JPH0124305B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は静電記録方式による多色画像形成装
置に関し、特に、正極性と負極性の両極性にわた
る電位幅を利用して色別に異なる電位レベルで静
電潜像を形成して３色以上の多色画像を得るよう
に改良した静電記録方式による多色画像形成装置
に関する。

従来、２色以上の色で画像を形成する画像形成
装置としては、２つの方式が知られている。第１
の方式による画像形成装置は、正極性と負極性と
の極性別にそれぞれ異なる色が定められ、画像形
成すべき色別に対応する極性で潜像化したのち、
各色別に対応する色トナを用いて顕像化してい
る。しかしながら、このような画像形成装置は、
潜像電位の極性別に色を異ならせているので、２
色の画像しか形成できないという欠点があつた。

第２の方式による画像形成装置は、正または負
のいずれか一方極性を用いて複数の異なる電位レ
ベルを定め、各電位レベルを異なる各色に対応さ
せておく。そして、該装置は画像を形成すべき色
別に対応する電位レベルで静電保持体上に潜像化
したのち、各電位レベルに対応する色トナで顕像
化している。しかしながら、このような画像形成
装置では、正極性または負極性のいずれか１つの
極性で多くの電位レベルが静電潜像保持体に与え
られているので、各電位レベルのレベル差が小さ
くなり、現像時、トナ濃度の高いものが得られ
ず、優れた多色画像が形成できないという問題点
を含む。

それゆえに、この発明の主たる目的は、８色以
上の多色画像を高品位で形成できるような多色画
像形成装置を提供することである。

この発明は要約すれば、静電潜像保持体上に、
少なくとも３色の色別に対応する電位レベルで潜
像化し、各電位に対応する静電潜像保持体上に形
成された電位部分を色別に現像しかつ定着させる
ようにしたものである。

この発明のその他の目的と特徴は以下に図面を
参照して行なう詳細な説明から一層明らかとなろ
う。

第１図はこの発明の一実施例の多色画像形成装
置を図解的に示した図である。構成において、静
電潜像保持体としては、たとえば、静電記録紙ま
たはポリエチレンテレフタレート等の高抵抗有機
樹脂フイルムが用いられる。なお、以下の説明で
は、静電潜像保持体として静電記録紙１を用いた
場合を述べる。静電記録紙１の移送方向には、静
電記録紙１の面に対向して階調電位供給手段２が
設けられる。階調電位供給手段２は、階調電位供
給制御回路２１とマルチスタイラス２２とからな
る。このマルチスタイラス２１は、たとえばフア
クシミリの記録に用いられるような、複数本のピ
ンを一列に並べたドツトピン形式のもの、または
静電記録ヘツドを用いて両面もしくは片面記録す
るもの等が用いられる。たとえば、ドツトピン形
式のものを用いた場合は、静電記録紙１の幅方向
に一列に並べられたドツトピンが静電記録紙１に
対向するように設けられる。このマルチスタイラ
ス２２には、階調電位供給回路２１から色別に異
なる電位レベルが与えられる。階調電位供給回路
２１は、後述の第２図に示すように、正極性と負
極性の両極性の範囲を画像形成すべき色数に相当
する複数の異なる電位レベルV_A、V_B、−V_C、−V_D
（ただしV_A＞V_B＞−V_D＞−V_C）に設定し、異な
る電位を順次的にマルチスタイラス２２に供給す
るように構成される。なお、以下の説明では、正
と負の両極性の範囲内で異なる電位レベルに選ば
れた各電位レベルを階調電位と称する。そして、
この階調電位供給回路２１は、色別の階調電位を
順次的にマルチスタイラス２２に与えて１循環す
る毎に、間欠送り手段３に含まれる間欠駆動回路
３１に駆動指令信号を与える。この間欠駆動回路
３１は、駆動指令信号が与えられる毎に、紙送り
ローラ３２を一定移送量だけ間欠的に駆動する。
この紙送りローラ３２の一定移送量は、マルチス
タイラス２２で潜像記録可能な移送方向長さに相
当する長さに選ばれる。

前記階調電位供給手段２よりも静電記録紙１の
移送方向後方位置には、各色別に組をなす現像機
４および定着器５が静電記録紙１に対向して設け
られる。なお、図示では、説明の簡略化のため
に、１組の現像機４ａおよび定着器５ａのみを設
けた場合を示すが、実際には各色毎に対応して現
像機４ｂ，４ｃ，４ｄおよび定着器５ｂ，５ｃ，
５ｄが設けられるものとする。

前記現像機４ａは、収納ケース４１を含み、該
収納ケース４１内に磁石ロール４２を回転自在に
軸支して構成される。この磁石ロール４２は、Ｎ
極またはＳ極に着磁された磁石棒が円周の外周方
向にＮ極とＳ極とで交互に配列されて、円柱状に
形成される。この磁石ロール４２の軸方向外周に
は、円筒状の金属スリーブ４３が被せられる。こ
の金属スリーブ４３は収納ケース４１に一体的に
固着される。金属スリーブ４３には、各色別に定
まる階調電位に対応する電圧に設定されたバイア
ス電源４５が与えられる。そして収納ケース４１
には、色トナと鉄粉とを混合した乾式の現像剤４
４が入れられる。金属スリーブ４３の静電記録紙
１と対向する面には、背面電極板４６が対向して
設けられる。この背面電極板４６は接地される。

なお、上述の説明では、磁石ロール４２を回転
自在としかつ金属スリーブ４３を固定した場合に
ついて説明したが、これに替えて、磁石ロール４
２を固定とし、かつ金属スリーブ４３を回転自在
としてもよい。

前記定着器５ａは、フラツシユランプ５１を反
射板５２内に収納し、該反射板５２の上面の静電
記録紙１と対向する部分に保護ガラス５３を載置
して構成される。

なお、各色別の現像機４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ
に含まれる前記バイアス電源４５のバイアス電位
V_Ga、V_Gb、−V_Gc、−V_Gdは以下に示す第(1)式〜第
(4)式の関係に選ばれる。

V_B＜V_Ga＜V_A …(1) ０＜V_Gb＜V_B …(2) ０＞−V_Gd＞−V_D …(3) −V_D＞−V_Gc＞−V_C …(4) 第２図は第１図の実施例の静電記録紙１に与え
られる色別に異なる階調電位とバイアス電位
V_Ga、V_Gb、−V_Gc、−V_Gdとの関係を示す図である。

次に第１図および第２図を参照して、まず、静
電記録紙１に所定の画像を潜像化する場合の動作
を説明する。静電記録紙１を停止させた状態にお
いて、階調電位制御回路２１はａ色を形成すべき
部分に対応するマルチスタイラス２２のドツトピ
ンに正極性の階調電位V_Aを与える。応じて、マ
ルチスタイラス２２は、記録紙幅方向に記録する
ことにより、最初に正極性の階調電位V_Aでａ色
の潜像を形成する。次に、階調電位供給制御回路
２１は同極性でありかつ階調電位V_Aとは異なる
階調電位V_B（｜V_B｜＜｜V_A｜）をマルチスタイ
ラス２２に与えて、ｂ色の潜像を形成させる。そ
ののち、階調電位供給制御回路２１を負極性に切
換えて階調電位−V_cをマルチスタイラス２２に
供給して、ｃ色の潜像を形成させる。最後に、階
調電位−V_D（｜V_C｜＞｜V_D｜）をマルチスタイ
ラス２２に供給して、ｄ像の潜像を形成する。こ
のようにして、４色に対応する４つの階調電位が
静電記録紙１の幅方向ラインに与えられる。こう
した動作が１ピツチ毎に行なわれ、かつ１ピツチ
毎に移送されこれを繰り返すことによつて、静電
記録紙全面にわたつて所望の画像に相当する静電
潜像が形成される。こうして、潜像化された静電
記録紙１が後方へ移送される。

次に前述のごとく潜像化された静電記録紙１に
画像を顕像化する場合の動作を説明する。前記静
電記録紙１がａ色を顕像化するための現像機４へ
移送されると、該静電記録紙１は金属スリーブ４
３と背面電極４６の間で挾まれながら移送され
る。このとき、磁石ロール４２が回転することに
よつて、ａ色のトナがその磁力で金属スリーブの
外周面に沿つて静電記録紙１の移送経路にもたら
される。金属スリーブ４３には、バイアス電位
V_Gaが印加されている。このバイアス電位V_Gaは
階調電位V_Aより小さく、次に小さい階調電位V_B
より大きく設定されている。このため、ａ色に対
応する階調電位V_Aで潜像化された静電記録紙１
の部分のみにａ色のトナが付着し、現像される。
こうして階調電位V_Aの部分のみがａ色トナで現
像された静電記録紙１はさらに移送されて定着器
５へもたらされる。この定着器５では、ａ色トナ
で現像された静電記録紙１の電位V_Aの部分にフ
ラツシユ・ランプ５１の光エネルギが与えられ
る。この光エネルギによりａ色トナは昇温し溶解
した後、固体化定着が完了する。このとき、階調
電位V_Aの部分およびａ色トナのもつ電荷量は光
エネルギを吸収して放電される。一方、他の階調
電位の部分は光エネルギを反射するのでその電荷
量を放電することがない。フラツシユ・ランプ５
１の点灯は、静電記録紙１の搬送量と関連して行
なわれるように制御される。

次に、静電記録紙１はｂ色を顕像化するための
現像機４ｂへと移送される。ここでは、金属スリ
ーブ４３には、バイアス電位V_Gbが印加されてい
る。バイアス電位V_Gbは階調電位V_bより小さくか
つ０電位より大きく設定されている。このためｂ
色に対応する階調電位V_Bの部分のみにｂ色のト
ナが付着し、現像される。こうして階調電位V_B
の部分がｂ色で現像された静電記録紙１は、さら
に移送されて定着器５ｂにもたらされて定着され
る。以下同様にして、ｃ色、ｄ色の現像・定着も
後方に設けられている現像機４ｃ，４ｄおよび定
着器５ｃ，５ｄで各々行なわれる。

上述の実施例では、４色の画像形成の例を述べ
たが、正と負の両極性にわたり階調電位の数を増
加することによつて、４色以上の多色画像を形成
することができる。また、一方の極性側に２つの
階調電位を形成し、他方の極性に１つの階調電位
を形成することによつて、３色画像を得ることが
できるのは勿論である。さらに、多色画像を形成
する際、最終の色の現像は、既に他の色が定着さ
れているので、湿式現像で行なうこともできる。
この場合は、定着器として熱板やオーブン型の熱
定着器が用いられる。

以上のように、この発明によれば、静電潜像保
持体に正極性、負極性の両極性にわたり階調電位
を与えているため、階調電位の差を大きくとるこ
とができるので、高品位の多色画像を形成できる
という効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例の多色画像形成
装置を図解的に示した図である。第２図は第１図
の実施例の静電記録紙１に与えられた色別に異な
る電位レベルとバイアス電位との関係を示す図で
ある。 図において、１は静電記録紙、２は階調電位供
給手段、２１は階調電位供給制御回路、２２はマ
ルチスタイラス、３は間欠送り手段、３１は間欠
駆動回路、３２は紙送りローラ、４ａは現像機、
４１は収納ケース、４２は磁石ロール、４３は金
属スリーブ、４４は現像剤、４５はバイアス電
源、５ａは定着器、５１はフラツシユ・ランプ、
５２は反射板、５３は保護ガラスを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 正極性と負極性とを用いて少なくとも３色の
   色別に異なる階調の潜像電位を、静電潜像保持体
   上に与えて、該静電潜像保持体上に色別の静電潜
   像を形成させる階調電位供給手段、および 前記静電潜像された静電潜像保持体の移送方向
   に順次的にかつそれぞれが静電潜像保持体に対向
   して設けられ、前記各色別に組をなした少なくと
   も第１の組、第２の組、第３の組の現像手段なら
   びに定着手段を備え、 前記第１の組の現像手段は、前記静電潜像保持
   体上に形成された潜像電位の第１の電位部分を選
   択的に第１の色の現像剤で現像し、 前記第１の組の定着手段は、前記静電潜像保持
   体上に前記第１の色の像を定着させて前記第１の
   電位部分の潜像電位を除去させ、 前記第２の組の現像手段は、前記静電潜像保持
   体上に形成された潜像電位の第２の電位部分を選
   択的に第２の色の現像剤で現像し、 前記第２の組の定着手段は、前記静電潜像保持
   体上に前記第２の色の像を定着させて前記第２の
   電位部分の潜像電位を除去させ、 前記第３の組の現像手段は、前記静電潜像保持
   体上に形成された潜像電位の第３の電位部分を選
   択的に第３の色の現像剤で現像し、 前記第３の組の定着手段は、前記静電潜像保持
   体上に前記第３の色の像を定着させる、静電記録
   方式による多色画像形成装置。 ２ 前記静電潜像保持体は、静電記録紙である、
   特許請求の範囲第１項記載の静電記録方式による
   多色画像形成装置。 ３ 前記静電潜像保持体は、高抵抗有機樹脂フイ
   ルムである、特許請求の範囲第１項記載の静電記
   録方式による多色画像形成装置。 ４ 前記少なくとも第１の組および第２の組の定
   着手段は、光エネルギで像を光学的に定着させる
   光定着手段である、特許請求の範囲第１項ないし
   第３項のいずれかに記載の静電記録方式による多
   色画像形成装置。