JPH01198950A - フラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断補強構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、フラットプレート構造物におけるフラット
プレートスラブの柱頭まわりの剪断補強構造に関するも
のである。

「従来の技術」 建築物の構造形式の一つとして、従来よりフラットプレ
ート構造が知られている。このフラットプレート構造は
、梁を用いずに平板状のスラブを柱で支持するフラット
スラブ構造の一種であるが、一般のフラットスラブ構造
の場合に設けられるキャピタル（柱頭拡大部）を省略し
て、第５図に示すように等断面の柱１の柱頭部に直接的
にスラブ２を接合するようにした形態のものである。

「発明が解決しようとする課題」 ところで、このようなフラットプレート構造においては
、柱ｌとスラブ２との接合部に大きな剪断力が加わって
スラブ２の柱頭まわりに第５図に示すような剪断破壊線
３が生じることがあるため、柱頭まわりを剪断補強して
剪断耐力を向上させることが必要となる。そこで、従来
一般には、このような柱頭まわりの剪断耐力を向上させ
るため、第６図に示すように、柱ｌの柱頭部を貫通さＵ
・るようにして剪断補強筋４を配し、この剪断補強筋４
の両側をスラブ２の柱頭まわりに生じる剪断破壊の想定
線に交差させるようにしてスラブ２内に埋設するように
していた。

しかしながら、このようにして構成された剪断補強構造
においては、剪断補強筋４によって柱頭まわりの剪断面
に作用する引張力に抵抗させて剪断耐力を高めるように
しているが、大きな剪断力が加わった場合、第６図に示
すような剪断破壊線３および細かい割れ５が生じてしま
う問題があり、剪断補強効果が十分であるとは言えなか
った。

また、柱頭まわりを剪断補強する方法として、スラブ２
の厚さを増加させる方法、スラブ２と柱１との接合部す
なわちシアヘッド部を鉄骨で補強する方法なども考えら
れるが、このような方法によって剪断補強を行った場合
には、スラブ重量の増加、施工の複雑化などの問題があ
った。

この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、スラブ
重量を増加させずに剪断耐力を高め、かつ施工の容易な
フラットプレートスラブの剪断補強構造を提供すること
を目的としている。

「課題を解決するための手段Ｊ この発明は、平板状のスラブが柱の柱頭部に直接接合さ
れて支持されているフラットプレート構造物におけるフ
ラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断補強構造であ
って、上記スラブの柱頭まわりに複数の鋼板がその中央
部を上記柱の側部に近接させて水平状態で埋設され、こ
れら各鋼板の両端部が上記柱と反対側に折れ曲がった状
態で上記柱の側方へ延在していると共に各鋼板の上面に
複数のスタッドジベルが取り付けられているものである
。

「作用」 この発明のフラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断
補強構造においては、スラブの柱頭まわりに複数の調板
が水平状態で埋設され、これら各鋼板の上面に複数のス
タッドジベルが取り付けられていることによって、複数
のスタッドジベルがそれぞれスラブの剪断破壊の想定線
に交差した状態で埋設されることとなる。したがって、
これら複数のスタッドジベルが剪断破壊の想定線に作用
する引張力に抵抗してスラブの剪断耐力を著しく向上さ
せると共に、スラブの剪断補強部分が靭性を備えること
となる。また、剪断補強部材が柱を貫通していないので
、シアヘッド部などへのコンクリートの打設が容易にな
り、スラブの施工が容易になる。その上、このような鋼
板およびスタッドジベルを用いた剪断補強構造は、スラ
ブが薄い場合にも施工し易いため、薄いスラブの剪断耐
力を容易に補強することができる。

また、各鋼板がその中央部を柱の側部に近接させた状態
でスラブ内に埋設されていると共に各鋼板の両端部か柱
と反対側に折れ曲った状態で上記柱の側方へ延在してい
ることによって、スタッドジベル内のシアヘッド部に近
い位置に多数のスタッドジベルを埋設することが可能と
なり、これら多数のスタッドジベルが剪断破壊の想定線
にシアヘッド部に近い位置で交差することとなる。した
がって、スラブ内で最も剪断破壊を起こし易いシアヘッ
ド部に近い部分が効率良く補強されることになる。

［実施例Ｊ 以下、この発明の一実施例を第１図ないし第１図を参照
して説明する。

この実施例のフラットプレートスラブの柱頭まわりの剪
断補強構造は、平板状のスラブ２が断面四角形状の柱１
の柱頭部に直接接合されて支持されているフラットプレ
ート構造の柱頭まわりの剪断補強構造であって、上記ス
ラブ２の柱頭まわりに剪断補強部材６を埋設してなるも
のである。

上記剪断補強部材６は、鋼板７とこの鋼板７上に連設さ
れている複数のスタッドジベル８とから構成されたもの
である。上記鋼板７は、上記スラブ２内に水平状態で埋
設されているものであって、その中央部９が直線状に形
成されていると共にその両端部１０．１０が水平面内に
おいて同じ側に４５゛折れ曲がり、その両端部１０．１
０の先端に釘穴１１が穿設されているものである。上記
スタッドジベル８は、軸部１２とこの軸部１２の一端に
設けられた頭部１３とからなるものであって、上記頭部
１３を上に向けた状態で上記鋼板７の中央部９および両
端部ｌ０１１０の上面にそれぞれ多数取り付けられてい
るものである。なお、このスタッドジベル８としては、
上記のような軸部１２と頭部１３とからなる形状のもの
に限らず、多種多様な形状のものを用いることができる
。

このような構成の剪断補強部材６は、上記柱ｌのまわり
に等間隔で四個配されている。これら四個の剪断補強部
材６は、その鋼板７の中央部９の縁部が上記柱ｌの四つ
の角にそれぞれ近接した状態で対向していると共にその
鋼板７の両端部１Ｏ１ＩＯが上記柱１の隣合う側面上に
それぞれ位置しており、各側面上において隣合う二つの
鋼板７．７の各端部１０．１０が互いに平行な状態で上
記柱１の側方へ延在している。そして、各Ｍ板７は、上
記スラブ２の下面から１０ｍｍ程度浮いた状態でスラブ
２内に埋め込まれ、これら各綱板７に取り付けられたス
タッドジベル８は、その軸部１２がスラブ２の柱頭まわ
りに生じる剪断破壊の想定線１４　（第２図中に示す）
と交差している。なお、このようなスラブ２の柱頭まわ
りに生じる剪断破壊線は、−般に、水平線に対して１８
°〜４５°の範囲で柱１側に傾斜している。

このような剪断補強構造を備えたフラットプレートスラ
ブを施工する場合には、予め工場で、鋼板７の上面にス
タッドジベル８を打ち付けて剪断補強部材６を組み立て
ておく共に上記鋼板７の下面に７さ１０ｘｘ程度のスペ
ーサ１５を取り付けておく。

そして、現場において、柱ｌの柱頭部のまわりにスラブ
成形用の型枠１６を配置し、次いでこの型枠１６上の柱
頭まわりに各剪断補強部材６をスペーサ１５を介して載
せた後、この鋼板７の釘穴１１に釘打ちしてこの鋼板７
を型枠１６上に取り付けろ。このようにして柱頭まわり
に剪断補強部材６を配置した後、上記鋼板７上に下端筋
１７を位置させると共に上記スタッドジベル８の頭部１
３より下に上端筋１８を位置させてこれら下端筋１７お
よび上端筋１８を上記型枠１６上に配筋する。そして、
このようにした後、上記型枠１６上にコンクリートを打
設して上記剪断補強部材６および下端筋１７、上端筋！
８をコンクリート内に埋設し、このコンクリートを固化
させる。

このフラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断補強構
造によれば、鋼板７の中央部９の縁部を注１の角に近接
させた状態で対向させたので、スラブ２の柱頭まわりに
生じる剪断破壊の想定線１４の最も内側に近い位置に多
数のスタッドジベル８を配置することができる。その上
、上記鋼板７の両端部１Ｏ１ＩＯか水平面内において同
じ側に４５°折れ曲がり、この両端部１Ｏ１ＩＯが上記
柱ｌの側面上でその柱！の側方へ延在するようにしたの
で、スラブ２内にセットしたときに安定性が良い。また
、上記鋼板７に釘穴１１が穿設されているので、剪断補
強部材６を型枠１６に容易に取り付けることができる。

さらに、予め工場で上記鋼板７の下面にスペーサ１５が
取り付けられているので、鋼板７をスラブ２内の所定の
レベルに正確にセットすることができる。

なお、このフラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断
補強構造では、スラブを断面四角形状の柱に接合支持し
ているが、断面円形状またはその他の形状の柱に接合支
持しても差し支えない。

「発明の効果」 この発明のフラットプレートスラブの柱頭まわりの剪断
補強構造によれば、スラブの柱頭まわりに複数の鋼板が
水平状態で埋設され、これら各鋼板の上面に複数のスタ
ッドジベルが取り付けられているので、複数のスタッド
ジベルをそれぞれスラブの剪断破壊の想定線と交差させ
た状態で埋設することができる。したがって、これら複
数のスタッドジベルによって剪断破壊の想定線に作用す
る引張力に抵抗させてスラブの剪断耐力を著しく向上さ
せることができると共に、スラブの剪断補強部分に靭性
を備えさせることができる。また、剪断補強部材が柱を
貫通していないので、シアヘッド部などへのコンクリー
トの打設が容易になり、スラブの施工が容易になる。そ
の上、このような鋼板およびスタッドジベルを用いた剪
断補強構造は、スラブが薄い場合にも施工し易いため、
薄いスラブの剪断耐力を容易に補強することができる。

また、各鋼板がその中央部を柱の側部に近接させた状態
でスラブ内に埋設されていると共に各鋼板の両端部が柱
の反対側に折れ曲ｌ）くった状態で上記柱の側方へ延在
しているので、スタッドジベル内のシアヘッド部に近い
位置に多数のスタッドジベルを埋設することができ、こ
れら多数のスタッドジベルを剪断破壊の想定線にシアヘ
ッド部に近い位置で交差させることができる。したがっ
て、スラブ内で最も剪断破壊を起こし易いシアヘッド部
に近い部分を効率良く補強することができる。

さらに、このフラットプレートスラブの剪断補強構造を
施工する場合には、剪断補強部材が人手で運搬できる程
度に軽いので、クレーンなどを用いる必要がなく、また
、スラブに配筋を行なう場合にも、上端筋についてはス
タッドジベルの頭部を避けて配するだけで特に支障がな
く、下端筋についても十分な被り厚さを確保することが
できる。

その上、スラブにプレストレスを導入する場合にも、Ｐ
ＣＭ線の配置等による支障は生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、この発明の一実施例を示す図で
あって、第１図はフラットプレートスラブの柱頭まわり
の平断面図、第２図は第１図／ｌ−Ａ線視断面図、第３
図は第１図Ｂ−Ｂ線視断面図、第４図は第３図Ｃ部詳細
断面図である。第５図、第６図は、従来のフラットプレ
ートスラブの枕頭まわりに生じる剪断破壊を説明する説
明図であって、第５図は剪断補強筋を配していない場合
の説明図、第６図は剪断補強筋を配した場合の説明図で
ある。 ！・・・・柱、 ２・・・・スラブ、 ７・・・・鋼板、 ８・・・・スタッドジベル、 ９・・・・ｌ１１仮の中央部、 １０、１０・・・・鋼板の両端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 平板状のスラブが柱の柱頭部に直接接合されて支持され
   ているフラットプレート構造物におけるフラットプレー
   トスラブの柱頭まわりの剪断補強構造であって、上記ス
   ラブの柱頭まわりに複数の鋼板がその中央部を上記柱の
   側部に近接させて水平状態で埋設され、これら各鋼板の
   両端部が上記柱と反対側に折れ曲がった状態で上記柱の
   側方へ延在していると共に各鋼板の上面に複数のスタッ
   ドジベルが取り付けられていることを特徴とするフラッ
   トプレートスラブの柱頭まわりの剪断補強構造。