JPH01159490A

JPH01159490A - 圧縮機用摺動部材

Info

Publication number: JPH01159490A
Application number: JP31739087A
Authority: JP
Inventors: Yoshikatsu Nakamura; 中村　義勝; Motonobu Onoda; 元伸小野田
Original assignee: Nippon Piston Ring Co Ltd
Current assignee: Nippon Piston Ring Co Ltd
Priority date: 1987-12-17
Filing date: 1987-12-17
Publication date: 1989-06-22
Anticipated expiration: 2011-07-10
Also published as: JP2514055B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、例えばロータリーコンプレッサー、ポンプ等
に用いられる耐摩耗、耐食性を有する圧縮機用摺動部材
に関する。

〔従来の技術〕

ロータリーコンプレッサー、ポンプ等に使用される圧縮
機用摺動部材例えばベーン、ローラ等は、高度な耐摩耗
性が要求ざれる。それゆえに、圧縮機用摺動部材に耐摩
耗性を付与することを目的として、その因動面に硬質ク
ロムめっき皮膜を形成させることが従来から多用されて
いる。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、近年、圧縮機、特ロータリーコンプレッ
サーに於いてはインバータ一方式の採用により、使用条
件もますます過酷なものとなってきており、高負荷とな
るため従来の硬質クロムめっき皮膜を有する圧縮機用１
習動部材では耐摩耗性や耐食性が充分でない状況におる
。

［問題点を解決するための手段］本発明は、少なくとも一つの｝習動面に形成ざれる硬質
クロムめっき皮膜中に炭素が１〜１０重量％含有され、
該皮膜硬さがｔｌｖｌ，１００　〜Ｈｖｌ，６００　テ
なるもので、また該皮膜中に炭化クロムが析出している
ことを特徴とする圧縮機用摺動部材を提供することで上
記の問題点を解決するものである。

［作用］本発明の硬質クロムめっきは、クロム酸、硫酸、ギ酸よ
りなるめっき浴組成のめつき浴中で電気めっき法によっ
て得ることができる。

本発明硬質クロムめっきは、被膜を形成した後、熱処理
を施して得られるものであり、被膜は結晶が微細化する
。

本発明は従来の硬質クロムめっき被膜の硬さＨＶ８００
〜ＨＶ９００　ニ対しＪ！ｇカＨＶＩ、１００〜ＨＶＩ
、６００と硬く、又被膜中に炭化クロムが析出している
ため、表面処理層のクロム結晶の微細化と高硬度化との
相乗効果により耐摩耗性、耐食性を同時に満足する効果
を有する。

［実施例］以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する？第１図は、圧縮機用摺動部材の一例であるベーン（１）
のベーン母材（２）の外周面に本発明の硬質クロムめっ
き皮膜（３）を形成したものを示す。ベーン母材（２）
は、通常の焼結合金、鋳鉄が使用される。

本発明の硬質クロムめっき皮膜は、めっき液が、クロム
Ｍ５０〜２００ｇ／ｉ、硫酸２〜１０ｇ／ｊ！にギ酸（
濃度８５％）を２〜５０ｄ／ｊ！の範囲で添加したもの
を使い、浴温２０〜６０℃、電流密度２０〜ＢＯＡ／ｄ
ｍ２でめっきを行い皮膜を形成した後、熱処理を施して
得られるものである。前記ギ酸（ＨＣＯＯＨ）は、通常
めっぎで言うところの光沢剤の役割をしているため、結
晶が緻密になりＸ線的に非晶質になる。

従って、クロムめっきに対して光沢剤となるものであれ
ば、酢ｆｆ　（ＣＨ３ＣＯＯＩ＋＞　、ホルムアルデヒ
ド（ＨＣＨＯ）やアセトアルデヒド（ＣＨ３ＣＨＯ）で
も良い。

１ａ＃ｘ　１２ａ＋＋Ｘ６　ｇの鋼製平板の片面をラッ
ピングし１μ以下の表面粗さに仕上げ、試料素材とした
。この試料の表面粗さが１μ以下の面以外の面をシール
して、めっき液がクロムｌ　：　１００　ｇ／　ｉ。

Ｌ、　３０４：　　５ｇ／ｉ、ギ酸（’ＨＣＯＯＨ）：
２０ｍ／　ｆの浴で、浴温：３０℃、電流密度：　４０
Ａ／ｄｍ２テめっきし、非晶質の硬質クロムめっき皮膜
を形成した後、温度４００℃で１時間熱処理を施した。

この時の皮膜厚さは５０μで硬さはＨＶＩ　、　３００
であった。

（試料Ｎα１・・本発明）前記試料Ｎα１の熱処理条件を温度６００℃で１時間熱
処理を施した。この時の皮膜の厚さは５０μで硬さはＨ
ｖｌ　、　５３０であった。（試料Ｎα２・・本発明）
前記試料Ｎα１の熱処理条件を温度７００℃で１時間熱
処理を施した。この時の皮膜の厚さは５０μで、硬さは
ｔｌｖ１，６００であった。また皮膜中にはＸ線回折に
よると炭化クロムが析出していた。これは、めっき皮膜
中にとり込まれたギ酸が熱処理により炭化クロムを生成
し、硬さを増大させている。

（試料Ｎｏ、　３・・本発明）従来の硬質クロムめっきとしては、クロムめっき浴とし
て従来量も一般的に行われている方法は所謂サージェン
ト浴であって、めっき液がクロム酸：２５０　ｇ／１１
．　　Ｈ２ＳＯ４：２．５　ｇ／Ｊｌで、浴温：６０℃
、電流密［：６０＾／ｄｍ２でめっきを行った。この時
の皮膜の厚さは５０μで硬さはＨｖ８８０であった。

（試料Ｎｏ、　４・・従来例）硬質クロムめっき皮膜中に含有される炭素については、
前記めっき浴中に添加されるギ酸に起因するもので、１
重量％未満では所望の硬さが得られず、１０重量％超で
はめつき皮膜中の内部応力が高くなることによりもろく
なり、また密着性が悪くなるため、１〜１０重量％の範
囲に限定される。

上記試料Ｎｏ、　１〜４についてそれぞれ、耐摩耗性試
験と耐食性試験を行った。

（耐摩耗性試験）上記試料Ｎｏ、　１〜４を回転式摩耗試験機を用い、試
料Ｎα１〜４をそれぞれ固定片とし、相手部材は、円板
状試料（外径１３９ｍ、内径１０５ｍ、厚ざ７＃。

材質：　Ｆｅ１２．硬さ：ＨＲＢ９８）とし、固定片に
形成されためっき皮膜が円板状試料の上面にそれぞれ、
圧接し、その圧接面に対し潤滑油を供給しながら円板状
試料を回転させて摺動させて運転後、固定片の摩耗量を
測定した。

試験条件は次の通りである。

摩擦速度：１．１ｍ、／秒走行距離：３０ＫＩｎ潤滑油　：ＳＡＥ＃３０モータオイル潤滑油最：１００ｄ／分油温　　：６０℃ 荷重　　二８０Ｋｇ試験結果を第２図に示す。

図から明らかな如く、本発明の試料Ｎα１〜３は、従来
例の試料Ｎα４より優れた耐摩耗性を示した。

なお、従来の硬質クロムめっき皮膜を前述の条件で熱処
理すると硬さが低下したため、試験には使用しなかった
。これは、皮膜中の吸蔵水素が放出するためと考えられ
る。

（耐食性試験）前記試料Ｎα１〜４を用いて、各試料のめつき皮膜以・
外の面を四弗化エチレン樹脂製テープによりシールし、
■塩酸（ＨＣＩ）の液中、■硫酸（Ｈ２ＳＯ４）の液中
にそれぞれ浸漬した後、シールをはがしそれぞれの液中
に於ける腐蝕減量を測定した。

試験条件は次の通りである。

塩酸、硫酸のそれぞれの濃度＝２．５％塩酸、硫酸のそ
れぞれの液温ニア０℃ 塩酸、硫酸のそれぞれの液ｉ　：　ｉ、ｏｏｏ　＊浸漬
時間＝２５分試験結果を第３図に示す。

図から明らかな如く、本発明の試料Ｎα１〜３は、従来
例の試料Ｎα４より優れた耐食性を示した。これは、従
来の硬質クロムめっき皮膜中のクロムの結晶間での腐食
が発生し、更に腐食が進行するためと考えられる。なお
、図中臼ヌキの棒グラフは、塩酸（ＨＣＩ）を、また斜
線の棒グラフは、硫酸（Ｈ２ＳＯ４）を使用した場合の
試験結果を示すものでおる。

本発明の圧縮機用１習動部材において、硬質クロムめっ
き皮膜の硬さは、ＩＩＶＩ、１００〜ｔｌＶ１，６００
　ｒアリ、従来の硬質クロムめっき皮膜では得られない
ものである。また、皮膜厚さについては、圧縮機用摺動
部材として種々あるが５〜２００μ程度あれば充分であ
る。

［発明の効果］上記の通り、本発明圧縮機用摺動部材は少なくとも一つ
の］習動面に形成される硬質クロムめっき被膜中に炭素
が１〜１０重ω％含有され、該被膜硬ｇカＨＶＩ、１０
０〜ＨＶＩ、６００　ｒなるもので、また該被膜中に炭
化クロムが析出している硬質クロムめっき被膜が形成さ
れている。従って表面処理層のクロム結晶の微細化と高
硬度化との相乗効果により耐摩耗性、耐食性を同時に満
足することができる。

従って、苛酷な運転条件下で使用される圧縮機用の摺動
部材として特にその効果が顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の圧縮機用摺動部材の一例であるベーン
の斜視図、第２図は耐摩耗性試験結果を示すグラフ図、
第３図は耐食性試験結果を示すグラフ図、である。図中の符号１・・ベーン２・・ベーン母材３・・本発明の硬質クロムめっき皮膜

Claims

【特許請求の範囲】

（１）少なくとも一つの摺動面に形成される硬質クロム
めっき皮膜中に炭素が１〜１０重量％含有され、該皮膜
硬さがＨｖ１，１００〜Ｈｖ１，６００でなることを特
徴とする圧縮機用摺動部材。
（２）前記硬質クロムめっき皮膜中に炭化クロムが析出
していることを特徴とする前記特許請求の範囲第１項記
載の圧縮機用摺動部材。