JP4221338B2 - キースイッチ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電卓、赤外線リモコン、携帯電話機、携帯情報端末機器、等々の電子機器に用いられるキースイッチ構造の改良に関する。
各種の電子機器に用いられるキースイッチは、例えば[特許文献1]に開示されているタクトスイッチのように、基板の中心部に形成された第1固定電極と、その周囲に形成された第2固定電極を形成し、その上部に導電性ばね材でなるドームスイッチ板を載置し、その中央部の上位に押釦を配置し、この押釦がドームスイッチ板の方向に押操作されないスイッチオフ状態においては、ドームスイッチの周辺部が第2固定電極に接し、中心部がドームスイッチの第1固定電極から離隔した状態にされ、一方、押釦が押操作されるスイッチオン状態においては、ドームスイッチの周辺部が第2固定電極に接した状態で中心部がドームスイッチ板の第1固定電極に接触された状態、即ち、第1固定電極と第2固定電極がドームスイッチ板を介して導通状態にされる。
このようなタクトスイッチ(キースイッチ)は、オン/オフの押操作を行うときにドームスイッチ板の反転動作に伴うクリック感(反動感覚)が生じるのでユーザーに対してスイッチを操作したことを確実に認知させることができ優れた使用感を有するものである。
このようなキースイッチは、1つの独立したスイッチとして構成される場合もあるが、縦横方向に多数のキースイッチを並べたフルキーボードやテンキー等を構成するにはその厚み方向の寸法が大きくなってしまい、近年、特に要望されている機器の薄型化に応えられず、例えば図5に示す状態10のようなキースイッチ構造が採用されることが多い。
即ち、電子機器の筐体の一部を構成するカバー1の表面には多数のキースイッチ穴が開口して形成され、その開口には、可撓性を有する連結板6を用いて縦横方向に多数が連結された押釦5が露呈される。
このような連結板6の下位に対向して印刷配線基板2が配置され、その表面には中心導体部2aが露呈した状態で形成され、この中心導体部2aの周囲に周辺導体部2bが露呈して形成されている。
中心導体部2aと周辺導体部2bの上位には、導電性を持ったぱね材で形成されたドームスイッチ4が載置され、その上位に押釦5が配置され押釦5の下部に柱状に延出する突出部5aが形成され、このドームスイッチ4の周囲は絶縁材でなるシート3で覆われている。
従って、押釦5を手指でもって押操作すると、その突出部5aでドームスイッチ4の中央部が押され、ドームスイッチ4が反転されてその周辺部が周辺導体部2bに接した状態でドームスイッチ4の中央部が中心導体部2aに接し、中心導体部2aと周辺導体部2bの導通がドームスイッチ4を介してなされ、スイッチオン状態にされる。
このような状態10において、押釦5の押操作が解除開始されると、押釦5が上方に移動するに伴ってドームスイッチ4の中央部の押圧が解除されドームスイッチ4の自身のばね力によって自身の中央部が中心導体部2aから離隔し状態20に示すようにドームスイッチ4が自由状態にされる。
この状態20の直後には、状態30として示すようにドームスイッチ4が自由状態のまま、押釦5が連結板6による復帰力等によってその突出部5aがドームスイッチ4の中央部から完全に離隔した初期位置に復旧する。
押釦5の材質は、比較的に柔らかいプラスチック系材質もしくはゴム系材質で作られ、連結板6にばね力を持たせ、自然位置で状態30に示すようにドームスイッチ4と突出部5aが完全に離間した状態になるように設定されている。
特開平7−29450号公報(図1〜図3、[0011]〜[0015]に開示)
従来のキースイッチ構造は、ドームスイッチ板を押操作するための押釦の材質が、比較的に柔らかいプラスチック系材質もしくはゴム系材質で作られているので、押釦自身の軟質材に特有のべたつきがあるため、押釦を押下した際に、印刷配線基板の上のドームスイッチ板の接触面に一瞬吸盤状にへばりついてから復帰するために、正規の初期状態に戻るまでに僅かの時間が必要とされ、このためにキーを短い周期で連続的に押操作することができないという問題がある。
この問題は、特に当該電子機器が携帯電話機である場合に顕著に生じ、メール作成の文字入力や動作指令を与えるためのキースイッチの釦をユーザが頻繁に押操作する状態で使用される際に短い周期で何回も押操作することに対応できず、その操作性の改善が求められている。
従来のキースイッチ構造では押釦に軟質材が使用されているので、押釦の表面と印刷配線基板の接触面が吸盤状にへばりついてしまう現象が発生していが、この現象を解決する手段として単純に押釦の先端の突出部の寸法を伸ばすと、キースイッチ構造そのものの厚み方向の寸法が増大してしまい、小型薄型化の要求に応えることができず、また、部品精度、装置組立等によるバラツキで反発力が過大になりキーを押し切った状態にロックされてしまうことがあるので、解決策とはならないという現状である。
そこで、本発明の目的は、各種電子機器に用いられるキースイッチ構造において、キースイッチの押操作を短い周期で頻繁に行っても確実にスイッチ作動を行わせることができるキースイッチ構造を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明によるキースイッチ構造は、次に列挙するような特徴的な構成を採用している。
(1)印刷配線基板の一面に略同心状に形成された中心導体及び周辺導体を有する接点導体部と、
前記周辺導体と接触し前記印刷配線基板の前記一面から中央部突出するばね性を有する導電性のドームスイッチ板と、
該ドームスイッチ板の前記中央部を押下することにより前記印刷配線基板の前記中心導体及び前記周辺導体間を接触させる押釦とを含むキースイッチ構造において、
前記押釦には、前記ドームスイッチ板との対向部に形成された突出部及び該突出部の前記ドームスイッチ板の前記中央部に向けて形成された押子を有する軟質材料が使用され、前記押子は、前記ドームスイッチと当接して押し潰される高さ及び形状が調整された突起部分を有するキースイッチ構造。
(2)前記押釦の前記押子は、少なくとも1個の略半球状の突起である上記(1)のキースイッチ構造。
(3)前記押釦の前記押子は、略平面状の当接面に溝部が形成された先端形状を有する上記(1)のキースイッチ構造。
(4)前記印刷配線基板には前記接点導体部が相互に離間して複数個形成され、前記押し釦は前記印刷配線基板の前記接点導体部に対応して相互に連結板で連結されて複数個形成される上記(1)乃至(3)の何れかのキースイッチ構造。
携帯電話での電子メール使用時に文章を作成する等の際に、押釦を連続的に押操作して文字入力する場合であっても、本発明によるキースイッチ構造は、押釦を押操作してから復帰するまでの時間が短縮されているので連続キー押下の操作性を著しく向上させることができる。
また、従来のキースイッチ構造では押釦を指で押下して素早く離した場合、押釦の押子が軟質材であるので、押子が当接点(ドームスイッチの中央)に一瞬、へばり付くために離した指にキーボタンが追従せずに遅れて復帰してしまう現象が起こってしまい、このときに押釦が復帰する際には、キー操作とは僅かにずれたタイミングで押釦が機器ケースにぶつかってパチンという異音が発生する可能性があったが、本発明によるキースイッチ構造は、ドームスイッチの中央を押操作し得る押子の先端形状を、該ドームスイッチに対して吸着を生じさせないように形成しているので、押釦の反発力を助長すると共に、押子の下面と当接点(ドームスイッチの中央部)が吸盤状にへばり付くことを解消でき、且つ異音の発生を抑えることができる。
従って、本発明によれば、キースイッチの押操作を短い周期で頻繁に行っても確実にスイッチ作動を行わせることができるキースイッチ構造を提供することができる。
本発明の1実施例によるキースイッチ構造を図1乃至図4を用い[実施例1]として説明する。
本実施例は、電子機器が携帯電話機である場合に本発明を適用したもので、携帯電話機における発信電話番号の入力、メール文字の入力、各種動作制御の指令等々を行うためのキースイッチに本発明のキースイッチ構造を適用したもので、携帯電話機の機器本体8とカバー1の間に印刷配線基板2とシート3と連結板6を順に積層状態に格納して組み立てられる。
機器本体8の上面に載置される印刷配線基板2には抵抗、コンデンサ、トランジスタ、IC等の電子部品が搭載され所定の電気回路が構成され、そのキースイッチ回路を形成する導体パターンが中心導体部2aと周辺導体部2bに接続されている。
中心導体部2aは、略円状の小径の導体パターンで形成され、その周囲を囲繞するような細帯状の円形環の導体パターンで周辺導体部2bが形成され、両導体(2a、2b)が後述のドームスイッチ7(可動接地点7a)によって導通されるとスイッチオン状態とされ、非導通状態でスイッチオフ状態とされる。
このような中心導体部2aと周辺導体部2bの対の複数が縦横方向に所定ピッチを有して設けられ、1行当たりに3個が配列され、その6〜8行が設けられている。
その複数の導体対の上位のそれぞれに対応して配置されたドームスイッチ7がシート3によって位置規制された状態で印刷配線基板2の板表面に密接された状態で配設され、多数のドームスイッチ7の上位にはそれぞれに対応する押釦5の底部が位置され、当該の押釦5の底部には円柱状の段差でなる突出部5aが形成され、その中心に先端面が略半球状の押子5bが形成されている。
押釦5の材質は、比較的に柔らかいプラスチック系材質もしくはゴム系材質で作られ、連結板6にばね力を持たせ、自然位置において図4に示すようにドームスイッチ7と突出部5aが完全に離間した状態になるように設定されている。
従って、自由状態においては、図4に示すように押釦5の下端に形成された押子5bとドームスイッチ7の中央部が僅かに離隔した状態とされ、この状態で押釦5が押操作されると図3に示すように押子5bの先端部分がドームスイッチ7の中央部を押し付け、押子5bの下面の当接点の間に突起部分があることで、押釦の反発力を助長するとともに、押子5bを介し点接触状態となるので吸盤状にへばり付くことなく、瞬時に図4のように元の状態に復帰する。
各図において、押子5bの高さ及び形状を調整することで、部品精度、装置組立等によるバラツキから生じる押釦5の隙間を無くすことができるため、押しストローク量の個体差を解消できる。
即ち、部品精度、装置組立等によるバラツキで押子5bと当接点の間に隙間が無かった場合においては、押子5bはドームスイッチ7に挟まれて、押し潰されることにより、若干の量だけ干渉される設定となっていても押子5bのみが潰れるためスイッチオンはされないのである。
また、押子5bの高さ及び形状を調整することで、押釦5がカバー1と前述当接点に挟まれるように固定できるため、バイブレーション機能、スピーカー機能を有した携帯機器においてはバイブレーション、スピーカーの振動から生じる異音の発生を抑えることができる。
さらに、部品精度、装置組立等によるバラツキで押子5bと当接点に隙間がなかった場合においては、押子5はドームスイッチ7に挟まれて、押し潰されることにより、若干の量だけ干渉される状態の設定となっていても押子5bのみが潰れるためスイッチオンはされない。
なお、本発明に係るキースイッチ構造は,前述の実施例に限定されることなくその要旨を逸脱しない範囲内において種種の変形実施を行うことができる。
本発明の押子の先端形状は、1つの凸部で形成されているが、複数の凸部で形成しても良く、またその先端形状は、略半球状の突起で形成される他に細柱状であったり、略平面状の当接面に溝部を形成した形状であっても良い。
また、印刷配線基板は、可撓性を有さない板材で作られているが、可撓性を有する板材で構成したり、その両者を組み合わせて構成するようにしても良い。
さらに、前記接点導体部は、前記ドームスイッチと、押子を有するキースイッチの複数組が隣接して構成された場合のみならず、単独で独立したものであっても良く、前記押釦の複数が連結板を介して連結されて用いられているが単独であって良い。
本発明によるキースイッチ構造の[実施例1]の拡大断面図である。 本発明によるキースイッチ構造の[実施例1]の分解斜視図である。 本発明によるキースイッチ構造の[実施例1]のスイッチオン状態を示す拡大断面図である。 本発明によるキースイッチ構造の[実施例1]のスイッチオフ状態を示す拡大断面図である。 従来のキースイッチ構造の一例の動作原理を示す図である。
符号の説明
1 カバー
2 印刷配線基板
2a 中心導体部
2b 周辺導体部
3 シート
4 ドームスイッチ
5 押釦
5a 突出部
5b 押子
6 連結板
7 ドームスイッチ
7a 可動接地点
8 機器本体

Claims (4)

  1. 印刷配線基板の一面に略同心状に形成された中心導体及び周辺導体を有する接点導体部と、
    前記周辺導体と接触し前記印刷配線基板の前記一面から中央部突出するばね性を有する導電性のドームスイッチ板と、
    該ドームスイッチ板の前記中央部を押下することにより前記印刷配線基板の前記中心導体及び前記周辺導体間を接触させる押釦とを含むキースイッチ構造において、
    前記押釦には、前記ドームスイッチ板との対向部に形成された突出部及び該突出部の前記ドームスイッチ板の前記中央部に向けて形成された押子を有する軟質材料が使用され、前記押子は、前記ドームスイッチと当接して押し潰される高さ及び形状が調整された突起部分を有することを特徴とするキースイッチ構造。
  2. 前記押釦の前記押子は、少なくとも1個の略半球状の突起であることを特徴とする請求項1に記載のキースイッチ構造。
  3. 前記押釦の前記押子は、略平面状の当接面に溝部が形成された先端形状を有することを特徴とする請求項1に記載のキースイッチ構造。
  4. 前記印刷配線基板には前記接点導体部が相互に離間して複数個形成され、前記押し釦は前記印刷配線基板の前記接点導体部に対応して相互に連結板で連結されて複数個形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のキースイッチ構造。
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