JPH0121316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電子写真複写機等の静電記録装置に
おけるクリーニングトナーの回収装置、特に清掃
装置から現像部へ残留トナーを搬送する搬送部材
上へ供給する為の移送装置に関する。

従来一般には、電子写真複写機等の静電記録装
置においては、使用に伴なつて消費された像形成
部表面に残留したトナーをクリーニングするクリ
ーニング・ウエブを取換えるか、または、クリー
ニング装置に捕集されたトナーを一定の使用期間
後に廃棄する等の保守管理を行なつていた。しか
し、このような手間を必要とする保守管理を定期
または不定期に行うには、要員の確保のためにも
多大の費用を必要とする。加えて、高速機の登場
により、複写枚数の増加によつてクリーニング・
トナーの排出量が増加しているため、近年ではク
リーニング装置で捕集されたトナーを現像装置へ
自動的に回収する装置が要望されつつある。

このような要望を満足させるための回収装置と
して、例えばクリーニング装置とトナー補充槽の
間に無端状のビーズ・チエンを循環させるもの
（特開昭47−45933号）、スクリユー・コンベアを
利用するもの（特開昭48−71649号）、感光体と同
軸の廻転体を用いるもの（特開昭50−3636）、ベ
ルト・コンベアを用いるもの（米国特許第
3333572号、同第3405682号）等各種のものが提案
されている。

しかし、このような移送手段としてどのような
ものを用いるかにかかわらず、クリーニング装置
で回収されたトナーは、感光体の端部に設けられ
たこれらの移送手段に乗せられるために、感光体
の表面に沿つて、感光体の何れか一端にまで送ら
れることが必要となる。そして、この端部におい
て、上記の公知例でも、現像装置まで、最短距離
でトナーを戻すために感光体の一端にまで送られ
た移送方向と直角に移送方向が交換される必要が
生ずる。

この移送方向の変換は、トナーが極めて微少な
粒子で形成されており、感光体表面に並行な移送
の間に固まりを形成し易いこと、逆に、微少粒子
のため飛散し易く、少しの間隙でもそこから漏れ
て機内を汚染し易いこと、移送方向の交換部で、
次の移送装置にうまく乗らない滞溜部が出来る
と、トナー同志の摩擦によつて性質の劣化したト
ナーが混入して来易いこと、最悪の場合には移送
がうまく行われないため、クリーニング装置内に
トナーが蓄積してクリーニング機能を失い、トナ
ーが再循環されない等の問題が発生することさえ
あつた。

この考案は、これらの問題を解決するために、
クリーニング装置から、感光体表面と平行に送ら
れたクリーニング・トナーが入り込む第一の開口
部と、これと直角方向にクリーニング・トナーを
送り出す第二の開口とを有する部屋と、この部屋
内で回転する弾性板とからなる移送方向の変換部
を設けたもので、以下図面によつて詳細に説明す
る。

第１図は、この考案が利用される複写装置の全
体構成を示す概要図であり、周知のように、ガラ
ス板のような透明体で形成された原稿載置台１２
上の原稿は、露光用ランプ１３で照明され、レン
ズ１４等の光学系により、像形成用感光体１５上
に実像が形成される。感光体１５の周囲には、帯
電装置１６、現像装置１７、転写用及び分離用電
極18，19が設けられている。２１は記録紙２０上
に転写されたトナー像を定着する定着装置、２２
は感光体１５上に形成されたトナー像が記録紙２
０上に転写された後も、感光体１５上に残留した
トナーを取去るためのクリーニング装置で、クリ
ーニング・ブレード２３を備えている。除去され
たクリーニング・トナーは、移送装置１によつて
クリーニング装置の何れか一端に送られる。９
は、クリーニング装置２２と現像装置１７間に設
けられたベルトコンベアで、クリーニング装置の
一端に送られたクリーニング・トナーはここで直
角に移送方向が変換されてベルトコンベア９上に
載置される。

第２図、第３図は、この考案のトナー移送方向
の変換装置の一実施例を示すもので、前述のよう
に、クリーニング、ブレード等で感光体表面から
除去回収されたクリーニング・トナーを再循環さ
せるために、クリーニング装置内に設けられた移
送装置、例えば図示の実施例ではスクリユー・コ
ンベアである移送部材１によつて開口部２から部
屋３へ送り込む。

部屋３中には、上記移送部材１の回転軸４の延
長部５に固定され、部屋３の半径よりやゝ長い長
さを有する弾性板６が、上記移送部材１と共に回
転し、その先端によつて部屋３内のクリーニン
グ・トナーを、常に部屋３の内壁７から掃出し、
部屋３の開口部２と直角方向の開口８に近接して
廻転している無端ベルト９に送り出す作用をして
いる。

この弾性板６はリン青銅、ステンレス鋼板等の
金属薄板あるいはマイラー、ポリエチレン等の弾
性を有する樹脂の薄板が好ましい。実験によれ
ば、厚さ20〜150μｍのステンレス板あるいは厚
さ60〜200μｍのマイラー板で好結果が得られて
いる。また、部屋３の内壁７は通常の金属面・樹
脂面でもよいが、弾性板６の先端の摩耗を減ずる
ため、テフロンコートをしてもよい。

弾性板６は部屋３の内壁７面にその弾性によつ
て押圧されながら廻転しているので、部屋３に送
り込まれたクリーニング・トナーは、弾性板６に
よつて完全に掃き出され、この掃き出し作用によ
つて移送部材１による移送中に形成されたトナー
の固りも砕かれる。

また、部屋３の第２の開口部８に弾性板６がさ
しかかつたとき、内壁７への圧接が解かれた弾性
板６は、その発撥力によつて、掃き出されたトナ
ー１０を開口部８から外へはじき飛ばし、部屋３
に接して廻転している無端ベルト９上に効果的に
移乗させる。

第４図に示す実施例においては、回転弾性板６
は先の実施例と逆の方向に廻転されると共に、ク
リーニング・トナーの出口開口８の近く、部屋３
の下側壁に固定された弾性板１１を設けてある。
この弾性板１１は回転弾性板６とほぼ同じ幅を持
ち、その先端は弾性板６の回転軸５に接触してい
るかそれに近い状態にある程度の長さと位置を持
つように配置されている。材質は弾性板６と同様
のものでよいが、同じである必要はない。

この実施例の作動状態は、第３図ａからｃへと
変化する。すなわち、回転弾性板６によつて掃か
れたクリーニング・トナー１０は、ｂ図に示す位
置で、弾性板６の弾性により前下方に投げ出され
る。一方、固定されている弾性板１１は、回転弾
性板６に接触し、弾性板６表面に附着して残つて
いるトナーをかき落す作用をする。

この実施例においては、トナー１０は高い位置
から前下方に投げ出されるので、ベルト９上に効
果的に分散移乗させることが出来ると共に、通路
外へのトナーの飛散も減少するという効果を生ず
る。

弾性板の回転方向、材質、形状等はこの考案の
範囲内で適宜決定されるものであり、弾性板１枚
でなく、複数枚とすることも自由である。

【図面の簡単な説明】

第１図は複写装置の全体構成図、第２図はこの
考案の移送装置の一実施例の感光体軸と平行な面
での断面図、第３図はそれと直角な面での断面
図、第４図は他の実施例の断面図であり、図中の
符号はそれぞれ、１：移送部材、２，８：開口
部、４：回転軸、６，１１：弾性板、９：無端ベ
ルト、１０：クリーニング・トナー、１２：原稿
台、１４：光学系、１５：感光体、１６：帯電装
置、１７：現像装置、１８，１９：電極、２０：
記録紙、２１：定着装置、２２：クリーニング装
置、２３：クリーニング・ブレード、を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コピー完了後、像形成体表面に残存する残留ト
   ナーを除去するためのクリーニング部、該クリー
   ニング部の端部にクリーニング・トナーを移送す
   るための移送部材、該移送部材からトナーが送り
   込まれるための第一開口部及び送り込まれたトナ
   ーを別の方向に送り出すための第二開口部を有す
   る室、該室内に配置され、その先端部で該室の内
   壁に弾性的に接触して移動する弾性板とからなる
   静電記録装置におけるトナー移送装置。