JPH0123725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ワークの姿勢変換およびワークのク
ランプを行うワーク姿勢変換機構付クランプ装置
に関するものである。

〈従来技術〉 加工ラインにおいて各マシン間を搬送するとき
のワークの姿勢と、各マシンにクランプされると
きのワークの姿勢が異なる場合がある。この場合
において従来は各マシンにクランプ装置とは別個
にワーク姿勢変換装置を設け、このワーク姿勢変
換装置にてワークの姿勢を変換したのち、マシン
に搬入し、クランプ装置にてワークをクランプし
ていた。このためワーク姿勢変換装置を設けるた
めの余分なスペースを必要とし、コストアツプと
なる問題があつた。

〈考案の目的〉 本考案はかかる問題を解決するためになされた
もので、その目的とするところは、ワークの姿勢
変換も行なえるワーク姿勢変換機構付クランプ装
置を提供することである。

〈考案の構成〉 本考案によるワーク姿勢変換機構付クランプ装置
は、固定部に架設されたパイロツトバーにガイド
ブロツクを摺動可能に支持し、このガイドブロツ
クにワークを保持するカゴをパイロツトバーの長
手方向と直交する軸線回りに揺動可能に軸支し、
固定部にアームを前記カゴの揺動面内と平行に揺
動可能に軸支し、このアームと前記カゴをアーム
の揺動方向に係合するように一方に長溝を形成
し、他方に長溝に係合するピンを設け、前記アー
ムを揺動させる駆動装置を設け、駆動装置の作動
によるカゴの動きを直線運動のみに規制する区域
と、回転運動を許容する区域とを備えたカムをカ
ゴあるいは固定部に設け、他方にカムと係合する
係合部材を設けたものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図、第２図において、１０は図略のベー
ス上に傾斜して立設された傾斜板であり、この傾
斜板１０の上部に傾斜板１０と直角に支持板１１
が固着されている。第１図における支持板１１の
左端、言いかえれば支持板１１の前部に傾斜板１
０と平行に取付板１２が固着されている。傾斜板
１０と取付板１２間に２本のパイロツトバー１３
が水平軸線に対して傾斜して架設され、各パイロ
ツトバー１１３にはガイドブロツク１４が摺動可
能に支持されている。ガイドブロツク１４の後部
で上部にはコ形状のブラケツト１５が固定され、
各ガイドブロツク１４とブラケツト１１５間には
パイロツトバー１３の軸線と直角でかつ水平軸線
と平行に支持軸１６が取付けられている。各支持
軸１６にはコ形状のカゴ２０ａ，２０ｂが揺動可
能に軸支され、各カゴ２０ａ，２０ｂには複数の
当金２１が固着され、又、カゴ２０ａ，２０ｂに
跨つてワークＷを支持するレール２２がカゴ２０
ａ，２０ｂに取付けられている。

支持板１１の前部でかつ下部にガイドブロツク
１４の両側でブラケツト３０が取付けられ、この
ブラケツト３０に支持軸３１が支持軸１６の軸線
と平行に取付けられ、各支持軸３１にアーム３２
ａ，３２ｂが揺動可能に軸承されている。各アー
ム３２ａ，３２ｂの下端には支持軸３１の軸線と
平行にピン３３が固定され、このピン３３と係合
可能に各カゴ２０ａ，２０ｂに長溝３４が形成さ
れている。

支持板１１上にはこれらアーム３２ａ，３２ｂ
の中間でシリンダ装置４０が取付けられ、このシ
リンダ装置４０のピストンロツド４１の先端には
ピストンロツド４１の進退方向と直角に連結棒４
２が取付けられている。連結棒４２の両端は各ア
ーム３２ａ，３２ｂに形成されたＵ字形状の係合
溝４３に係合されている。

各カゴ２０ａ，２０ｂの上部にはカム５０が取
付けられ、このカム５０と係合するローラ５１が
支持板１１に取付けられている。前記カム５０に
はパイロツトバー１３の軸線と平行なカム面５０
ａと、パイロツトバー１３の軸線に対し傾斜した
カム面５０ｂと、カム面５０ａより低くパイロツ
トバー１３の軸線と平行なカム面５０ｃが形成さ
れている。

第１図におけるガイドブロツク１４の左方向の
移動量を制限するストツパ６０が取付板１２に設
けられ、カゴ２０ａ，２０ｂの反時計回りの回転
を制限するストツパ６１がガイドブロツク１４に
設けられている。傾斜板１０にはワークＷに形成
されたノツク穴７０と係合するノツクピン７１が
固定されるとともに、ワークＷの基準面２２と当
接する基準部材７３，７４が固定されている。７
５はワークＷに向かつて進退可能な加工ヘツドで
ある。

上述した構成に基づいてワークＷの姿勢変換動
作、クランプ、アンクランプ動作について説明す
る。

第１図はワークＷをクランプした状態を示し、
この状態からシリンダ装置４０を作動させて連結
棒４２とともにピストンロツド４１を後退させ
る。これによつてアーム３２ａ，３２ｂは支持軸
３１を中心として時計回りに揺動し、カゴ２０
ａ，２０ｂにはピン３３を介して第１図において
左進させようとする力が作用する。このときロー
ラ５１はカム５０のカム面５０ａと当接している
ためカゴ２０ａ，２０ｂの支持軸１６を中心とす
る時計回りの揺動が阻止され、カゴ２０ａ，２０
ｂはガイドブロツク１４とともに左進する。これ
によつてワークＷとノツクピン７１との係合関係
が解除され、ワークＷがアンクランプされる。ア
ーム３２ａ，３２ｂをさらに時計回りに揺動さ
せ、ローラ５１がカム５０のカム面５０ｂにさし
かかると、カゴ２０ａ，２０ｂは支持軸１６を中
心として時計回りに揺動し始める。このカゴ２０
ａ，２ｂの揺動によつてワークＷの姿勢変換がな
される。ガイドブロツク１４がストツパ６０に当
接し、ローラ５１がカム５０のカム面５０ｃにさ
しかかつた時点でカゴ２０ａ，２０ｂの揺動が阻
止され、第３図に示すような状態となる。この状
態でワークＷが第３図の紙面の前後方向に次のマ
シンへ搬送される。

第３図に示す状態でカゴ２０ａ，２０ｂに新し
いワークＷが搬入されると、シリンダ装置４０を
作動させ、連結棒４２とともにピストンロツド４
１を前進させる。これによつてアーム３２ａ，３
２ｂは支持軸３１を中心として反時計回りに揺動
し、カゴ２０ａ，２０ｂにはピン３３を介して右
進させようにする力が作用する。このときローラ
５１はカム５０のカム面５０ｂにさしかかつてい
るため、カゴ２０ａ，２０ｂは支持軸１６を中心
とする反時計回りに揺動する。これによつてワー
クＷの姿勢変換がなされる。ローラ５１がカム５
０のカム面５０ａにさしかかり、ストツパ６１に
カゴ２０ａ，２０ｂが当接するとカゴ２０ａ，２
０ｂの揺動が阻止される。アーム３２ａ，３２ｂ
をさらに揺動させるとカゴ２０ａ，２０ｂはガイ
ドブロツク１４とともに右進し、ワークＷのノツ
ク穴７０がノツクピン７１にノツクインする。ワ
ークＷの基準面７２に基準部材７３，７４が当接
するとワークＷはカゴ２０ａ，２０ｂの当金２１
と基準部材７３，７４とでクランプされた第１図
に示すような状態となり、この状態で加工ヘツド
７５が前進してワークＷに加工がなされる。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案は、固定部に架設され
たパイロツトバーにガイドブロツクを摺動可能に
支持し、このガイドブロツクにロツクを保持する
カゴをパイロツトバーの長手方向と直交する軸線
回りに揺動可能に軸支し、固定部にアームを前記
カゴの揺動面内と平行に揺動可能に軸支し、この
アームと前記カゴをアームの揺動方向に係合する
ように一方に長溝を形成し、他方に長溝に係合す
るピンを設け、前記アームを揺動させる駆動装置
を設け、駆動装置の作動によるカゴの動きを直線
運動のみに規制する区域と、回転運動を許容する
区域とを備えたカムをカゴあるいは固定部に設
け、他方にカムと係合する係合部材を設けたので
ワーク姿勢変換装置を用いなくてもワークの姿勢
変換およびワークをクランプすることができる。
このため装置全体のスペースを削減でき、コスト
ダウンを図ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案にかかるワーク姿勢変換機構付クランプ装
置の一部断面した図、第２図は第１図における
方向から見た一部断面した図、第３図はアンクラ
ンプ時の動作状態図。 １３……パイロツトバー、１４……ガイドブロ
ツク、１６……支持軸、２０ａ，２０ｂ……カ
ゴ、３１……支持軸、３２ａ，３２ｂ……アー
ム、３３……ピン、３４……長溝、４０……シリ
ンダ装置、４２……連結棒、４３……係合溝、５
０……カム、５１……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定部に架設されたパイロツトバーにガイドブ
   ロツクを摺動可能に支持し、このガイドブロツク
   にワークを保持するカゴをパイロツトバーの長手
   方向と直交する軸線回りに揺動可能に軸支し、固
   定部にアームを前記カゴの揺動面内と平行に揺動
   可能に軸支し、このアームと前記カゴをアームの
   揺動方向に係合するように一方に長溝を形成し、
   他方に長溝に係合するピンを設け、前記アームを
   揺動させる駆動装置を設け、この駆動装置の作動
   によるカゴの動きを直線運動のみに規制する区域
   と、回転運動を許容する区域とを備えたカムをカ
   ゴおよび固定部の一方に設け、他方にカムと係合
   する係合部材を設けてなる加工ラインにおけるワ
   ーク姿勢変換機構付クランプ装置。