JPH0117950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、縦向き軸芯周りで回動自在な輪体に
巻回したチエーンに茎稈係止爪を起伏揺動自在に
枢支連結すると共に、前記輪体のうちの１個の輪
体に対する巻回経路を始端部として前記係止爪を
起立姿勢で回動する搬送経路を形成し、その搬送
経路のほぼ全長において、起立姿勢の係止爪の上
方への変位を阻止する第１ガイド部材を、前記輪
体及びチエーンの上方を覆うカバーに連設すると
共に、その搬送経路のうちの前記始端側輪体に対
する巻回経路を除く部分においてのみ、起立姿勢
の係止爪を下側から受止める第２ガイド部材を設
けた茎稈係止搬送装置に関する。

上記装置は、チエーン及び輪体の上方を覆つて
カバーを設け、茎稈の不測のチエーンや輪体への
巻込みを防止しながら、下方側においては、第１
ガイド部材にほぼ対応させて第２ガイド部材を設
け、起立姿勢で回動される茎稈係止爪を、第１及
び第２ガイド部材により上下両側から挾む状態で
上下の変位無く良好に起立姿勢に維持させながら
回動するように構成し、チエーンの下方側におい
て極力大きな空間を形成し、たとえチエーンに茎
稈のハカマが巻付いてカバーの下方に入り込むと
か茎稈に付着した泥土がカバーの下方に入り込む
等しても、それらを迅速に落下させるように構成
するものである。そして、チエーンに付着したま
までハカマ等が搬送始端側の輪体の作用を受ける
に伴つて除去されやすいように、始端側輪体に巻
回されて回動される部分では第２ガイド部材を設
けないようにしている。ところが、従来では、第
５図に示すように、その始端側輪体を単純にスプ
ロケツト３１で構成しており、先端側程搬送方向
下手側に位置するような茎稈に対して作用した場
合に係止爪３２にその先端を上方に向かわせるよ
うな反力を生じ、それに起因し、第１ガイド部材
３３による受止め位置を反力点としてチエーン３
４を下方に押し下げる力が働き、それに伴つてチ
エン３４が下方に突出するように彎曲される状態
になり、スプロケツト３１との相対位相がズレ、
少しのズレでもチエーン３４がスプロケツト３１
から不測に外れる欠点があつた。

本考案は、上記の点に鑑み、始端側輪体の下方
において、係止爪に対する下側からの受止めガイ
ドを設けないものでありながら、係止爪にかかる
茎稈からの反力に起因するチエーンの輪体からの
外れを、簡単な改良でもつて、良好に防止できる
ようにすることを目的とする。

本考案は上記目的達成のために、上述した茎稈
係止搬送装置において、前記始端側輪体を、前記
チエーンを外嵌係止する溝を備えたプーリで構成
してある事を特徴とする。

つまり、始端側輪体をプーリで構成するだけの
簡単な改良でありながら、茎稈からの押圧力によ
つて押下げられようとするチエーンに対し、その
チエーンを溝で受止めるから、プーリに対してチ
エーンが位置ズレしたとしても、プーリから離脱
させる事無く保持させることができ、その不測の
外れを良好に防止できるようになつた。

次に、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

圃場の植立茎稈を引起す引起し装置１、引起さ
れた茎稈を刈取る刈取装置２、刈取られた茎稈を
機体横方向に係止搬送して合流する左右の合流用
係止搬送装置３ａ，３ｂ、合流された茎稈を送り
受け、機体後方に搬送しながら横倒れ姿勢に姿勢
変更してフイードチエーン４に受渡す縦搬送装置
５、及び、フイードチエーン４によつて挾持搬送
される茎稈を脱穀処理する脱穀装置６を、操縦部
７及びクローラ走行装置８を備えた走行車体に順
次連設し、コンバインを構成してある。

前記合流用係止搬送装置３ａ，３ｂを構成する
に、夫々、３個の縦向き軸芯周りで回転自在な輪
体９ａ，９ｂ，９ｃにわたつて、係止爪１０…を
起伏揺動自在に枢支連結したチエーン１１を巻回
し、搬送装置３ａ，３ｂ夫々において機体両横外
側端に位置する輪体９ａ，９ｂに対する巻回経路
ｒを始端部として、それに連なる機体左右方向を
向いた横移動経路R₁、更に、それに連なる機体
前後方向を向いた合流経路R₂とにわたり、係止
爪１０…を起立姿勢で回動する搬送経路を形成し
てある。

前記チエーン１１及び輪体９ａ，９ｂ，９ｃの
上方を覆つてカバー１２を設けると共に、前記搬
送経路のほぼ全長において、第３図及び第４図に
示すように、カバー１２の周縁を折曲げ、起立姿
勢の係止爪１０…の上方への変位を阻止する第１
ガイド部材１２をカバー１２により一体形成して
ある。この第１ガイド部材１３としては、別体構
成したものをカバー１２に取付けるように構成し
ても良い。又、カバー１２の下向き面に、前記係
止爪１０…を起立姿勢に維持する起立ガイド１４
を取付けてある。

前記輪体９ａ，９ｂ，９ｃは、搬送始端側の輪
体９ａのみプーリで構成し、他の輪体９ｂ，９ｃ
をスプロケツトで構成してある。

プーリ９ａに対する巻回経路ｒを除いた部分
で、かつ、前記第１ガイド部材１３の下方に対応
する箇所に、第３図に示すように、起立姿勢の係
止爪１０…を下側から受止める第２ガイド部材１
５を、前記起立ガイド１４から一体延設した取付
部１４ａに連設してある。

第４図に示すように、カバー１２の上面に支軸
１６が突設されており、その支軸１６に、先端に
プーリ用支軸１７を溶接によつて連設したアーム
１８を回動自在に取付け、前記プーリ用支軸１７
を、カバー１２に形成された長孔１９を介して下
方に突出させ、そこに前記プーリ９ａを遊転自在
に取付けると共に、前記アーム１８にスプリング
２０を付設し、プーリ９ａをチエーン１１に対す
る緊張用輪体に構成してある。

前記プーリ９ａに形成された溝２１にチエーン
１１を嵌入係止して巻回させると共に、前記プー
リ用支軸１７に、溝２１の底部近くに作用させる
スクレーパ２２を取付けてある。

本考案としては、上述のようなコンバインにお
ける合流用係止搬送装置３ａ，３ｂに限らず、例
えば、縦搬送装置５における穂先係止搬送装置５
ａ等、各種の茎稈係止搬送装置に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る茎稈係止搬送装置の実施例
を示し、第１図はコンバインの一部省略全体側面
図、第２図は要部の一部切欠平面図、第３図は第
２図の−線断面図、第４図は第２図の−
線断面図、第５図は従来例を示す第４図に対応す
る断面図である。 ９ａ……始端側輪体、プーリ、９ｂ，９ｃ……
輪体、１０……茎稈係止爪、１１……チエーン、
１２……カバー、１３……第１ガイド部材、１５
……第２ガイド部材、ｒ……始端側輪体に対する
巻回経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦向き軸芯周りで回動自在な輪体９ａ，９ｂ，
   ９ｃに巻回したチエーン１１に茎稈係止爪１０…
   を起伏揺動自在に枢支連結すると共に、前記輪体
   ９ａ，９ｂ，９ｃのうちの１個の輪体９ａに対す
   る巻回経路ｒを始端部として前記係止爪１０…を
   起立姿勢で回動する搬送経路を形成し、その搬送
   経路のほぼ全長において、起立姿勢の係止爪１０
   …の上方への変位を阻止する第１ガイド部材１３
   を、前記輪体９ａ，９ｂ，９ｃ及びチエーン１１
   の上方を覆うカバー１２に連設すると共に、その
   搬送経路のうちの前記始端側輪体９ａに対する巻
   回経路ｒを除く部分においてのみ、起立姿勢の係
   止爪１０…を下側から受止める第２ガイド部材１
   ５を設けた茎稈係止搬送装置であつて、前記始端
   側輪体を、前記チエーン１１を外嵌係止する溝を
   備えたプーリ９ａで構成してある事を特徴とする
   茎稈係止搬送装置。