JPH0121377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は薄型の電子機器のハウジングに関
し、特に、例えば電子計算機、プリンター等の入
力装置であるキーボードのように常時オペレータ
ーがキーボード上のキーを押圧することによりハ
ウジングに押下荷重がかかる電子機器のハウジン
グに関するものである。

近年、電子技術の発展に伴なつて電子機器も小
形化、薄型化が進められてきた。上記のようなキ
ーボードにおいても従来は機械式あるいはリード
スイツチ等を用いた厚味のあるキーボードが用い
られていたが、近年は、第１図にこの考案の電子
機器であるキーボードに実施されている単一のキ
ースイツチ１に示すように、一枚のプリント基板
２上に多数対の固定接点３，３（一対のみ図示）
及びそのリード線（図示せず）をプリント配線
し、その基板２の上面に各固定接点対３，３を覆
うドーム部４を有するウレタンゴムよりなる弾性
体５を配置し、そのドーム部４の頂部下面に固定
されたスポンジ６下面に可動接点７を配置し、そ
の可動接点７上方に配置されたキー８が押下げら
れたとき、可動接点７により対向する固定接点対
３，３を橋絡する構成のキースイツチを有するキ
ーボードが用いられるようになつた。なお、プリ
ント基板２と固定接点３，３の端部とを貫通して
形成された一対の貫通孔９，９は弾性体５のドー
ム部４の内外を連通するためのものであり、キー
８が押下げられたときドーム部４内の空気を貫通
孔９，９を通して排出し、キー８の押下げが解除
されて、キー８が弾性体５の復元力により復帰す
るとき、外気をドーム部４内に流入させるための
ものである。

この種のキーボードは第１図に示すように主と
してプリント基板２と弾性体６とを収納するのみ
であるため、高さ方向寸法を小さくすることが可
能である。

しかし、キーボードは隣接するキー間の距離を
小さくすることができないためキーボードの大き
さ（幅×奥行）を小さくすることができず、薄型
化、軽量化のみが進められてきた。第２図はこの
考案による改良前の薄型化されたキーボード１０
の底面を示し、ハウジング下体１１の下面の四隅
にはそれぞれゴム足１２が固定され、このハウジ
ング下体１１は３個の固定ねじ１３によつてハウ
ジング上体１４に固定されている。このような薄
型のキーボードはそのハウジング１１，１４に十
分な剛性がないとオペレーターがタイピング操作
時に第３図に示すように両手（片方のみ図示）を
キーボード１０上にかけてキー８の押下げ動作を
繰返したとき、ハウジング１１，１４が湾曲する
とともに上下方向に微小振動し、操作性の悪いも
のとなる。

そのため従来ではハウジング内に補強リブを多
数設けたり、ハウジングの外壁を厚くすることが
必要であり、ハウジングの内部構造が複雑になつ
たり、重くて高価なものとなつていた。

この考案はこのような欠点を解消するためにな
されたものであり、以下に図面を参照してこの考
案を説明する。

第４図はこの考案を実施したキーボード２０を
底面から見た斜面図であり、キーボード２０のハ
ウジング下体２１の下面の四隅にはそれぞれ一個
のゴム足２２が固定され、このハウジング下体２
１は３個の固定ねじ２３によりハウジング上体２
４に固定されている。キーボード２０前方（第４
図において下方）の一対のゴム足２２，２２の中
間には下端縁が丸みを滞びた円筒状の一個の補助
脚２５が形成されている。この補助脚２５は第５
図に示すようにゴム足２２の高さＡよりも僅かに
小さくされており、補助脚２５の高さＢはゴム足
２２の高さＡの１／２〜２／３が好ましい。

このような構成のキーボード２０はキーボード
２０上面から垂直荷重が加わつた場合にキーボー
ド２０が微小量湾曲したのち、補助脚２５がテー
ブル面に当接するため、タイピング動作時にハウ
ジング２１，２４が微小振動することはない。ま
た、タイピング中に補助脚２５下面が僅かに浮き
上がり、ハウジング２１，２４が極小振動する場
合もあるが、その程度の振動はオペレーターに不
快感を与えることはなく、操作性を悪くすること
はない。

またハウジングの内部構造を簡単にできるとと
もにハウジング外壁を比較的薄くすることができ
るため安価に製作できるとともに軽量なキーボー
ドを提供することができるものである。

なお、この実施例では補助脚２５の形状として
円筒状のものを示したが、第６図ａ，ｂ，ｃにそ
れぞれ示すように半球状、半円形状あるいは台形
状の補助脚２５ａ，２５ｂ，２５ｃであつても同
様の効果が得られる。

また、第４図、第５図に示す実施例で補助脚２
５をオペレーター側下面にのみ設けた理由はオペ
レーターに近いほどキーボードに加えられる垂直
荷重が大きく、また、通常、キーボード上面はオ
ペレーター側が低くなるように傾斜しており、前
端部の方が垂直荷重に対する剛性が弱いためであ
る。

なお、この実施例ではこの考案をキーボードに
実施した例を示したが、垂直荷重の加えられる各
種の薄型の電子機器にこの考案を適用できること
はもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図はキースイツチの断面図を示し、第２図
は従来のキーボードを底面からみた斜面図、第３
図は従来のキーボードに垂直荷重を加えた状態の
説明図、第４図はこの考案を実施したキーボード
を底面からみた斜面図、第５図は部分断面正面
図、第６図ａ，ｂおよびｃはそれぞれ他の実施例
を示す部分斜面図である。 図中、２０はキーボード（電子機器）、２１は
ハウジング下体、２２はゴム足（脚体）、２５は
補助脚である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幅方向あるいは奥行方向の寸法に比べて高さ方
   向寸法が小さい薄型の電子機器のハウジングにお
   いて、そのハウジング底壁下面の四隅に所定高さ
   の脚体を設けるとともに、その底壁下面の長手方
   向のほぼ中央に前記脚体の高さよりも僅かに小さ
   い高さの少なくとも１個の補助脚を設けたことを
   特徴とする電子機器のハウジング。