JPH0256586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、加熱炉、灼熱炉、焼成炉、熱処理炉
などの工業炉のライニングに用いる炉壁打張り用
ユニツトの改良に関するものである。

［従来の技術］ 従来、炉壁の打張り材として、セラミツクフア
イバー、アルミナフアイバーのような耐熱性無機
繊維を立方状に積層してなる繊維ブロツクを使用
し、この繊維ブロツクを、それに突き刺した支持
金具の長い支持部材に予め支持しておき、前記ブ
ロツクを炉壁に当て付けた状態で、支持金具を炉
壁側のスタツドボルト等に固定して炉壁のライニ
ングを構成するものが知られている。

上記炉壁の打張り用支持金具の使用によれば、
繊維ブロツクを予め支持金具側に突き刺して支持
しておくので、打張り作業に当り、繊維ブロツク
を炉壁に仮止めするための金具が不要となり、か
つ仮止め作業を全面的に省くことができる。

［発明が解決しようとする課題］ 上記繊維ブロツクによるライニングは、ペーパ
ーライニングに比べ、より高温の炉に使用される
ことが多い。その場合、ブロツクを支持する金属
製支持金具は長期間にわたつて、熱応力を受ける
ので、耐クリープ（へたり）性を向上させること
が築炉上重要なポイントとなつている。

従来の支持金具（繊維ブロツクに突き刺す部
分）は、長方形断面のプレートを使用し、耐クリ
ープ性を考慮してプレートの厚さ面で断熱ブロツ
クを受けているが、このタイプは、ライニング後
の運搬、据付け、操業時の微震動等の外的衝撃に
対し、ブロツクを形成している繊維のズレによる
移動または切断による垂れ下がり現象を起こさせ
る原因となつている。

また、前述した支持金具にあつては、その長い
支持部材は繊維ブロツクに突き刺して用いるの
で、片持梁としなければならないが、片持梁によ
る支持部材は、熱応力によつて撓みやすく、耐ク
リープ性に著しく劣るので、長期の使用には適さ
ない。

［発明の目的］ 本発明は、前記繊維ブロツクに用いる支持金具
の欠点を除去するためになされたものであつて、
繊維ブロツクに突き刺した支持部材で繊維ブロツ
クのフアイバーが切断されたり、ズレを生じたり
することなく、繊維ブロツクを安定よく支持で
き、しかも熱応力による撓みを確実に防止するこ
とのできる炉壁の打張り用ユニツトを提供するこ
とを目的としているものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記目的を達成するため、繊維ブロ
ツクに支持金具の支持部材を突き刺して構成する
炉壁打張り用ユニツトにおいて、断面溝状形で先
端が尖鋭に形成された長い支持部材をもつ支持金
具と、同じく断面が溝状形で先端が尖鋭に形成さ
れた短い支持部材をもつ支持金具とが一対とさ
れ、炉壁の打張り繊維ブロツクの一端面から他端
面近くまで突き刺した前記長い支持部材の先端部
分に、他端面から突き刺した前記短い支持部材の
先端部分が重ね合わされる構成より、上述した問
題点の解決を図つたものである。

［作用］ 上記構成の炉壁の打張り用ユニツトにおいて
は、繊維ブロツクに突き刺す支持部材は断面溝状
形とされているので、繊維ブロツクは広い面積部
分で支えられる。

また、長い支持部材は短い支持部材と共同して
両持梁として機能すると共に支持部材を断面溝状
形としたこととあいまつて、耐クリープ性の大幅
な向上が得られる。

［実施例］ 以下、本発明をその実施の一例を示す図面に基
づいて具体的に説明する。

第１図乃至第３図において、１は繊維ブロツ
ク、２，３は一対の支持金具である。各支持金具
２，３はそれぞれ１枚の帯板から屈曲形成されて
いる。

一方の支持金具２は、炉壁側に取付けられる座
板部分２ａと、その一端から起立する立板部分２
ｂと、その先端から前記座板部分に平行に長く張
り出す支持板部分２ｃとから成り、前記繊維ブロ
ツク１を突き刺す支持板部分２ｃは断面Ｖ形に形
成され、かつ先端は尖鋭にされている。

他方の支持金具３は、炉壁側に取付けられる座
板部分３ａと、その一端から起立する立板部分３
ｂと、その先端から前記座板部分３ａに平行に短
く張り出す支持板部分３ｃとから成り、前記繊維
ブロツク１を突き刺す支持板部分３ｃは、、前記
支持板部分２ｃと同様に、断面をＶ形に形成さ
れ、先端は尖鋭にされている。

第１図は、前記一対の支持金具２，３によつて
繊維ブロツク１を炉壁に打張りする状態を示した
ものである。４は鋼板の炉壁、５は耐熱無機繊維
からなるバツクアツプ断熱材、６は炉壁に設けら
れたスタツドボルト、７は座金、８はナツトであ
る。上記実施例では、炉壁４を打張りする繊維ブ
ロツク１は、第２図に示すように、繊維ブランケ
ツトを多層に折り畳んで圧縮し、バンド９で締め
付けたものが使用されている。

そこで、前記繊維ブロツク１で炉壁４を打張り
するには、第２図に示すように、予め支持金具２
の支持板部分２ｃを繊維ブロツク１に突き刺して
おき、この支持金具付き繊維ブロツク１を、第１
図に示すように、炉壁内のバツクアツプ断熱材５
に当て付け、ここで予め固定された隣接する同じ
支持金具３の支持板部分３ｃに繊維ブロツク１の
反対側を突き刺し、その支持利板部分３ｃをその
熱面側となるように、前記支持部分２ｃの先端部
分に重ね合わせ、次いで両支持金具２，３の座板
部分２ａ，３ａをスタツドボルト６に通し、ナツ
ト８をかけて締め付けて固定する。このようにし
て繊維ブロツク１を順次に並べて固定したあと、
バンド９を切断すると、繊維ブロツクを形成して
いるブランケツトは積層方向に復元し、隣り同志
の繊維ブロツクは密着して一体構造となる。

上記構成の炉壁の打張り用ユニツトにあつて
は、断面Ｖ形とした広い面積部分で繊維ブロツク
を受け止めているので、繊維ブロツクの内張り作
業あるいは操業時の微震動などで、フアイバーを
切断させたり、ズレを生じさせたりする現象は起
こらない。

また、支持金具の耐クリープ性ついてみると、
繊維ブロツクの一端面から突き刺してブロツクを
実質的に支持する支持板部分２ｃの先端部分に、
他端面から突き刺した短い支持板部分３ｃが重ね
合わされるので、熱応力による潜在撓みの大きい
長い方の支持板部分２ｃの撓みを、熱応力による
撓み性の小さい短い方の支持部材３ｃが補う状態
で全体が両時梁として機能すると共に支持板部分
２ｃ，３ｃを断面Ｖ形としたこととあいまつて、
高温での優れた耐クリープ性が得られる。

前記長い支持板部分２ｃの先端に重ね合わす短
い支持板部分２ｃは、熱応力による撓みを生じさ
せない範囲で可及的に短くするのがよく、両者の
重ね合わせ位置はブロツク端面から50ｍ／ｍ程度
とするのが好ましい。

また、一対の支持金具２，３のうち、長い支持
板部分２ｃをもつ支持金具２は、繊維ブロツクの
製造工場で予めブロツクに突き刺しておくことが
できるので、現場での打張り作業の能率を大幅に
向上させることができる。

なお、前記実施例では前記両支持金具２，３の
支持板部分２ｃ，３ｃの断面をＶ形としたが、支
持板部分の断面はＵ形、形、半筒形等の溝状形
にしてもよい。

［発明の効果］ 以上に述べたように、本発明によれば、繊維ブ
ロツクに突き刺して用いる支持金具に、断面溝状
形の長い支持部材をもつ支持金具と、断面溝状形
の短い支持部材をもつ支持金具を使用し、繊維ブ
ロツク内で長い支持部材の先端に短い支持部材の
先端を重ね合わせ、両支持金具で両持梁として機
能させているので、繊維ブロツクを安全確実に支
持できると共に熱応力による撓みを確実に防止で
き耐クリープ性に優れた炉壁打張り用ユニツトを
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す炉壁打張り用
ユニツトの取付状態の平面図、第２図は打張り用
ユニツトの斜視図、第３図は一対の支持金具の斜
視図である。 １……繊維ブロツク、２，３……支持金具、２
ａ，３ａ……座板部分、２ｂ，３ｂ……立板部
分、２ｃ，３ｃ……支持板部分、４……炉壁、５
……バツクアツプ断熱材、６……スタツドボル
ト、７……座金、８……ナツト、９……ブロツク
バンド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維ブロツクに支持金具の支持部材を突き刺
   して構成する炉壁打張り用ユニトにおいて、断面
   溝状形で先端が尖鋭に形成された長い支持部材を
   もつ支持金具と、同じく断面が溝状形で先端が尖
   鋭に形成された短い支持部材をもつ支持金具とが
   一対とされ、炉壁の打張り繊維ブロツクの一端面
   から他端面近くまで突き刺した前記長い支持材の
   先端部分に、他端面から突き刺した前記短い支持
   部材の先端部分が重ね合わされるように構成され
   ていることを特徴とする炉壁打張り用ユニツト。 ２ 両支持金具の長い支持部材および短い支持部
   材の断面がＶ形とされている第１請求項記載の炉
   壁打張り用ユニツト。