JPH0121436B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば材料の熱処理等をするための工
業炉に関する。さらに詳しくは本発明は軽量モジ
ユールの形のセラミツクフアイバー絶縁体を使用
するような炉に関し、特にこれらの目的に有用な
モジユール形状と同様に炉の壁のセラミツク絶縁
モジユールを固着する手段にも向けられている。

高温度の工業炉にセラミツクフアイバーモジユ
ールを使用することは色々な理由、特にこのよう
な構造が、炉の内張りに典型的に使用されるより
ありふれた耐火レンガに比較してエネルギーを著
しく節約をすることができるという理由で有利で
ある。米国特許第3500444号は軽量セラミツクモ
ジユールの一つを開示し、無機質の耐火フアイバ
ー材質の懸濁液からモジユールを型取る真空方法
を説明している。このようなモジユールは成形工
程の間にそこに埋込まれた電気加熱要素を持つて
いてよい。あるいはまた、モジユールは、油やガ
スを燃す炉の中で絶縁の目的だけに使用されても
よい。

このような軽量セラミツク絶縁モジユールは、
大きな機械的な強度は持つていない。この理由に
より、炉の中の適所にモジユールを固着する時に
困難に遭遇する。モジユールは1316℃のような高
い炉温度で多年使用する間適所にしつかりと保持
されなければならない。さらに、モジユールの配
列は、高温度の炉の中で要求される保守や修理の
ために簡単に取りはずし及び交換ができるべきで
ある。

従つて、本発明の目的は工業炉の中の軽量セラ
ミツクモジユールを装着するための改良された装
置を提供することである。本発明のさらに特別な
目的は、炉の中の高温度の条件で長期間炉の壁の
モジユールを確実に支持できるモジユールの配置
及び支持の装置を提供することである。本発明の
他の目的、感点及び有利性は添付図面を参照する
以下の説明によつて幾分かは指摘され、幾分かは
明らかにされるだろう。

第１図において、２２によつて全体的に指示さ
れた側壁と、２４によつて全体的に指示された屋
根とを持つ工業用炉２０が示される。側壁と屋根
とは両方とも並べられたパネル２６及び２８の組
によつて形成される。各側パネル２６は、上記に
説明したように構成されまた製造された一群の概
略矩形の絶縁モジユール３２を固定的に積み重ね
るため一対の垂直バツクステイ３０を包含する。
同様に、各屋根パネル２８は対応する一群の絶縁
モジユール３２をつるすための水平バツクステイ
３０を含む。

第２図を参照して、絶縁モジユール３２は幅
91.4cm、高さ45.7cm、深さ12.7cmであつて、バツ
クステイ３０をこれに対応した間隔を置いて配置
する。パネル２６及び２８は、モジユールの表示
された幅及び高さ（例えば91.4cm×45.7cm）の倍
数である各種の寸法の炉のための基準側壁及び屋
根の構成要素を形成する。典型的には、これらの
パネルは工場で組立てられ針金で止められる。そ
して現場での建立には、パネルを一緒にボルト止
めしまた内部パネル絶縁体を後に説明されるよう
に据え付けられることだけが要求される。このよ
うな設備は、工場で完全に組立てて船積みするに
は大きすぎる炉について有利である。

特に第２図、第３図に示すように、各モジユー
ル３２は、段部のある形状の概略矩形ブロツクで
あり、すなわち寸法いつぱいの内側矩形平板状部
分４０と、内側部分４０の形の幾何学的に略類似
した矩形面を形成し、横寸法が内側部分４０より
わずかに小さい外側寸法の後退平板状部分４２と
を包含して形成される。２つの部分４０，４２の
間の接合をなす段部は、望ましい実施例において
は、二つの平板状部分４０及び４２の間に、先細
い角度であつて概ね滑らかな傾斜過渡部を形成す
る平頭ピラミツド部分４４を含む。

モジユール３２は相並んで側パネル２８の中に
取付けられている。隣接した外側部分４２の間の
領域は、巻き絶縁ブラケツト５０によつて充たさ
れ、これはもしそうしなければまつすぐに貫けて
より大きい熱損出経路となるであろうところの結
合部を塞ぐように作用する。このブラケツト５０
は、好ましくは、セラミツクモジユール３２の中
で使用されるが、モジユールの形を強く保持する
ために液体スラリーに使用されるような結合剤は
含まない無機物の繊維状のセラミツク材質によつ
て作られる。従つて、ブランケツトは十分に可撓
性があり圧縮性があるから、容易に図面に示され
るように、比較的ぴつたりと圧縮された形に巻き
込むことが容易である。同様に、巻きブランケツ
トは、隣接パネル２６のセラミツクモジユールの
外側部分４２の側端の間にも挿入される。

巻きブランケツト５０は十分に弾力性があるか
ら、モジユール３２の間の領域への圧縮及び挿入
の後に、ブランケツト材質は全体の隣接空間を満
たすように膨張する傾向があり、製造において遭
遇するわずかな寸法のばらつきを補償することを
助ける。また、それらの弾性圧縮性及び弾力性に
よつてこれらのブランケツトは炉の最初の数回の
火だきの時に現われるセラミツクモジユールの寸
法の収縮を補償する傾向があり、すなわちブラン
ケツトは弾力的に膨張して、このような収縮によ
つて生ぜられる空所を満たす。本実施例の別の観
点によれば、巻きブランケツトの尾部５２はわず
かな長さ（例えば2.54cm位い）だけ炉内部にはみ
出すように設けられる。従つて、例えば所定の適
用において炉が異常な高温度になつてモジユール
間の分離が普通のもの以上となつたとき、この尾
部の材料はその後モジユールの間の分け目に詰め
込むのに便利である。

第７図において、モジユール３２は（断面でわ
かるように）逆Ｌ字形横断支持角部材５４に載つ
ていて、各横断角部材の平らな水平表面は直ぐ上
のモジユールの外側部分４２を支えるようになつ
ている。横断支持角部材５４はそれらの端におい
て対応する複数モジユールの側壁パネル２６のバ
ツクステイ３０に固定されている。

耐熱合金からなり、第８図でもわかるように、
複数対の鋭いプロングすなわちスパイク５８，６
０を有するステンレス鋼の保持クリツプ５６が
（より小さい）外側部分４２の側端に差込まれて
いる。バネ留め金６２はこれらの保持クリツプ５
６の一部として一体的に形成され、各々の硬直な
鋼製のロツクバー６４をバネ張力を加えながら受
け入れて把持する。これらのロツクバー６４は、
対応する横断角部材５４を横切つて延在し、横断
角部材５４に対して水平の固定された位置にモジ
ユール３２をしつかりと固着するように作用す
る。従つて、モジユール３２は、横断角部材５４
との直接係合することにより該横断角部材５４に
よつて垂直に支持され、対応するロツクバー６４
によつて横断角部材５４と相互連結する保持クリ
ツプ５６によつて水平に固着される。

保持クリツプ５６のスパイク５８及び６０は相
当な距離だけ横方向にずれている。このように羽
根状のスパイク５８及び６０によつてつくられる
挿入切込の各平面は、セラミツクモジユール３２
の対応する水平距離だけ離れている。この分離
は、スパイクの裂開面を横切る圧力によつてセラ
ミツク材が裂けることすなわち事実上薄片にはが
れることが発現する機械を減らすのに役立つ。

通常遭遇する、例えば1315.6℃に達する極端に
高い炉温度のために、モジユール保持具は高温度
にさらしたことにより劣化する恐れがある。しか
しながら、これらの問題は、スパイク５８及び６
０がモジユールの外側面から一定の間隔を置いて
いる現在の設計によつて避けられる。このように
一定の間隔を置くことは、所望のモジユール保持
性を提供し、炉の性能を適切にするために要求さ
れるモジユールの交換を少なくするために十分に
効果的であるということがわかる。好ましくは、
保持スパイクとモジユールの外側面との間の間隔
はモジユールの厚さの半分以下にすべきである。
モジユール内に非常に急激な温度勾配があつて
も、保持スパイク及びそれに連結された隣接する
保持具支持腕は十分に低い温度になつて保持クリ
ツプ５６の材質へ損害を与えることはないであろ
う。

上記の装置のさらに重要な利点は、例えば何ら
かの原因によりモジユールの損傷が生じた場合
に、セラミツクモジユール３２のいずれかを容易
に交換することができるということである。モジ
ユールの交換のために、それぞれのロツクバー６
４がモジユールの上下の両ふちで取りはずされ
る。従つて、モジユールは炉内部の方向に押さ
れ、最初に炉内部からつかむことができる位置ま
で横断角部材５４の上面に沿つて滑べらされ、取
りはずされる。交換モジユールの取付けは逆の手
順をたどる。

第９図及び第１０図は、対称型の一対のスパイ
ク７２及び７４を持つ他のモジユール保持クリツ
プ７０を示す。第９図に示すように、このような
保持クリツプは気密炉のスチール殻７８の内側面
にセラミツクモジユール７６の上端（又は側面）
を固着するために使うことができる。このような
構造は、例えば製作物を酸化から保護する可燃性
ガスを使用する空気炉、又は炭化又は炭素窒化の
ような材料処理において使用される。第１３図は
スチール殻にモジユールの端又は側を固着するた
めに有用な他の保持クリツプ８０を示す。両クリ
ツプはボルト、溶接又は爆発駆動締め具によつて
炉殻に固着することができる。

第１１図及び第１２図は、相互はぎの一対の隣
接したセラミツクモジユール９２，９３を炉殻７
８に固着するための保持クリツプ装置９０、すな
わち、接合する側面のふちに沿つて補足的にずれ
た段の或る外形であるブロツクを直接的に延びた
分割線なしで密接して組合わせるための該保持ク
リツプ装置９０を示す。この保持具９０は、相並
んで反対方向に延在する一対のフオーク９４，９
５をもつて形成され、フオーク９４，９５はそこ
に埋められてそれぞれのモジユールの側端に差込
まれる。該保持具は、一つ又はそれ以上の溶接穴
９６を通してなされる溶接によつて炉殻の内側表
面に固着されるようになつている。

この装置はさらに炉の裏張りとしてのモジユー
ルの組立てを迅速にすることを提供し、さらにそ
れらを適所に確実に保持するためにモジユールの
把握を確実に行うことを提供する。スパイクは比
較的細い分割されたそれぞれの腕１００，１０２
によつて支えられ、それによつてスパイクの領域
から炉殻への熱の伝導を最少にする。

第１４図乃至第１８図は多層絶縁体を適所に保
持するための保持クリツプ装置を図示する。ここ
に開示されるものは新しく建造されたもの又は両
裏張りした古い炉の両方のために炉殻１１０に絶
縁ブロツクを固着するためのものである。多層の
絶縁体の装置の一つの有利性は、ひる石のような
比較的安価な絶縁材料を１１２，１１４で示され
るより冷えた外側及び中間のブロツクのために使
い、これに反して高性能であるがよりコストの高
いセラミツクモジユール３２は要求がより厳しい
より熱くある内部ブロツクとして使うことができ
ることである。ある特別な装置においては、外側
と中間とのブロツク１１２，１１４が5.1cmの厚
さで内側モジユール３２が12.7cmの厚さであつ
た。

このような多数の絶縁層を適所に固着するため
に、第１４図の実施例は複数のスパイクを有する
保持クリツプ１２０（第１８図の詳細な斜視図に
示される）を備えている。このようなクリツプ
は、第一の垂直に積み重ねられた外側絶縁ブロツ
ク１１２の間に延在する２つの水平支え腕１２
２，１２４を有する。このブロツクの第１セツト
の水平方向の中央点附近には、上方を向いたスパ
イク１２６が一つの腕１２２の上方に曲つた半分
の幅の部分によつて形成され、上方の外側ブロツ
ク１１２の中に埋込まれる。さらに遠い水平位置
の点において、他のアーム１２４の一部分は下側
の中間ブロツク１１４内に埋込まれた第２のスパ
イク１２８を下向きに形成している。

アーム１２２，１２４の残りの部分は、第２の
積み重ねのブロツク１１４の内側面まで水平方向
に続き、そこにおいてアーム１２２，１２４はそ
れぞれ上方及び下方に延在する部分１３０，１３
２を持つて形成される。これらの後者の部分は、
その端部においてそれぞれ上と下を向いた各スパ
イク１３８，１４０を支えるそれに対応した水平
部分１３４，１３６を持つている。これらの後者
のスパイクは、垂直方向に間隔を置いて離れたモ
ジユール部分４２（概略第７図に示す装置におけ
るように）に埋込まれる。隣接し一定の間隔を置
いた部分４２の間の領域には、前述したように巻
かれて圧縮されたブラケツト５０が配置される。

第１５図乃至第１７図は絶縁体の多数の層を設
置する工程の順序を示す。最初に、絶縁ブロツク
１１２，１１４及びモジユール３２は例えばそれ
らの下側のふち（図示せず）に複数のスパイクを
差込まれて適所に置かれる。次に、保持クリツプ
１２０の下向きのスパイクが、対応するブロツク
と外側のモジユール部分の中に挿入される。次
に、保持装置の垂直支持板１４２の上方部分は、
例えば溶接その他の方法によつて炉殻７８に固着
される。上方ブロツク１１２，１１４は、対応す
る上向きのスパイクを刺されたブロツク１１２と
一緒に適所に置かれる。次に、巻かれたセラミツ
クブランケツト５０が図示のように配置され、上
方のモジユール３２が上方を向いたスパイク１４
０の上に降ろされる。この工程は、次のより上方
のブロツク層へ、さらに上方のブロツク層へと続
けられる。

いくつかの好ましい実施例が今までに詳細に述
べられたが、本実施例は発明を説明する目的のた
めであり、この技術に精通した者が多くの方法で
本発明を変形して異つた応用の要求を満たすこと
ができるのであるから、発明を必然的に制限する
ものとして考えられるべきでないということに注
意されたい。例えば、第１４図の構成において、
もし附加する絶縁ブロツク１１２，１１４が必要
ない時には、セラミツクモジユール３２は第１８
図のような保持クリツプによつて炉殻７８に直接
固着することができ、アーム１２２，１２４及び
連合スパイク１２６，１２８が省かれる。このよ
うに変形された保持装置において、水平腕１３
４，１３６は垂直支持板１４２に直接連結されて
炉殻に固着されることができる。本発明の範囲内
でさらに他の変形ができることがこの技術に精通
した者にとつて明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は側壁と屋根の両方の軽量セラミツクモ
ジユールによつて絶縁された工業炉を示す斜視図
である。第２図は段付き形状ノセラミツクモジユ
ールの一つを示す斜視図である。第３図は一つの
側壁と屋根の一部について炉の鉛直断面図であ
る。第４図は炉の外部から見た一つの側の壁パネ
ルの正面図である。第５図はモジユールパネルの
上端を示す平面図である。第６図は第３図の線５
―５に沿つた水平断面図である。第７図は二つの
セラミツクモジユールの間にあるセラミツクブラ
ンケツトを示す詳細な鉛直断面図である。第８図
は第６図に示したモジユールと一緒に使用する保
持クリツプの斜視図である。第９図は他の保持ク
リツプ装置を示す断面図である。第１０図は第９
図に示す保持クリツプ装置の斜視図である。第１
１図はさらに他の保持クリツプ装置を示す断面図
である。第１２図は第１１図に示す保持クリツプ
装置の斜視図である。第１３図はさらに他の保持
クリツプ装置の斜視図である。第１４図はさらに
他の保持クリツプ装置を示す一部断面を含む側面
図である。第１５図乃至第１７図は第１４図に示
した保持クリツプ装置を使用してモジユールを組
立てる順序を順次示す断面図である。第１８図は
第１４図で使用する保持クリツプ装置の斜視図で
ある。 ２２……側壁、２４…屋根、２６…側パネル、
２８…屋根パネル、３０…パツクステイ、３２…
絶縁モジユール、４０…内側部分、４２…外側部
分、５０…絶縁ブランケツト、５２…ブランケツ
トの尾部、５４…角部材、５６…保持クリツプ、
６２…バネ留め金、６４…ロツクバー、５８，６
０…スパイク、７０…保持クリツプ、７６…セラ
ミツクモジユール、７８…炉殻、９０…保持装
置、９４，９５…スパイク、９６…溶接穴、１０
０…腕、１０２…腕、１１０…炉殻、１１２…絶
縁ブロツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 物質を熱処理等をするために使用する工業炉
   であつて、 並べて配置された複数のセラミツクフアイバー
   の絶縁モジユールであつて、炉の内部に表面を向
   けた内側部分を有し、該内側部分の側縁が極近接
   して組合わされて実質的に連続絶縁領域を形成
   し、さらに、上記内側部分と一体であつて、横寸
   法が内側部分の寸法より小さい後退側縁を形成し
   ている外側部分を有する該絶縁モジユールと、 上記後退側縁の間の領域に配置され、実質的に
   ここを満たし可撓性がありかつ圧縮可能な絶縁材
   料と、 上記モジユールを適所に固定するための支持手
   段とを包含することを特徴とする工業炉。 ２ 上記セラミツクフアイバーの絶縁モジユール
   が、並んだパネル内に配置され、該パネルはこれ
   を形成する一群のモジユールに沿つて延在する細
   長い支持部材を有し、上記一群のモジユールがこ
   れを上記支持手段に固定するための手段を有する
   特許請求の範囲第１項記載の工業炉。 ３ 上記の内側及び外側の部分が、両側平面が平
   行なブロツク状でかつ概略矩形の形状であつて、
   上記両側平面が炉の内部及び外部を向いている特
   許請求の範囲第１項記載の工業炉。 ４ 上記モジユールが内側及び外側の部分の間に
   中間部を有し、該中間部が上記内側及び外側の部
   分を結ぶ滑らかな先細型の側面である特許請求の
   範囲第３項記載の工業炉。 ５ 上記の可撓性があり圧縮可能な絶縁材料が、
   巻かれたブランケツト状の要素を包含する特許請
   求の範囲第１項記載の工業炉。 ６ 上記ブランケツト状要素の一部が、近接する
   モジユールの内側部分の側端相互の間に延在する
   特許請求の範囲第５項記載の工業炉。 ７ 上記ブランケツト状要素が、近接するモジユ
   ールの内側部分の内側面をわずかの距離だけ越え
   て延在して炉内部に入つている尾部を有する特許
   請求の範囲第６項記載の工業炉。