する場合も、前記と同様に家具本
体１へ固定翼片３とキヤツチ部材２４とを取付
け、又、回動翼片８へ扉板７を装着して扉押えネ
ジ２０の膨頭部２１をキヤツチ部材２４へ係脱自
在に圧嵌して、閉扉時における扉板７の自然展開
をなくすものである。

本考案に関する家具用蝶番は、前記の様に家具
本体へ取付ける固定翼片と、扉板を支持する回動
翼片とに設け、且、軸芯を一致した軸挿筒に枢軸
を挿入して回動翼片を回動自在とした家具用蝶番
において、回動翼片の扉板取付け面側に、扉取付
け杆を突設し、該扉取付け杆に扉押えネジを螺合
し、この扉押えネジには膨頭部を設けるととも
に、前記固定翼片側に、扉押えネジの膨頭部を係
脱自在に圧嵌する止め部付きのキヤツチ部材を備
えたものであるから、扉板の自然展開を防止する
扉押えネジの膨頭部とか、これを圧嵌するキヤツ
チ部材は、家具本体の側板とこれの近傍に設ける
ので、扉を取付ける家具本体の開口縁には、収容
品の出し入れに支障を来すキヤツチ部材は突出し
ないから、収容品の出し入れを円滑に行える特有
の効果があり、然も閉扉時には、前記扉押えネジ
の膨頭部がキヤツチ部材に圧嵌して扉板の自然展
開は皆無となり、又、蝶番の取付けに際し、扉板
の自然展開を止める膨頭部は扉押えネジへ一体
に、更にキヤツチ部材は固定翼片の取付けと同時
に家具本体へ装着するので、キヤツチ装置の取付
けに手数もかからず、使用上並びに扉板の装着に
極めて便利となる特有の効果も発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する家具用蝶番を示すもの
で、第１図は分解した状態の斜視図、第２図はキ
ヤツチ部材の正面図、第３図は仝上平面図、第４
図は一部縦断正面図、第５図は一部縦断側面図、
第６図は使用状態の横断平面図、第７図は他実施
例の横断平面図である。 尚、図中１は家具本体、３は固定翼片、７は扉
板、８は回動翼片、１１は軸挿筒、１２は枢軸、
Ａは家具用蝶番、１４は扉取付け杆、２０は扉押
えネジ、２１は膨頭部、２４はキヤツチ部材、２
５は止め部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家具本体へ取付ける固定翼片と、扉板を支持す
   る回動翼片とに設け、且、軸芯を一致した軸挿筒
   に枢軸を挿入して回動翼片を回動自在とした家具
   用蝶番において、回動翼片の扉板取付け面側に、
   扉取付け杆を突設し、該扉取付け杆に扉押えネジ
   を螺合し、この扉押えネジには、膨頭部を設ける
   とともに、前記固定翼片側に、扉押えネジの膨頭
   部を係脱自在に圧嵌する止め部付きのキヤツチ部
   材を備えたことを特徴とする家具用蝶番。