JPH0123825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、印刷装置のインキ供給装置に係り、
特に輪転式孔版印刷装置に用いられるインキ供給
装置に係る。

従来の技術 輪転式孔版印刷装置に用いられるインキ供給装
置の一つとして、外周面にて円筒状版胴の内周面
に接触して配設され自身の中心軸線の周りに前記
円筒状版胴の回転に同期して回転するスクイージ
ローラと、前記スクイージローラの外周面との間
に所定の間隙をおいて且該スクイージローラの軸
線に対し実質的に平行に配設されたドクタロツド
とを有し、前記スクイージローラと前記ドクタロ
ツドとの間に形成された楔状空間部にインキ溜り
を形成するよう構成され、前記インキ溜りの印刷
インキを前記スクイージローラの回転に伴ない前
記間隙を通過させつつ前記スクイージローラの外
周面に所定厚さの層状に付着せしめてこれを円筒
状版胴の内周面へ移送するよう作用するインキ供
給装置が本願出願人と同一出願人による特願昭53
−128043号（特開昭55−55889号）に於て既に提
案されている。

上述の如きインキ供給装置に於ては、インキチ
ユーブの如きインキ貯容部より印刷インキがポン
プによつて前記スクイージローラ上に流出供給さ
れ、この印刷インキはスクイージローラの回転に
伴ない前記楔状空間部のインキ溜りに生じている
インキ渦に巻込まれて前記インキ溜りに流動性イ
ンキ塊を形成し、この流動性インキ塊の印刷イン
キが上述の如きスクイージローラとドクタロツド
との間隙を通過する際に計量されつつ円筒状版胴
へ供給される。

考案が解決しようとするる問題点 上述の如きインキ供給装置に於ては、時とし
て、前記スクイージローラ上に供給された印刷イ
ンキが前記インキ溜りに於けるインキ渦に正常に
巻込まれずにインキ溜りの部分を通過してドクタ
ロツド上に乗つかかり、ドクタロツドに一つの塊
として付着することがある。このような状態が生
じると、前記ドクタロツド上に乗つかかつた印刷
インキが核となつてこれが徐々に成長し、インキ
溜りのインキ渦に巻込まれない印刷インキが徐々
に増大し、遂にはこれがインキ溜りのインキ渦を
阻害するに到ることがある。このような事態が生
じると、インキ溜りのインキ塊が一気に大きくな
り、インキ溜りの印刷インキがドクタロツドを乗
越えて溢れ出る虞れが生じる。このような現象は
インキ溜りの両側端領域に於ては、側板と印刷イ
ンキとの粘性抵抗によつてインキ渦が乱れがちで
インキ塊が成長し易いことと相俟つて特に生じ易
い。

本考案は上述の如き問題点を解決する改良され
たインキ供給装置を提供するることを目的として
いる。

問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本考案によれば、スクイー
ジローラとドクタロツドとを有するインキ供給装
置に於て、前記ドクタロツドを前記スクイージロ
ーラの回転方向とは反対の回転方向へ間歇的に回
転駆動する駆動手段を有していることを特徴とす
るインキ供給装置によつて達成される。

考案の作用及び効果 上述の如き構成によれば、ドクタロツドが間歇
的ではあるが、スクイージローラの回転方向とは
反対の回転方向へ回転駆動されることにより、イ
ンキ供給不良によつてドクタロツド上に印刷イン
キが乗つかかつてもこれはドクタロツドの間歇回
転によつてインキ溜りのインキ渦中に戻され、ド
クタロツドに付着したインキ塊が成長することが
回避され、インキ溜りより印刷インキがドクタロ
ツドを乗越えて溢れ出ることが防止される。

ドクタロツドは回転によつてスクイージローラ
との間の間〓を変化しないよう円形断面の部材に
より構成されて自身の中心軸線の周りに回転可能
に配設されている必要がある。

ドクタロツドの上述の如き回転方向はインキ溜
りのインキ渦方向と対向する方向であるから、こ
のドクタロツドの回転はインキ溜りのインキ渦の
生成に悪影響を及ぼすが、しかしこの回転は間歇
的であることにより、これが前記インキ渦の生成
に大きく影響を及ぼすことはない。またドクタロ
ツドの周速度は、インキ溜りのインキ渦の生成を
大きく阻害しないよう、スクイージローラの周速
度よ遅いことが好ましく、スクイージローラとド
クタロツドの周速度比は好ましくは３：１以下で
ある。

実施例 以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図及び第２図は本考案による印刷装置のイ
ンキ供給装置の一つの実施例を示している。これ
らの図に於て、１はインキ供給装置の枠体を示し
ており、該枠体は図示されていない印刷装置の機
枠より固定支持される。枠体１は互いに平行に設
けられた側板２と３との間にスクイージローラ４
とドクタロツド６とを有している。

スクイージローラ４は、その両端部に設けられ
た軸部５によつて枠体１より自身の中心軸線の周
りに回転可能に支持され、外周面にてその一つの
母線に沿つて円筒状版胴Ｄの内周面に摺接してい
る。スクイージローラ４の一方の軸部５にはスプ
ロケツト８が取付けられており、該スプロケツト
には無端伝動ベルト９が係合している。無端伝動
ベルト９は、スクイージローラ４を円筒状版胴Ｄ
の回転方向と同方向に、即ち図にて反時計廻り方
向に円筒状版胴Ｄの回転に同期して回転駆動する
ようになつている。

ドクタロツド６は、円形断面の丸棒部材により
構成され、両端部に設けられた軸部７によつて枠
体１より自身の中心軸線の周りに回転可能に支持
され、スクイージローラ４の軸線に対し実質的に
平行に延在してスクイージローラ４の外周面との
間に該スクイージローラの一つの母線に沿つて延
在する所定の間隙１０を郭定している。ドクタロ
ツド６の一方の軸部７にはワンウエイクラツチ１
１のインナレースが固定接続されている。ワンウ
エイクラツチ１１のアウタレースにはカム連動レ
バー１２の一端部が固定接続されている。カム連
動レバー１２は、その他端部に形成されたフオー
ク部１３にて軸部５に固定された偏心カム１４に
係合し、偏心カム１４の回転によつて軸部７を中
心として所定の回動角をもつて揺動するようにな
つている。ワンウエイクラツチ１１はそのアウタ
レースがインナレースに対し図にて反時計廻り方
向に回転することを自由に許すようになつてい
る。

従つて、ドクタロツド６はスクイージローラ４
の回転に伴なつてスクイージローラ４の回転方向
とは反対の回転方向、即ち図にて時計廻り方向に
間歇回動する。インキ供給パイプ１６よりスクイ
ージローラ４上に流出供給された印刷インキは、
スクイージローラ４の回転に伴なつてスクイージ
ローラ４とドクタロツド６との間の楔状空間部へ
向けて移動し、該楔状空間部に形成されているイ
ンキ溜りＰのインキ渦に巻込まれて流動性インキ
塊を形成する。このインキ供給過程に於てインキ
供給パイプ１６よりスクイージローラ４上に流出
供給された印刷インキがインキ溜りＰのインキ渦
に巻込まれずにこれを通過してドクタロツド６上
に乗つかかつてもドクタロツド６の図にて時計廻
り方向の間歇回動によつてインキ溜りＰのインキ
渦流中に戻される。これによりドクタロツド６に
インキがが付着してもこれが成長することがな
く、ドクタロツド６に付着したインキによつてイ
ンキ溜りＰのインキ渦が阻害されることがない。

以上に於ては、本考案を特定の実施例について
詳細に説明したが、本考案は、これに限定される
ものではなく、本考案の範囲内にて種々の実施例
が可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による印刷装置のインキ供給装
置の一つの実施例を示す正面図、第２図は第１図
に示された本考案によるインキ供給装置の概略斜
視図である。 １……枠体、２，３……側板、４……スクイー
ジローラ、５……軸部、６……ドクタロツド、７
……軸部、８……スプロケツト、９……無端伝動
ベルト、１０……間隙、１１……ワンウエイクラ
ツチ、１２……カム連動レバー、１３……フオー
ク部、１４……偏心カム、１６……インキ供給パ
イプ、Ｄ……円筒状版胴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面にて円筒状版胴の内周面に接触して配設
   され自身の中心軸線の周りに前記円筒状版胴の回
   転に同期して回転するスクイージローラと、前記
   スクイージローラの外周面との間に所定の間〓を
   おいて且つ該スクイージローラの軸線に対し実質
   的に平行に配設された円形断面のドクタロツド
   と、前記ドクタロツドを前記スクイージローラの
   回転方向とは反対の回転方向へ間歇的に回転駆動
   する駆動手段とを有し、前記スクイージローラと
   前記ドクタロツドとの間に形成された楔状空間部
   にインキ溜りを形成するよう構成された印刷装置
   のインキ供給装置。