JPH0121067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車における収納構造に関し、特に
収納容器を移動可能に取付けるための構造に関す
る。

従来、自動車の車室内に装着されるごみ箱にあ
つては、走行中にごみ箱が転倒されるのを防止す
るために、車室内の適宜個所へ接着剤や取付ねじ
によつて支持部材を固定させ、この支持部材にご
み箱を着脱自在に支持させる構造になつている。
しかし、この従来の構造にあつては、支持部材が
定形保形された状態で固定されているので、支持
部材へ取付けた状態でのごみ箱の移動はできな
い。このため、ごみ箱が乗員から遠くなつてごみ
処理が面倒となつたり、ごみ箱が乗員の着座廻り
に位置して邪魔となつたりすることがままある。

本考案の目的は前述した従来の不都合を解消す
るために、フロントシートの運転席と助手席との
間よりリヤーシート側に突出するとともに、基端
を枢支して車幅方向に揺動自在となるように取付
けられる揺動アームから成る支持部材と、この支
持部材の自由端側に脱着自在となつた収納容器と
を備えることによつて、支持部材へ取付けたまま
の状態でごみ箱等を構成する収納容器を移動させ
ることができる自動車における収納構造を提供す
るものである。

以下、図面について本考案の施された自動車に
おける収納構造の詳細を説明する。この実施例は
収納容器をごみ箱にした場合について例示したけ
れども、本考案はごみ箱に限定されるものではな
く、新聞や地図帳ならびにその他の小物を収納さ
せる収納構造にも適用可能である。

第１図は、本考案の自動車における収納構造の
一部を分解した斜視図であつて、この収納構造は
自動車の車室内に固定される支持部材１を備え、
この支持部材１は取付部材２とこの取付部材２に
支軸ピン３にて回動自在に取付けられた揺動アー
ム４とから構成される。この揺動アーム４の自由
端には装着孔５が穿たれており、この装着孔５に
よつて揺動アーム４へ収納容器を構成するごみ箱
６が着脱自在に支持される。このごみ箱６は有底
筒状に形成され、このごみ箱６の底部外面には図
示を省略したけれども前記装着孔５へ着脱自在に
はめ込まれる突起が突出されており、この突起を
装着孔５へはめ込むことによつて前記ごみ箱６が
その収納口７を上向きにした状態で揺動アーム４
上に載置される。

以上のように構成された前記実施例によれば、
取付部材２を接着剤または取付ねじによつて自動
車の車室内の適宜個所で固定させ、揺動アーム４
にごみ箱６を取付けることによつて、ごみ箱６は
支軸ピン３を回転中心としつつ矢印Ｘ方向へ移動
させられる。この実施例において、第２図示のよ
うに、取付部材２をフロントシートA₁，A₂間に
配されたフロアーコンソールＢの後部に固定さ
せ、揺動アーム４をフロントシートA₁，A₂とリ
ヤーシートＣ間に位置させる。これによつて、ご
み箱６は第２図示の実線示から仮想線示のように
車幅方向へ揺動させられる。つまり、フロントシ
ートA₁に着座した運転者がごみを捨てる場合は
ごみ箱６を第２図の実線示へ位置させることによ
つて、ごみ箱６が運転者の斜め側方でしかもフロ
アコンソールＢの後部近傍に配されるので、運転
者は左手でごみをごみ箱６内へ容易に捨てること
ができる。また、フロントシートA₂に着座した
乗員の場合には、ごみ箱６を第２図示の仮想線示
へ位置させることによつて、前述した運転者の場
合と同様に右手でごみをごみ箱６内へ容易に捨て
ることができる（第４図参照）。さらに、リヤー
シートＣへの乗員の場合には、ごみを捨てようと
する乗員側へごみ箱６を移動させることによつて
そのごみ捨てが容易になる。しかも、ごみ箱６を
第２図の実線示から仮想線示の間の適当位置へ移
動させることによつて、ごみ箱６がリヤーシート
Ｃへの乗員の邪魔になることもなく、また、ごみ
箱６を揺動アーム４より取り外せば、リヤーシー
ト着座者の邪魔になることもない。

第３図は本考案の他の実施例の斜視図であつ
て、この他の実施例の特徴は取付部材２と揺動ア
ーム４を定長なリンク８と、このリンク８よりも
長い可撓アーム９とで連結したことである。前記
リンク８の両端は取付部材２と揺動アーム４の相
対向する一端にそれぞれピン１０Ａ，１０Ｂにて
回動自在に結合され、前記可撓アーム９の両端は
取付部材２の他端と揺動アーム４の中間部位にそ
れぞれピン１１Ａ，１１Ｂにて回動自在に結合さ
れている。したがつて、この他の実施例によれ
ば、装着孔５によつて揺動アーム４に取付けられ
たごみ箱６は、リンク８と可撓アーム９の共働に
よつて略平行移動できる。

なお、前記各実施例においては装着孔５と図示
を省略した突起とによつてごみ箱６が揺動アーム
４へ着脱自在に支持される場合について例示した
けれども、本考案はこれに限定されるものではな
く、揺動アーム４の自由端にごみ箱６の外周中間
部をはめ込み自在にする係止部を設けたり、揺動
アーム４の自由端とごみ箱６の外面とに互いに着
脱自在に係止・解離される係合構造を設けること
によつて、ごみ箱６を揺動アーム４に着脱自在に
支持させることが考えられる。

以上説明したように本考案の自動車における収
納構造によれば、フロントシートの運転席と助手
席との間よりリヤーシート側に突出するととも
に、基端を枢支して車幅方向に揺動自在となるよ
うに取付けられる揺動アームから成る支持部材
と、この支持部材の自由端側に脱着自在となつた
収納容器とを備えたので、支持部材を適宜回動さ
せて収納容器を各シート着座者の手の届きやすい
ところに移動でき、その収納操作を容易になさせ
ることができるうえ、乗員の着座に対して収納容
器が邪魔になる不都合を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の施された自動車における収納
構造の一部を分解した斜視図、第２図は同収納構
造の設置状態の概略平面図、第３図は本考案の他
の実施例を示す斜視図、第４図は本考案の作用を
説明するための斜視図である。 １……支持部材、２……取付部材、３……支軸
ピン、４……揺動アーム、６……ごみ箱（収納容
器）、A₁，A₂……フロントシート、Ｂ……フロア
ーコンソール、Ｃ……リヤーシート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントシートの運転席と助手席との間よりリ
   ヤーシート側に突出するとともに、基端を枢支し
   て車幅方向に揺動自在となるように取付けられる
   揺動アームから成る支持部材と、この支持部材の
   自由端側に脱着自在となつた収納容器とを備えた
   ことを特徴とする自動車における収納構造。