JPH0117549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は搬送装置に関するものである。

従来、パネルの製造工程において、表面板の搬
送に第１図の装置が用いられている。図におい
て、１は台車であり、架構に設けられたレール２
に設置されている。台車１に昇降シリンダ３を介
して昇降部材４が垂下され、昇降部材４に吸着パ
ツド５が取付けられている。吸着パツド５はフレ
キシブルチユーブ６を介して真空タンク７に接続
されている。８は真空タンク、Ｍは台盤９上に積
層された材料である。材料Ｍは吸着パツド５で吸
着され、台車１により搬送される。しかし、材料
Ｍがパーテイクルボードや合板などの空気を透し
易いものである場合、吸着パツド５内の真空度が
上昇せず、吸着不能による搬送の支障が生じてい
た。

一方、吊持用きりを被搬送材料にねじ込んで吊
り上げる搬送装置も提案されている。これによる
と、確実な保持が行える。しかし、吊持用きりを
駆動するモータ等を有する材料保持装置を被搬送
材料の上に載せた後に吊持用きりのねじ込みを開
始するものであるため、搬送材料に割れ等を発生
させるという問題点がある。

この考案の目的は、搬送材料が空気を透し易い
ものであつても、確実に保持できて搬送の信頼性
を向上させることができ、かつ材料に割れ等を発
生させることのない搬送装置を提供することであ
る。

この考案の一実施例を第２図ないし第６図に示
す。図において、１０は台車であり、架構に設け
られたレール１１上に設置されている。レール１
１は材料Ｍを積層した材料積層台１２の上方か
ら、搬出コンベヤ１３の上方にわたつて設けられ
ている。材料Ｍはパネルの表面板に用いられるも
のであり、合板あるいはパーテイクルボードから
なる。台車１０にはチエーン１４を介して昇降部
材１５が垂下され、昇降部材１５に４個の材料保
持装置１６が取付けられている。チエーン１４は
台車１０に設けられたスプロケツト１７に掛装さ
れ、チエーン１４を巻上げる巻上用モータ（図示
せず）が台車１０に設置されている。１８はチエ
ーン１４の端部に取付けられたバランス用の垂錘
である。材料保持装置１６は、Ｌ形の取付板１９
と、この取付板１９に下向きに取付けられたねじ
込み用モータ２０と、このモータ２０のチヤツク
２０ａに取付けられた木ねじ状の吊持用きり２１
と、取付板１９に下方へ突設されて昇降部材１５
を貫通した支持棒２２と、この支持棒２２の下端
に設けられた材料検出用の当たり部材２３と、取
付板１９を支持するばね部材２４とからなる。ね
じ込み用モータ２０には１サイクロンモータが用
いられている。

つぎに、この搬送装置の動作を説明する。第２
図の状態から昇降部材１５がチエーン１４により
降され、当たり部材２３が材料Ｍの上面に接する
と、昇降部材１５の下降が停止し、ねじ込みモー
タ２０による吊持用きり２１のねじ込みが開始さ
れる（第６図）。ねじ込みモータ２０の回転数は
予じめ設定されており、所定深さまで吊持用きり
２１のねじ込みが行なわれると、チエーン１４に
より昇降部材１５が巻上げられ、材料Ｍが吊持用
きり２１により持上げられる。昇降部材１５が上
昇端まで移動すると、台車１０が移動し、搬出コ
ンベヤ１３の上方まで材料Ｍが運ばれる。そし
て、ねじ込みモータ２０が設定回転数だけ逆回転
し、吊持用きり２１が材料Ｍから抜出される。そ
のため、材料Ｍはコンベヤ１３上に落され、コン
ベヤ１３で搬出される。この後、台車１０が元の
位置（第２図）に戻り、前述の搬送作業が繰り返
される。このように、吊持用きり２１をねじ込ん
で材料Ｍを持上げるので、材料Ｍが合板やパーテ
イクルボード等のように空気を透し易いものであ
る場合にも確実に保持することができる。そのた
め、材料Ｍを持上げられなかつたり、搬送途中で
落したりすることがなく、搬送の信頼性が向上す
る。また、ねじ込み用モータ２０として、回転数
制御の可能な１サイクロンモータを用いているた
め、ねじ込みすぎによつて材料Ｍに形成された溝
がつぶれたりすることがなく、より一層確実に材
料Ｍの保持が行なえる。さらに、吊持用きり２１
の長さや回転数の変更により、一度に２枚や３枚
等の重ね搬送をすることも可能である。

以上のように、この考案の搬送装置は、吊持用
きりを材料にねじ込んで材料の保持を行なうよう
にしたから、材料が合板やパーテイクルボードの
ような空気を透し易い材質であつても、確実に保
持ができ、搬送の信頼性を向上させることができ
る。また、材料保持装置を設置した昇降部材に、
下降端が吊持用きりよりも下方に位置する当たり
部材を昇降部材に設け、ばね部材で下降付勢して
いるため、被搬送材料の上方で昇降部材を下降さ
せたときに、吊持用きりよりも先に当たり部材が
被搬送材料に当たり、吊持用きりによるねじ込み
を開始する高さまで昇降部材が下降したことが検
出される。すなわち、当たり部材の動きを検出し
て所定高さに下降したことが検出され、自動的に
吊持用きりの駆動開始が行える。この場合に、当
たり部材は昇降可能であるため、吊持用きりのね
じ込みを妨げず、また被搬送材料に割れ等の大き
な傷を発生させることがないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の正面図、第２図はこの考案の
一実施例の正面図、第３図はその部分拡大斜視
図、第４図は同じくその部分拡大側面図、第５図
は同じくその動作説明図、第６図は同じくその吊
持用きりのねじ込み状態を示す断面図である。 １０……台車、１１……レール、１４……チエ
ーン、１５……昇降部材、１６……材料保持装
置、１９……取付板、２０……ねじ込みモータ、
２１……吊持用きり、２３……当たり部材、Ｍ…
…材料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車と、この台車に昇降可能に垂下された昇降
   部材と、被搬送材料にねじ込む木ねじ状の吊持用
   きりおよびそのねじ込みモータからなり前記昇降
   部材に取付けられた材料保持装置と、前記昇降部
   材に昇降可能に設けられてばね部材により下降付
   勢され下降端が前記吊持用きりよりも下方に位置
   する被搬送材料検出用の当たり部材とを備えた搬
   送装置。