JPH0120525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は瞬間湯沸器等の燃焼装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、燃焼装置において、 イ○ バーナの燃焼時にその燃焼熱を漸次蓄熱し、
かつ、バーナの消火時に漸次放熱する蓄熱部材
を設けると共に、感熱部により感知される前記
蓄熱部材の温度が設定値にまで上昇したときに
前記バーナへの燃料供給を自動遮断する遮断機
構を設け、もつて、長時間燃焼による酸欠事故
を未然に防止するようにしたものがある（特願
昭58−157543号参照）。

ロ○ 又、これとは別に、排気路閉塞等に起因した
燃焼室の内圧上昇に伴い燃焼室内の高温燃焼ガ
スを燃焼室外へ噴出させる通路を設けると共
に、この通路からの高温燃焼ガス噴出を感熱部
により温度的に検知して、その検知に基づきバ
ーナへの燃料供給を自動遮断する遮断機構を設
け、もつて、排気路閉塞等の発生時に、それに
起因した不完全燃焼を防止すべく燃焼を自動停
止させるようにしたものがある（実開昭56−
124764号参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、１つの燃焼装置に、長時間燃焼による
酸欠事故を未然に防止するための前述イ○の構成
と、排気路閉塞等に起因した不完全燃焼を防止す
るための前述ロ○の構成とを備えさせようとする
と、蓄熱部材の温度を検知するための感熱部と、
通路からの高温燃焼ガス噴出を温度的に検知する
ための感熱部との２つの感熱部（具体的には温度
スイツチ等）が必要となり、そのために、装置構
造が複雑となつて製作時間がかかつたり、装置コ
ストが高く付くといつた問題を生じた。

本考案の目的は、上述の問題を回避しながら、
長時間燃焼による酸欠事故の防止と排気路閉塞等
に起因した不完全燃焼の防止との両方を可能にす
る点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による燃焼装置の特徴構成は、バーナの
燃焼時にその燃焼熱を漸次蓄熱し、かつ、前記バ
ーナの消火時に漸次放熱する蓄熱部材を設け、燃
焼室の内圧上昇に伴い前記燃焼室内の高温燃焼ガ
スを前記燃焼室外に噴出させる通路を設け、１つ
の感熱部の感知温度が設定値にまで上昇したとき
に前記バーナへの燃料供給を自動遮断する遮断機
構を設け、前記感熱部を前記蓄熱部材の温度を感
知する状態に設けると共に前記蓄熱部材又は前記
感熱部を前記通路からの高温燃焼ガス噴出経路に
配置することにより、１つの前記感熱部を、長時
間燃焼による前記蓄熱部材の温度上昇の検知によ
り前記遮断機構を遮断作動させるための感熱部
と、燃焼室内圧の上昇による前記通路からの高温
燃焼ガス噴出の温度的検知により前記遮断機構を
遮断作動させるための感熱部とに兼用したことに
あり、その作用、効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、感熱部は１つだけとしながらも、その
感熱部を蓄熱部材の温度を感知する状態に設ける
と共に、その蓄熱部材又はその感熱部を通路から
の高温燃焼ガス噴出経路に配置することで、 長時間燃焼運転の場合には、その長時間燃焼に
より蓄熱部材の温度が漸次上昇して、感熱部が感
知する蓄熱部材の温度が設定値にまで達すると、
遮断機構がバーナへの燃料供給を自動遮断して燃
焼が停止し、これによつて、長時間燃焼による酸
欠事故が未然に防止される。

又、排気路閉塞等により燃焼室内圧が上昇した
場合には、その内圧上昇に伴い通路から噴出する
高温燃焼ガスにより、通路からの高温燃焼ガス噴
出経路に配置した蓄熱部材又は感熱部が加熱され
て、感熱部の感知温度が設定値にまで上昇し、こ
れによつて、遮断機構がバーナへの燃料供給を自
動遮断して燃焼が停止し、もつて、排気路閉塞等
に起因した不完全燃焼が防止される。

〔考案の効果〕

すなわち、本考案によれば、長時間燃焼による
蓄熱部材の温度上昇の検知により遮断機構を遮断
作動させるための感熱部と、燃焼室内圧の上昇に
よる通路からの高温燃焼ガス噴出の温度的検知に
より遮断機構を遮断作動させるための感熱部とを
兼用化したことで、感熱部の必要数を１つだけと
しながら、長時間燃焼による酸欠事故と、排気路
閉塞等に起因した不完全燃焼との両方を防止でき
て高い安全性を得ることができ、そして、そのよ
うに高い安全性を得ながらも、兼用化により感熱
部が１つだけですむことで装置構造を比較的簡略
にできて、製作を容易にし得ると共に装置コスト
を安価にし得るに至つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、パイロツトバーナ１の燃
焼炎ａにより加熱される熱電対２（熱起電部材の
一例で、熱起電部材としては、他に、熱電堆、熱
発電素子を挙げることができる。）と、パイロツ
トバーナ１及びメインバーナ３への燃料ガス供給
路４に介装されていて、前記熱電対２の一定以上
の起電力をもつて開状態に保持される電磁式の安
全弁５とを備えた燃焼安全回路６を設け、もつ
て、パイロツトバーナ１の消火やパイロツトバー
ナ１での不完全燃焼発生により、燃焼を自動停止
すべく構成してある開放型の瞬間湯沸器におい
て、次の如く構成された長時間使用防止装置を設
ける。

長時間使用防止装置は、同第１図、及び、第２
図に示すように、メインバーナ３の燃焼時には、
一端をメインバーナ３の燃焼炎ｂ中に位置させる
ように配置した熱伝導部材１３を介してメインバ
ーナ燃焼熱を漸次蓄熱し、かつ、メインバーナ３
の消火時には漸次放熱する金属（黄銅等）製の蓄
熱部材７と、この蓄熱部材７の温度が設定値
（T₀）にまで上昇したときにバーナ１，３への燃
料ガス供給を自動遮断する遮断機構８とを設けて
構成されている。つまり、長時間に亘る使用によ
り酸欠を招く以前に、蓄熱部材温度の設定値まで
の上昇に基づき燃焼を自動停止し、それによつ
て、長時間使用による酸欠事故を未然に防止する
ようにしてある。

１４は熱伝導部材１３を被覆する保温カバーで
ある。

前記遮断機構８は、感知温度が設定値（T₀）
にまで上昇したときOFFして熱電対２から安全
弁５への通電を断つ温度スイツチ９（感熱部）
を、感知温度として蓄熱部材７の温度をとらえる
ように蓄熱部材７の一面に密着状態に取付け、も
つて、蓄熱部材７の温度が設定値（T₀）にまで
上昇したとき燃焼安全回路６の安全弁５を閉動さ
せることにより、両バーナ１，３への燃料ガス供
給を遮断すべく構成されている。

一方、燃焼室壁１０には、インプツト過剰や熱
交換器閉塞（排気路閉塞）が生じたとき、それに
伴つて上昇する燃焼室１１の内圧をもつて燃焼室
１１内の高温燃焼ガスを燃焼室１１外へ噴出させ
る通路としての穴１２を形成してあり、そして、
前記の蓄熱部材７を、温度スイツチ取付面とは反
対側の面を穴１２に対向させる状態で穴１２から
の高温燃焼ガス噴出経路に配置してある。

つまり、不完全燃焼の要因の１つであるインプ
ツト過剰や熱交換器閉塞（排気路閉塞）が生じた
場合、それに伴つて上昇した燃焼室１１の内圧を
もつて燃焼室１１内の高温燃焼ガスが蓄熱部材７
に向けて噴出されて、蓄熱部材７が設定値（T₀）
にまで急速に昇温し、その結果、遮断機構８が作
動して燃焼が自動停止し、それによつて、インプ
ツト過剰や熱交換器閉塞に起因した不完全燃焼が
防止されるようにしてある。

又、長時間使用による酸欠事故と、インプツト
過剰や熱交換器閉塞に起因した不完全燃焼との両
方を防止するにあたり、前述の如き装置構成とす
ることにより、１つの温度スイツチ９（感熱部）
を、長時間使用（燃焼）による蓄熱部材７の温度
上昇の検知により遮断機構８を遮断作動させるた
めのものと、燃焼室内圧の上昇による穴１２から
の高温燃焼ガス噴出の温度的検知により遮断機構
８を遮断作動させるためのものとに兼用し、この
兼用化により、装置構成の簡略化を図つてある。

〔別実施例〕

次に別実施例を列記する。

第３図に示すように、穴１２からの噴出高温
燃焼ガスが蓄熱部材７と、感熱部としての温度
スイツチ９との両方に当たるように、蓄熱部材
７、及び、温度スイツチ９を配置しても良い。

第４図に示すように、高温燃焼ガスを噴出さ
せる通路１２を管１５をもつて構成するように
しても良い。

第５図、及び、第６図に示すように、蓄熱部
材７を熱伝導性のステー１６を介して燃焼室壁
１０に取付け、燃焼室壁１０、及び、ステー１
６を介しての熱伝導をもつて燃焼熱を蓄熱部材
７に蓄熱させるようにしても良い。

第７図、及び、第８図に示すように、遮断機
構８を、感熱部としての温度スイツチ９′が
ONすることにより熱電対２のプラス側をアー
スさせて安全弁５を閉動させるものとし、そし
て、その温度スイツチ９′を、蓄熱部材７の温
度が設定値（T₀）にまで上昇したときスプリ
ング９′Ｂの付勢力に抗してコイル状の形状記
憶合金１７が伸張することにより可動接点９′
Ａが固定設定９′Ｃに接当してONするスイツ
チとしても良い。

第９図に示すように、上記で示した別実施
例構成において、形状記憶合金１７に代え、昇
温により膨張するワツクスを内装した伸縮部材
１７′を適用しても良い。尚、第９図のもので
は、蓄熱部材７と熱伝導部材１３とが一体成形
品である。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は実施例を示す概略構成図と要
部の拡大断面図である。第３図乃至第９図は別の
実施例を示し、第３図、第５図、第６図、第８
図、第９図は要部の拡大断面図、第４図、第７図
は概略構成図である。 ３……バーナ、７……蓄熱部材、８……遮断機
構、１１……燃焼室、９……感熱部、１２……通
路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ３の燃焼時にその燃焼熱を漸次蓄熱し、
   かつ、前記バーナ３の消火時に漸次放熱する蓄熱
   部材７を設け、燃焼室１１の内圧上昇に伴い前記
   燃焼室１１内の高温燃焼ガスを前記燃焼室１１外
   に噴出させる通路１２を設け、１つの感熱部９の
   感知温度が設定値（T₀）にまで上昇したときに
   前記バーナ３への燃料供給を自動遮断する遮断機
   構８を設け、前記感熱部９を前記蓄熱部材７の温
   度を感知する状態に設けると共に前記蓄熱部材７
   又は前記感熱部９を前記通路１２からの高温燃焼
   ガス噴出経路に配置することにより、１つの前記
   感熱部９を、長時間燃焼による前記蓄熱部材７の
   温度上昇の検知により前記遮断機構８を遮断作動
   させるための感熱部と、燃焼室内圧の上昇による
   前記通路１２からの高温燃焼ガス噴出の温度的検
   知により前記遮断機構８を遮断作動させるための
   感熱部とに兼用した燃焼装置。