JPH01230714A - 炭化物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
炭化物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法Info
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- JPH01230714A JPH01230714A JP5539588A JP5539588A JPH01230714A JP H01230714 A JPH01230714 A JP H01230714A JP 5539588 A JP5539588 A JP 5539588A JP 5539588 A JP5539588 A JP 5539588A JP H01230714 A JPH01230714 A JP H01230714A
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/0205—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
剃刀などの刃物に使用される高炭素含有マルテンサイト
系ステンレス鋼は、炭化物が粗大であると刃こぼれの原
因となるため、炭化物を微細にすることが重大な関心と
なっている。本発明は、炭化物の微細な高炭素含有マル
テンサイト系ステンレス鋼の製造方法に関するものであ
る。
系ステンレス鋼は、炭化物が粗大であると刃こぼれの原
因となるため、炭化物を微細にすることが重大な関心と
なっている。本発明は、炭化物の微細な高炭素含有マル
テンサイト系ステンレス鋼の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術)
刃物用のマルテンサイト系ステンレス鋼には、主として
13%Cr−0,3%C(SUS420Jz)鋼が適用
されている。しかし、この鋼を用いた刃物は切れ味が必
ずしも良くないため、逆に[ステンレス鋼の刃物は切れ
ない。」との風評が立つ一因となっている。ところで、
刃物の切れ味や耐久性は刃先の硬さに比例するものであ
るから、0.3%程度のC含有量の鋼では刃物としての
礫さが不足するのは当然で、C含有量を炭素鋼の刃物の
レベルまで増量すれば、ステンレス鋼であっても十分な
品質評価を受けられるのである。しかるに、高硬度が期
待できる0、5%以上のCを含有する高炭素含有マルテ
ンサイト系ステンレス鋼は、鋳造時にCr炭化物が初析
1粗界に粗大に晶出しその後の微細化が困難なために、
刃こぼれの原因となって実用には耐えないのが実情であ
る。
13%Cr−0,3%C(SUS420Jz)鋼が適用
されている。しかし、この鋼を用いた刃物は切れ味が必
ずしも良くないため、逆に[ステンレス鋼の刃物は切れ
ない。」との風評が立つ一因となっている。ところで、
刃物の切れ味や耐久性は刃先の硬さに比例するものであ
るから、0.3%程度のC含有量の鋼では刃物としての
礫さが不足するのは当然で、C含有量を炭素鋼の刃物の
レベルまで増量すれば、ステンレス鋼であっても十分な
品質評価を受けられるのである。しかるに、高硬度が期
待できる0、5%以上のCを含有する高炭素含有マルテ
ンサイト系ステンレス鋼は、鋳造時にCr炭化物が初析
1粗界に粗大に晶出しその後の微細化が困難なために、
刃こぼれの原因となって実用には耐えないのが実情であ
る。
このために、C含有量を0.5%程度に限定し硬化元素
としてNを添加する方法(特開昭61−34161号公
報)が提案されている。しかし、この方法でも微細化は
不十分である上に、凝固条件によっては中心部にブロー
ホールが発生するなど、製造しにくい欠点があった。ま
た、硬化方法をマルテンサイト相によるとの考えから脱
却し、いわゆる析出硬化を利用した鋼の適用が開示され
ている(特開昭60−177134号公報)。このよう
な鋼の場合、C含有量が低いので粗大炭化物の懸念は解
消するのであるが肝心な硬度が不足し、やはり剃刀など
の刃物には適用が困難である。
としてNを添加する方法(特開昭61−34161号公
報)が提案されている。しかし、この方法でも微細化は
不十分である上に、凝固条件によっては中心部にブロー
ホールが発生するなど、製造しにくい欠点があった。ま
た、硬化方法をマルテンサイト相によるとの考えから脱
却し、いわゆる析出硬化を利用した鋼の適用が開示され
ている(特開昭60−177134号公報)。このよう
な鋼の場合、C含有量が低いので粗大炭化物の懸念は解
消するのであるが肝心な硬度が不足し、やはり剃刀など
の刃物には適用が困難である。
一方、本発明者らは高炭素含有マルテンサイト系ステン
レス鋼の熱間圧延工程を簡略化する方法を種々検討し、
1250“C以上の固液共存域にて圧延することで従来
単に高温にすることで考えられる圧延負荷の軽減以上に
圧延負荷が低下することを見出し、高炭素含有マルテン
サイト系ステンレス鋼の軽負荷熱間圧延方法を発明した
(特開昭62−137109号公報)。しかし、熱間圧
延工程を限定することより、あるいはなんらかの特殊な
熱延を行なうことにより、鋼中の炭化物を微細化すると
いう考えは従来全くなかった。
レス鋼の熱間圧延工程を簡略化する方法を種々検討し、
1250“C以上の固液共存域にて圧延することで従来
単に高温にすることで考えられる圧延負荷の軽減以上に
圧延負荷が低下することを見出し、高炭素含有マルテン
サイト系ステンレス鋼の軽負荷熱間圧延方法を発明した
(特開昭62−137109号公報)。しかし、熱間圧
延工程を限定することより、あるいはなんらかの特殊な
熱延を行なうことにより、鋼中の炭化物を微細化すると
いう考えは従来全くなかった。
(発明が解決しようとする課題)
本発明は、高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の
鋼中炭化物を微細化させる熱間圧延方法を提供するもの
である。
鋼中炭化物を微細化させる熱間圧延方法を提供するもの
である。
(課題を解決するたための手段)
第1図は、表面を市販の厚さ2fflIIlの5US4
30鋼で覆った1、0%のCを含有する17Crステン
レス鋼の厚さ25mmの鋳片を、1250℃以上の固液
共存温度域で4〜40%1パスで圧延し、続いて6バス
で全板厚3[n[11まで熱延した後、熱延板に認めら
れる炭化物のサイズを示した図である。比較として固液
共存温度域での圧下を行なうことなく (1200℃加
熱)7パスで3鵬まで熱延した。その結果認められた鋼
中に存在する炭化物の光学顕微鏡組織の例を、第2図に
示した。
30鋼で覆った1、0%のCを含有する17Crステン
レス鋼の厚さ25mmの鋳片を、1250℃以上の固液
共存温度域で4〜40%1パスで圧延し、続いて6バス
で全板厚3[n[11まで熱延した後、熱延板に認めら
れる炭化物のサイズを示した図である。比較として固液
共存温度域での圧下を行なうことなく (1200℃加
熱)7パスで3鵬まで熱延した。その結果認められた鋼
中に存在する炭化物の光学顕微鏡組織の例を、第2図に
示した。
固液共存温度域での圧下がない場合、第2図の(b)に
示したとおり炭化物サイズは最大で42μmあり、通常
の熱延方法では炭化物が非常に粗大であることが再現さ
れた。1250℃以上で圧下を加えた場合、固液共存温
度域での圧下が10%以上となると炭化物が微細になり
、特に20%以上圧下すると第2図の(a)に示したと
おり炭化物サイズは10μm以下となることが判明した
。
示したとおり炭化物サイズは最大で42μmあり、通常
の熱延方法では炭化物が非常に粗大であることが再現さ
れた。1250℃以上で圧下を加えた場合、固液共存温
度域での圧下が10%以上となると炭化物が微細になり
、特に20%以上圧下すると第2図の(a)に示したと
おり炭化物サイズは10μm以下となることが判明した
。
以上の結果に基づき、C: 0.5%以上1.5%以下
、Cr:10%以上25%以下を含有する高炭素含有マ
ルテンサイト系ステンレス鋼の熱間圧延において、12
50℃以上1450″C以下の固液共存温度域にて全圧
下率で少なくとも10%以上圧延し、次いで1250℃
未満の面相域にて全圧下率で少なくとも50%以上圧延
するとを特徴とする炭化物の微細な高炭素含有マルテン
サイト系ステンレス鋼の製造方法を発明した。
、Cr:10%以上25%以下を含有する高炭素含有マ
ルテンサイト系ステンレス鋼の熱間圧延において、12
50℃以上1450″C以下の固液共存温度域にて全圧
下率で少なくとも10%以上圧延し、次いで1250℃
未満の面相域にて全圧下率で少なくとも50%以上圧延
するとを特徴とする炭化物の微細な高炭素含有マルテン
サイト系ステンレス鋼の製造方法を発明した。
固液共存温度域で圧下することにより炭化物が微細化す
る理由あるいは機構は、必ずしも明確でハナいが、圧下
によって変形歪が加わるために炭化物析出部位が増加す
ること、凝固が自然な拡散を伴わす圧下と同時に起るた
めに、液相中に多量に固溶しているCが既に晶出してい
る炭化物まで拡散する余裕がなく微細に晶出するものと
考えている。
る理由あるいは機構は、必ずしも明確でハナいが、圧下
によって変形歪が加わるために炭化物析出部位が増加す
ること、凝固が自然な拡散を伴わす圧下と同時に起るた
めに、液相中に多量に固溶しているCが既に晶出してい
る炭化物まで拡散する余裕がなく微細に晶出するものと
考えている。
次に、成分および製造条件の限定理由について延べる。
C含有量は、0.5%未満では晶出炭化物はそれ程粗大
ではなく、焼き入れ硬度も十分ではない上、固液共存温
度域が1450℃以上と非常に高く固液共存温度域での
圧下が困難でコストを著しく劣化させることから0.5
%を下限とした。また、1.5%を超えるC量を含む場
合には熱間加工後の加工が著しく困難で鋳造品以外の用
途がないことから、本発明から除外した。
ではなく、焼き入れ硬度も十分ではない上、固液共存温
度域が1450℃以上と非常に高く固液共存温度域での
圧下が困難でコストを著しく劣化させることから0.5
%を下限とした。また、1.5%を超えるC量を含む場
合には熱間加工後の加工が著しく困難で鋳造品以外の用
途がないことから、本発明から除外した。
Cr含有量は、10%未満ではステンレス鋼としての基
本的な耐食性に欠けるため、10%を下限とした。また
、Cr含有量が25%を超えるステンレス鋼には0.5
%を超えるような高い炭素量を含有するマルテンサイト
系ステンレス鋼はないので、本発明の特許請求の範囲か
ら除外する。
本的な耐食性に欠けるため、10%を下限とした。また
、Cr含有量が25%を超えるステンレス鋼には0.5
%を超えるような高い炭素量を含有するマルテンサイト
系ステンレス鋼はないので、本発明の特許請求の範囲か
ら除外する。
通常高炭素含有マルテンサイト系ステンレスiには、高
温強度の向上や焼き入れ硬度の確保あるいは焼き入れ性
向上を目的として、2%以下のSi。
温強度の向上や焼き入れ硬度の確保あるいは焼き入れ性
向上を目的として、2%以下のSi。
Mn 、 NiあるいはMo、Vなどを添加するが、変
形抵抗や固液共存温度域には大きな影響が認められない
ことから、いずれも特許請求の範囲では限定しない。
形抵抗や固液共存温度域には大きな影響が認められない
ことから、いずれも特許請求の範囲では限定しない。
また、高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼が固液
共存状態なって、圧延によって炭化物が微細化するのは
、第1図にも示したとおり1250℃以上であるので、
圧下を加える必要条件の下限温度を1250℃とした。
共存状態なって、圧延によって炭化物が微細化するのは
、第1図にも示したとおり1250℃以上であるので、
圧下を加える必要条件の下限温度を1250℃とした。
しかし、1450℃を超えると溶融相が増加して実用上
固体と同様に扱うのは困難になる上にコストの大幅な上
昇となるので、1450℃を上限とした。
固体と同様に扱うのは困難になる上にコストの大幅な上
昇となるので、1450℃を上限とした。
さらに、固液共存状態での圧下率が少ないと、通常の凝
固となんら変らなくなり炭化物の微細化が起こらないの
で第1図より1250℃以上での圧下を全圧下率で10
%以上と限定した。
固となんら変らなくなり炭化物の微細化が起こらないの
で第1図より1250℃以上での圧下を全圧下率で10
%以上と限定した。
炭化物の微細化は固液共存温度域での圧下によって大き
な効果が得られるが、1250℃以上での圧下のみでは
結晶粒のサイズが粗大となったままであるために、熱延
板の靭性が低い。しかし、引続き1250℃未満の固相
域で圧延することによって結晶粒を微細化することがで
きる。結晶粒微細化効果は、固相域での全圧下率が50
%以上で認められることからこれを下限とした。一方、
圧下率が高ければ高い程結晶粒微細化効果が大きいこと
から、上限は限定しない。
な効果が得られるが、1250℃以上での圧下のみでは
結晶粒のサイズが粗大となったままであるために、熱延
板の靭性が低い。しかし、引続き1250℃未満の固相
域で圧延することによって結晶粒を微細化することがで
きる。結晶粒微細化効果は、固相域での全圧下率が50
%以上で認められることからこれを下限とした。一方、
圧下率が高ければ高い程結晶粒微細化効果が大きいこと
から、上限は限定しない。
ところで、本発明において1250℃以上の熱延に引続
いて1250″C未満の熱延を行なうことが熱エネルギ
ー的に有利であることは当然である。しかし、固液共存
温度域での圧延と固相域での圧延とで設備を変更する必
要のある場合には、1250℃以上の圧延後、−旦冷却
し再加熱を行なって1250℃未満の熱延を行なう必要
がある。この場合でも、本発明の結晶粒を粗大化させる
ことな(炭化物を微細化させる効果は明らかに認められ
、他の特性も変化がない。従って、本発明では固液共存
温度域での圧延と固相域での圧延の間の冷却の有無につ
いては特別な限定はしない。
いて1250″C未満の熱延を行なうことが熱エネルギ
ー的に有利であることは当然である。しかし、固液共存
温度域での圧延と固相域での圧延とで設備を変更する必
要のある場合には、1250℃以上の圧延後、−旦冷却
し再加熱を行なって1250℃未満の熱延を行なう必要
がある。この場合でも、本発明の結晶粒を粗大化させる
ことな(炭化物を微細化させる効果は明らかに認められ
、他の特性も変化がない。従って、本発明では固液共存
温度域での圧延と固相域での圧延の間の冷却の有無につ
いては特別な限定はしない。
(作 用)
以上水したとおり、高炭素含有マルテンサイト系ステン
レス鋼は、1250℃以上1450℃以下の固定液共存
温度域にて全圧下率で少なくとも10%以上圧延し、次
いで1250℃未満の固相域にて全圧下率で少なくとも
50%以上圧延することで、熱延板中に残存する炭化物
が非常に微細化することが確認された。この結果、0.
5%以上のCを含むことによる優れた硬化能と微細な炭
化物による刃物用鋼としての優れた特性を同時に満たす
高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法を
提供することができた。
レス鋼は、1250℃以上1450℃以下の固定液共存
温度域にて全圧下率で少なくとも10%以上圧延し、次
いで1250℃未満の固相域にて全圧下率で少なくとも
50%以上圧延することで、熱延板中に残存する炭化物
が非常に微細化することが確認された。この結果、0.
5%以上のCを含むことによる優れた硬化能と微細な炭
化物による刃物用鋼としての優れた特性を同時に満たす
高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法を
提供することができた。
(実施例)
1.0%のC,0,5%のMn、0.5%のSt、16
.6%のCrおよび不可避不純物からなる厚さ25mm
の17Cr高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼鋳
片の表面を市販の厚さ2躯の5tlS430鋼で覆い、
種々の温度に加熱して全板厚で原則として3mmまで熱
間圧延した。但し一部は厚い状態で熱延を中止し必要に
応じて切削した。熱延板は、780℃にて4時間の球状
化焼鈍を行った。第1表には、熱延加熱温度、固液共存
温度域すなわち1250’C以上での圧下率、固相領域
すなわちL250’C未満での圧下率および熱延焼鈍板
中に見られた最大炭化物サイズ、熱延焼鈍板のシャルピ
ー衝撃値、1050″C−8ff1in空冷の焼入れ硬
度の値を同時に示した。
.6%のCrおよび不可避不純物からなる厚さ25mm
の17Cr高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼鋳
片の表面を市販の厚さ2躯の5tlS430鋼で覆い、
種々の温度に加熱して全板厚で原則として3mmまで熱
間圧延した。但し一部は厚い状態で熱延を中止し必要に
応じて切削した。熱延板は、780℃にて4時間の球状
化焼鈍を行った。第1表には、熱延加熱温度、固液共存
温度域すなわち1250’C以上での圧下率、固相領域
すなわちL250’C未満での圧下率および熱延焼鈍板
中に見られた最大炭化物サイズ、熱延焼鈍板のシャルピ
ー衝撃値、1050″C−8ff1in空冷の焼入れ硬
度の値を同時に示した。
本発明方法による例は、炭化物は10μm以下でしかも
焼入れ硬度はHRCで60以上と高い値を示している。
焼入れ硬度はHRCで60以上と高い値を示している。
しかし、比較方法による例には3o!lff1以上の粗
大な炭化物が残存しているか、あるいは焼入れ硬度が低
いなど、炭化物が微細でかつ硬度の高い材料は認められ
ない。
大な炭化物が残存しているか、あるいは焼入れ硬度が低
いなど、炭化物が微細でかつ硬度の高い材料は認められ
ない。
(発明の効果)
以上述べたとおり、従来焼入れ硬度は高いものの粗大炭
化物が消滅しないために用途が著しく限定されていた高
炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼をζ本発明に従
い熱間圧延を従来忌避されていた固液共存温度域で行な
うことにより、焼入れ硬度などの品質はそのままで粗大
な炭化物を解消することが可能となった。この結果、剃
刀などの刃先の鋭角な刃物に安価で硬度の高い高炭素含
有マルテンサイト系ステンレス鋼を適用することができ
るので、本発明の工業的社会的な効果は著しく大きいも
のである。
化物が消滅しないために用途が著しく限定されていた高
炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼をζ本発明に従
い熱間圧延を従来忌避されていた固液共存温度域で行な
うことにより、焼入れ硬度などの品質はそのままで粗大
な炭化物を解消することが可能となった。この結果、剃
刀などの刃先の鋭角な刃物に安価で硬度の高い高炭素含
有マルテンサイト系ステンレス鋼を適用することができ
るので、本発明の工業的社会的な効果は著しく大きいも
のである。
第1図は、1.0%のCを含有する17Crステンレス
鋼の固液共存温度域での圧下率と最終熱延板に認められ
る炭化物のサイズの関係を示した図である。 第2図は、鋼中炭化物の光学顕微鏡金属組織写真の例で
ある。(a)は、固液共存温度域での圧下が20%以上
の場合、(b)は固液共存温度域での圧下がない場合で
ある。 第2図 砒〉、1.+)ζ)ζI+
鋼の固液共存温度域での圧下率と最終熱延板に認められ
る炭化物のサイズの関係を示した図である。 第2図は、鋼中炭化物の光学顕微鏡金属組織写真の例で
ある。(a)は、固液共存温度域での圧下が20%以上
の場合、(b)は固液共存温度域での圧下がない場合で
ある。 第2図 砒〉、1.+)ζ)ζI+
Claims (1)
- C:0.5%以上1.5%以下、Cr:10%以上25
%以下を含有する高炭素含有マルテンサイト系ステンレ
ス鋼の熱間圧延において、1250℃以上1450℃以
下の固液共存温度域にて全圧下率で少なくとも10%以
上圧延し、次いで1250℃未満の固相域にて全圧下率
で少なくとも50%以上圧延することを特徴とする炭化
物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5539588A JPH01230714A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 炭化物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5539588A JPH01230714A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 炭化物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH01230714A true JPH01230714A (ja) | 1989-09-14 |
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ID=12997334
Family Applications (1)
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JP5539588A Pending JPH01230714A (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 炭化物の微細な高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01230714A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100321028B1 (ko) * | 1997-09-11 | 2002-04-17 | 이구택 | 라미네이트를 방지할 수 있는 마르텐사이트계 스테인레스 열연강판의 제조방법 |
JP2010235986A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 耐pwht特性および一様伸び特性に優れた高強度鋼板並びにその製造方法 |
WO2014156806A1 (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | 日立金属株式会社 | 刃物用ステンレス鋼の中間素材 |
JP2019137893A (ja) * | 2018-02-09 | 2019-08-22 | 日鉄日新製鋼株式会社 | ステンレスクラッド鋼板及びその製造方法、並びに刃物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58123822A (ja) * | 1982-01-18 | 1983-07-23 | Daido Steel Co Ltd | 直接焼入方法 |
JPS62137109A (ja) * | 1985-12-09 | 1987-06-20 | Nippon Steel Corp | 高炭素含有マルテンサイト系ステンレス鋼の軽負荷熱間圧延方法 |
-
1988
- 1988-03-09 JP JP5539588A patent/JPH01230714A/ja active Pending
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