JPH0117655B2 - - Google Patents

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JPH0117655B2
JPH0117655B2 JP7493281A JP7493281A JPH0117655B2 JP H0117655 B2 JPH0117655 B2 JP H0117655B2 JP 7493281 A JP7493281 A JP 7493281A JP 7493281 A JP7493281 A JP 7493281A JP H0117655 B2 JPH0117655 B2 JP H0117655B2
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JP
Japan
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milk
enzyme
type
lactic acid
acidic
Prior art date
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Expired
Application number
JP7493281A
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English (en)
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JPS57189637A (en
Inventor
Mitsuo Umada
Satoshi Kudo
Kotaro Takamizawa
Kayoko Sakamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は酸性乳飲料の製造法の改良に関するも
のである。但しここで酸性乳飲料とは、乳を乳酸
菌で発酵させるか有機酸添加により酸性化するこ
とにより得られた凝乳の均質化物又はこれに適宜
加工(例えば果汁、甘味料、香料等の添加あるい
は希釈、殺菌等の処理)を施したものからなる飲
料のうち、無脂乳固形分濃度が8%未満のものを
意味する。その代表的な具体例としては、乳及び
乳製品の成分規格等に関する厚生省令にいうとこ
ろの乳酸菌飲料がある。 一般に、凝乳の均質化物から作られた飲料(中
でも乳固形分濃度の低い酸性乳飲料)は、その物
理的性状が不安定であつて、懸濁している凝固乳
蛋白が保存中に沈殿し、乳清の分離を招き易い。
このような外観上明瞭な変化は消費者に変質とみ
なされ、商品価値の著しい低下を来す。このた
め、安定性のよい酸性乳飲料を得るための種々の
試みがなされてきたが、そのいずれも完全な解決
には至つていない。例えば、 糖含量を高濃度にして安定化する方法は、飲
用時に希釈するような濃縮液以外には適用でき
ない。 CMC、ゼラチン等の添加によつて安定化す
る方法は製品粘度を上昇させ、商品価値を下げ
ることが多い。 電気透析、イオン交換樹脂、ゲル過、逆浸
透等によつて脱塩を行い安定化する方法は、有
効成分の損失、大量処理の困難及び低効率など
の問題がある。 乳酸発酵後の培養物を加熱殺菌し、沈殿物を
除去することにより安定化する方法(特公昭49
−50208号)は、沈殿物除去のために遠心分離、
過などの工程を別に設けなければならないと
いう問題があるだけでなく、乳酸菌が死滅する
ので生菌乳酸菌飲料の製造には適用できない。 などであつて、いずれも安定化の代償として支払
わなければならないものが多大であつたり、その
ために新たな問題が生じるなど実用性に乏しいも
のであつた。 そこで本発明者らは、より有効かつ実施容易な
酸性乳飲料安定化法を見いだすべく研究を重ねた
結果、酸性乳飲料からの沈殿生成には原料乳中の
リン脂質がなんらかの形で関与していることを知
つた。そしてこの知見を基に更に研究を進めた結
果、原料乳を特定のリン脂質分解酵素で処理する
ことにより乳中のリン脂質を特定の部位で加水分
解しておけば、酸性乳製品の安定性を大幅に向上
させ得ることを見いだし、以下に詳述するような
本発明を完成するに至つたのである。 本発明による酸性乳飲料の製法においては、原
料乳として、乳をA型又はC型のリン脂質分解酵
素で処理したものを用いる。現在知られているリ
ン脂質分解酵素はリン脂質分子の切断部位の特異
性によつてA型からD型までの4種類に分類され
ているが、酸性乳飲料の安定性向上に有効なのは
A型及びC型に限られ、B型やD型で処理しても
効果はない。但しB型は、A型と併用するとA型
酵素による処理効果を若干高める傾向があるか
ら、A型と一緒にならば使用することができる。 ここで上記4種類のリン脂質分解酵素につき簡
単に述べると、A型はリン脂質の1位と2位のい
ずれかの脂肪酸を切断してリゾ型のリン脂質に変
換する酵素であり、B型はリゾ型のリン脂質に作
用して残りの1、2位、どちらかの脂肪酸を遊離
させる酵素である。またC型は3位のリン酸基を
切断し、リン酸基に結合しているコリン、セリン
等の残基も同時に遊離させる酵素であり、D型
は、そのリン酸基は切断せずに、コリン、セリン
等の残基のみを遊離させる酵素である。このよう
な酵素活性の相違が、なんらかの形で本発明の効
果発現の有無に関与するものと考えられる。 以下、単に「酵素」というときは本発明の製造
法において使用するA型又はC型のリン脂質分解
酵素を意味する。 本発明の製造法において、原料乳の酵素処理は
次のようにして行う。 処理する原料乳は、無脂乳固形分濃度8〜30%
(重量%、以下同じ)程度のものであれば特に濃
度調整を行う必要はない。PHも、通常の原料乳の
場合、無調整でよい。 用いる酵素の量は原料乳中のリン脂質の量等に
応じて適宜決定するが、通常好ましい酵素使用量
は無脂乳固形分8%の乳1Kg当り25〜500単位で
ある(但しその酵素の至適PH及び至適温度におい
てα−ホスフアチジルコリンより1分間に1μM
の水溶性リン又は脂肪酸を遊離させる酵素量を1
単位とする。)。 処理温度は30〜45℃が適当である。 このような条件で原料乳を処理することによ
り、リン脂質の量を無脂乳固形分に対して0.17%
以下、望ましくは0.1%以下とする。 なお用いる酵素がA型又は一部のC型酵素のよ
うに毒性を有するものの場合は、任意の手段で固
定化した酵素とし、処理終了後に酵素と原料乳と
を完全に分離できるようにするか、処理後の無毒
化が必要である。したがつて、普通にはバチル
ス・セレウス菌から作られたC型酵素のように毒
性のないものを用いることが望ましい。 以上のような酵素処理は、原料乳の加熱殺菌
(乳酸発酵等のための)の前に行なつてもよく、
また後になつてもよい。 毒性のない酵素を用いた場合も、酵素処理終了
後は、加熱して酵素を失活させることが望まし
い。 本発明による酸性乳飲料の製造法は、上述のよ
うな酵素処理を施した乳を原料とすること以外、
常法と異なるところはない。すなわち、乳酸菌飲
料を製造する場合はスターターを接種して発酵さ
せ、得られた発酵乳を均質化した後、適宜甘味
料、香料、果汁、希釈水等を添加する。また乳酸
発酵によらずに有機酸を添加して酸性乳飲料を製
造する場合は、乳酸、クエン酸等の有機酸、ある
いはグルコノ−δ−ラクトン等のアシドイド(水
中で分解して酸を生成する)を添加して加温し、
凝乳のカードが形成されたらこれを均質化してか
ら上記乳酸菌飲料の場合と同様に加工する。 本発明の方法による製品は長期間静置保存して
も沈殿物を生じにくい、安定性の良いものであ
る。一方酵素処理による製品の風味や栄養価値の
低下もなく、酵素処理も特に技術的に困難なとこ
ろのない容易に行い得るものである。したがつ
て、本発明により、リン脂質含有量が多いため不
安定な製品を与え易い乳を用いても、安定性の良
い製品を容易かつ確実に製造し得るようになつた
のである。 以下実施例を示して本発明を説明する。なお実
施例中の各表における記号の意味は下記のとおり
である。 −:沈殿がないか、非常に少い。 +:はつきり見分けられる沈殿がある。 :乳固形分のほとんどが沈殿。 実施例 1 脱脂粉乳(リン脂質含有量0.25%)150Kg、ブ
ドウ糖40Kgを水に溶解して全量を999とし、こ
れにC型リン脂質分解酵素25万単位(PH6.0の
0.1M酢酸緩衝液1に溶解したもの)を添加し、
37℃で30分間反応させた。この酵素処理によりリ
ン脂質の45%が分解された。次いで加熱殺菌後、
ラクトバチルス・カゼイのスターターを接種し、
37℃で6日間発酵を行い、得られた凝乳を均質圧
力50Kg/cm2で均質化した。別に砂糖600Kgを水に
溶解して全量を700とし、加熱殺菌した。上記
凝乳均質化液と砂糖溶液を混合し、更に滅菌水
2400及び香料を加えて乳酸菌飲料とした。 別の比較のため、原料の酵素処理を行わない以
外は上例と同様にして乳酸菌飲料(対照品)を製
造した。 両乳酸菌飲料を容量65mlのビンに充填して5℃
で静置保存し、沈殿生成状況を観察した結果は第
1表のとおりであつた。
【表】 実施例 2 全脂粉乳(リン脂質含有量0.30%)180Kg、ブ
ドウ糖20Kgを水に溶解して全量を999とし、こ
れにC型リン脂質分解酵素30万単位(PH6.0の
0.1M酢酸緩衝液1に溶解したもの)を添加し、
37℃で1時間反応させた。次いで100℃で60分間
加熱殺菌後、ラクトバチルス・カゼイおよびラク
トバチルス・ヘルベテイクスのスターターを接種
し、37℃で2日間発酵を行なつた。得られた酸度
(発酵液1mlを中和するのに必要な0.1Nのカセイ
ソーダ溶液のml数)2.8、PH3.7の凝乳を均質圧力
150Kg/cm2で均質化し、別に調製した砂糖シロツ
プ、香料および果汁を加えて乳酸生菌飲料原液を
得た。この原液を適宜滅菌水で希釈して無脂乳固
形分濃度が1%、3%又は5%の乳酸生菌飲料を
製造した。 別に比較のために、原料の酵素処理を行わない
以外は上例と同様にして乳酸生菌飲料(対照品)
を製造した。これらの乳酸生菌飲料を5℃で静置
保存し、沈殿生成状況を観察した結果は第2表に
示すとおりであつた。
【表】 実施例 3 脱脂粉乳(リン脂質含量0.25%)160Kgを水に
溶解して、全量を1000とし、これにC型リン脂
質分解酵素30万単位(PH6.0の0.1M酢酸緩衝液
500mlに溶解したもの)を添加し、37℃で1時間
反応させた。この酵素処理によりリン脂質の50%
が分解された。次いで、これを100℃で30分間加
熱殺菌後、グルコノ−δ−ラクトン50Kgを加えて
よく撹拌後、37℃で3時間静置してカードを形成
させた。得られた凝乳を均質圧力150Kg/cm2で均
質化し、砂糖シロツプ、香料および果汁を加えて
酸乳飲料原液を得た。この原液を適宜滅菌水で希
釈して無脂乳固形分濃度が1%、3%又は5%の
酸乳飲料を製造した。別に、比較のために原料の
酵素処理を行わない以外は上例と同様にして、酸
乳飲料(対照品)を製造した。これらの酸乳飲料
を5℃で静置保存し、沈殿生成状況を観察した結
果は第3表に示すとおりであつた。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 乳を乳酸菌で発酵させるか有機酸添加により
    酸性化し、得られた凝乳を均質化し、更に任意の
    加工を施して酸性乳飲料(ただし無脂乳固形分が
    8%未満のもの)を製造するに当たり、原料の乳
    として、乳をA型またはC型のリン脂質分解酵素
    で処理したものを用いることを特徴とする酸性乳
    飲料の製造法。
JP7493281A 1981-05-20 1981-05-20 Production of acidic dairy beverage Granted JPS57189637A (en)

Priority Applications (1)

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JP7493281A JPS57189637A (en) 1981-05-20 1981-05-20 Production of acidic dairy beverage

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JP7493281A JPS57189637A (en) 1981-05-20 1981-05-20 Production of acidic dairy beverage

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JPS57189637A JPS57189637A (en) 1982-11-22
JPH0117655B2 true JPH0117655B2 (ja) 1989-03-31

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE60018267T3 (de) * 1999-03-16 2014-02-06 Novozymes A/S Verfahren zur herstellung von käse
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DE102014003230A1 (de) * 2014-03-06 2015-09-10 Molkerei Alois Müller GmbH & Co. KG Verfahren zum Behandeln von Milchprodukten und damit hergestellte Milchprodukte

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5674933A (en) * 1979-11-22 1981-06-20 Fujitsu Ltd Preparation method of semiconductor device

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