JP2518948B2 - 印刷機用給水装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はオフセット印刷機に於て、版胴に水を供給す
る装置に関するものである。

（産業上の利用分野） オフセット印刷機は、第３図に示す如く、版胴（４）
に対して、インキ供給ロール列（６）と水供給ロール列
（３）を連繋し、版胴（４）に水とインキを付着せし
め、水と油の反撥を利用して印刷を行なうもので、版材
の画線部に脂肪性、非画線部に水分をもたせる様に処理
されている。

版胴（４）への水の付着量が少ないときは、印刷紙面
の不必要な箇所にインキが付着する。又、水の付着量が
多すぎるときは、印刷紙面にゴーストや筋が表われて商
品価値を低下させる問題が生じる。

従来は、水容器（５）に浸かった金属製水元ロール
（１）と次段のゴム製調量ロール（２）のニップ幅、即
ち、両ロールの接触幅Ｗを調整し、或はロールの回転数
を調整して版胴（４）への水の付着量を調節している。

ニップ幅の調節は調量ロール（２）と水元ロール
（１）の接触圧を調節して行なうが、調整精度が粗く、
又、ロールの回転数の変化は、ロール表面の水膜厚の変
化とは必ずしも対応しないため、版胴（４）への水の供
給量調整は面倒であった。

本発明は、上記実情に鑑み、版胴（４）への水の供給
量調整が容易な装置を明らかにするものである。

（課題を解決する手段） 本発明の版胴（４）への給水装置は、版胴（４）と水
容器（５）との間を水供給ロール列（３）にて連繋し、
該ロール列を構成する各ロールの回転によって水容器
（５）の内水をの版胴（４）に供給する給水装置に於
て、水供給ローラ列（３）は、水容器（５）に一部が浸
かった水元ロール（１）と該水元ロールと略同一直径で
水元ロールに接触して回転する調量ロール（２）を具え
ており、両ロール（１）（２）は、外周面に夫々のロー
ル面に同一幅、同一ピッチでロール軸と平行に延びる凸
条（10）（20）を有し、何れか一方のロールの凸条の頂
面は弾性部材にて形成され、該両ロール（１）（２）は
夫々凸条（10）（20）どうしが接触可能に対向配備され
て同期回転し、両ロール（１）（２）の一方のロールに
は回転の位相を微調整し両ロールの凸条（10）（20）の
頂面どうしの接触幅を制御する位相調節装置（７）を連
繋している。

（作用及び効果） 水元ロール（１）と調量ロール（２）は同径に形成さ
れ、互いに同ピッチで凸条（10）（20）が形成されてい
るため、一方のロールに対する他方のロールの位相をず
らせることによって、両ロールの凸条（10）（20）どう
しの接触幅を変えることができ、これによって両ロール
（１）（２）の単位時間当りの接触時間を調整できる。

水元ロール（１）の回転及び両ロール（１）（２）の
互いの接触圧力が一定であると、水元ロール（１）から
調量ロール（２）に付着する水の量は、調量ロール
（２）と水元ロール（１）の単位時間当りの接触時間に
比例する。

従って、前記の如く、一方のロールの位相をずらし
て、両ロール（１）（２）の単位時間当りの接触時間を
調整することにより、水元ロール（１）から調量ロール
（２）への水の受け渡し、即ち、版胴（４）への水の供
給量の調節を容易に行なうことができる。

（実施例） 第１図は、版胴（４）と水容器（５）との間に配備し
た水供給ロール列（３）を示しており、水容器（５）側
から版胴（４）側へ、水元ロール（１）、調量ロール
（２）、クロムメッキ金属ロール（31）、ゴムロール
（32）が並んでおり、該ゴムロール（32）が版胴（４）
に接している。

水元ロール（１）は表面にクロムメッキを施した金属
製ロールであり、下部が水容器（５）に浸かっている。

水元ロール（１）及び調量ロール（２）は、共に外周
面に軸と平行に複数の凸条（10）（20）を形成し、凸条
（10）（20）間を溝条（11）（21）となしている。

両ロール（１）（２）の凸条（10）（20）の幅、ピッ
チは同じである。

調整ロール（２）の凸条（20）の表面はゴムにて形成
されている。

水供給ロール列（３）には、隣り合うロールを互いに
逆方向に回転駆動する回転駆動装置（図示せず）が連繋
され、水元ロール（１）と調量ロール（２）の何れか一
方のロールには回転の位相を微調整し両ロールの凸条
（10）（20）どうしの接触幅を制御する位相調節装置
（７）を連繋している。

然して、水元ロール（１）と調量ロール（２）は同径
に形成され、互いに同ピッチで凸条（10）（20）が開設
されているため、一方のロールに対する他方ロールの位
相をずらすことによって、両ロール（１）（２）の単位
時間当りの接触時間を調整できる。

水元ロール（１）と調量ロール（１）（２）の互いの
接触圧力が一定であると、水元ロール（１）から調量ロ
ール（２）に付着する水の量は、調量ロール（２）と水
元ロール（１）の接触時間に比例する。

従って、前記の如く、両ロール（１）（２）の位相差
を変えて、両ロール（１）（２）の単位時間当りの接触
時間を調整して、水元ロール（１）からの調量ロール
（２）への水の受渡し、即ち、版胴（４）への水の供給
量の調節を容易に行なうことができる。

第２図は本発明の他の実施例を示しており、水元ロー
ル（１）と調量ロール（２）は同径に形成され、且つ両
ロール（１）（２）の外周面は軸心と平行に親水性部
（12）を等間隔に形成し、親水性部（12）（12）間は疎
水性部（13）が形成されている。

両ロール（１）（２）の親水性部（12）の幅及びピッ
チは同一であり、従って各疎水性部（13）の幅及びピッ
チも同一である。親水性部（12）及び疎水性部（13）は
夫々親水性合成樹脂と疎水性合成樹脂にて形成され、ロ
ールの軸心の全長に亘って延びている。

上記第３図の場合、水元ロール（１）と調量ロール
（２）は同径に形成され、互いに同ピッチで親水性部
（12）と疎水性部（13）が並んでいるため、一方のロー
ルに対する他方のロールの位相を変えることによって、
両ロール（１）（２）の単位時間当りの親水性部材（1
2）（12）どうしの接触時間を調整して、版胴（４）へ
の水の供給量を調節できる。

本発明は上記実施例の構成に限定されることはなく、
特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は水供給装置の説明図、第２図は他の実施例の説
明図、第３図は従来例の説明図である。 （１）……水元ロール、（２）……調量ロール （４）……版胴、（５）……水容器

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】版胴（４）と水容器（５）との間を水供給
   ロール列（３）にて連繋し、該ロール列を構成する各ロ
   ールの回転によって水容器（５）の内の水を版胴（４）
   に供給する給水装置に於て、水供給ローラ列（３）は、
   水容器（５）に一部が浸かった水元ロール（１）と該水
   元ロールと略同一直径で水元ロールに接触して回転する
   調量ロール（２）を具えており、両ロール（１）（２）
   は、外周面に夫々のロール面に同一幅、同一ピッチでロ
   ール軸と平行に延びる凸条（10）（20）を有し、何れか
   一方のロールの凸条の頂面は弾性部材にて形成され、該
   両ロール（１）（２）は夫々凸条（10）（20）どうしが
   接触可能に対向配備されて同期回転し、両ロール（１）
   （２）の一方のロールには回転の位相を微調整し両ロー
   ルの凸条（10）（20）の頂面どうしの接触幅を制御する
   位相調節装置（７）を連繋している印刷機用給水装置。
2. 【請求項２】版胴（４）と水容器（５）との間を水供給
   ロール列（３）にて連繋し、該ロール列を構成する各ロ
   ールの回転によって水容器（５）の内の水を版胴（４）
   に供給する給水装置に於て、水供給ローラ列（３）は、
   水容器（５）に一部が浸かった水元ロール（１）と該水
   元ロールと略同一直径で水元ロールに接触して回転する
   調量ロール（２）を具えており、夫々のロール表面に同
   一幅、同一ピッチでロール軸と平行に延びる親水性部
   （12）が形成されると共に、親水性部（12）（12）間は
   疎水性部（22）が形成され、何れか一方のロールの親水
   性部（12）及び疎水性部（22）は弾性部材にて形成さ
   れ、該両ロール（１）（２）は夫々ロールの外周面どう
   しが接触可能に対向配備されて同期回転し、両ロール
   （１）（２）の一方のロールには回転の位相を微調整し
   両ロールの親水性部（22）（22）どうしの接触幅を制御
   する位相調節装置（７）を連繋している印刷機用給水装
   置。