JPH0119936Y2 - - Google Patents

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JPH0119936Y2
JPH0119936Y2 JP1984051265U JP5126584U JPH0119936Y2 JP H0119936 Y2 JPH0119936 Y2 JP H0119936Y2 JP 1984051265 U JP1984051265 U JP 1984051265U JP 5126584 U JP5126584 U JP 5126584U JP H0119936 Y2 JPH0119936 Y2 JP H0119936Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、打撲、捻挫、脱臼、骨折、肉離れの
如き、骨、筋肉、関節等の障害を治療し、或いは
予防するのに使用するテーピング用具に関連し、
殊に本考案は、人体の肘部分に適用されるテーピ
ング用具に関する。
従来この種障害の治療や予防には、障害部位ヘ
ギブス、サポータ等の保護具を装着することが一
般に行なわれる。例えばギブスの場合、障害部位
を完全固定する構造であるため、骨折等の重度障
害の治療に有効であるが、適度な運動が許容され
る中度乃至軽度の障害の治療には適さない。また
サポータの場合、障害部位の圧迫作用により内出
血やはれを押える等の効果を期待できるが、障害
部位の動きを規制する作用がなく、障害部位の保
護機能を全く欠いている。そこで近年、障害部位
へ粘着テープを貼付し若しくは巻き付けるテーピ
ングという技法が注目されるに至つた。このテー
ピング技法は、障害部位の動きを適度に規制で
き、而もその規制度合を障害の種類や症状に応じ
て適宜調節できる利点がある。ところがこの技法
を用いるには、専門的且つ熟錬した技能の修得が
必要であるため、一般の者がこのテーピング技法
を利用することは殆んどで困難であつた。
そこで先般、足の部分に対して一般の者でも簡
易にテーピング技法を実施できるテーピング用具
が提案された(特開昭57−66777号および特開昭
58−155879号)。これらのテーピング用具は、一
方表面に粘着層を有するシート材を足部分に対応
する特定の形状に裁断して形成されるもので、前
記粘着層を足部分に当ててテーピング用具を貼付
することにより、足部分を固定するものである。
しかしながら従来のテーピング用具は、適用部位
が足のような特定部分に限られており、他の身体
部位に適用されるものは全く存在しない。しかも
従来のものは、その形状的な工夫をもつて、簡易
なテーピング技法を実現することのみを狙いとし
ているため、テーピングの性能が十分でなく、特
にテーピング技法に必要な患部を固定したり締め
付けたりする作用が乏しいため、障害等の部位を
十分に保護できず、加えて貼付部分に力が作用す
ると、簡単に剥離するなどの問題があつた。
本考案は、テーピングの性能には、形状の他に
シート材の伸縮性や粘着層の接着力が関与してい
ることに着目したもので、肘部分へテーピング技
法を適用するに最適な形状を工夫すると共に、シ
ート材の伸縮性と粘着層の接着力とを最適状態に
設定することにより、肘部分に対しテーピング技
法を簡易に実施し得かつ十分なテーピングの性能
を得ることのできる新規な肘用テーピング用具を
提供することを目的とする。
以下図面に示す実施例に基づき本考案を具体的
に説明する。
第1図は肘部分(図中、一点鎖線で示す)に適
用される本考案のテーピング用具を示す。このテ
ーピング用具は、皮膚表面へ全面貼付する構造の
ものであり、縦長形状を有する支え片1の両側端
縁の中央部にくびれ部2,3を設けると共に、支
え片1の上端縁11は内側へ凹む彎曲形状に形成
し、下端縁12は外側へ膨らむ彎曲形状に形成し
てある。前記支え片1は上腕部より前腕部にわた
る肘関節部の前面に対応させるものであり、支え
片1の両側部は上腕部および前腕部の側面ないし
は後面へ巻き付けるようにして止着固定される。
前記くびれ部2,3は肘関節部に対応位置し、そ
の深さを支え片1の横方向の長さに対して十分に
浅い程度のものに設定してあり、このくびれ部
2,3により腕の屈曲動作が阻害されない構造と
なつている。支え片1の上端縁11の彎曲形状は
上腕部前面の盛り上つた形状に、また下端縁12
の彎曲形状は前腕部前面の平らな形状に、夫々対
応させるためのものであり、支え片1の上端縁1
1と両側端縁との間および下端縁12と両側端縁
との間に夫々円弧状部13,14,15,16を
形成することにより、テーピング用具全体が上腕
部や前腕部の形状や凹凸に一層完全に適合する。
上記形状のテーピング用具は、肘関節部の靭帯
を固定して、その動きを制限するためのものであ
り、従つて縦方向(矢印aで示す)の伸縮性は伸
縮率が50%以下であるよう規制される。そしてこ
の程度の伸縮率を設定しておけば、肘の屈曲には
十分に順応できる。また直交する横方向(矢印b
で示す)については、伸縮性を有する方が好まし
く、50%以上の伸縮率に設定するもので、これに
より肘部への固定力が強化されると共に、体の動
きに順応できる等の顕著な効果がある。
第2図は上記テーピング用具の断面構造を示
し、テープ基材4の一方表面に粘着層5が形成さ
れ、この粘着層5上に剥離材6が貼付してある。
シート基材4は、布地、不織布、紙、合成樹脂
膜、発泡体等の強靭なシート材が採択され、好ま
しくは布地や不織布、特に好ましくは布地を使用
する。布地の場合、その原料は絹、毛等の天然繊
維、スフ、ビスコース等の人造繊維、ナイロン、
テトロン、アクリル、ウレタン等の合成繊維、若
しくはこれらの混合繊維等が用いられ、シート基
材4の強度として15Kg/2.5cm以上、更に好まし
くは30Kg/2.5cm以上が必要である(強度は日本
工業規格の織物の引張試験方法に準じて測定)。
粘着層5の生成には、アクリル係粘着剤若しくは
ゴム系粘着剤のいずれかひとつ若しくはこれらの
混合物が用いられる。アクリル系粘着剤の場合、
これを構成する主成分として一般に炭素原子数4
〜8個のアルキル基を有するアクリル酸アルキル
テステルがあげられ、更にこのアクリル酸アルキ
ルエステルは、アクリル酸ブチル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の
アクリル酸アルキルに、酢酸ビニル、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル等のガラス転移点の
高い単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リルアミド、N−置換アクリルアミド、ヒドロキ
シアルキルアクリレート等の官能基を有する単量
体とを共重合させて生成される。このうちアクリ
ル酸アルキルは全重量に対し50重量%以上を配合
する必要があり、50重量%以下では十分な粘接着
力が得られないこととなる。尚イソシアネート
系、エポキシ系、ユリア系等の反応性の高い硬化
処理剤、或いはX線、γ線、電子線等の電離性放
射線を照射して硬化する方法等を用いて、前記粘
着成分のバランスをとることも可能である。一方
ゴム系粘着剤の場合は、NR,SBR,SIS,SBS,
IR,IIR等のエラストマーがあげられ、更に粘着
力を付与するため、ロジン、ロジン変性樹脂、ポ
リテルペン系樹脂、脂肪族芳香族石油樹脂、フエ
ノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレ
ン系樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤を配合
し、更に粘着基剤をバランスよく保持するため、
流動パラフイン、ポリブテン等の石油系可塑剤、
大豆油、ゴマ油、オリーブ油、椿油等の植物系可
塑剤、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、
ホワイトカーボン、カオリン等の充填剤を適宜配
合してもよい。更にはイオウ、過酸化物等を配合
し、或いはX線、γ線、電子線等の電離性放射線
を照射して、架橋処理を行なつてもよく、また必
要に応じて老化防止剤、酸化防止剤を配合しても
よい。そしてこれらの配合量は、エラストマー
100重量部に対し、粘着付与剤を25〜300重量部、
好ましくは50〜250重量部、更に好ましくは110〜
200重量部配合する。尚粘着付与剤が300重量部以
上では、エラストマーの弾性的性質が著しく低下
し、皮膚表面からの剥離時に強い痛みを与えた
り、皮膚に粘着成分が残つたりする。
かくしてテーピング用具の接着力特性は、フエ
ノール樹脂板に対する180゜ピール接着力として
200g/18mm以上、好ましくは400g/18mm、更に
好ましくは600g/18mm以上に設定し、またせん
断接着力としては2Kg/18mm以上、好ましくは5
Kg/18mm以上、更に好ましくは10Kg/18mm以上に
設定する。尚、180゜ピール接着力が200g/18mm
より小さい場合や、せん断接着力が2Kg/18mmよ
り小さい場合は皮膚に対するテーピング用具の固
定が弱くなり、剥離し易くなる。
上記の粘着層5には、必要に応じて皮膚刺激
剤、消炎鎮痛剤等の薬効成分を配合してもよい。
例えば薬効成分として、サリチル酸メチル、サリ
チル酸グリコール、サリチル酸、メントール、ハ
ツカ油、カンフル、チモール、アクリノール、ロ
ートエキス、マレイン酸クロルフエニラミン、ジ
フエンヒドラミン、ニコチン酸ベンジルエステ
ル、トウガラシエキス、ノニル酸バニリルアミ
ド、カプサイシン、イブプロフエン、インドメタ
シン、アルクロフエナツク、ケトプロフエン、フ
ロバイプロフエン、フエノプロフエン、ナプロキ
セン、ピロキシカム、アセメタシン、クリダナツ
ク、ロキソプロフエンおよびこれらのエステル
類、コルチコステロイド類等から1種または2種
以上を選択使用する。これら薬効成分の配合量は
薬剤100重量部に対し0.01〜20重量部が適当であ
る。更に経皮吸収促進剤、安定剤、香料、鉱油、
角質軟化剤、抗ヒスタミン剤等を適宜配合しても
よい。
更に剥離材6については、シリコンコーテイン
グ等の剥離処理を施こしたクラフト紙、グラシン
紙、パーチメント紙等の紙や、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のプラスチ
ツクフイルムや、セロフアンのいずれかを選択し
て用いる。尚テーピング用具の全面には、多数の
通気孔を開設してもよく、これにより気触れ等の
皮膚炎を防止でき、また汗が貯留して剥離するの
を阻止する効果がある。
つぎに配合組成の具体例を挙げると、以下のと
おりである。
〔実施例 1〕 アクリル酸2−エチルヘキシル72重量%、酢酸
ビニル23重量%、メタアクリル酸3重量%及び過
酸化ベンゾイル2重量%を50〜70℃にて共重合し
て得られたアクリル系粘着剤をトルエン溶剤中固
形分濃度25%になるよう溶解し、この溶解液を直
交方向の伸縮率が133%、上下方向の伸縮率が30
%のポリウレタン織布に厚さ200μ(wet)に展延
し、乾燥炉(80〜120℃)を通し粘着層を形成し、
その上ヘシリコンをコーテイング処理したクラフ
ト紙を剥離材として貼付した。
〔実施例 2〕 アクリル酸2−エチルヘキシル68.42部、酢酸
ビニル21.05部及びN−tert−ブチルアクリルアミ
ド10.53部を50〜70℃にて共重合して得られたア
クリル系粘着剤95重量%、−メントール3重量
%及びサリチル酸グリコ−ル2重量%をトルエン
溶剤中固形分濃度30%になるよう溶解し、この溶
解液を実施例1と同じ布地に、同一方法条件にて
展延して粘着層を形成した。
〔実施例 3〕 NR(天然ゴム)33重量%、ポリテルペン樹脂
33重量%、液状イソプレンラバー16重量%、酸化
亜鉛18重量%を混練機にて混合均一分散し、次に
温度70〜90℃のカレダーロールにて実施例1と同
じ布地に厚さ50μに展延して粘着層を形成し、そ
の上ヘシリコンをコーテイング処理したクラフト
紙を剥離材として貼付した。
〔実施例 4〕 NR(天然ゴム)30重量%、ロジン変性樹脂27
重量%、ポリブテン15重量%、酸化亜鉛23重量
%、−メントール3重量%、サリチル酸メチル
2重量%を混練機にて混合均一分散し、次に温度
70〜90℃のカレダーロールにて実施例1と同じ布
地に厚さ50μに展延して粘着層を形成し、その上
ヘシリコンをコーテイング処理したクラフト紙を
剥離材として貼付した。
〔実施例 5〕 SIS(スチレン−イソプレン−スチレンラバ
ー:シエル化学製カリフレツクスTR−1107)24
重量%、ロジン変性樹脂48重量%、流動パラフイ
ン18重量%、酸化チタン5重量%、−メントー
ル3重量%、サルチル酸グリコール2重量%を温
度120〜160℃の混合機に溶融均一混合し、この溶
融液をリバースロールコーターにて実施列1と同
じ布地に厚さ50μに展延して粘着層を形成し、そ
の上ヘシリコンをコーテイング処理したクラフト
紙を剥離材として貼付した。
然して剥離材6を除いて粘着層5を露出させた
状態が、支え片1を治療若しくは予防にかかる上
腕部から前腕部に至る肘関節部の前面へ貼付す
る。この場合、支え片1の両側端縁のくびれ部
2,3を肘関節部に位置させつつ、支え片1の両
側部を引張り伸張させて、上腕部および前腕部の
両側面ないしは後面へ巻き付けるように止着固定
する。尚上記装着に際し、従来公知の貼付剤また
は湿布剤を患部に貼付し、その上から本考案のテ
ーピング用具を装着してもよい。
上記手順にてテーピング用具を装着すると、本
考案の形状によれば、第3図および第4図に示す
如く、支え片1は内側側副靭帯、外側側副靭帯、
橈骨輸状靭帯上に正しく位置し、而も全体が肘前
面部分の形状や凹凸に完全適合するものであり、
特に端部においてしわやたるみの発生がない。
かかる貼付状態において、支え片1は縦方向の
伸縮が規制されるから、靭帯を固定する働き、す
なわち靭帯が上下方向に伸びようとするのを制限
する。また全体がたるむことなく肘前面部に適合
しているから、ねじれ方向に対しても運動の制限
阻止力が作用する。更に一方において、両側端縁
のくびれ部2,3が肘関節部に対応位置するか
ら、腕の屈曲動作を何等阻外しない。更に本考案
はテーピング技法によるXサポートと縦サポート
を結合させた形状となつており、テーピング理論
にも合致しているものである。
本考案は上記の如く、シート材の形状を肘部分
へテーピングを適用するのに最適な形状に工夫す
ると共に、シート材の伸縮性と粘着層の接着力と
を最適状態に設定したから、これを肘関節部の前
面に対し上腕部から前腕部にかけて貼付するだけ
で、一般人と雖もテーピング技法を肘部分に簡易
に実施できる。しかも全体が肘部分に沿つて適合
して、肘部分の靭帯等を固定しかつ両側より締め
付けるため、その動きを有効かつ適度に制限で
き、加えて貼付部分に力が作用しても粘着層は容
易に剥離せず、肘部分における障害を確実に保護
し、また予防することができる。
また全体が単純な形状であるから、これを工業
生産する場合、材料の無駄が生じず、また取扱い
が容易であり、製造コストを低減できる等、幾多
の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案にかかるテーピング用具の平面
図、第2図はその断面図、第3はテーピング用具
の装着状況を示す側面図、第4図はその背面図で
ある。 1……支え片、2,3……くびれ部、5……粘
着層。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方表面に粘着層をもつ強靭なシート材をもつ
    て形成された肘部に適用されるテーピング用具で
    あつて、 縦方向の長さを肘関節部の前面をはさんで上腕
    部から前腕部に至る長さに対応させかつ横方向の
    長さを上腕部および前腕部の前面より側面ないし
    は後面に至る長さに対応させたやや縦長形状の支
    え片を備え、支え片の両側端縁の中央部にはその
    深さが支え片の横方向の長さに対して十分に浅い
    くびれ部を設けると共に、支え片の上端縁は内側
    へ凹む湾曲形状に形成し、下端縁は外側へ膨らむ
    湾曲形状に形成しており、 前記シート材の伸縮性は、縦方向の伸縮率を50
    %以下に設定して伸縮性を規制しかつ横方向の伸
    縮率を50%以上に設定して伸縮性を付与すると共
    に、前記粘着層の接着力は、180゜ピール接着力を
    200g/18mm以上に、せん断接着力を2Kg/18mm
    以上に、それぞれ設定して成る肘用テーピング用
    具。
JP5126584U 1984-04-06 1984-04-06 肘用テーピング用具 Granted JPS60163907U (ja)

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JPS60163907U JPS60163907U (ja) 1985-10-31
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003038550A (ja) * 2001-08-02 2003-02-12 Cogit:Kk 湿潤性付与カバー

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5766777A (en) * 1980-10-15 1982-04-23 Kuniaki Yamazaki Protective tool for arch
JPS58155879A (ja) * 1983-02-25 1983-09-16 中島 紀久男 テ−ピング用具

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