JPH0122854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート建築工事において、梁底
等のコンクリート型枠へパイプを取付けるための
パイプ取付具に関する。

従来、例えば電線管を梁部のような狭く深い場
所における梁底部のコンクリート型枠Ａへ取付け
るには作業者がかがみこんで第１図に示すパイプ
取付具Ｂを所定取付位置へ下ろし、釘孔Ｃへ釘を
挿入して、かがんだ姿勢のままハンマーで釘を打
ちつけ固定していた。しかしながら梁部には縦横
に鉄筋が配筋されているため、この限られた狭い
空間内でパイプ取付具Ｂを下ろすこと、又釘を打
ちつけることは非常に困難であつた。しかも作業
者は、かがんだ姿勢で作業を強いられ、作業能率
の低下をきたしていた。

本考案は、かかる欠点に鑑み、器体の保持部に
支持棒を挿入保持し、支持棒を利して梁底部の取
付位置へパイプ取付具を下ろせるようにしたので
作業者は自然な姿勢で作業ができること、又支持
棒の上端をハンマーで叩いて釘孔に挿入した釘を
打ちつけるため梁部の配筋に左右されないことか
ら作業能率の向上を期すことを目的とする。

即ち、本考案は、コンクリート建造物の梁底の
型枠へパイプを固定するためのコンクリート型枠
へのパイプ取付具であつて、底部を開口し、パイ
プを上方より挿入する器体と、該器体を梁底へお
ろすための支持棒を保持する保持部と、該保持部
の下に保持部と連通する釘孔を有するボス部とを
設け、前記支持棒を叩くことにより、釘孔に挿入
した釘を型枠へ打込み器体を型枠に固定すること
を特徴とするコンクリート型枠へのパイプ取付具
を提供せんとするものである。

以下、実施例により説明する。第２図は、本考
案一の実施例の平面図、第３図は同、Ｅ−Ｅ縦断
正面図、第４図は、使用要領図、第６図は、鉄筋
を省略した梁での使用状態図を示す。第２図ない
し第４図及び第６図より、器体１は天井壁２にパ
イプ挿通孔３を有し、底部は開口している。この
器体１の外側壁に支持棒１０を挿入保持する筒状
の保持部と釘孔７を有するボス部６とを連設し、
保持部４とボス部６とは境壁５を境にして一体形
成されている。ボス部６には、境壁５を貫通する
釘孔７を形成する。又、保持部４の側壁に軸方向
に沿つて切欠部８を形成している。この切欠部８
はパイプ取付具９をコンクリート型枠Ａの所定取
付位置へ下ろすための支持棒１０が保持部４の筒
内１１に軽く保持されるよう保持部４に弾性を持
たせる役目を有す。図中、符号１２は釘孔であ
る。

このように構成した本考案は、釘１３を境壁５
を貫通した釘孔７へ挿入した後、支持棒１０を保
持部４の筒内１１へ挿入保持する。次に、支持棒
１０を持つて型枠Ａの所定取付位置へパイプ取付
具９を下ろし、支持棒１０の上端をハンマー等で
叩いて筒内１１での支持棒１０保持力に抗して釘
１３を型枠Ａへ打ち込みパイプ取付具９を固定す
る。その後、パイプ１４をパイプ挿通孔３へ挿通
して型枠Ａへパイプ１４を取付けるものである。
尚、支持棒１０はパイプ取付具９を型枠Ａへ取り
付けた後、取り外してもよいし、あるいは保持部
４に保持させたままコンクリート内に埋設しても
よい。即ち、本実施例の場合は、保持部４は一個
所だから支持棒１０を器体１の中心方向へ傾斜さ
せて鉄筋に固定すれば器体１の軸を中心に保持部
４を対向する位置の器体１の底面を型枠Ａに圧接
するため安定して固定される。保持部４を複数設
けた場合は、パイプ取付具９は複数個所で安定し
て固定されるため支持棒１０は取り外してもよ
い。

本実施例の場合、支持棒１０を軽く保持するた
め保持部４に切欠部８を形成したが、筒内１１の
内径を支持棒１０の外径と同一若しくは小さく形
成するとか、あるいは別体の弾性片を組み付ける
等およそ支持棒１０を保持し得る構造であればこ
れに限定されるものではない。尚、取付パイプ１
４が特に可撓パイプの場合には、パイプ自身１４
が直立しないため、第５図の如く、コネクター１
５に可撓パイプ１４を取付けた状態で型枠Ａの所
定位置へ支持棒１０を利して下ろせば非常に簡単
であり作業能率が向上する。

このように本考案は、支持棒を保持する保持部
と、保持部に連通する釘孔を有するボス部とを有
するので、支持棒を利してパイプ取付具をコンク
リート型枠の所定取付位置へ自然な姿勢で正確に
速く下ろすことができ、作業能率が向上する。又
支持棒の上端を叩いて釘を打ちつけるので自然な
姿勢で作業でき、著しく作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来品の縦断正面図、第２図は、本
考案一の実施例の平面図、第３図は、同、Ｅ−Ｅ
縦断正面図、第４図は、使用要領図、第５図は、
コネクターを取付けた本考案一実施例の正面図、
第６図は鉄筋を省略した梁での使用状態図であ
る。 主要部分の符号の説明、１……器体、２……天
井壁、３……パイプ挿通孔、４……保持部、５…
…境壁、６……ボス部、７……釘孔、８……切欠
部、９……パイプ取付具、１０……支持棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コンクリート建造物の梁底の型枠へパイプを
   固定するためのコンクリート型枠へのパイプ取
   付具であつて、底部を開口し、パイプを上方よ
   り挿入する器体と、該器体を梁底へおろすため
   の支持棒を保持する保持部と、該保持部の下に
   保持部と連通する釘孔を有するボス部とを設
   け、前記支持棒を利して器体を梁底へおろし、
   支持棒上端を叩くことにより、釘孔に挿入した
   釘を型枠へ打込み器体を型枠に固定することを
   特徴とするコンクリート型枠へのパイプ取付
   具。 (2) 保持部の側壁に軸方向に沿つて切欠部を形成
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載のコン
   クリート型枠へのパイプ取付具。