JPH0124259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、間仕切り等を構成するパネルの組込
み構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 一般に、この種パネルは、天井面と床面との間
に垂直姿勢でしかも一直線状に組込む必要があ
る。しかるに従来、パネルは、第４図に示す如く
天井面から床面に亘つて断面略Ｈ形（またはコ
形）のレール２′または１′を取付け、このレール
の一方の凹溝にパネル３′の一側縁を嵌合した後、
該パネル３′の他側端に凹溝を嵌め合すようにし
てレール２′を天井面と床面との間に取付け、こ
れを順次繰り返すことで組み込むようになつてい
る。しかるにこの手法では、パネル３′とレール
２′とを組合せる時にパネル３′がずれてしまうこ
とがしばしばあり、この場合にはパネル３′が垂
直姿勢や一直線にならず傾斜したり凸凹したりし
てしまう。そこでこの場合、別途用意した治具等
にていちいちパネルの位置決めをしながら組込む
必要があつて、施工が極めて煩雑かつ面倒なもの
であつた。

そこで天井面と床面に予め凹溝状の上下レール
を取付けておき、この上下レールにパネルを倹飩
式に組み込むようにしたものも提唱されている
が、このものは、上レールに嵌合したパネルを持
上げて下レールに嵌合する作業が面倒かつ煩雑で
あり、特に最後のパネルを倹飩式に組込む際のパ
ネル持上げ作業については、パネルと壁面との間
に隙間が無いので、パネルを一人の作業者が両側
から挟んで持ち上げることはできず、どうしても
二人作業が強いられる等の問題があつて採用し難
いものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができるパネルの組込み構造を提
供することを目的として創案されたものであつ
て、パネル取付け位置の天井面と床面とに、天井
面あるいは床面に取付けるための取付け片と天井
面あるいは床面から突出するパネル受け片とを有
した断面略Ｌ形の上下レールを、取付け片同志お
よびパネル受け片同志がそれぞれ互いに対向する
よう配して取付け、該上下レールの何れか一方の
取付け片に、パネル受け片から離間しかつ突出量
がパネル受け片よりも僅かな凸片を設け、対向す
るパネル受け片と凸片との間に係止溝を形成する
一方、パネルの上記係止溝に対応する上下何れか
一方の縁部に係止片を突設して、係止片を凸片側
から係止溝に嵌入係止せしめた傾斜姿勢状態のパ
ネルを、パネル面が上下レールの各パネル受け片
に突き当たるよう起立せしめることで上下レール
間へのパネルの位置決め組込みをする構成にした
ことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、正確に位
置決めされた状態でのパネル組込みを、一人作業
であつても簡単且つ確実に行うことができるよう
にしたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１０は天井面、１１は床面
であり、この天井面１０及び１１の各パネル取付
け位置に上下レール１，２をそれぞれ対向状に配
設するようになつている。ここで下レール１は、
床面１１に接当取付される取付け片１ａと、床面
１１から上方に突出するパネル受け片１ｂとを有
した断面略Ｌ形の板材によつて形成されており、
そしてパネル取付け長さに等しい長さに形成され
ているが、取付け片１ａの上面には、所定間隔毎
に凸片５が配設されている。この凸片５は、パネ
ル受け片１ｂに対して離間し、これによつて両片
５，１ｂ間には係止溝７が形成されているが、さ
らに凸片５の上方への突出量は、パネル受け片１
ｂよりも小さく成るよう設定されている。

一方、上レール２も、下レール１と同様、取付
け片２ａ、パネル受け片２ｂを有した断面略Ｌ形
のパネル取付け長さに等しい長さの板材によつて
形成されているが、上下レールは、パネル取付け
位置において、取付け片１ａ，２ａ同志、パネル
受け片１ｂ，２ｂ同志が互いに対向するよう配さ
れて天井面１０、床面１１にそれぞれ取付けられ
ている。また各レール１，２には取付けねじ６用
の孔１ｃ，２ｃがそれぞれ穿設されている。

また、パネル３は上枠３ａと下枠３ｂとの各端
縁間に縦枠３ｃ，３ｃを渡して設けると共に、そ
の枠３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｃ内にハニカム構造の
充填材３ｄを組み込んで形成した板材のもので、
下枠３ｂには、前記係止溝７に対応して係止片４
が設けられている。

尚、図中、Ｓはシール用充填剤であり、パネル
３と天井面１０または床面１１または壁面１２と
の間、パネル３とパネル３との間をそれぞれ充填
してシールするものである。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、まず天井面１０と床面１１に、上下レール
を、取付け片１ａ，２ａ同志、パネル受け片１
ｂ，２ｂ同志が互いに対向するよう配して取付け
る。しかる後、パネル３を組込むことになるが、
それには、パネル３を傾斜した状態で係止片４を
凸片５側から係止溝７に嵌入係止させ、そして第
２図の矢印で示すよう、そのままパネル面がパネ
ル受け片１ｂ，２ｂに接当して受け止められるま
で起立させることで、正確に位置決めされた垂直
姿勢状態でのパネル３の組込みができることにな
る。そしてねじ６にて螺着固定すればよい。

この様に、本考案にあつては、予め天井面と床
面に取付けた上下レールにパネル３を組み込むも
のであるが、パネル３の組込み作業は、下レール
１に形成される係止溝７に、パネル３を傾斜した
状態で係止片４を嵌入係止し、そしてそのまま垂
直状に起立させてパネル面をパネル受け片１ｂ，
２ｂに接当せしめれば良く、もつて作業手順が簡
単で、倹飩式の場合のように、パネルを両側から
挟んで持ち上げるような必要が無く、一側方から
正確に位置決めした状態での組込みができる。従
つて、仮令最終パネル３の組込みであつても、一
人作業で良いことになる。

しかもこの場合、係止溝７において、凸片５よ
りもパネル受け片１ｂの方が突出量が大きくなつ
ているため、係止片４を係止溝７に嵌入させる場
合に、係止片４の先端を突出量の大きいパネル受
け片１ｂに突き当てることで簡単に凸片側からの
係止片４の係止溝７への嵌入案内が成され、この
ためパネル受け片１ｂが係止片４の嵌入ガイドと
しての役割を演ずることになつて、組込み作業の
容易化が計られている。

尚、本考案は、前記実施例とは逆に、係止溝を
上レール側に形成しても同様にして組み込むこと
ができ、この様にしても良いことは言うまでもな
い。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成された
ものであるから、天井面と床面に予め取付けた上
下レールにパネルを組み込むものであるが、パネ
ルは、上下レールの何れか一方に形成される係止
溝に係止片を嵌入係止した状態で、パネル面が上
下両パネル受け片に接当するよう傾斜姿勢から起
立させることによつて、正確に垂直姿勢状態にし
てのパネル組込みができることになる。従つて、
パネルは、従来の倹飩式で組み込むもののよう
に、パネル面を両側から挟んだ状態で持ち上げる
必要が無く、傾斜状のパネルを一側方から起立さ
せる作業のみで、精度良く垂直姿勢状態に位置決
めされた組込みができ、もつて仮令最終パネルで
あつても、一人作業での簡単かつ迅速な組込みが
行える。

しかも係止片を凸片側から係止溝に嵌入させる
際に、係止片先端を、凸片よりも突出量の大きい
パネル受け片に突き当てることで、係止片の係止
溝への嵌入案内が成され、このためパネル受け片
が係止片の嵌入ガイドとしての役割も演ずること
になつて、係止片の係止溝への嵌入作業も簡略化
され、もつてパネル組込み作業の一層の容易化が
計られることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るパネルの組込み構造の実
施例を示したものであつて、第１図はパネル取付
け状態を示す平面断面図、第２図は同縦断面図、
第３図は同分解斜視図、第４図は従来のパネル組
込み状態を示す斜視図である。 図中、１は下レール、２は上レール、３はパネ
ル、４は係止片、５は凸片、７は係止溝、１０は
天井面、１１は床面、１２は壁面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル取付け位置の天井面と床面とに、天井面
   あるいは床面に取付けるための取付け片と天井面
   あるいは床面から突出するパネル受け片とを有し
   た断面略Ｌ形の上下レールを、取付け片同志およ
   びパネル受け片同志がそれぞれ互いに対向するよ
   う配して取付け、該上下レールの何れか一方の取
   付け片に、パネル受け片から離間しかつ突出量が
   パネル受け片よりも小さい凸片を設け、対向する
   パネル受け片と凸片との間に係止溝を形成する一
   方、パネルの上記係止溝に対応する上下何れか一
   方の縁部に係止片を突設して、係止片を凸片側か
   ら係止溝に嵌入係止せしめた傾斜姿勢状態のパネ
   ルを、パネル面が上下レールの各パネル受け片に
   突き当たるよう起立せしめることで上下レール間
   へのパネルの位置決め組込みをする構成にしたこ
   とを特徴とするパネルの組込み構造。