JPH01242832A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、入力軸と出力軸との間に差動回転が生じた時
に入力軸の回転動力を出力軸に伝えるようにした駆動力
伝達装置に関するものである。

〈従来の技術〉 ４輪１財動車のトルク伝達装置において、前輪駆動軸（
入力軸）と後輪駆動軸（出力軸）との間に形成された密
閉室内に両軸の間でトルクを伝達する多板クラッチを配
置し、前輪駆動軸と後輪駆動軸との差動回転に応じた油
圧力を発生ずる油圧発生手段の油圧力により前記多板ク
ラッチの伝達トルクを制御する作動ピストンを備えた駆
動力伝達装置は例えば特開昭６０−２５２０２６号公報
で公知である。

このものの前記油圧発生手段は、前ＩｆＴｈ駆動軸とｆ
＆輸輸動動軸の間に、両軸の差動回転に応じて油圧を吐
出するプランジャ形あるいはベーン形のオイルポンプを
組み込み、このオイルポンプより吐出された圧油を両軸
の一方に形成された圧力導入路を介して前記作動ピスト
ンの一側方のシリンダ室に導入し、多板クラッチを作動
ピストンにより接合方向に押圧する構成である。

また、前記油圧発生手段として、前記作動ピストンを収
納するシリンダハウジングとの間で制限された軸方向隙
間を作動ピストンの側方に設け、この軸方向隙間にその
隙間と略同程度の肉厚の薄肉ロータを収納し、このロー
タを前記前輪駆動軸と後輪駆動軸の何れか一方に連結し
、かつ他方に前記シリンダハウジングを連結し、前記ロ
ータの円周上に複数のブレードを設け、これらブレード
によって前記空間部を円周上複数に区画し、これら各空
間部に高粘度油を封入した構成のものを本願出願人にお
いて特願昭６２−７５２４０号によって提供している。

〈発明が解決しようとする課題〉 上記した油圧発生手段の場合、差動回転−伝達トルク特
性が第４図のＡ曲線で示すように、小さな差動回転の時
点から大きな伝達トルクに立ち上るように設定すると、
ハンドル据え切り時など、低速で高差動回転であっても
速度に関係なく差動回転に対するトルクを伝えるため、
タイトコーナブレーキ現象が起こり操作性を悪くする。

逆にタイトコーナブレーキング現象を回避すべく、伝達
トルク特性を低めに設定すると、中、高速走行時の悪路
に対する差動回転時においても伝達トルクを大きくでき
ない問題がある。

く課題を解決するための手段〉 本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、その構
成は、入力軸と出力軸との間に配置され両軸間にトルク
を伝達する多板クラッチと、この多板クラッチの伝達ト
ルクを制御する作動ピストンを備えた駆動力伝達装置に
おいて、前記作動ピストンを収納するシリンダハウジン
グとの間で制限された軸方向隙間を作動ピストンの明方
に設け、前記入力軸と出力軸の何れか一方にロータを連
結し、かつ他方に前記シリンダハウジングを連結し、前
記ロータの円周上に前記軸方向隙間内に収納される複数
のブレードを半径方向に変位可能に設け、これらブレー
ドによって前記軸方向隙間の空間部の円周上複数に区画
し、これら空間部に高粘度油を封入するとともに、前記
各空間部に封入された高粘度油を入力軸と出力軸との差
動回転に基づく高圧空間部側から低圧空間部側へ逃し制
御する隙間通路をブレード先端側に形成するようブレー
ドを引張スプリングにて前記ロータ側へ引張し、前記入
力軸もしくは出力軸の回転速度の上昇に伴う遠心力によ
る前記ブレードの変位により前記隙間通路を閉鎖するよ
うにしたものである。

〈作　用〉 上記の構成により、入力軸と出力軸が差動回転してロー
タがシリンダハウジング内で回転すると、ロータのブレ
ードによって区画された空間部に封入されている高粘度
油が軸方向隙間を強制移動されることにより、空間部の
高粘度油が差動回転速度に応じて圧力上昇し、作動ピス
トンを押圧して多板クラッチを接合する。

しかして差動回転に対する伝達トルク特性は、入力軸と
出力軸の回転速度が小さいときには、ブレードが引張ス
プリングによってロータ側へ変位し、ブレード先端側に
隙間通路が形成されるので、高圧空間部から低圧空間部
側へ高粘度油のリークを行い、それに見合った小さな伝
達トルク特性を得る。

一方人（出）力軸の回転速度が大きくなると、ブレード
は遠心力により隙間通路側へ変位し、隙間通路を閉じて
高圧空間部から低圧空間部側への高粘度油のリークを遮
断し、前記小さな伝達トルク特性から大きな伝達トルク
特性に変更する。このように差動回転に対する伝達トル
ク特性は、入（出）力軸の回転速度に応じて変化する。

く実方拒例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第５図
において、１０は自動車のエンジンを示し、このエンジ
ン１０の回転出力はトランスミッション１１を介して前
輪駆動軸１２（入力軸）に伝えられ、この駆動軸１２の
回転は前輪側差動装置１３を介して左右の前輪１５．１
６に伝えられる。

前記前輪駆動軸１２には、後述する構成のトルク伝達装
置３０を介して後輪駆動軸２０（出力軸）が連結され、
この後輪駆動軸２０に伝達されたトルクは後輪側差動装
置２１を介して左右の後輪２３．２４に伝えられる。

以下トルク伝達装置３０（駆動力伝達装置）の具体的構
成について説明する。

第１図において、３２はシリンダハウジングであり入力
軸１２の一端が結合される。３１はハウジングキャップ
を示し、これによりシリンダハウジング３２内は密閉さ
れる。このシリンダハウジング３２とハウジングキャッ
プ３１に回転軸３３がシリンダハウジング３２と同心で
回転自在に軸承されている。前記回転軸３３には出力軸
２０の一端が結合される。

前記シリンダハウジング３２内においては、クラッチ潤
滑油が封入されており、またシリンダハウジング３２の
内周には複数のアウタプレート３７がスプラインにより
回転方向を係合し、かつ軸線方向に移動可能に並設され
ている。

一方、回転軸３３の外周には複数のインナプレート３８
がスプラインにより回転方向を係合し、軸線方向に移動
可１ｍに並設されている。これら、アウタプレート３７
とインナプレート３８は交互に配置され、いわゆる多板
クラッチ４０を構成している。前記シリンダハウジング
３２内には、多板クラッチ４０とシリンダハウジング３
２との間に作動ピストン３６が摺動可能に嵌装され、こ
の作動ピストン３６の作動力が前記多板クラッチ４０に
伝えられる。

前記作動ピストン３６の側方には、シリンダハウジング
３２との間に僅かな軸方向隙間が設けられている。この
軸方向隙間の位置と対応する回転軸３３の外周に回転体
、すなわちロータ４１がスプライン係合されている。

さらに、前記ロータ４１の円周内には前記軸方向隙間内
に収納される複数のブレード４２が半径方向に変位可能
に設けられ、これらブレード４２によって軸方向隙間に
は円周方向に区画された複数の空間部４３が形成され、
これらの空間部４３にシリコンオイル等の高粘度油が封
入されている。

前記ブレード４２はロータ４１との間で引張スプリング
５０によって常にロータ４１　Ｉｌｌに引き付けられ、
通常ブレード４２の先端側には隣接する空間部４３間を
連通ずる隙間通路５１が形成されている。

上記した構成により、シリンダハウジング３２と回転軸
３３とが差動回転していない場合は、ブレード４２が収
納されている軸方向隙間には高粘度油による内圧は発生
されず、作動ピストン３６は多板クラッチ４０側へは移
動しない、従って、多板クラッチ４０はトルク伝達作用
は行わない。

シリンダハウジング３２と回転軸３３とが差動回転する
と、ロータ４１が回転し、ブレード４２は軸方向隙間内
で回転する。これにより、空間部４３に封入された高粘
度油は接近した２面間を回転速度差に対応した流速で強
制移動され、シリンダハウジング３２及び作動ピストン
３６の両面との粘性摩擦により内圧が発生する０例えば
第２図においてシリンダハウジング３２に対し、ロータ
４１が時計回りに回転した場合、ブレード４２のＬ面が
高圧、Ｌ面が低圧力分布の内圧が発生する。

この内圧により作動ピストン３６は多板クラッチ４０を
圧接する方向に押圧され、トルク伝達作用を行う。

ところでブレード４２は出力軸２０の回転速度が低い状
態においては、第３図の実線で示すように、引張スプリ
ング５０によってロータ４１側へ引き付けられ、ブレー
ド４２の先端側には隙間通路５１を形成している。従っ
て、この状態でシリンダハウジング３２と回転１ｌＩＩ
３３とが差動回転すると、高粘度油は高圧空間部ｆｌｌ
ｌ（ブレード４２のＨ面側）から低圧空間部ＩＩＩ！Ｉ
（ブレード４２のＬ面側）へ逃され、発生内圧を小さく
抑える。これにより差動回転に対する伝達トルク特性は
第４図の８曲線で示すように小さな伝達トルク特性とな
る。

しかしながら、車速の上昇に伴ってロータ４１の回転速
度が高くなると引張スプリング５０の引張力より遠心力
が大きくなり、ブレード４２は遠心力によって隙間通路
５１１１’ＩＩへ変位し、隙間通路５１を閉じて前記高
圧空間部側から低圧空間部側への高粘度油のリークを遮
断する。これにより、発生内圧が大きくなり、差動回転
に対する伝達トルク特性は第４国人曲線で示すように、
大きな伝達トルク特性に変更される。

従って、低速走行時のタイトコーナブレーキング現象が
確実に防止できるとともに、中、高速走行時における差
動回転時の伝達トルクを大きくして悪路走行時の操安性
を向上できるようになる。

尚、前記第４図の８曲線の小さな伝達トルク特性をチュ
ーニングする場合、引張スプリング５０のバネ定数の変
更することによりブレード４２を交換することなくチュ
ーニングかできる。

〈発明の効果〉 以上述べたように本発明は、多板クラッチを制御する作
動ピストンの側方に制限された軸方向隙間を設け、入力
軸若しくは出力軸の何れか一方にロータを連結し、この
ロータに前記軸方向隙間内に収納されるブレードを入力
軸と出力軸の回転速度に応じた遠心力にて半径方向に変
位可能に設け、このブレードによって区画された複数の
空間部に高粘度油を封入し、前記ブレードを引張スプリ
ングにて常にロータ側へ引き付けてブレードの先端側に
前記差動回転に基づく高圧空間部側から低圧空間部側へ
高粘度油を逃し制御する隙間通路を形成し、人、出力軸
の回転速度の上昇による遠心力にてブレードの変位で前
記隙間通路を閉鎖するようにした構成であるから、人、
出力軸の回転速度、すなわち車速に応して伝達トルク特
性が自動的に変更し、タイトコーナブレーキングの回避
と悪路等における操安性を両立できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は駆動力伝
達装置の断面図、第２図は第１図の■−■線断面図、第
３図はブレードによる油圧発生手段の部分の詳細断面図
、第４図は差動回転に対する伝達トルク特性を示゛す図
、第５図は４輪駆動車の概略図である。 ３２・・・シリンダハウジング、３３・・・回転軸、３
６・・・作動ピストン、４０・・・多板クラッチ、４１
・・・ロータ、４２・・・ブレード、４３・・・空間部
、５０・・・引張スプリング、５１・・・隙間通路。 特許出願人　　豊田工機株式会社 代　　　理　　　人　　　　平　　　井　　　二　　　
部図面 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 入力軸と出力軸との間に配置され両軸間にトルクを伝達
   する多板クラッチと、この多板クラッチの伝達トルクを
   制御する作動ピストンを備えた駆動力伝達装置において
   、前記作動ピストンを収納するシリンダハウジングとの
   間で制限された軸方向隙間を作動ピストンの側方に設け
   、前記入力軸と出力軸の何れか一方にロータを連結し、
   かつ他方に前記シリンダハウジングを連結し、前記ロー
   タの円周上に前記軸方向隙間内に収納される複数のブレ
   ードを半径方向に変位可能に設け、これらブレードによ
   って前記軸方向隙間の空間部の円周上複数に区画し、こ
   れら空間部に高粘度油を封入するとともに、前記各空間
   部に封入された高粘度油を入力軸と出力軸との差動回転
   に基づく高圧空間部側から低圧空間部側へ逃し制御する
   隙間通路をブレード先端側に形成するようブレードを引
   張スプリングにて前記ロータ側へ引張し、前記入力軸も
   しくは出力軸の回転速度の上昇に伴う遠心力による前記
   ブレードの変位により前記隙間通路を閉鎖するようにし
   たことを特徴とする駆動力伝達装置。