JPS6137590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本件考案はコンバインのクローラー装置におい
て、長時間使用することにより伸びるクローラー
装置においてアイドラーを緊張させるクローラー
テンシヨン装置に関するものである。

コンバイン等においては建設機械の如き鉄製の
シユーを連結したクローラーではなく、芯金を芯
にゴムを焼き付けたゴム焼き付け式のクローラー
が用いられている。

鉄製のシユー方式のクローラーの場合にはリン
ク間が伸びた場合には１個だけシユーを外して短
かくすることができるが、ゴム焼きつけのクロー
ラーの場合には全体が一体的に焼きつけされてい
るのでシユーを取り外して短かくすることができ
ないのである。その為にテンシヨン装置のテンシ
ヨンボルト長も長くなり、組立て及び切断時の取
り換え等が面倒な部品となつているのである。

本件考案はこのように安全装置として、クロー
ラーに不測の荷重がかかつた場合の切断部として
テンシヨンボルトに小径部を設けたものにおいて
切断時の交換作業等を容易にし、かつクローラー
装置の緊張時にテンシヨンボルトが共回りするこ
とのないように完全な回り止め装置を提供するも
のである。

本件考案の目的は以上の如くであり、添付の図
面に示した実施例の構成に基づいて本件考案の構
成を説明すると。

第１図はコンバインの全体側面図である。

クローラー３より構成するクローラー式走行装
置上に各装置を載置している。先端に分草板１を
突出し、該分草板１にて分草した穀稈を引起し装
置２にて引起す。それと同時に株元部を刈取装置
４にて刈取り、株元搬送装置５に受継ぐ。株元搬
送装置５にて縦搬送装置７へ受継ぐ。縦搬送装置
７にて急速に持上げ乍ら、長短稈調節を行ない脱
穀装置９のフイードチエーン１０へ受継ぐ。フイ
ードチエーン１０にて株元部を挾持し乍ら脱穀装
置９内を通過、脱穀される。脱穀後の排稈は排稈
チエーン１１にて排稈処理装置１２へ送られ、集
束又は結束又は切断処理される。１３は操縦コラ
ムである。

本件考案はこのような各部装置を載置し、走行
するクローラー式走行装置のテンシヨンボルト８
部分の構造に関するものである。１７はミツシヨ
ンケース、１４は駆動スプロケツトである。

第２図はコンバインのクローラー式走行装置の
側面図、第３図はクローラーのテンシヨン装置の
平面図、第４図は同じく側面図、第５図はテンシ
ヨンボルト受け２４部分の後面断面図、第６図は
同じくテンシヨンボルト２３を組み立てた状態を
示す図面、第７図は同じく平面図、第８図はテン
シヨンボルト２３の側面図、第９図は同じく後面
図、第１０図は補強板２９の平面図である。

テンシヨンボルト２３は第８図、第９図に示す
如く螺子部２３ｄと小径部２３ｃ、係止片２３
ａ、頭部２３ｂより構成されている。

螺子部２３ｄにロツクナツト２８が掛けられ
る。小径部２３ｃは安全装置を兼ねており、アイ
ドラー１５とクローラー３の間に石や障害物が挾
まつた場合に小径部２３ｃが切断し、クローラー
式走行装置の他の部分や、ミツシヨンケース１７
内の歯車を傷つけないように構成している。係止
片２３ａは螺子部２３ｄの方向から挿入され、頭
部２３ｂに接当させた位置で溶接固定されてい
る。頭部２３ｂはつまみを兼ねて構成されてい
る。

第２図において脱穀装置９を載置するシヤーシ
ー１６の下方にクローラー装置の支持台３９が垂
設されている。該支持台３９に支持パイプ２２が
固設され、機体側方へ突設されている。支持パイ
プ２２に転動ローラー１８の支持体３８と、本件
考案のクローラーテンシヨン装置が固設されてい
る。

支持パイプ２２に前後方向に２本のガイドパイ
プ２１，２１が溶接されており、該ガイドパイプ
２１，２１内にアイドラー１５の支持杆２０ｂ，
２０ａが前後摺動可能に設けられている。

アイドラー支持杆２０ａ，２０ｂの後端に固定
されたアイドラー軸支体２５ａ，２５ｂにアイド
ラー１５の軸３７を支持している。

アイドラー支持杆２０ａ，２０ｂの先端はガイ
ドパイプ２１，２１の先端から突出し、該先端両
突出部にテンシヨン体２４を接当させ、該テンシ
ヨン体２４の中央部にテンシヨンボルト２３を貫
通させて締めつけナツト２８ｂで締め上げた後ロ
ツクナツト２８ａで固定している。

又、テンシヨン体２４がアイドラー支持杆２０
から外れないようにアイドラー支持杆２０ａとテ
ンシヨン体２４内にボルト３６を嵌装している。

テンシヨンボルト２３の組み立て、取り換え
は、まず先端螺子部２３ｄをテンシヨン体２４の
貫入孔内に挿入し、そして首部をテンシヨンボル
ト受け２４のＵ字形のテンシヨンボルト嵌入溝３
４ａに落とし込んで、係止片２３ａの下端を補強
板２９とテンシヨンボルト受け３４にて構成す
る。係止孔２９ａに嵌入するのである。

長いテンシヨンボルト２３をガイドパイプ２１
の後方から入れるとなると支持パイプ２２が中央
にある為に、支持パイプにも組立挿入用の穴を開
口しなければならないが、Ｕ形の嵌入溝３４ａと
することにより組立てやすくなつたのである。

又、Ｕ形の嵌入溝の場合にテンシヨンボルトの
六角頭にて回り止めをすることは困難であるので
係止片と係止孔を設けてこの不具合いをも解消し
ているのである。

テンシヨンボルト受け３４はガイドパイプ２
１，２１の間に固設し、係止孔２９ａを設けた補
強板２９もガイドパイプ２１，２１の間の下方に
固設している。

以上の如く本件考案はアイドラー支持杆２０を
内部に摺動可能に嵌挿させたガイドパイプ２１，
２１の間にテンシヨンボルト受け３４を架設し、
該テンシヨンボルト受け３４にＵ字形のテンシヨ
ンボルト嵌入溝３４ａを上向きに設け、テンシヨ
ンボルト受け３４の下部に設けた補強板２９にテ
ンシヨンボルトの係止片２３ａの係止孔２９ａを
設けたので、ゴム焼き付けクローラーの為に長尺
のテンシヨンボルト２３を用いなければならない
が、組立て、交換の際にＵ形の嵌入溝に上方から
落とし込めばよく、又係止片２３ａと係止孔２９
ａで回り止め係止するので、回り止めも完全に行
われるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの全体側面図、第２図はコ
ンバインのクローラー式走行装置の側面図、第３
図はクローラーのテンシヨン装置の平面図、第４
図は同じく側面図、第５図はテンシヨンボルト受
け２４部分の後面断面図、第６図は同じくテンシ
ヨンボルト２３を組み立てた状態を示す図面、第
７図は同じく平面図、第８図はテンシヨンボルト
２３の側面図、第９図は同じく後面図、第１０図
は補強板２９の平面図である。 ２０……アイドラー支持杆、２１……ガイドパ
イプ、２３……テンシヨンボルト、２３ａ……テ
ンシヨンボルトの係止片、２９……補強板、２９
ａ……係止孔、３４……テンシヨンボルト受け、
３４ａ……Ｕ形の嵌入溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アイドラー支持杆２０を内部に摺動可能に嵌挿
   させたガイドパイプ２１，２１の間にテンシヨン
   ボルト受け３４を架設し、該テンシヨンボルト受
   け３４にＵ字形のテンシヨンボルト嵌入溝３４ａ
   を上向きに設け、テンシヨンボルト受け３４の下
   部に設けた補強板２９にテンシヨンボルト２３の
   係止片２３ａの係止孔２９ａを設けたことを特徴
   とするコンバインのクローラー式走行装置。