JPH01169725A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、高密度記録に適した円盤状磁気記録媒体の製
造方法に関する。

〔従来の技術〕

近年、コンピューターの大容量記録装置としてのフレキ
シブルディスクやスチルビデオカメラ用の磁気シート等
のように、可撓性円盤状磁気記録媒体が盛んに使用され
ている。

しかしながら、この種の磁気記録媒体を使用する場合は
、磁気ヘッドが円周に沿って、摺動し、記録の読み出し
および書き込みが行われるのに対して、通常製造される
磁気記録媒体においては磁性層を形成する磁性粉が円周
状に配向されていないため、角型比が悪くなり、磁気テ
ープのように磁性粉を配向したものに比べて残留磁化が
小さいという問題があった。従って、この円盤状磁気記
録媒体において、充分な出力を得るためにトラック幅を
広くする効果があり、高密度の妨げになっている。

また、磁性粉として通常テープに用いられるような軸比
の大きい針状のものを使用した場合には、塗布、乾燥工
程で配向装置を使用しなくても非磁性支持体シートの塗
布方向（例えば長さ方向）に機械配向を受けるため、こ
れを円盤状に打ち抜いたものに円周状に一定振幅の信号
を記録しても、残留磁化が長さ方向の方が大きいため、
工ンベローブ波形が一定にならず、周期的に出力が変動
するという問題もあった。

［発明が解決しようとする問題点］ そのため、現在支配されているフロッピーディスクある
いはビデオフロッピーにおいては、塗布工程で機械配向
を弱める工夫をしたり、あるいは軸比の小さい磁性粉を
用いてエンベロープができるだけ平らになるようにして
いる。しかし、このような方法は、針状磁性粉が有する
本来の特徴を抑制することになる。この点を、メタルテ
ープと比較して明らかにする。

メタルテープのメタル磁性粉の軸比は５〜１１程度の中
から選択できるが、通常７〜９あたりのものが用いられ
る。このような長針状の磁性粉を用いたテープの角型比
は、無配向の場合で０．５５前後のものが機械配向が加
わることにより、０．６〜０．６５程度になる。さらに
特公昭３４−２５３６号に開示されているように、固化
前の磁性塗料被覆シートが同磁極を対向させた二本の板
磁石の間を通過するような装置を用いて磁場配向を付与
すれば、角型比は０．８〜０．８５程度まで上がる。−
数的に形状異方性の大きい、すなわち、軸比の大きい磁
性粉程機械配向がかかりやすく、また配向の結果大きい
角型比が得られる。一方、配向を抑制されたメタルビデ
オフロッピーの円周方向の角型比は０．６〜０．６５程
度でテープと比較すると、出力は３ｄＢ程低下する。

このような塗布前の機械配向を除去し、円周（同心円）
状に配向するために、従来多くの方法が提案されている
。例えば、外部から付与する磁場により円周状に配向す
る方法について、特公昭４０−２３６２６号公報に開示
されている。この方法は、磁性塗料が固化しない状態に
おいて、回転式磁極面の回転軸線な原反と相対的に静止
の状態に保ちながら、磁極面を接近させ、磁性粉を同心
円状に配向した後離隔させるものである。同方法の実施
例では、原反の一方の側から回転磁場を付与しているが
、テープの場合について、特公昭３４−２５３６号公報
に示されているように、ディスクの場合も対向して同磁
極を有する回転式１ｉｆ１極面を原反を挟んだ反対側に
も設置する方が良い。そのような装置の概念図が特開昭
５３−６２５０５号公報に示されている。

それら回転磁場による配向法において、磁場配向力は、
基本的に円周上のどの位置でも同じである。他方、先に
も述べたように、機械配向力は原反走行方向が強いので
、磁場配向を加えた後も原反走行方向と平行な方向の配
向性と原反面内の走行方向と直交する方向における配向
性との差が残存する。これにより、従来の配向法による
円盤状磁気記録媒体における円周方向の任意の位置での
角型比は０．７５〜０．８であり、磁気テープ等の場合
における長手方向の配向によって、得られる角型比（０
，８〜０．８５）に比べて小さく、充分に配向されてい
ない。これは、機械配向によって、長手方向に並んでい
る強磁性粒子を円周方向に配向するためには、強磁性粒
子を薄帯幅方向に最大９０’回転させなくてならず、非
常に困難なためである。本発明は、機械配向の影響がな
く円周方向に配向度が一定であり、しかも磁気テープに
おける長手方向配向と同等の高い配向度を有する円盤状
磁気記録媒体を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的は、走行する幅広の薄体状非磁性支持体上に
磁性粉を含む磁性塗料を塗布し、その乾燥処理を経て磁
性層を形成した後、円盤状に打ち抜いてなる磁気記録媒
体を製造する方法において、磁性塗料を塗布済みかつ乾
燥固化前の該薄帯を、交互にＳ極、Ｎ極が並んでいるラ
ンダム配向用部材の近辺を通過させて、磁性塗料中の磁
性粒子を無配向化した後、円周状に磁気配向する工程を
含むことを特徴とする円盤状磁気記録媒体の製造方法に
より達成できる。

本発明は、磁性塗料が未固化の状態で配向の無秩序化を
行ない、機械配向を除去した後に、円周状配向磁場を印
加することにより、機械配向の影響のない、トラック上
の任意の位置での配向度が等しい円盤状磁気記録媒体を
製造するものであリ、これにより配向度も、長平方向に
磁場配向した磁気テープと同程度まで高まるのである。

特に磁気無配向化を行なう上記部材は、簡便に設置でき
、速いラインスピードに対応できる。

本発明において、磁性塗料の無配向化工程は重要であり
、そのために用いられる装置の一例を第１図及び第２図
にそれぞれ示す。第１図の装置は、支持ロールｌａ、ｌ
ｂとランダム配向器２ａ、２ｂとを備える。支持ロール
ｌａ、ｌｂによって、磁性塗料の塗布された未乾燥状態
のベースフィルム４は支持ロール１ａ、１ｂの回転方向
、すなわち図面の右から左へ走行している。

ランダム配向器２ａ、２ｂは、ロール表面上にＳ極、Ｎ
極が交互に並ぶように微小磁石が配されたものである。

このロールはベースフィルムの走行方向に回転する。ま
た、ランダム配向器２ａ。

２ｂの上下ロールは互いに同期しており、常に上下同磁
極が対向する。

第２図はランダム配向用磁石をベルト上に配したタイプ
のランダム配向器３ａ、３ｂである。

第３図は、ランダム配向器の一例の表面展開図であり、
微小磁石の配列と磁場のパターンを示している。

ランダム配向用磁石の磁場強度は２０〜２０００エルス
テツドであるのが好ましく、より好ましくは使用する磁
性粉の保磁力の１０〜１００％の範囲に限定するのがよ
い。ロールまたはベルトの速度は任意に選べるが、ベー
スフルムの速度より多少速くしたほうが、高結果が得ら
れる。また、ランダム配向用磁石は、ベースフルムの上
下に設置した場合の効果が最も大きいが、上、下どちら
か一方の設置でもかなりの効果が得られる。

第４図は、本発明に用いられる磁場配向装置の一例を示
す側面図である。搬送ロール１ａ、１ｂは、ベースフィ
ルム上に磁性塗料が塗布され未固化の状態の原反４を、
矢印１３の方向に一定速度で移動させることができる。

円周状配向磁石５ａ、５ｂ、５Ｃ・・・を保持する回転
ドラム１１は、回転軸７を中心として矢印８の方向に、
原反走行速度に同期する一定周速で回転する。

原反４を挟んで対称に、円周状配向磁石６ａ、６ｂ、６
Ｃ・・・を保持する回転ドラム１２が設けられており、
これも、回転軸９を中心として矢印１０の方向に回転ド
ラム１１と同じ周速で回転する。回転ドラム１１．１２
前方にはランダム配向用磁石２ａ、２ｂが設けられてい
る。

この装置を作動させると、原反４は搬送ローラｌａ、ｌ
ｂにより送られてランダム配向用磁石２ａ、２ｂの間で
無配向化される。続いて、回転ドラム１１．１２間を通
過した原反４は対向する円周状配向磁石５．６により円
周状に配向される。

第４図・の例では、円周状配向磁石は回転ドラム上に保
持し回転させていたが、第５図に示すようにベルトコン
ベアあるいはキャタピラ状の配向磁石保持走行装置１４
．１５に保持搬送してもよい。この場合は円周状配向磁
石５．６が原反４と相体的に停止の状態をより長い時間
保持することができる。

なお、円周状配向磁石５．６は、永久磁石、電磁石いず
れも用いることができる。また、これら円周状配向磁石
は、回転磁極を用いる方式、固定磁極を用いる方式いず
れも利用できる。ただし、同様の目的を達成するもの、
即ち円周状の磁界を形成できるようなものであれば、こ
れらに限定されるわけではない。また、第４図および第
５図の例では原反の両側から同磁極の円周状配向磁場を
付与したが、片側のみからの付与であっても、本発明の
配向の効果は得られる。

本発明において１円周配向の磁界は、通常１０００〜５
０００　０ｅ程度とすればよい。

［実施例］ 針状のメタル磁性粉（Ｆｅ−Ｎｉ合金、長径○　２５μ
、軸比１０、Ｈｃｌ　４５００ｅ　）　１００重量部を
、２５部のバインダー（塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体とポリウレタンエラストマーとの
６：４混合物）、レシチン（分散剤）１重量部、α−ア
ルミナ（研磨剤、粒径０．４μｍ）１０重量部および２
４０重量部の溶剤（メチルエチルケトンとトルエンとの
１＝１混合物）とともに、分散混合してなる磁性塗料を
乾燥厚さ３μｍとなるように、ＰＥＴ製ベース上に塗布
した。

次に、第５図の装置を用いて前述のように配向処理した
後に打ち抜いて円盤状磁気記録媒体を得た（直径４７ｍ
ｍ）。

なお、ランダム配向用磁石は、薄帯に第３図のような軸
を形成せしめ、該薄帯をロールに巻き付けたもの（第１
図）、該薄帯をベルトコンベア状に走行させたもの（第
２図）を用いた（どちらでも同様な結果であった。）。

各々の磁区の磁界強度は、７０００ｅに、また、円周状
配向磁石は３０００　０ｅに設定した。

比較例１ 磁場による配向を全く行わない以外は、実施例１と同様
に、円盤状磁気記録媒体を作製した。

比較例２ 無配向化を行わない以外は、実施例１と同様に、円盤状
磁気記録媒体を作製した。

比較例３ 円周配向を行わない以外は、実施例１と同様に、円盤状
磁気記録媒体を作製した。

実施例２ ランダム用配向磁石を１００００ｅに代えた以外は実施
例１と同様にして磁気記録媒体を作製した。

（評価） 実施例、比較例の角型比、残留磁化等の特性を調べた。

結果を第１表に示す。

この表から明らかに本発明の効果が確認できる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の製造法によれば、機械配
向の影響がほとんどなく円周方向に配向度が一定であり
、磁気テープにおける長手方向配向と同等の高い配向度
を有し、かつ角形比も高い円盤状磁気記録媒体が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれランダム配向を実施するため
の装置の一例の模式図、第３図は、ランダム配向器の一
例の表面展開図、第４図、第５図は、それぞれ本発明に
用いる配向装置の一例を示す模式側面図である。 ｌａ、ｌｂ：搬送ローラー ２ａ、２ｂ、３ａ、３ｂ：ランダム配向器５ａ１５ｂ１
５Ｃ・・、６ａ、６ｂ、６ｃｍ・・：円周状配向磁石 ７．９：回転軸 ８．１０：回転方向 １１．１２：回転ドラム １３：原反走行方向 １４．１５：ベルトコンベアあるいはキャタピラ状の配
向磁石保持装置 特許出願人　　キャノン株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）走行する幅広の薄体状非磁性支持体上に磁性粉を含
   む磁性塗料を塗布し、その乾燥処理を経て磁性層を形成
   した後、円盤状に打ち抜いてなる磁気記録媒体を製造す
   る方法において、磁性塗料を塗布済みかつ乾燥固化前の
   該薄帯を、交互にＳ極、Ｎ極が並んでいるランダム配向
   用部材の近辺を通過させて、磁性塗料中の磁性粒子を無
   配向化した後、円周状に磁気配向する工程を含むことを
   特徴とする円盤状磁気記録媒体の製造方法。