JPH01204390A - エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分散型のエレクトロルミネセンス素子に係わり
、さらに詳しくはその電極近傍における界面の接触状態
の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来の分散型エレクトロルミネセンス素子は、例えば第
２図に示すように、透明電極２、発光層４、絶縁層５お
よび背面電極７を順次配置することによって作製されて
いた（例えば、特開昭６２−３８８３８号公報）。つま
り、透明電極２と発光層４とが直接接触し、また、絶縁
層５と背面電極７とが直接接触していた。

しかし、透明電極２と発光層４との界面の接触状態や絶
縁層５と背面電極７との界面の接触状態を強固に維持す
ることは困難であり、使用時間や変形頻度に応じて輝度
の低下や部分的な非発光部が生じるという問題があった
。

すなわち、発光層４は一般に蛍光体と有機誘電体とで構
成され、その有機誘電体が結着剤的役割を果して、一般
にＩＴＯ（インジウム錫酸化物）膜で構成される透明電
極２と発光層４とを接着し、一方、絶縁層５は一般に無
機誘電体と有機誘電体とで構成され、その有機誘電体が
接着剤的役割を果して、金属箔または金属蒸着膜で構成
される背面電極７と絶縁層５とを接着しているが、この
接着界面が使用時間や変形頻度に応じて部分的な剥離を
生じ、それによって輝度の低下や部分的な非発光部を生
じるのである。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、上記従来のエレクトロルミネセンス素子が持
っていた透明電極と発光層との界面の剥離や絶縁層と背
面電極との界面の剥離という問題点を解決し、駆動時間
の増加や曲げによる性能低下の少ない、耐久性の優れた
エレクトロルミネセンス素子を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段〕 本発明は、透明電極と発光層との間および絶縁層と背面
電極との間にボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電
気伝導層を設けることによって、透明電極と発光層との
界面の剥離や絶縁層と背面電極との界面の剥離を防止し
、駆動時間の増加や曲げによる性能低下の少ない、耐久
性の優れたエレクトロルミネセンス素子を提供したもの
である。

すなわち、上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマーは、１
０−’Ｓ／ｃｍ程度の電気伝導性を有し、しかも弾性お
よび粘着性を存するので、このボロン系電荷移動錯体型
ポリマーを含む電気伝導層を透明電極と発光層との間や
絶縁層と背面電極との間に設けると、これまで透明電極
や背面電極が弾性や粘着性を有しないことに基づいて引
き起こされていた曲げや駆動時間の増加による発光層と
の界面の剥離や絶縁層との界面の剥離が防止されるよう
になる。しかも、上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマー
は前述したように電気伝導性を有するため、透明電極と
発光層との間や背面電極と絶縁層との間の電気伝導性を
阻害することがない。

本発明において、上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマー
を含む電気伝導層は、ボロン系電荷移動錯体型ポリマー
単独か、または上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマーと
有機誘電体との混合物で形成される。

ボロン系電荷移動錯体型ポリマーと有機誘電体との混合
物で電気伝導層を形成する場合、有機誘電体はボロン系
電荷移動錯体型ポリマーに対して重量比で５倍を超えな
いようにするのが好ましい。

電気伝導層の形成にあたって有機誘電体を用いるのは、
発光層や絶縁層（通常、これらの発光層や絶縁層には有
機誘電体が含まれている）との接着性をより大きくする
ためである。

上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマーは、半極性ｔ３−
０結合を有するボロン系ポリマーと窒素化合物との電荷
移動錯体型化合物からなり、このようなボロン系電荷移
動錯体型ポリマーとしては、例えば、ボロンインターナ
ショナル社からハイボロンＣＴＮ４３１の商品名で市販
されているポリマーが入手容易であり、本発明において
好用される。

ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層の形
成は、例えばつぎに示すように行われる。

ボロン系電荷移動錯体型ポリマーまたはボロン系電荷移
動錯体型ポリマーと例えばシアノエチルセルローズ、シ
アンエチルサッカローズなどの有機誘電体とを、例えば
Ｎ−メチル−２−ピロリドンやアセトニトリルなどの溶
剤に溶解ないしは分散させてペースト状にし、このペー
スト状物を透間型極上や絶縁層上に塗付し、乾燥して溶
剤を揮散させることによってボロン系電荷移動錯体型ポ
リマーを含む電気伝導層が形成される。

つぎに、本発明に係るエレクトロルミネセンス素子の構
造を第１図に基づいて説明する。

図中、１はポリエステルフィルムなどからなる透明保護
層で、２は透明電極であり、この透明電極２は上記透明
保護層１上に形成されたＩＴＯ（インジウム錫酸化物）
の蒸着膜がらなり、通常、これら透明保護層１と透明電
極２とは透明導電性フィルムとして一体化した状態で供
給される。３はボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む
電気伝導層であり、上記透明電極２上に形成され、この
電気伝導層３は前述のごとくボロン系電荷移動錯体型ポ
リマー単独かまたはボロン系電荷移動錯体型ポリマーと
例えばシアノエチルセルローズ、シアノエチルサッカロ
ーズなどの有機誘電体との混合物で形成されている。た
だし、その形成時には、前述したように、上記構成成分
がＮ−メチル−２＝ピロリドンやアセトニトリルなどの
溶剤に溶解ないしは分散されたペースト状物が用いられ
、該ペースト状物を透明電極上に塗付し、乾燥して溶剤
を揮散させることによって形成される。４は発光層で、
この発光層４は例えばＺｎ５−Ｃｕ　−Ａｌ系の蛍光体
と例えばシアノエチルセルローズ、シアノエチルサッカ
ローズなどの有機誘電体との混合物からなるものである
。ただし、この発光層４も、前記ボロン系電荷移動錯体
型ポリマーを含む電気伝導層３の場合と同様に、その形
成時にあたっては、前記構成成分がＮ−メチル−２−ピ
ロリドンやアセトニトリルなどの溶剤に溶解ないし分散
されたペースト状物が用いられ、該ペースト状物を前記
ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層３上
に塗付し、乾燥して溶剤を揮散させることによって形成
される。５は絶縁層で、この絶縁層５は例えばチタン酸
バリウムなどの無機誘電体とシアノエチルセルローズ、
シアノエチルサッカローズなどの有機誘電体との混合物
からなり、直流電流を遮断して発光層４に交流電場を供
給して発光層４の発光効率を高めると共に、白色で発光
層４の発光状態を視認しやすくするための背景材的役割
を果たしている。６はボロン系電荷移動錯体型ポリマー
を含む電気伝導層であり、上記絶縁層５上に形成され、
この電気伝導層６も前述のごとくボロン系電荷移動錯体
型ポリマー単独かまたはボロン系電荷移動錯体型ポリマ
ーと例えばシアノエチルセルローズ、シアノエチルサッ
カローズなどの有機誘電体との混合物で形成されている
。ただし、その形成時には、上記構成成分がＮ−メチル
−２−ピロリドンやアセトニトリルなどの溶剤に溶解な
いしは分散されたペースト状物が用いられ、該ペースト
状物を絶縁層５上に塗付し、乾燥して溶剤を揮散させる
ことによって形成されている。また前記絶縁層５も、そ
の形成時には、構成成分がＮ−メチル−２−ピロリドン
やアセトニトリルなどの溶剤に溶解ないしは分散された
ペースト状物が用いられ、該ペースト状物を発光層４上
に塗付し、乾燥して溶剤を揮散させることによって形成
されている。７は背面電極であり、例えばアルミニウム
箔からなり、上記ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含
む電気伝導層６上に配置されている。８は保護層であり
、例えばポリエステルフィルムからなり、上記背面電極
７の外面側に配置されている。そして、それら全体は三
フッ化塩化エチレンの防湿フィルムからなる外装体９で
被覆されて素子内部が密閉構造となるように封止されて
いる。防湿フィルムからなる外装体９での被覆にあたり
、外装体９．９同士の接合面は加圧下２５０〜３５０°
Ｃで加熱することにより熱融着させ、それらの接合面か
ら水分が素子内へ侵入するのを防止している。また、図
示していないが、透明電極２と背面電極７からはそれぞ
れニッケル箔からなるリード電極が引き出されている。

上記のように、ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む
電気伝導層３を透明電極２と発光層４との間に設け、ま
た、ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層
６を絶縁層５と背面電極７との間に設けていると、ボロ
ン系電荷移動錯体型ポリマーの弾性および粘着性により
、該ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層
３が透間型極２や発光層４に対して強固に結着し、また
ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層６が
絶縁層５や背面電極７に強固に結着するので、従来のよ
うに駆動時間の増加や曲げによって透明電極２と発光層
４とが剥離したり、絶縁層５と背面電極７とが剥離する
のが抑制されるようになり、エレクトロルミネセンス素
子の耐久性が向上する。またボロン系電荷移動錯体型ポ
リマーを含む電気伝導層３．６が電気伝導性を有するの
で、透明電極２と発光層４との間の電気伝導性や絶縁層
５と背面電極７との間の電気伝導性が阻害されるような
ことがない。

なお、上記第１図に例示のものでは、透明保護層１はポ
リエステルフィルムからなるが、これに代えて透明ガラ
ス板を用いてもよいし、また他の透明樹脂フィルムを用
いてもよい。また、素子内、特に発光層への水分の侵入
をより強力に防止するために、透明保護層１の透明電極
２形成面と反対側にナイロンフィルムなどからなる捕水
層を設けてもよい。さらに状況に応じて、背面電極７の
外面倒の保護層８を省略することも可能である。

〔実施例〕

つぎに実施例をあげて本発明をさらに説明する。

実施例１ 厚さ１００μｍの透明導電性フィルム（透明保護層１と
なるポリエステルフィルム上に透明電極２となるＩ　Ｔ
　Ｏ蒸着膜を１　、０００人の厚さに形成したもの）の
ＴＴＯ膜上に、ボロン系電荷移動錯体型ポリマー（ボロ
ンインターナショナル社製、商品名ハイボロンＣＴＮ−
１３１）５重量部に対してシアノエチルセルローズ１重
量部とシアノエチルサッカローズ９重量部と、溶剤とし
てＮ−メチル−２−ピロリドン１００重量部とアセトニ
トリル１０重量部を加え、播漬機を用いて充分に混合し
、得られたペースト状物をスクリーン印刷法で乾燥後の
厚さが約１０μｍになるように塗布し、乾燥してＮ−メ
チル−２−ピロリドンやアセトニトリルなどの溶剤を揮
散させ、ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝
導層３を形成した。

つぎに、この層の上に、ＺｎＳ−Ｃｕ−Ａｌ系の蛍光体
と有機誘電体（シアノエチルセルローズとシアノエチル
サッカローズ）と溶剤（Ｎ−メチル−２−ピロリドンと
アセトニトリル）からなる発光層形成用ペーストを乾燥
後の厚さが５０μｍになるように塗付し、乾燥して溶剤
を揮散させることにより発光層４を形成した。つぎに、
この発光層４上に、チタン酸バリウムと有機誘電体（シ
アノエチルセルローズとシアノエチルサッカローズ）と
溶剤（Ｎ−メチル−２−ピロリドンとアセトニトリル）
との混合物からなる絶縁層形成用ペーストを乾燥後の厚
さが２０μｍになるように塗付し、乾燥して溶剤を揮散
させることにより絶縁層５を形成した。つぎに、上記絶
縁層５上に前記と同様の組成からなるボロン系電荷移動
錯体型ポリマーを含む電気伝導層６を約１０μｍの厚さ
に形成した。

さらに、その上に厚さ３０μｍのアルミニウム箔を背面
電極７として重ね、ついで該背面電極７上にポリエステ
ルフィルムを保護層８として配置し、防湿フィルムを外
装体９として用いて全体を被覆することにより第１図に
示す断面構造の分散型ニレフトロルミネセンス素子を作
製した。なお、前記発光Ｎ４の形成にあたって使用され
たペーストは、ＺｎＳ−Ｃｕ−Ａｌ系蛍光体３０重量部
、シアノエチルサッカローズ１重量部、シアノエチルサ
ッカローズ９重量部、Ｎ−メチル−２−ピロリ□トン１
０（１重量部およびアセトニトリル１０重量部の混合物
からなるものであり、また、前記絶縁層５の形成にあた
って使用されたペーストは、チタン酸バリウム５０重量
部、シアノエチルセルローズ１重１部、シアノエチルサ
ッカローズ９重量部、Ｎ−メチル−２−ピロリドン１５
０重量部およびアセトニトリル１０重量部の混合物から
なるものである。

比較例１ ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層を設
けなかったほかは実施例１と同様にして分散型のエレク
トロルミネセンス素子を作製した。

つまり、この比較例１のエレクトロルミネセンス素子は
、第２図に示すように、透明電極２と発光層４とが直接
接触しており、また絶縁層５と背面電極７とが直接接触
する構造をとっており、前記実雄側１のエレクトロルミ
ネセンス素子のように透明電極２と発光層４との間や絶
縁Ｎ５と背面電極７との間にボロン系電荷移動錯体型ポ
リマーを含む電気伝導層３．６は形成されていない。

上記実施例１のエレクトロルミネセンス素子および比較
例１のエレクトロルミネセンス素子に１００■、４００
Ｈｚの交流を印加したときの駆動時間と輝度の関係を調
べ、その結果を第３図に示した。

第３図において、横軸は駆動時間を示し、縦軸は輝度を
示すが、この第３図に示されるように、実施例１のエレ
クトロルミネセンス素子は、比較例１のエレクトロルミ
ネセンス素子に比べて、駆動時間の増加に伴う輝度の低
下が少なかった。

また、実施例１のエレクトロルミネセンス素子および比
較例１のエレクトロルミネセンス素子を半径１５０ｍｍ
の円筒の周囲に圧接させることにより曲げ試験を行った
。エレクトロルミネセンス素子の表側への曲げおよび裏
側への曲げを１回として曲げ回数に対する輝度の低下状
況を調べ、その結果を第４図に示した。

第４図において、横軸は曲げ回数を示し、縦軸は輝度を
示すが、この第４図に示されるように、実施例１のエレ
クトロルミネセンス素子は、比較例１のエレクトロルミ
ネセンス素子に比べて、曲げ回数の増加に伴う輝度の低
下が少なく、曲げに対する耐久性が優れていた。

（発明の効果〕 以上説明したように、本発明では、透明電極と発光層と
の間および絶縁層と背面電極との間にボロン系電荷移動
錯体型ポリマーを含む電気伝導層を設けたことにより、
駆動時間の増加や曲げによる輝度の低下が少なくなり、
耐久性が向上した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のエレクトロルミネセンス素子の一実施
例を示す断面図であり、第２図は従来のエレクトロルミ
ネセンス素子を示す断面図である。 第３図は実施例１のエレクトロルミネセンス素子と比較
例１のエレクトロルミネセンス素子の駆動時間の増加に
伴う輝度の低下状況を示す図であり、第４図は実施例１
のエレクトロルミネセンス素子と比較例１のエレクトロ
ルミネセンス素子の曲げ回数の増加に対する輝度の低下
状況を示す図である。 ２・・・透明電極、　３・・・ボロン系電荷移動錯体型
ポリマーを含む電気伝導層、　　４・・・発光層、５・
・・絶縁層、　６・・・ボロン系電荷移動錯体型ポリマ
ーを含む電気伝導層、　７・・・背面電極、９・・・外
装体 第　　１　　図 ソ ２・・・透明電極 ３・・・ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝
導層４・・・発光層 ５・・・絶縁層 ６・・・ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝
導層７・・・背面電極 ９・外装体 第　　２　　図 ２・・・透明電極 ４・・・発光層 ５・・・絶縁層 ７・・・背面電極 ９・・・外装体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　透明電極、発光層、絶縁層、背面電極および外
   装体を有してなるエレクトロルミネセンス素子において
   、透明電極と発光層との間および絶縁層と背面電極との
   間にボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝導層
   を設けたことを特徴とするエレクトロルミネセンス素子
   。
2. （２）　ボロン系電荷移動錯体型ポリマーを含む電気伝
   導層が、ボロン系電荷移動錯体型ポリマーと有機誘電体
   との混合物からなることを特徴とする請求項１記載のエ
   レクトロルミネセンス素子。