JPH0117722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は送り装置の往復走行するベルトとそれ
に沿つて往復動自在の移動体とを係合させる送り
装置のベルトに関するものである。

従来、プレスとプレスとの中間に設置してプレ
スからプレスへと半加工品を搬送する送り装置に
おいて、送り方向に往復走行するベルトを設け、
送り方向に往復動自在の移動体にフイードバー及
び吸着具を設け、ベルトと移動体とを係合させて
移動体に往復動を与えることによりフイードバー
により半加工品を搬送させる送り装置が用いられ
ている。この装置ではベルトを屈曲させて移動体
の接続ピンにからませて係合していたが、ベルト
に引張力が作用したときに接続ピンの外周を滑り
易く、搬送位置が狂い搬送した半加工品の受渡が
不確実となり事故を起し易いという欠点があつ
た。

本考案の目的はこの欠点を除き、ベルトに引張
力が作用すると接続部品を締付け益々係合力が増
加して滑ることがない送り装置のベルトを提供す
ることにある。

以下本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図及び第２図において、送り装置１の要部
の構造を示している。機体上部には数値制御され
て所要の角度にわたり往復回転を行なうモータ２
が設けられている。モータ２の出力軸にはタイミ
ングプーリ３が固定され、タイミングベルト４及
びタイミングプーリ５を介して機体に回転自在に
支持された回転軸６を駆動する。機体の後部には
左右一対のタイミングプーリ７，７が回転自在に
設けられ、回転軸６の他端に固定されたタイミン
グプーリ８との間にタイミングベルト１０がアイ
ドルプーリ９，９により張られて掛けられてい
る。タイミングプーリ７，７の上側を渡るタイミ
ングベルト１０は送り方向に走行する。タイミン
グベルト１０より前側の機体には送り方向に上下
一対のガイドロツド１１，１１が設けられ、ガイ
ドロツド１１，１１に案内され往復動自在に移動
体１２が設けられている。移動体１２の左右両端
部にはガイドロツド１１，１１よりも前側に上下
方向を向くガイドピン１３，１３が昇降自在に嵌
合している。ガイドピン１３，１３の下端はフイ
ードバーガイド１４に固定されている。フイード
バーガイド１４は送り方向に往復動自在にフイー
ドバー１５を案内している。フイードバー１５の
両端部から前方に張り出したバー１６の先端部に
はプレス（図示せず）で加工された半加工品など
を吸着して搬送する吸着具１７，１７が設けられ
ている。フイードバーガイド１４の左右方向中央
部でフイードバー１５の後側にはたて軸１８に回
転自在に支持されたピニオン１９がフイードバー
１５の後面のラツク部と機体に送り方向に長く設
けられた固定ラツク２０とにかみ合つている。従
つて移動体１２と共にフイードバーガイド１４が
左右に運動すると固定ラツク２０により回転させ
られるピニオン１９によりフイードバー１５は移
動体１２の２倍の距離を倍速で左右に運動する。

移動体１２の左右方向中央部には前後に貫通す
る水平軸２１が回転自在に設けられている。水平
軸２１の前側端に固定されたアーム２２の先端部
とフイードバーガイド１４とはコンロツド２３で
連結されている。水平軸２１の後側端に固定され
た回動部材２４には回動部材２４を上向に姿勢を
保持させるための一対のローラ２５，２５が左右
に離れて後側へ突設され、後部機体から前方へ突
出して水平に設けたガイド２６に接している。ガ
イド２６は移動体１２が左右に移動し水平軸２１
がタイミングプーリ７，７の中心と一致したとき
移動した側のローラ２５を自由にする長さとされ
ている。上向に保持された回動部材２４の水平軸
２１の上方にはタイミングプーリ７，７の上面を
結ぶ送り方向に走行する部分のタイミングベルト
１０の上面に接する位置から上に２個の接続部品
２７，２８が後向に突出して固定され、タイミン
グベルト１０は後述するところにより８の字状に
２つの輪を作りこれらの接続部品２７，２８に掛
けられている。

第３図及び第４図において、接続部品２７，２
８に掛けられたタイミングベルト１０の状態と、
そのタイミングベルト１０を接続部品２７，２８
から外し、そのまゝ展開した形状を示している。
タイミングベルト１０には第４図に示すように右
方にはその長手の中央部に方形の穴２９をあけ、
左方には穴２９に入る幅を中央部に残し両側に切
欠部３０が設けられている。穴２９と切欠部３０
の長さは接続部品２７の半周よりも若干長くし、
穴２９と切欠部３０間の距離は接続部品２８の2/
３〜3/4周程度とする。このようにしてタイミング
ベルト１０を下向に曲げ切欠部３０を設けた部分
を穴２９にくぐらすことにより第３図に示すよう
な８の字状の上下２つの輪を作り、それぞれの輪
を接続部品２７，２８にはめる。接続部品２７の
外周は円形、接続部品２８の外周にはタイミング
ベルト１０の片面の段部と同じ段付としておくこ
とにより互の係合が確実となる。この係合方法に
よればタイミングベルト１０が右或は左に引張ら
れることにより、輪の部分には接続部品２７，２
８を外周から締め付ける力が働き緩むことがな
い。従つてこの係合方法は平ベルトに応用しても
確実に動作するものである。なお接続部品２７の
外径を調節し、その下側のタイミングベルト１０
の段部が連続した形状となるようにしておく。

次に作用について述べる。送り装置１はプレス
が加工を終ると第１図に示す状態からモータ２が
例えば右に回転しタイミングベルト１０を右回に
回す。タイミングベルト１０と接続部品２７，２
８により係合している回動部材２４はローラ２
５，２５がガイド２６に接し姿勢が保持されてい
るので、タイミングベルト１０の引張力は回動部
材２４、水平軸２１を介して移動体１２に伝達さ
れ、移動体１２はガイドロツド１１に案内されて
右に移動する。移動体１２の水平軸２１と右側の
タイミングプーリ７の中心が一致すると、右側の
ローラ２５はガイド２６から外れ、更にタイミン
グベルト１０が回ると、接続部品２７下側のタイ
ミングベルト１０の段部が連続しているので右側
のタイミングプーリ７の外周に沿つて移動し、回
動部材２４は水平軸２１の回りに第１図に一点鎖
線で示すように回動する。一定の回動後モータ２
は制御されて逆転する。従つて水平軸２１と共に
回動するレバー２２によりフイードバーガイド１
４は左右動の端部で昇降運動を行ない、フイード
バー１５に左右動とその端部で昇降運動との搬送
運動を与えることができる。

タイミングベルト１０と接続部品２７，２８と
の係合は前述のとおり確実であり、接続部のタイ
ミングベルト１０はタイミングプーリ７の回りを
円滑に回転できるのでフイードバー１５の運動が
確実で搬送が確実である。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、ベルトに作用する引張力によりベルトが接続
部品を締め付けるので係合が確実であり、ベルト
と接続部品との接続部でベルトの段部が連続した
形状となつているので移動体の運動を円滑とする
ことができ、送り装置の搬送運動を確実とさせ
る。また平ベルトの係合にも応用できる、など実
用上の効果と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例による送り装置の一部断面の正
面図、第２図は第１図の−断面による側面
図、第３図は第２図の矢視による要部正面図、
第４図は第３図に示すベルト要部の展開図であ
る。 １は送り装置、２はモータ、３はタイミングプ
ーリ、４はタイミングベルト、５はタイミングプ
ーリ、６は回転軸、７はタイミングプーリ、８は
タイミングプーリ、９はアイドルプーリ、１０は
タイミングベルト、１１はガイドロツド、１２は
移動体、１３はガイドピン、１４はフイードバー
ガイド、１５はフイードバー、１６はバー、１７
は吸着具、１８はたて軸、１９はピニオン、２０
は固定ラツク、２１は水平軸、２２はアーム、２
３はコンロツド、２４は回動部材、２５はロー
ラ、２６はガイド、２７は接続部品、２８は接続
部品、２９は穴、３０は切欠部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 半加工品搬送用のフイードバーを有し、送り方
   向のガイドロツドに案内された移動体に係合し、
   送り方向に往復走行駆動される送り装置のベルト
   において、その幅の中央部に長さ方向に所要の長
   さを有する方形の穴と、この穴から所要長さ離れ
   てその幅を穴の幅に合わせて残し両側から所要長
   さ切欠いた切欠部とを有し、その上面から上方に
   ２本並べて移動体から突設した円筒状の接続部材
   に、前記切欠部を前記穴にくぐらせて生ずる８字
   形の輪を夫々係合させたことを特徴とする送り装
   置のベルト。