JPH0118620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、給糸体の風綿付着防止設置構造に
関するものである。

一般に流体噴射式織機において各メインノズル
から多色の緯糸を所定の順序に従つて噴射する場
合には、各色の給糸体から夫々横取りすることが
行なわれている。そして、この場合作業能率向上
の見地から、各色の給糸体を夫々所謂尻結びを行
なう。即ち解舒中の給糸体の巻始めの糸端（次工
程にあつては最後に引出されるべきもの）を予備
給糸体の巻終りの糸端（次工程にあつては、最初
に引出されるべきもの）に連結しておいて、給糸
体の糸が尽絶された場合でも、織機を停台させて
新しい給糸体と取替えることをなくし、この取替
えによる次工程の織機の稼動効率及び取替えによ
る作業能率の低下の防止を図ろうとする。

ところで、緯糸が多色（例えば２色）の場合に
は、第１図に示す様に、相互に尻結びをした各色
の緯糸給糸体Ｗ１Ａ，Ｗ１Ｂ，Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂを
色毎に上下に配している。即ち、第１の色の緯糸
給糸体Ｗ１Ａ，Ｗ１Ｂの下方に第２の色の緯糸給
糸体Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂを位置させている。この場
合、緯糸給糸体に風綿が付着するのを防止するた
めに第１の色の緯糸給糸体Ｗ１Ａ，Ｗ１Ｂの上方
から下方向に吹くブロワーBLでもつて、空気を
吹きつけて緯糸給糸体に風綿が付着するのを防止
せんとすることが広く行なわれている。

しかし、この場合には、第２の色の緯糸給糸体
Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂが第１の色の緯糸給糸体Ｗ１Ａ，
Ｗ１Ｂの真下に位置するため、ブロワーBLにて
吹きとばされた第１の色の緯糸給糸体Ｗ１Ａ，Ｗ
１Ｂの風綿が第２の色の緯糸給糸体Ｗ２Ａ，Ｗ２
Ｂに付着する。しかも、この第２の色の緯糸給糸
体Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂは第１の色の緯糸給糸体Ｗ１
Ａ，Ｗ１Ｂの存在により、直接ブロワーBLから
の噴気流にさらされることがない。このため下段
の第２の色の緯糸給糸体Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂには風綿
が付着したままとなる。この結果下段側に位置す
る風綿の付着した第２の色の緯糸給糸体が解舒さ
れて、風綿のついた第２の色の緯糸をメインノズ
ルに供給した場合にはメインノズルを詰まらせ、
緯入を不可能にし織機の停台を招くという欠点が
ある。

この考案は上記した様な事実に鑑み提案された
ものでブロワーで横取り給糸体に風綿が付着する
のを防止する形式であつて、多色用の給糸体の内
同一色の緯糸給糸体が複数個尻結びされた状態で
緯糸給糸体が多段状に配置されていても、下段側
に位置する色の緯糸給糸体にも確実にブロワーの
噴気流をさらさせ、該下段側の給糸体に風綿が付
着することを目的とする。

即ち、この考案は上記尻結びされた緯糸給糸体
を各色毎に上下に配置するとともに上下段の給糸
体を水平方向に交互にずらして配置してやるもの
である。

以下添付の図面に基づいて更に詳細にこの考案
の給糸体の風綿付着防止設置構造について説明す
る。

第２図に示す様に、この考案は第１のメインノ
ズルMN１から噴射される第１の色の緯糸は第１
緯糸給糸体Ｗ１ａから横取りされるものであり、
この第１緯糸給糸体Ｗ１ａの水平方向には該第１
給糸体Ｗ１ａと尻結びされている第２緯糸給糸体
（予備給糸体）Ｗ１ｂが相互に平行になる様に位
置する。

そして、第２のメインノズルMN２から噴射さ
れる第２の色の緯糸は第１の緯糸給糸体Ｗ２ａか
ら横取りされる様になつている。この第２の色の
緯糸給糸体Ｗ２ａは、第１の色の緯糸給糸体Ｗ１
ａの下方であつて且つ水平方向図中左右方向にず
らされた位置に設置されている。この第２の色の
第１緯糸給糸体Ｗ２ａは該第２の色の第１緯糸給
糸体Ｗ１Ｂと水平方向にずれたところに位置する
第１緯糸給糸体Ｗ２ａと相互に尻結びされてい
る。

上記第１の色の緯糸給糸体Ｗ１ａ，Ｗ１ｂの上
方には、下方に向けて噴気流を噴射するブロワー
BL群が設けられている。このブロワーBLの噴気
流はその下方向に位置する緯糸給糸体Ｗ１ａ，Ｗ
１ｂ，Ｗ２ａ，Ｗ２ｂに吹きつけられ、風綿が緯
糸給糸体Ｗ１ａ，Ｗ１ｂ，Ｗ２ａ，Ｗ２ｂに付着
するのを防止する。

尚、上記説明の場合には、２色織について説明
したが、この考案は３色又はそれ以上の数の色を
用いる場合にも応用できることはいうまでもな
い。即ち各段毎に給糸体の位置を水平方向にずら
してやればよいのである。

この考案によれば、上段に位置する第１の色の
互いに尻結びされた緯糸給糸体Ｗ１ａ，Ｗ１ｂと
下段に位置する第２の色の互いに尻結びされた緯
糸給糸体Ｗ２ａ，Ｗ２ｂとが水平方向に交互に配
置されているので、下段に位置する緯糸給糸体Ｗ
２ａ，Ｗ２ｂも直接ブロワーBLの噴気流にさら
されることとなり、この下段の給糸体Ｗ２ａ，Ｗ
２ｂに風綿が付着するといつたことがなくなる。
この結果第２の色の緯糸が給糸体Ｗ２ａ，Ｗ２ｂ
から解舒されてメインノズルMN２に至つた場合
であつても、そこから解舒された緯糸に風綿が付
着しているといつたことが無く、該メインノズル
MN２が風綿によつて目詰まりすることが無くな
り、織機が停台して織機の稼動効率を低下させる
といつたことが無くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の給糸体の風綿付着防止設置構造
を示す正面図、第２図はこの考案の給糸体の風綿
付着防止設置構造を示す正面図である。 Ｗ１Ａ，Ｗ１Ｂ，Ｗ２Ａ，Ｗ２Ｂ，Ｗ１ａ，Ｗ
１ｂ，Ｗ２ａ，Ｗ２ｂ……給糸体、BL……ブロ
ワー、MN……メインノズル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下方向に噴射するブロワーで該ブロワーの下方
   に位置する給糸体に噴気流をさらす形式であつ
   て、 水平方向に相互に平行に配置する複数の尻結び
   された横取り給糸体が各色毎に上下方向に段状に
   配置されており、且つ各段の給糸体は他の段の給
   糸体の垂直方向以外の位置に位置する ことを特徴とする給糸体の風綿付着防止設置構
   造。