JPH0124915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 この考案は直管形螢光ランプや環形蛍光ランプ
等の照明器具に取付けられる安定器に関する。

ロ 従来技術 この種照明器具においては、使用者が不用意に
安定器の充電端子部等に触れると感電事故を発生
する惧れがあるため、種々の通電部分に指が簡単
に触れない構造にすることが法的に義務付けられ
ている。このため、安定器についても従来より
種々の絶縁保護構造が提案されているが、特に充
電端子部分は組立手順や構造上から絶縁保護が困
難であり、現状では絶縁の確実性、取扱い性、コ
スト、組立作業性等の面で十分に満足できる絶縁
保護手段は実現されていない。

ハ 考案の目的 この考案は安定器の充電端子部分について簡単
な構成によつて確実に且つ簡易に絶縁保護できる
低コストな絶縁保護構造を提供することを目的と
している。

ニ 考案の構成 この考案に係る安定器は、外周囲にコイルを巻
回して両側開口よりコアを嵌着する筒状ボビンの
両側開口縁に鍔部を形成し、一方の鍔部の一辺部
外面に上記コイルのリードを導出位置させる端子
取付部を突設すると共に、両取付部間に張出部を
形成し、上記他方の鍔部に係止段部を形成し、上
記張出部および係止段部にそれぞれ係嵌する係止
部と上記両取付部を包囲する絶縁保護部とを備え
た合成樹脂製カバー体を、ボビンに着脱自在に被
嵌したものである。

ホ 実施例 第１図は安定器全体の外観を示し、１は本体、
２は本体１の下面および側面を囲うフレーム、３
は第２〜５図で示すボビン４に嵌着したコア、５
は金属製安定器カバー、６は合成樹脂製カバー体
である。

第２〜５図で示すようにボビン４は、両側開口
４ａ，４ｂの縁部全周に鍔部７，８を備えた略四
角筒状の合成樹脂成形物よりなる。しかして一方
の鍔部７の上辺部７ａは厚肉状に形成されて全体
として外方突出すると共に、その外面の両側部に
は、例えばそれぞれ２条の軸状突出部９ａ，９ｂ
からなる端子取付部９，９が形成され、各突出部
９ａ，９ｂには突片１０ａを有する略コ字状金属
枠板からなる端子板１０，１０を嵌合保持するた
めの溝１１を備え、且つ内側の突出部９ａ，９ａ
間にはこれよりも薄肉の張出部１２が形成されて
いる。また上辺部７ａの上面には一方の内側突出
部９ａから鍔部７の裏面側に至る斜めの溝からな
る端子導出路１３ａと、この導出路１３ａに上位
で交差する凹部からなる端子導出路１３ｂとが形
成されている。１４ａ，１４ｂは導出案内用突起
である。更に鍔部７の下辺部７ｂにはその外面を
取り囲む環状リブ１５ａおよび透孔１６…が形成
されている。一方、鍔部８の上辺部８ａおよび下
辺部８ｂは、鍔部７の下辺部７ｂと同様構成であ
り、外面を取り囲む環状リブ１５ｂ，１５ｃおよ
び透孔１６…を備える。尚、環状リブ１５ｂは係
止段部を構成する。

安定器本体１は、第６図で示すように、ボビン
４の両鍔部７，８間の外周囲にコイル１７を巻回
し、そのリード部１７ａ，１７ｂを導出路１３
ａ，１３ｂを通して立体交差する非接触状態で端
子板１０，１０上へ導出して突片１０ａ，１０ａ
にて挾み込んで固定すると共に、コイル１７の巻
回表面に絶縁テープ１８を貼着し、更に多数の金
属薄板を積層一体化してなり、且つ、例えば一端
面３ａ側から凹入した溝部１９，１９を備えた略
Ｅ字状のコア３，３を、それぞれの中央突出部２
０ａがボビン４の開口４ａ，４ｂに嵌入するよう
に嵌着して構成される。両コア３，３は上記嵌着
状態で中央突出部２０ａと両側突出部２０ｂ，２
０ｂが共にボビン４の内外で端面３ａ相互を密着
した形となる。

上記構成の本体１は、第１図示の如くフレーム
２内側に収めた上で、第６図で示す如く略コ字状
基板部５ａの両端に条片部５ｂ，５ｂを形成して
なる安定器カバー５を、各条片部５ｂの両端でフ
レーム２の上縁部にかしめて固定する。この時、
安定器カバー５はコイル１７の巻回面上を覆う
が、端子取付部９，９は外部リードに接続するた
めに露出した状態となつている。しかして合成樹
脂製カバー体６はその被嵌によつて端子取付部
９，９を外部から絶縁保護する機能を持つ。

このカバー体６は、第６図〜第８図で示すよう
に、開口部２１を開設した略四角形の上板部２２
と、この上板部２２の周縁より垂設した周側壁２
３と、上板部２２の前方寄り下面から垂下した係
止片２４とからなる。しかして周側壁２３の前壁
部２３ａには切欠部２５，２５を、また両側壁部
２３ｂ，２３ｂには安定器カバー５の基板部５ａ
を嵌入する凹部２７，２７を有し、後壁部２３ａ
の下端内面には係止用突条２９が形成され、更に
この突条２９を含む後壁部２３ａの内面には２条
のリブ３０，３０を有している。また係止片２４
の先端には内向きに突出した鉤爪部３１を有す
る。

上記構成のカバー体６は、第９図で示すよう
に、同図一点鎖線の如くボビン４の鍔部８の上辺
部８ａに形成された環状リブ１５ｂの上部に係止
用突条２９を係合した状態で、この係合部を中心
として回動させて本体１上に被冠し、且つ前壁部
２３ａ側を押圧する。これにより係止片２４は変
位してボビン４の張出部１２とコア３の上面との
間で形成された間隙３２に鉤爪部３１が嵌入する
ようにして張出部１２に係合し、カバー体６が本
体１に固定される。また、カバー体６を外す際に
は、小孔３４よりドライバーなどを挿入し、その
先端にて押圧することによつて係止片２４の係合
を解けばよい。尚、カバー体の上面には係止片２
４と前壁部２３ａとの間に溝状開口３３を開設し
ており、この開口３３の存在により前壁部２３ａ
の下方より試験指を挿入して電気用規定を満足し
ているかどうかの検査時に、前壁部２３ａに加わ
る力が係止片２４に直接に作用しないために、カ
バー体６の本体１からの脱却を防止でき、電気用
品規定を満たす。尚、開口部２１は安定器カバー
５の基板部５ａ表面に通常表記される定格表示等
をカバー体６の装着状態で視認するために形成さ
れており、また小孔３４はカバー体６の成形にお
いて係止片２４を形成するために必要な型孔であ
る。

上記カバー体６の被嵌により、本体１の端子取
付部９，９部分全体がカバー体６の上板部２２と
前壁部２３ａとで包囲され、該端子取付部９，９
に嵌着した端子板１０，１０および内外リード線
露出部に指が触れる惧れがなくなる。

ヘ 考案の効果 この考案に係る安定器は、カバー体の被嵌によ
り充電端子部が外部から絶縁保護されるので、取
扱い時に感電事故を発生する惧れがなく安全であ
る。また該カバー体はボビンの両側部に確実に係
嵌する形で被嵌されるので、不用意に外れること
もない。更に該カバー体は合成樹脂の弾性を利用
して着脱自在であるため、照明具組立時の端子接
続や使用途上の部品交換等に伴なう端子の付け換
え等が容易に行なえる。しかもカバー体およびそ
の取付部は構造簡単であるため低コストに調達で
きる。

尚、本考案において、ボビンの形状は適宜に変
更できるし、カバー体もボビンの構造に基いて適
宜に変更できる。又、コアもＥ，Ｅ形の他、Ｅ，
Ｉ形の組合せなどを採用できる。さらには係止段
部は孔にて構成することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る安定器の一実施例を示し、
第１図は安定器全体の斜視図、第２図はボビン部
分の斜視図、第３図はボビンの正面図、第４図は
同背面図、第５図は同平面図、第６図は安定器本
体およびカバー体の展開斜視図、第７図はカバー
体の断面図、第８図は同底面図、第９図は安定器
本体へのカバー体の取付状態を示す断面図であ
る。 １……安定器本体、４……ボビン、４ａ，４ｂ
……開口、６……カバー体、７，８……鍔部、７
ａ，８ａ……上辺部（一辺部）、９……端子取付
部、１２……張出部、１５ｂ……係止段部（環状
リブ）、１７……コイル、１７ａ，１７ｂ……リ
ード部、２２……絶縁保護部（上板部）、２３ａ
……前壁部、２４……係止部（係止片）、２９…
…係止部（係止用突条）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周囲にコイルを巻回する筒状ボビンの両側開
   口縁に鍔部を形成すると共に、一方の鍔部の一辺
   部外面の両側に上記コイルのリードを導出位置さ
   せる端子取付部を突設して、両取付部間に張出部
   を形成し、上記他方の鍔部に係止段部を形成し、
   上記張出部および係止段部にそれぞれ係嵌する係
   止部と上記両取付部を包囲する絶縁保護部とを備
   えた合成樹脂製カバー体を、ボビンに着脱自在に
   被嵌してなる安定器。