JPS6344252B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規かつ改良された押釦スイツチ用の
押釦構造体、詳しくは押釦操作に当りその押圧部
を一定方向に傾した状態で動作する、各種キーボ
ード装置の押釦スイツチに適用して有用な押釦構
造体に関するものである。

近年、各種キーボード装置に組込まれる多数個
の押釦スイツチの一形態として、ゴム弾性体から
なり、ドーム構造を有する押釦構造体を使用する
ものが広く採用されるに至つている。この種の押
釦スイツチでは、ゴム材料本来の弾力性ならびに
ドーム構造がもつ弾性挙動を利用して押釦動作が
作なわれるため、押釦復帰用のコイルスプリング
等を組込んだこれまでの押釦スイツチに比較して
その部品点数が少なく、キーボード装置の薄型
化、小型化ならびに構造の簡素化に大いに寄与す
るものである。

しかしながら、このゴム弾性体からなるドーム
構造の押釦構造体では、その中央の比較的肉厚と
された押圧部に力を加えるとき、該押圧部に連設
一体化した周囲方向に均等な肉厚のリング状周壁
部を座屈変形させてその押圧部を正しく降下させ
ることを意図して設計されてはいるが、実際には
押釦操作に当つて、その押圧部を意図した通り正
確に降下させることがむつかしく、大かれ少なか
れ斜め押しの状態となり、この傾向は押釦ストロ
ークが大きくなるほど著しく、その結果、押圧部
の下方に担持一体化した可動接点を、通常１対の
対向電極からなる固定接点に対して、厳密に同時
に接触させることができず、可動接点が対向電極
の一方に接触してから他方の電極に接触するわず
かな時間差が生じるため、これが押釦スイツチの
チヤタリング、パウンシング等の原因になりやす
いという問題があつた。また、卓上式電子計算機
（カリキユレータ）などの小ピツチで多数個の押
釦を配列してなるキーボード装置では、一般に押
釦周囲でいかなる方向からの押釦操作も可能とさ
れているため、方向の定まらない斜め押しは、特
に押釦操作の指先感覚を誤らせ易く、近接押釦を
押し易いという操作ミスを招く原因となるなどの
不利があつた。

本発明はかかる問題点にかんがみ提案された新
規かつ改良された押釦スイツチ用の押釦構造体に
関するものであつて、これは(イ)押圧部と、(ロ)該押
圧部の周囲に連設され、その内側にストローク空
間を形成するリング状周壁部、および(ハ)該周壁部
の周囲に連設された支持部とをゴム弾性体材料で
一体的に構成してなるドーム状押釦構造体の、、
上記リング状周壁部の肉厚を上記押圧部より肉薄
とすると共に、その周囲方向の少なくとも一部を
他の部分より肉薄となし、上記押圧部に押圧力を
印加するとき、押圧部とリング状周壁部の肉厚部
分との連設部をヒンジ様に屈曲させてリング状周
壁部の少なくとも１つの肉薄部分の方向に傾斜し
て動作させることを特徴とするものである。

以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。

まず、第１図は本発明になる押釦構造体の代表
的実施例を示す斜視図、第２図はその縦断面図、
第３図はそのリング状周壁部の横断面図であり、
図中１は肉厚の押圧部、２はリング状周壁部、３
は支持部であつて、上記周壁部２の一部２ａが他
の部分２ｂよりも肉薄に形成され、押釦操作に当
つて押圧部２の上から普通に力を加えるとき、こ
のドーム状構造の押釦は押圧部１と周壁部の肉厚
部分２ｂとの連設部のほゞ中央部Ｃを中心にして
ヒンジ様に屈曲されると共に、周壁部の肉薄部分
２ａが座屈変形し、傾斜した状態で押釦動作が行
なわれ、この押釦構造体の上記のような挙動は押
釦操作を極く普通の仕方で行なうときには不変的
なものとされる。したがつて、この押釦構造体の
場合、たとえば可動接点４およびプリント回路基
板５上の固定接点６を、第２図に２点鎖線で示す
ような配置のもとに配設するときは、可動接点４
を固定接点６に対して常に一定の状態で接触させ
るようにすることができ、これによつて前記した
従来のドーム構造を有する押釦構造体におけるよ
うな斜め押しに伴なう不利、欠点を解消できるの
である。

なお、第１図には、１個の押釦構造体について
例示したが、本発明の押釦構造体をたとえばキー
ボード装置に適用する場合には、通常第１図に示
すような構造体の多数個を平面的に整配列した状
態で連設一体化してシート状の形態として使用さ
れることを理解すべきである。

上記した本発明になる押釦構造体は、これをキ
ーボード装置などに適用する場合、JISに規定さ
れるゴム硬度が20〜80、好ましくは30〜70のゴム
弾性体で構成して、その押釦操作に当つて常に不
変的に傾斜した状態で動作させるようにするため
には、リング状周壁部２の肉薄部分２ａと肉厚部
分２ｂとの比を１：1.2〜５、好ましくは１：1.8
〜３とし、肉薄部分２ａの肉厚を0.1〜1.0mmとす
ることがよく、また、押圧部１の肉厚は上記リン
グ状周壁部２の肉厚部２ｂと同じかそれ以上とす
るべきである。

つぎに、第４図、第５図は本発明の他の実施例
を示すものであつて、これは平面形状が長円形の
押釦構造体を示すものであつて、このリング状周
壁部２には２つの肉薄部分２ａが設けられてお
り、この場合、周壁部の肉厚部分２ｂのほゞ中央
Ｃ，Ｃを中心してシーソー様の押釦操作が可能と
されるから、押圧部１ａと押圧部１ｂの下方にそ
れぞれ押釦スイツチ要素を設ければ、１つの押釦
構造体で２つのスイツチ機能を持たせることがで
きる。また、第６図，第７図，第８図はそれぞれ
本発明になる押釦構造体の他の実施例における、
第５図に対応したリング状周壁部２の横断面形状
を示すものであつて、これらの押釦構造体におい
てもそれぞれ周壁２の肉厚部分２ｂのほゞ中央Ｃ
点を中心にして肉薄部分２ａが座屈変形するよう
に動作させることができるものであり、特に第７
図，第８図に示す実施例においてはそれぞれ１つ
の押釦構造体で４つの押釦操作を可能とするもの
である。

なお、第１図〜第８図にはゴム弾性体からなる
押釦構造体のみを図示したが、これらの押釦構造
体はたとえばキーボード装置に適用するに当り、
これらを従来公知のキーボード装置同様にプリン
ト回路基板上に配置し、要すればその押圧部１の
上にキートツプ部材を配置して、アツパーボード
部材などと共に組立一体化され、特に第４図〜第
８図に示すものの場合は、シーソー様のスイツチ
操作感覚があつて、テレビジヨン、オーデイオ機
器、電子がん具等における操作スイツチとして有
用であり、またこれらの押釦構造体に公知のキー
ロツク機構を付して組立一体化すれば各種電気電
子装置の電源スイツチ、切換スイツチなどとして
有用なものとされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる押釦構造体の代表的実施
例の斜視図、第２図はその縦断面図、第３図はそ
のリング状周壁部の横断面図である。第４図は他
の実施例の斜視図、第５図はそのリング状周壁部
の横断面図である。第６図〜第８図はそれぞれ本
発明の他の異なる実施例におけるリング状周壁部
の横断面図である。 １……押圧部、２……リング状周壁部、２ａ…
…肉薄部分、２ｂ……肉厚部分、３……支持部、
４……可動接点、５……プント回路基板、６……
固定接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ (イ)押圧部と、(ロ)該押圧部の周囲に連設され、
   その内側にストローク空間を形成するリング状周
   壁部、および(ハ)該周壁部の周囲に連設された支持
   部とをゴム弾性体材料で一体的に構成してなるド
   ーム状押釦構造体の、上記リング状周壁部の肉厚
   を上記押圧部より肉薄とすると共に、その周囲方
   向の少なくとも一部を他の部分より肉薄となし、
   上記押圧部に押圧力を印加するとき、押圧部とリ
   ング状周壁部の肉厚部分との連設部をヒンジ様に
   屈曲させてリング状周壁部の少なくとも１つの肉
   薄部分の方向に傾斜して動作させることを特徴と
   する、押釦スイツチ用押釦構造体。